11月21日に21時かの番組で指定廃棄物を中心に福島第一原発事故によって発生した放射能汚染物について指定廃棄物を中心に福島原発事故で発生した放射能汚染物に関する番組を放送していました。番組の最後に福島県浪江町の牧場が福島県外からも汚染された牧草を受け入れ、牛の餌として処分していると放送していました。これでは牛に食べ出せれば処分できるような内容です。牛に食べさせても放射性物質がなくなる訳でなく、牧草が糞尿などの別の汚染物に形を変えるだけです。処分などできません。嘘放送です。
福島原発事故によって多くの放射性物質がばら撒かれ、福島の台地が汚染されました。でも汚染されたのは福島だけではありません。程度はマシですが福島県外にも放射性物質はばら撒かれました。(=^・^=)の住む街にも原発難民と放射性物質が福島からやって来ました。原発難民は歓迎ですが、放射性物質は困ります。

※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で11月1日時点に換算
※2 避難区域は(5)による
図―1 福島県北部と宮城県白石市
図に示す通り原発事故から4年8ヶ月以上過ぎた今も国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(6)を宮城県白石市の一部でも超えました。
汚染されたのは台地だけではありません。避難地域に取り残された牛などの動物も汚染されました。汚染された牛は「国」は殺処分をきめましたが(7)、一部の飼い主はこれに反発し生きながらえる牛もいました(8)。だたし汚染牛ですので、お肉にすることができません。牛が生まれてからお肉なるまで2年程度ですので(9)、この牛さんは原発事故によって生き延びることができました。こうした牧場の一つに福島県浪江町の希望の牧場があります(1)(10)。
牛さん以外にも農作物も汚染されました。汚染された稲わらを食べた福島牛がセシウム汚染牛として全国に販売された(11)のを覚えている方も多いと思います。牧草なども汚染されました。原発事故から相当経過しましたが、処分方法が決まらず農家に保管されたままになっています(12)。
一方で福島で飼育されているセシウム汚染牛は売れないので収入はりませんが、エサは必要です。エサを節約する必要があります。そこで白石市は市内にある汚染牧草を福島の希望の牧場に送ることにしたそうです。費用は1,400万かかったとのことです(1)。この経緯は東北のブロック紙の河北新報が報じていたようですが、福島のニュースでなく宮城のニュースとして・・・(13)。福島に知られてはまずいと思ったのでしょうか?
でも福島でも報道される事になりました。

※(15)をキャプチャー
図-2 宮城県白石市から汚染牧草が福島に運ばれてくた事を報じる福島のローカルTV局(FCT)
浪江町長は宮城県白石市に抗議に行ったそうですが(1)、対応したのは市長でなく
副市長でした。

※(16)をキャプチャー
図―3 福島県浪江町の町長の抗議に対応する福島県白石市の副市長
しかも白石市の副市長は放射能汚染物でなく「エサ」を主張しています。

※(16)をキャプチャー
図―4 福島に送ったのは放射能汚染物でなく「エサ」を主張する白石市福市長
浪江町では11月5日(告示日)から11月15日(投票日)の間に町長選が行われました(17)。この間は町政は選挙中心になり他は停滞すると思います。白石市が福島県浪江町に放射能汚染牧草を送り込んだピークは選挙期間中の11月11日です(2)。選挙のドサクサに乗じて送り込んだとの思われてもしかたがないと思います。
11月21日に21時かの番組で指定廃棄物を中心に福島第一原発事故によって発生した放射能汚染物について指定廃棄物を中心に福島原発事故で発生した放射能汚染物に関する番組を放送していました。番組の最後に福島県浪江町の牧場が福島県外からも汚染された牧草を受け入れていることを
「この牛たちの命を繋いでいたのは汚染され処分できずにた牧草でした。」
とのナレーションと共に紹介しています。
NHKの番組では
「ゴミが思わぬ形で処分されてる・・・この牛達の命を繋いでいるのは東日本各地から集められた汚染され処分できずにいた牧草でした」
ととのナレーションがあり、まるで汚染牧草を牛のエサにすれば「処分」できるないようです。牛に食べさせても、放射性物質は牛の体内に残ったり糞尿として出されて別の放射能汚染物に形を変えるだけです。処分などできません。あからさま嘘放送です。
さらには牧場主が出演し
「僕らはうしかいだたら見捨てることをしません」
と話すシーンを放送していました。

