めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(11月1週)―汚染水漏れ2件―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、11月1週(11月1日から7日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.ALPS(多核種除去設備)から汚染水漏れ
  福島第一原発では原子炉やタービン建屋に地下水が流れ込みデブリに触れ汚染水に化けています。このままでは溢れてしまうので、これを汲みあげ汚染水タンクに保管しています(2)。以下に汚染水の処理の流れを示します。
福島第一汚染水処理の流れ
 ※(2)(3)(4)にて作成
 図―1 福島第一原発の汚染水処理の流れ

 最終段の装置にALPS(多核種除去設備)があります。ALPSは、ただのALPS,増設ALPS,高性能ALPSの3種類あります。このうちただのALPSは停止しているので(5)、二系統のALPSが稼働中でした。
 11月2日午前11時21分頃、高性能ALPSのベント配管(空気抜き配管)より、汚染水水が漏れていることを東電社員様が見つけました。漏れた汚染水は約5m×約10mの範囲に広がったとのことです。なお、高性能ALPSを止めて汚染水漏れが収まったとのことなので(5)(6)、3系統のアルプスのうち2系統は止まった事になります。
漏れた汚染水からは1リットル当たりで
 セシウム134 1000ベクレル
 セシウム137 4300ベクレル
 全ベータ    23万ベクレル
の放射性物質が見つかったそうです。
 以下に汚染水が漏れた場所を示します。
上部から汚染水漏れを起こしたALPS
 ※(6)をキャプチャー
 図―2 汚染水漏れ箇所

 漏れたのは装置の上端部の配管からので、汚染水が噴出したとの表現が正確かもしれません。

2.移送途中の汚染水も漏れる
 11月5日午前0時9分頃、福島第一2号機タービン建屋の中にある汚染水移送設備の漏えい検知器が動作したので、タービン建屋から汚染水汲み上げを止めました。
 漏れた汚染水は2m×5m×2cm(深さ)と約5m×5m×1mmに広がったそうです(7)(8)(9)。
 場所によって違いますが漏れた汚染水からは1リットル当たりで
  セシウム134 220万から400万ベクレル
  セシウム137 950万から1800万ベクレル
  全ベータ   3200万から5100万ベクレル
の放射性物質が見つかりました(8)(9)。以下に汚染水漏れの様子を示します。
床に零れ落ちた汚染水配管から漏れた汚染水
 ※(10)を引用
 図―3 配管から漏れて床に落ちた汚染水

 東電の発表(7)(8)(9)(11)を見る限り、漏れている場所や原因について記載がないので、何処から漏れたのかは分かっていないようです。当然ながら修理もできなので、タービン建屋からの汚染水汲み上げは停止しているようです。汚染水漏れが見つかった10月5日以降は図―1に示す1段目の汚染水の処理装置のSARRYは止まっています(12)(13)。


3.海側遮水壁内側は溢れそう
 海側遮水壁は福島第一の海岸の傍に、海水を通さない壁を作り海に流れ込んだ汚染地下水をブロックして海に広がらないようにするものです(14)。
海側遮水壁と地下水ドレン
 ※(14)にて作成
 図―4 海側遮水壁の概要

 海側遮水壁は10月26日に完成し(15)、ほっておくと溜まって溢れ出すので汲み上げて海に流す必要があります。今は消えてしまいましたが福島からの報道によるとその量は毎日400トンです(16)。東京電力は汲み上げるシステムも含め「地下水ドレン」と命名しています(14)。
 福島のローカルTV局のFCTが10月6日の海側遮水壁の内側の様子を配信していました。
海側遮水壁内側に溜まった汚染水
 ※(17)をキャプチャー
 図―5 11月6日の海側遮水壁の様子

 海側遮水壁の内側の水位が海面に比べだいぶ高くなり、もうすぐ溢れそうです。
 地図で見ると(18)、海側遮水壁対岸の標高は2.7m程度ですが、先の震災で約70cmの地盤沈下があったそうですので(19)、現在は2m程度です。海側遮水壁内側の汚染水水位が2mを超える前に汲み上げてやらないと、汚染海水が陸側に溢れ出しそのまま福島の海に流れ海を汚染します。
 以下に海側遮水壁内側の汚染水水位を示します。
上昇を続けあと3,4日で海抜2mを超えそうな海側遮水壁内側の汚染水水位
 ※1(20)を抜粋・加筆
 ※2色違いは測定場所(複数)の違いによる。
 図―6 海側遮水壁内側の汚染水水位

 図に示す様にどんどん上昇しています。10月28日で海抜1.4m、1週間後の11月4日で1.8mですので、毎週0.4mの上昇です。2mまで0.2mしかないので11月7日には2mを超え溢れ出しそうです。
 この問題について福島ローカルTV局のFCTが国や東京電力は汚染水を汲みあげ浄化した後に海への放出を検討しているが、漁業者の理解がえらるかが課題と報じていました。
漁業者から理解が得られるかが課題と報じるFCT
 ※(17)をキャプチャー
 図―7 地下水ドレン水の放出は漁業者の理解が得られるかが課題と報じるFCT

