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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

今年も低迷・福島ナシ価格(8,9月)・全国との価格差は広がる。当然の結果です。

 福島のナシ価格は今年も価格差が広がりました。全国平均との価格を比較すると
 2014年8,9月 △15%安
 2015年8,9月 △17%安
です。当然の結果です。
 果物は地域性の強い生産物だと思います。サクランボは山形(1)、モモは山梨と福島(2)、リンゴは青森(3)で出荷量の過半数を超えます。そこへ行くとナシは違うようです。以下にナシの上位5県の生産量を示します。
全国3位の福島のナシの生産量
 ※(4)を集計
 図―1 都道府県別のナシの生産量

 上位5県を合計しても全国の生産量の過半数に達しません。そのような中で福島県は全国第3位の生産量を誇ります。ただし、福島県全体で栽培されている訳ではありません。
福島産ナシの半分以上を生産する福島市
 ※(5)を集計
 図―2 福島県のナシの生産量

 福島産のナシの半分以上を福島県福島市で生産しています。以下に福島県福島市のの位置を示します。
広範囲で今も除染が必要な福島市、そうでもない会津
 ※1(6)の数値データを元に(7)に示す手法で11月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(8)による
 図―3 福島県福島市と会津地方

 福島県のナシの主産地の福島市は福島原発事故によって放射性物質が降り注ぎ4年8ヶ月が経過した今も広い地域で国が除染が必要だとしている毎時0.23ミリシーベルト(9)を超えています。
 以下に原発事故後4ヶ月の被ばく線量を示します。
4ヶ月で大部分が年間許容限度の1mSvを被ばくした福島市、そうでもない相馬市
 ※1(10)を集計 
  ※2 期間は2011年3月11日から7月10日
  ※3 会津地方は(11)による
 図-4 原発事故後4ヶ月の被ばく線量

 図―4に示すように多くの方が原発事故後4ヶ月でICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルトを超えています。このような事は同じ福島県でも会津や相馬市では起きていません。
 以下に福島市の死者数を示します。
原発事故後に増え続ける福島市の死者数
  ※(13)を転載
 図―5 福島市の死者数(各年1-9月) 

 原発事故後は毎年ように死者数(葬式)が増え、各年1-9月を集計すると
 原発事故前年(2010年)   2,106名
 原発事故4・5年目(2015年)2,378名
で13%増えています。一方でこのような事は会津や相馬市では起こっていません(13)(14)。
 以下に福島県のナシの検査数を示します。
相馬市に比べ極端に少ない主産地の福島市のナシの検査数
※(15)を集計
 図―6 福島県のナシの検査数

 生産量が多く汚染リスクの高い福島市産のナシの検査数はどんどん減っており今年は3件でした。一方、生産量が少なく福島市産に比べれば汚染リスクが低い相馬市産のナシは15倍近い43件の検査があります。福島のナシは汚染リスクが高く生産量の多い福島市産の検査を避け、福島市産に比べれば汚染リスクが小さい相馬市産の検査が多く行われています。このような検査結果を元に福島県は福島産のナシは安全であり(16)、福島産を避ける行為を「風評被害」だとしています(17)。
 こんな事では消費者の理解は得られないと思います。東京卸売市場の8,9月のナシ価格を以下に示します。
全国に比べ安い福島のナシ
※(18)を集計
 図―7 福島と全国のナシ価格

 原発事故後に福島産と全国平均のナシの価格差は拡大しています。以下に全国平均に対する福島産ナシの価格差(割合)を示します。
原発事故後に拡大した福島産ナシの価格差(対全国)
 ※(18)を集計
 図―8 全国平均に対する福島産ナシの価格差

全国平均との価格を比較すると
 2012年8,9月 △13%安
 2013年8,9月 △15%安
 2014年8,9月 △15%安
 2015年8,9月 △17%安
と価格差は拡大しています。
 当然の結果です。
 

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 生産量が多く汚染しリスクの高い福島市産の検査が避けて安全とされる福島産。これでは福島の方は不安だと思います。まして福島では
 福島産米を避けない所では葬式(死者数)が増えている
等の現象が起きています(14)。
 福島県は福島産米のCMを流しています(19)。福島県二本松市産米の全袋検査数は26万件を超えました(20)。二本松市では11月7日に5年ぶりで酒米の稲刈りが行われたそうです(21)。福島県二本松市も新米の季節です。でも福島県二本松市のスーパーのチラシには米を含め福島産はありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
※(22)を引用
 図―9 福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県二本松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)果物・農作物ランキング>さくらんぼ収穫量: 教えて!全国ランキング 2015  ~都道府県ランキング 日本の統計~
(2)果物・農作物ランキング>もも収穫量ランキング: 教えて!全国ランキング 2015  ~都道府県ランキング 日本の統計~
(3)日本国内の生産量 │ りんご大学
(4)日本なし(日本ナシ/日本梨)収穫量ランキング: 教えて!全国ランキング 2015  ~都道府県ランキング 日本の統計~
(5)統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103中の「10 果樹⇒福島県」
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(8)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(10)第20回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年8月31日)の議事録について - 福島県ホームページ中の「 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/784KB]」
(11)会津 - Wikipedia
(12)ICRP: ICRP Publication 103
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島市の死者数13%増(対2010年1-9月)、会津は別
(14)めげ猫「タマ」の日記 「福島米」避けていないと所では葬式が9%増、避けた所は増えていない。
(15)報道発表資料 |厚生労働省
(16)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(17)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(18)東京都中央卸売市場-統計情報検索にて大分類⇒果実、中分類⇒日本ナシ類で検索
(19)TVCM(ふくしまプライド。「お米 15秒」篇) | ふくしま 新発売。
(20)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を11月8日に閲覧
(21)酒米「山田錦」刈り取る 二本松の大七酒造 自社田で5年ぶり | 県内ニュース | 福島民報
(22)店舗・チラシ検索|ベイシア beisia 豊かな暮らしのパートナー
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  1. 2015/11/09(月) 19:46:47|
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