めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(11月1週)―海側遮水壁の効果が見られず―

 福島第一原発汚染水の11月1週(10月26日から11月1日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、過去最高濃度(新記録)の放射性物質が見つかっています。
 ①外洋からは相変わらずトリチウム等の放射性物質
 ②港湾内海水から去年より高い全ベータ、海側遮水壁の効果が見られず。
 ③地下水バイパス井戸や山側井戸からは高濃度の放射性物質
 ④海岸付近の井戸から過去最高濃度(新記録)の放射性物質
 ⑤サブドレンからとトリチウム放出量は50億ベクレル突破

1.外洋からは相変わらずトリチウム等の放射性物質
 原発事故から4年8ヶ月を超えましたが、外洋からは相変わらずトリチウム等の放射性物質が見つかっています。
原発事故から4年8か月たっても放射性物質が見つかる福島第一沖外洋
  ※1 (4)(5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 図―1 福島第一原発近傍外洋の放射性物質濃度

以下に5,6号機放水口北側の放射性物質濃度を示します。
4年8ヶ月経っても放射性物質濃度が下がらない福島第一5,6号機放水口北側
※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

 あいかわらずトリチウム等の放射性物質が見つかっています。東電は色々と対策を講じているようですが(7)、効果が見えません。

2.港湾内海水から去年より高い全ベータ、海側遮水壁の効果が見られず
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
4年8ヶ月経っても高濃度の放射性物質が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (5)(8)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値  
  ※4  ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は9月末
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 東京電力は福島第1原発の港湾内に壁を造り、汚染地下水の海への流出を防ぐ「海側遮水壁」の工事を10月26日に完成させました(9)。これについてNHKはこれで福島第一原発から海洋への放射性物質流出がとまるような放送をしていました(10)。効果があれば汚染水の流れが悪くなり、全体の汚染水濃度が下がっていいはずです。以下に港湾口の2014年と15年9,10月の全ベータ濃度を示します。
去年は見つからなかった全ベータが今年は見つかる港湾口
※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―4 港湾口の全ベータ濃度

 港湾口は港湾と外洋の境界に当たる場所です。ここでの放射性物質濃度が低減されなれば外洋への流出が防止できたことになりません。図―4に示す通り、海側遮水壁ができる前の2014年は全ベータは見つかっていません。でも海側遮水壁が完成した10月26日以降を見ると28日、29日と連続して全ベータが見つかっています。去年より海側遮水壁が完成した今年の方が全ベータ濃度が高くなっています。現時点では海側遮水壁の効果は見えません。
 海側遮水壁にはもう一つ心配な事があります。汚染地下水の海の流れを止めるので、海側遮水壁の内側に流れ込んだ汚染地下水が滞留します。以下に海側遮水壁の内側の汚染水の水位を示します。
海側遮水壁の工事完成で上昇する海側遮水壁内側の汚染水水位
 ※1(11)を抜粋・加筆
 ※2 色違いは観測点(複数あり)の違い
 図―5 海側遮水壁内側の汚染水水位

 海側遮水壁の完成前からどんどん上昇しています。このままでは溢れてしまうので汲み上げてやる必要がかります。東京電力は汲み上げた汚染海水を浄化装置に通したあとで「海」に流す計画を立てています(12)。これを地下水ドレンと呼んでいるのですが(12)、汲み上げた汚染水のトリチウムの排出基準は1リットル当たり1500ベクレルとしています(2)。以下に海側遮水壁2地点のトリチウム濃度を示します。
上昇し排出基準を超えた海側遮水壁内側のトリチウム濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―6 海側遮水壁2地点のトリチウム濃度

 2013年6月ころからどんどん上昇し、このところ排出基準の倍の1リットル当たり3000ベクレル前後で推移しています。東電はトリチウムは浄化できないと明言しているので(12)、まともに汲み上げれば基準値を超えます。結局は汲み上げることができず溢れさすような気がします。これでは何の効果もありません。


3.地下水バイパス井戸や山側井戸からは高濃度の放射性物質
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(13)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(14)(15)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(15)。以下に放射性物質濃度を示します。
事故から4年8ヶ月経っても高濃度の放射性物質が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (14)(15)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―7 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

 この中で最も気になっているのが地下水バイパスNo10井戸のトリチウム濃度です。
排水基準を超えたままの地下水バイパスNo10井戸のトリチウム
 ※(15)にて作成
 図―8 地下水バイパスNo10井戸のトリチウム濃度

 2013年7月位から上昇傾向に転じ、現状では概ね排出基準を超える1リットル当たり1500ベクレルを超えています。それでも東京電力はこの井戸から基準超の汚染地下水を汲み上げても、他の井戸から汲み上げた地下水で薄めれば基準値以下として、No12井戸から汚染地下水を汲み上げ海に流し続けています(16)。
 