※11月21日放送のNHKの21時台の番組をキャプチャー
図―5「僕らは牛飼いだから見捨てることをしません」と話す牧場主
なにか福島で運び込まれた放射性汚染物が歓迎されているような内容です。でもこの件では福島県浪江町の町長が搬出先の白石市に抗議しています。

※(16)をキャプチャー
図-6 抗議の会見を行う福島県浪江町町長
しかしこの事には触れていません。福島の方はどのような形にしろ福島県外からの放射性物質の持ち込みを拒否しています。でも番組では福島県外からの放射能汚染物を福島県内で受け入れられた事だけが放送されています。これでは福島は県外の放射能汚染物を受け入れているようで、これも嘘放送です。
この番組は嘘のオンパレートでした。だいたい放射能汚染物を「ゴミ」とすることがおかしな内容です。ゴミには2種類あるともいます。不要になったりして使うことにがない「邪魔な物」。危険な物に汚染され使えなくなった有害なゴミです。放射能汚染ゴミの扱いは実に分かり難く規定されています。(=^・^=)なりに整理すると、放射能汚染ゴミは1キログラム当たりの値で4区分となっているようです。
①セシウム137が100ベクレル以下:クリアランス制度により放射能汚染物としては扱う必要が無い物。
②空間放射線量が毎時0.23シーベルト以上(除染の対象地域)から出たゴミ⇒特定廃棄物。
③②中のセシウム(134と137の合計)が8000ベクレル以下―廃棄物処理法に基づき「放射能汚染物」として処理が義務づけ(1)(2)。
④②中のセシウム(134と137の合計)が8000ベクレル以上―指定廃棄物として「国」が引き取って処理
⑤④中のセシウム(134と137の合計)が10万ベクレル以上 ―指定廃棄物として「国」が引き取って処理、ただし遮蔽型の処分場で処理。
ですので、放射能汚染物として取り扱う必要がないのはセシウム137が1キログラム当たり100ベクレル以下のもので、1キログラム当たりのセシウムが8000ベクレル以下でも、除染対象地域のゴミは「放射能汚染物」として取り扱う事が求められており「普通のゴミと同じように」と言うわけには行きません(18)。
03:50過ぎに、以下の映像ともに「 この当たりあります黒い袋、放射性物質に汚染された土や草などがが入っています。」ナレーションを入れています。

※11月21日放送のNHKの21時台の番組をキャプチャー
図―7 NHKが報じた仮置きなの様子
表面の土壌にも放射能汚染物が詰められているような放送です。仮置き場の表面の土のうは汚染されていない山砂などを入れた遮へい土のうで囲むなどの方法で放射線をさえぎるようになっています(19)。
04:40過ぎに
「 放射性物質を取り除いて生活再建をすすめるという取り組みは29年前のチェルノブイリの原発事故でもありませんでした。」
とのナレーションが流れました。(=^・^=)の知り限りチェルノブイリでも除染が試みられました(20)。だた結局はあきらめざるを得なくなったようです。
04:48過ぎに放射能汚染物について
「 震災が残した最大の課題の一つといえるこの厄介なゴミ」
なんてナレーションがありました。言うまでもなく放射能汚染物は福島原発事故で生じました。震災は天災ですが、福島原発事故は人災です。事故調査報告書等によれば(21)、福島原発事故は十分な安全対策を取らなかった事が原因であり、震災によって顕在化したにすぎません。
08:25過ぎに
「 山林から放射性物質を取り除くため」
ナレーションが流れ、その後に山林の映像がでました。

