めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(11月2週)―汚染水の汲みあげが1週間止まる―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、11月2週(11月8日から14日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.汚染水の汲みあげが1週間止まる
 福島第一では日々、原子炉やタービン建屋に地下水が流れ込み中にあるデブリ等により汚染され日々、大量の汚染水が生まれています。放置すると溢れてしまうのでタービン建屋から汚染水を汲みあげ、タンクに移しています(2)。
福島第一汚染水処理の流れ
 ※(2)(3)(4)にて作成
 図―1 福島第一原発の汚染水処理の流れ

 ところが11月5日に汲み上げた汚染水を移送する配管からの汚染水漏れが見つかり(1)(5)、汚染水の汲み上げが出来なくなりました。東電が調査したら4本の配管のうち一つから「くぼみ、割れ」が見つかったそうです(8)。
割れて汚染水漏れを起こした配管
 ※(9)を引用
 図―2 くぼみ、割れができ汚染水漏れを起こした配管

 この配管を分離して汚染水の汲みあげが再開できたのが1週間後の11月11日でした(10)。この間、タービン建屋の水位が上昇しました。
汚染水移送停止で上昇したタービン建屋水位
 ※(11)(12)を集計
 図―3 タービン建屋の水位

 2号機のタービン建屋の水位は海抜1.3mから1.8mへと急上昇しました。溢れ出していないか心配です。
 なぜ配管に「くぼみ、割れ」ができたかは分かっていないようです(8)。原因が分からない以上は対策もとれず、また同じ事が起こりそうです。

2.共通ディーゼル発電機に油漏れ跡
 11月12日午前9時50分頃、共用プール建屋に設置されている、所内共通ディーゼル発電機で潤滑油らしき跡が見つかりました。漏えい確認を実施したのですがどこからもれたは分からなかったそうです。もれたと思われる潤滑油は発電機カップリング側で30cm×5cmm発電機反カップリング側で20cm×5cmに広がっているのが確認されました(13)。結局は原因不明のようです。東電の発表をみると今回はたいしたことないような主張をしていますが(13)、(=^・^=)はそのうち大きな油漏れにならないか心配です。

3.部品を付け忘れ「汚染水」漏れ
 11月2日に最終段の汚染水処理設備のALPS(多核種除去設備)から汚染水が噴き出すような汚染水漏れを起こしました(1)(15)。原因は点検の際に「アダプター」と呼ばれる部品を付け忘れた事によるのもです(13)(16)。
取り付けが忘れられたアダプタ
※(16)をキャプター
 図―4 点検の際に付け忘れたアダプター

 東電は会見で(17)、アダプターを付ける旨が手順書になかったと言い訳をしていますが、手順書になっかたことは大問題ですし、点検で外した部品は元に戻すって当たり前ではないですかね。

4.海側遮水壁内側の汚染水は溢れさせます。
 海側遮水壁は福島第一の海岸の傍に、海水を通さない壁を作り海に流れ込んだ汚染地下水をブロックして海に広がらないようにするものです(18)。
海側遮水壁と地下水ドレン
 ※(18)にて作成
 図―5 海側遮水壁の概要

 海側遮水壁は10月26日に完成し(19)、ほっておくと溜まって溢れ出すので汲み上げて海に流す必要があります。今は消えてしまいましたが福島からの報道によるとその量は毎日400トンです(20)。東京電力は汲み上げるシステムも含め「地下水ドレン」と命名しています(18)。
 以下に海側遮水壁内側の汚染水水位を示します。
上昇を続けあと3,4日で海抜2mを超えそうな海側遮水壁内側の汚染水水位
 ※1(21)を抜粋・加筆
 ※2色違いは測定場所(複数)の違いによる。
 図―6 海側遮水壁内側の汚染水水位

 東電の広報発表資料はありませんが、会見を聞いていたら(22)、地下水ドレンから汲み上げたらトリチウム濃度が高すぎて浄化装置を通しても排水基準を満たす見込みがなく海に流すことをあきらめタービン建屋に送ったそうです。
 タービン建屋に入れた汚染水は後で汲み上げ図―1に示すルートで汚染水タンクに保管するしかありません。以下に汚染水の総量を示します。
増加を続ける福島第一汚染水
 ※(23)を集計
 図ー7 福島第一の汚染水量