4.海岸付近の井戸から過去最高濃度(新記録)の放射性物質 
 東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下にそこでの放射性物質濃度を示します。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一タービン建屋前の海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4 ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は9月末から10月初め
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 このうち以降は1リットル当たりでNo1井戸の全ベータ9,300ベクレル、ストロンチウム7,400ベクレル、No3-3の全ベータ9,100ベクレルが過去最高(新記録)で、No3-4のトリチウム2,200ベクレルが先週と同じで過去タイ記録です。以下にNo3-3井戸の全ベータ濃度を示します。
9月になり急上昇し過去最高を記録したN3-3井戸の全ベータ
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―8 No3-4井戸の全ベータ濃度

 9月以降に急上昇です。9月と言えばサブドレンの運用が始まり(18)、海側遮水壁を閉じる作業が始まりまいした(19)。これで福島第一原発の汚染水はこれまで以上に漏れやすくなった気がします。

5.サブドレンからとトリチウム放出量は50億ベクレル突破
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(12)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(17)ほぼ2ヶ月が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(19)(20)、濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
稼働2ヶ月で50億ベクレルを超えたサブドレンのトリチウム累積排出量
 ※(19)(20)(21)を集計
 図―9 サブドレンの累積排出量

 累積で50億ベクレルを超えました。10月中の排出量は約34億ベクレルなので1日1億ベクレルを超えるトリチウムがサブドレンによって福島の海に流されています。
 そしてもう一つ気になることがあります。以下にサブドレイン放流水のトリチウム濃度を示します。
他より低く出る東電のサブドレン水トリチウム測定結果
 ※1(19)を集計
 ※2 10月10日放出分まで
 図ー10 サブドレンのトリチウムの測定結果

濃度は東京電力と他の機関(東電は第三者機関と呼ぶ)で二重に測定されています。東電の測定が低く出ています。これについて東京電力は
「※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月21日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、10月31日午前10時10分に海洋への排水を開始。」(21)
とコメントして低く出る事を無視しています。t検定と呼ばれる方法(22)でこのような事が偶然に起こる確率を計算すると約200億分の1なので、統計的な差があります。それを東電は無視しています。(=^・^=)は東電に不信感をもっています。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 この9月、10月でサブドレン、海側遮水壁そして地下水ドレンと新しい汚染水対策が始まりました(23)。これらの汚染水対策は効果があろうが無かろうが効果があったと喧伝されるようです(10)(23)。これでは福島の方は不安だと思います。まして福島では
 ①県北地域を中心にで葬式(死者数)が増える(24)
 ②全村が避難した葛尾村では女の子しか生まれない(25)
等の現象が起きています。それでも福島県は福島産は安全であり、福島産を避ける行為は「風評被害」と主張しています(26)。でも福島県民の受け止めは違うようです。でも福島県民の受け止めは違うようです。
 福島県郡山市の新米の全袋検査数は90万件を超え、福島県随一です(27)。福島県は福島産米のテレビCMも流しています(28)。福島は実りの秋、そして新米のシーズンです(29)。福島県郡山市のお米は「あさか舞」といいて安全でおいしいと郡山市は主張しています(30)、でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(31)を引用
 図―11 福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(10月4週)―外洋からは相変わらずストロンチウム90等の放射性物質―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を8月30日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(7)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(8)(3)中の「1~4号機タービン建屋東側および港湾のモニタリング」
(9)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)PDF
(10)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―海側遮水壁で汚染流出問題は解決?―
(11)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年10月29日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第23回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(5.10MB)」
(12)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(14)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(15)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(16)2015年10月28日地下水バイパス揚水井のくみ上げにおける一時貯留タンクに対する評価結果について(PDF 78.4KB)
(17)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(18)2015年9月9日海側遮水壁閉合作業について(PDF 519KB)
(19)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(20)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(21)2015年11月1日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(22)t検定 - Wikipedia
(23)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月5週)―下請けんさがケガ、16件目(2015年)―
(24)めげ猫「タマ」の日記 福島県県北地域の死者数は9%増、会津は0(対2010年3-9月)
(25)めげ猫「タマ」の日記 女の子しか生まれない全村避難の福島県葛尾村
(26)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(27)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を11月1日に閲覧
(28)TVCM(ふくしまプライド。「お米 15秒」篇) | ふくしま 新発売
(29)今話題の“おにぎらず”にも最適!ふくしまのお米! | ふくしま 新発売。
(30)郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市
(31)2015年11月1日(日)〜11月4日(水)までの鎌倉屋折込チラシ

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  1. 2015/11/01(日) 17:47:52|
  2. -
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  4. | コメント:0
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