※11月21日放送のNHKの21時台の番組をキャプチャー
図ー8 「 山林から放射性物質を取り除くため」の直ぐ後のの映像
しかし山林の除染は殆ど実施されません。NHKが取り上げた飯舘村は総面積230.13キロ平方メートルの約75%を山林で(22)、面積に直すと173平方メートルです。一方で除染が計画されているのは1割にも満たない12平方キロメートル(1,200ha)で完了したのは8.7キロ平方メートルです(23)。
NHKの33分過ぎの映像を見ていると指定廃棄物の候補地として宮城3箇所、栃木一箇所、千葉一箇所の合計5か所が出てきます。宮城県は加美町、栗原市と大和町(24)、栃木県塩谷町(25)、千葉市中央区(26)です。これについてはNHKの番組では33:20過ぎに
「(指定廃棄物の処分場候補地)山間の土地なのが選ばれました」
とのナレーションを出していますが、千葉市中央区の処分場は東京電力の千葉市内施設の敷地が候補地です(26)。
福島原発事故由来の放射能汚染ゴミは福島に集め一括で管理するのが合理的であるとの意見があります(27)。これについてNHKの番組では36分過ぎに
「その一つ、栃木県で候補地となった塩谷町」
とナレーションを流したあと塩谷町の福島集約論を放送しています。

※11月21日放送のNHKの21時台の番組をキャプチャー
図-9 福島集約論を主張する塩谷町町長
NHKは「その一つ」と福島集約論を主張しているのは塩谷町以外にもあるようあ放送ですが、(=^・^=)は調べた限りNHKが指定廃棄物の処分場候補地としているたの3市1町(加美町(28)、栗原市(29)(30)、大和町(31)(32)、千葉市(26))ではそのような主張はしておらず塩谷町だけが福島集約論を主張しています。宮城県内では「福島集約論」以外に最終処分場は「東京電力管内」に作るべきとの意見も多くあるようです(33)。その意見はこの番組でNHKは報じていません。
NHKの番組では41:20過ぎに「 国の基準8000ベクレルより低いのに・・その理由は住民感情への配慮」と1キログラム8000ベクレル以下の放射能汚染物はさも安全なように放送していますが、ウシのエサの基準は1キログラム当たり100ベクレルです(34)。これ以上の物をエサにするとセシウム汚染牛ができる可能性があるからだとおもいますが、セシウム汚染牛ができるかもしれない汚染物って安全なんですかね?
<余談>
選挙のドサクサに紛れ汚染牧草を福島に送り付ける自治体が現れるなど、放射能汚染ゴミでは仁義なき戦いになっているようです。そしてNHKの嘘放送です。これでは福島の方は心配だと思います。まして福島では福島市や郡山市で葬式が増えています。一方で福島市や郡山市にくらべれば汚染がマシな会津地方や8割近い方が福島産米を避けている相馬や南相馬市ではこのような事はありません(35)(36)。
福島県二本松市は人口6万人弱(37)のそれ程には大きな市ではありませんが、農業生産額は約58億円で福島県第4位でが、人口が30万規模の上位3市(37)とそれ程には変りありません。

※(38)を転載
図―10 福島県各市、地域の農業生産額
非常に農業が盛んな市です。同市のお米の全袋検査数は29万件を超えました(39)。福島産米が奈良・薬師寺に奉納されたそうす(40)。福島は新米の季節です。二本松市あたりのお米は「お天道様」に育まれたやさしい米だそうです(41)。福島県は今日(11月23日)まで福島産米のCMを流しています(42)。福島産米は安全で美味しいとも主張しています(43)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシにはお米を含め福島産はありません。