 でも不思議です。8月25日に東京電力は地下水ドレンについても、漁業者にサブドレンと合わせ回答し(21)、漁業者の了解を得ているはずです(22)。いまさら「漁業者の理解がえらるかが課題」とゆうのが理解できません。可能性を考えるなら想定外の事態が発生し、8月25日の回答を東電が遵守できなくったことです。以下に海側遮水壁内側2地点のトリチウム濃度を示します。
海側遮水壁最終工事開始後に上昇した内側のトリチウム濃度
 ※(23)を集計
 図―8 海側遮水壁内側2地点のトリチウム濃度

 海側遮水壁の工事は9月10日から最終の工事が始まりました(24)。それ以前は概ね1リットル当たり1000ベクレル以下でしたが、工事が進むにつれ上昇し3000ベクレル程度になっています。サブドレンも地下水ドレンもトリチウムの排出基準は1リットル当たり1500ベクレルです(25)。東京電力はトリチウムは浄化できないと明言しているので(26)、汲み上げたトリチウムがそのまま海に捨てられます。9月以前でしたら概ね1リットル当たり1000ベクレル以下ですのでそれなりに余裕あありましたが、現時点では1リットル当たり3000ベクレルと基準値の倍です。地下水ドレンで汲み上げた海側遮水壁内側の汚染水を海に流すには新たな基準を認めてもらうか、すり抜ける抜け穴を探すしかないと思います。
 基準値が緩むか、抜け穴を通すかそれとも溢れさすか来週には決着しそうです。東電の会見(27)を会見を聞いていたのですが、11月5日から地下水
ドレンの汲みあげを始めるそうです。汲み上げ量11月5日と6日は11トンだそうです。1日11トンでは1日400トンには追い付きません。

4.サブドレン効果が見えず
  サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(26)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(28)ほぼ2ヶ月以上が経過しました。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(28)、9月3日以降の汚染水増加量を去年(2014年)と比較してみました。
サブドレン稼働前の去年と同じサブドレン稼働後の汚染水増加量
※(29)を集計
 図―9 福島第一の汚染水増加量

 サブドレンが稼働していない昨年より汚染水の増加が変わりません。今の所は汚染水増加量を見る限り明確な効果は見えないようです。



<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 トラブル続きの福島原発、福島の方は不安だと思います。福島産米を避けない所では葬式(死者数)が増えている
等の現象が起きています(30)。それでも福島県は福島産は安全であり、福島産を避ける行為は「風評被害」と主張しています(31)。でも福島県民の受け止めは違うようです。
 福島県は福島産米のCMを流しています(32)。福島県白河市の全袋検査数は約50万件に達しました(33)。白河のお米はゆっくりと籾殻に栄養が届き美味しいお米だそうです(34)。福島県は福島産米は「安全」だとも主張しています(31)。でも、福島県白河市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県白河市のスーパーのチラシ
 ※(35)を引用
 図―10 福島産米が無い福島県白河市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月5週)―下請けんさがケガ、16件目(2015年)―
(2)原子炉の安定化|東京電力
(3)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(4)サリー (機械) - Wikipedia
(5)2015年11月2日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(6)2015年11月2日高性能多核種除去設備からの堰内漏えいについて(PDF 143KB
(7)2015年11月5日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(8)2015年11月6日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在
(9)"2015年11月5日2号機 滞留水移送設備 漏えい検知器の発報について(PDF 51.4KB)
(10)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所2号機建屋の滞留水移送設備からの漏えいについて
(11)東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について|東京電力
(12)2015年11月5日福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 145KB)
(13)2015年11月6日福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 141KB)
(14)側遮水壁|東京電力
(15)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島第一・地下水ドレンて運用できるの?
(17)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2015年11月6日(金)放送」
(18)地理院地図
(19)2015年11月5日測量に基づくサブドレン・建屋滞留水水位の運用開始について(PDF 138KB
(20)「平成27年度第8回 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」における当社資料のご説明について|東京電力中の「・サブドレン他水処理施設の状況について(PDF 1.13MB)」
(21)福島第一原子力発電所のサブドレン水等の排水に対する福島県漁業協同組合連合会からの要望書への回答について|東京電力
(22)<サブドレン>くみ上げ開始 中旬に海洋放出 河北新報-2015/09/03
(23)報道配布資料|東京電力中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果 」
(24)2015年9月9日海側遮水壁閉合作業について(PDF 519KB)
(25)サンプリングによる監視|東京電力
(26)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(27)【11月5日】東京電力 記者会見 - 2015/11/05 17:30開始 - ニコニコ生放送
(28)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(29)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(30)めげ猫「タマ」の日記 「福島米」避けていないと所では葬式が9%増、避けた所は増えていない。
(31)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(32)TVCM(ふくしまプライド。「お米 15秒」篇) | ふくしま 新発売。
(33)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を11月7日に閲覧
(34)管内農畜産物 | JAしらかわ(白河農業協同組合)
(35)チラシ - ホーム
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  1. 2015/11/07(土) 19:42:11|
  2. -
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