 (=^・^=)なりに東京電力の発表(24)を集計すると東京ドーム(容量124立方メートル(25))の3分の2を超える83万立方メートルに達しました。汚染水を増やす訳には行かないので、海側遮水壁内側の水をいつまでも汲み上げてタービン建屋に移す訳には行きません。
 以下に海側遮水壁内側2地点のトリチウム濃度を示します。
上昇し3000(Bq/L)程度に達した海側遮水壁内側のトリチウム濃度
 ※(26)を集計
 図―8 海側遮水壁内側2地点のトリチウム濃度

 海側遮水壁の工事は9月10日から最終の工事が始まりました(27)。それ以前は概ね1リットル当たり1000ベクレル以下でしたが、工事が進むにつれ上昇し3000ベクレル程度になっています。サブドレンも地下水ドレンもトリチウムの排出基準は1リットル当たり1500ベクレルです(28)。東京電力はトリチウムは浄化できないと明言しているので(29)、汲みあげて海に流すこともできません。
 東電は会見で(22)海側遮水壁内側の水位を海抜2mに制御するとしています。以下に海岸付近の井戸の地下水位を示します。
上昇する海岸の地下水位
 ※(30)より作成
 図ー9 海岸付近井戸の地下水位

以下に位置を示します。
海岸付近の地下水位観測点
 ※(30)にて作成
 図―10 地下水位観測点

 図に示す通り地下水位は2mより低くなっています。水は高い所から低い所に流れるので、海側遮水壁内側の汚染水は陸に向かって流れます。図ー10に示すように海にもっとも近い井戸はNo1-9(茶色)です。ここの水位は上昇して、海側遮水壁内側の水位管理値と同じ海抜2mです。海側遮水壁から汚染水が流れ込んでいると考えるのが妥当です。それより内陸にあるNo1-8(赤)やNo1-11(桃色)はNo1-9より水位が低いのでNo1-9からNo1-8やNo1-11に流れて行きそうです。最終的は海側遮水壁のサイドから汚染水が海に流れだしそうです。
 以下に(=^・^=)が想像する汚染水の新たな流れを示します。
新たな汚染水の流出経路
 ※場所の名称は(25)による
 図―11 (=^・^=)が想像する新たな汚染水の流れ

 海側遮水壁は南側の部分が開いていましたが(27)、10月26日に完全に閉じられました(31)。それ以前は開いていた部分に近い「1~4号機取水口内南側」に放射性物質は流れていたはずですが、海側遮水壁で流れが変われば「物揚場前」に流れ先が変わりそうです。以下に1~4号機取水口内南側と物揚場前のトリチウム濃度を示します。]
上がる物揚場のトリチウム濃度
 ※1(26)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図ー12 1~4号機取水口内南側と物揚場前のトリチウム濃度

1~4号機取水口内南側の濃度は下がっていますが、物揚場前は逆に上昇しています。

5.サブドレン2ヶ月超、効果が見えず
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(29)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(31)ほぼ2ヶ月以上が経過しました。効果を見る為に9月3日以降の汚染水増加量を去年(2014年)と比較してみました。
サブドレン稼働前の昨年と変わらない汚染水増加量
 ※(23)を集計
 図―13 福島第一の汚染水増加量

 サブドレンが稼働していない昨年より汚染水に比べ汚染水増加量が明確に減っていると言えないと思います。いまのところサブドレンの効果は見えません。

 
6.汚染水タンクはパンク寸前
 図ー7に示す様に福島第一では日々汚染水が増えています。5項に記載した通りサブドレンが効果があったとも言い難い状態です。以下に図―1に示す汚染水処理の最終段に当たる「処理水」の容量とタンク容量を示します。
増える処理水量、増えないタンク容量
 ※(23)を集計
 図―14 処理水の容量とタンク容量

 容量は増えていますが、タンク容量はあまり増えていません。タンク容量―処理水の量を空き容量としてその推移を示します。
減り続ける処理水タンク空容量
 ※1(23)を集計
 ※2 最終の点は11月20日時点の東電想定
 図―15 処理水タンクの空き容量

 このまま行けば来月早々には処理水タンクが一杯にになり、多核種除去設備(ALPS)の全面停止に追い込まれそうです。

<余談>
 トラブル続きの福島第一、福島の方は不安だと思います。まして福島産米を避けている方が半数以下の福島県郡山市では葬式(死者数)が有意に増えていますが、8割近くが避けている相馬や南相馬市ではそのような事ない(33)との現象も起きています。
 福島県は福島産米のCMを流しています(34)。福島県は米も含め福島産は安全だと主張しています(35)。福島空港では「ふくしま道の駅空の駅まつり」が開かれているそうです(36)。そこでは福島産米のPRも行われます(35)。福島は実りの秋です。福島県塙町産米の全袋検査数は約8万袋に達しました(37)。福島県塙町の当たりでは美味しい味わいのあるお米が採れるそうです(38)。でも、福島県塙町のスーパーのチラシには米を含め福島産はありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県塙町のスーパーのチラシ
 ※(39)を引用
 図―16 福島産が無い福島県塙町のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県塙町の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(11月1週)―汚染水漏れ2件―
(2)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(3)原子炉の安定化|東京電力
(4)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(5)サリー (機械) - Wikipedia
(6)2015年11月5日2号機 滞留水移送設備 漏えい検知器の発報について(PDF 51.4KB)
(8)2015年11月10日2号機滞留水移送設備からの漏えいについて(調査状況)(訂正版)(PDF 207KB)
(9)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所2号機建屋の滞留水移送設備からの漏えい(調査状況)
(10)2015年11月11日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(11)中の「構内にある滞留水の水位・移送、処理の状況」
(12)構内にある滞留水の水位・移送、処理の状況|アーカイブ(2015年)|東京電力
(13)2015年11月12日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(14)2015年11月12日高性能多核種除去設備前処理フィルタベント部から建屋内の堰内への漏えいについて(PDF 240KB)
(15)2015年11月2日高性能多核種除去設備からの堰内漏えいについて(PDF 143KB
(16)2015年11月12日高性能多核種除去設備前処理フィルタベント部から建屋内の堰内への漏えいについて(PDF 240KB)
(17)【11月12日】東京電力 記者会見 - 2015/11/12 17:30開始 - ニコニコ生放送
(18)側遮水壁|東京電力
(19)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)
(20)めげ猫「タマ」の日記 福島第一・地下水ドレンて運用できるの?
(21)「平成27年度第8回 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」における当社資料のご説明について|東京電力中の「・サブドレン他水処理施設の状況について(PDF 1.13MB)」
(22)【11月9日】東京電力 記者会見 - 2015/11/09 17:30開始 - ニコニコ生放送
(23)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(24)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第227報)|東京電
(25)東京ドーム (単位) - Wikipedia
(26)報道配布資料|東京電力中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果 」
(27)2015年9月9日海側遮水壁閉合作業について(PDF 519KB)
(28)サンプリングによる監視|東京電力
(29)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(30)2015年11月13日タービン建屋東側における地下水及び海水中の放射性物質濃度の状況等について
(31)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)
(32)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(33)めげ猫「タマ」の日記 福島県郡山市の死者数は10.2%増(対2010年3-10月)、でも相馬・南相馬市は別
(34)TVCM(ふくしまプライド。「お米 15秒」篇) | ふくしま 新発売。
(35)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(36)イベント情報 | 空港で楽しむ | 福島空港
(37)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を11月14日に閲覧
(38)みりょく満点米 【コシヒカリ・ひとめぼれ】 | JA東西しらかわのブログ
(39)エコス
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  1. 2015/11/14(土) 20:20:21|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

遮水壁の脇から溢れるのは、当たり前のことで、、。
分かっていて、こういう事をするのを、付け焼刃と申します、、。
ああぁ~、、、、。
  1. 2015/11/14(土) 22:12:10 |
  2. URL |
  3. 武尊43 #mWyI0ZzU
  4. [ 編集 ]

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