※(33)を引用
図―11 福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県二本松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)<汚染牧草>浪江町長、白石市に抗議 河北新報-2015/11/21
(2)<希望の牧場>汚染牧草 続々と搬入河北新報-2015/11/11
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(5)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(7)警戒区域の牛、12年末までに1300頭殺処分 :日本経済新聞
(8)<被ばく牛>生かす調査中「世界でここだけ」 | 河北新報 ...2015/05/25
(9)牛肉の基礎知識
(10)希望の牧場・ふくしま 公式ブログ
(11)農林水産省/東日本大震災について~牛肉・稲わらからのセシウム検出に対する新たな対策について~
(12)宙に浮く汚染牧草処理 腐敗、農家苦悩 | 河北新報オンライン ...2015/07/20
(13)宮城 - 河北新報
(14)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ
(15)(14)中の「2015年11月19日(木)放送」
(16)(14)中の「2015年11月20日(金)放送」
(17)(東日本大震災5年へ)大熊・浪江町の町長・町議選あす告示 全住民避難、示せぬ復興:朝日新聞デジタル
(18)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―放射能汚染ゴミは普通のゴミと同じ―
(19)仮置場について|除染で取り除いた土壌等の管理|除染情報サイト:環境省
(20)チェルノブイリ除染で被曝、低線量でも白血病リスク :日本経済新聞
(21)日本政府、事故調、東京電力発表報告書
(22)村の概要 福島県飯舘村ホームページ
(23)福島県飯舘村の除染進捗情報|除染特別地域の概要・進捗|除染情報サイト:環境省
(24)ご意見・ご質問に対する回答|宮城県における取組みについて|福島県以外の各県における取組み|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(25)- 栃木県塩谷町 - <<指定廃棄物>>最終処分場詳細調査候補地
(26)千葉市:指定廃棄物関連情報
(27)めげ猫「タマ」の日記 指定廃棄物・福島集約論について
(28)指定廃棄物最終処分場候補地選定について - 加美町
(29)東日本大震災 - 栗原市
(30)<指定廃棄物処分場>「国対応で候補地返上も」栗原市長 2015/04/03
(31)大和町災害対策本部からのお知らせ
(32)広報たいわ 平成26年11月号 P05 - 大和町
(33)指定廃棄物最終処分場に関するアンケート 結果概要 | KHB東日本放送
(34)農林水産省/放射性セシウムを含む飼料の暫定許容値の改訂について
(35)めげ猫「タマ」の日記 福島県郡山市の死者数は10.2%増(対2010年3-10月)、でも相馬・南相馬市は別
(36)めげ猫「タマ」の日記 福島市の死者数8.3%増(対2010年3-10月)、会津は別
(37)福島県の推計人口(平成27年10月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(38)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(39)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を11月22日に閲覧
(40)奈良・薬師寺に「もち米」初奉納 喜多方市産、高僧・徳一が縁:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(41)特産物 - JAみちのく安達-食と農を結ぶJAづくり 福島県二本松市・本宮市・大玉村の農業協同組合
(42)TVCM(ふくしまプライド。「お米 15秒」篇) | ふくしま 新発売。
(43)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(44)店舗・チラシ検索|ベイシア beisia 豊かな暮らしのパートナー
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- 2015/11/23(月) 19:44:37|
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希望の牧場が原発事故後、いかに苦しみもがいてきたかをご存じないとは驚きです。私は白石市を支持します。彼らは汚染牧草を押し付けたわけではありません。希望の牧場のたっての要請にこたえただけです。他県が牧場を助けようとしているのに、文句だけいう浪江町はおかしい。
- 2015/11/23(月) 22:14:11 |
- URL |
- モモ #AIlHpmOk
- [ 編集 ]
モモ様
いつもコメントありがとうございます、今回は下名えのご質問を含まれているようなので以下に回答します。
Q1> 希望の牧場が原発事故後、いかに苦しみもがいてきたかをご存じないとは驚きです。
A1>一応は「希望の牧場」のHP(
http://blog.goo.ne.jp/kibouno-bokujyou)見たうえで記事は書いてます。まったくの個人的な印象ですが、貴殿がそのような主張をされるのであればリファレンスなどをはっきりさせた方がベターだと思います。そちらの方が読者の支持も得やすいと思います。
なお本記事の主題は、できもしない「牛に食べさせて処分」を放送をしたNHKのデタラメを記載するとです。そのためにはNHKが放送しなかった事実も含め経緯を記載する必要がありました。白石市や希望の牧場を非難する意図はありません。
Q2>私は白石市を支持します。彼らは汚染牧草を押し付けたわけではありません。希望の牧場のたっての要請にこたえただけです。
A2>以下の2点では白石市の対応は不誠実だと思います。
①町長が訪問したのに、対応したのが
副市長であること。市長が対応すべきです。
②町政が手薄になる選挙期間中に搬出したこと。
(リファレスは本文にある通りです)。
Q3>他県が牧場を助けようとしているのに、文句だけいう浪江町はおかしい。
A3>おかしいのは安倍出戻り内閣と東京電力です。
この問題が十分に予想されたことです。これを防止するには本来の目的である牛さんをお肉できる形で出荷できるようにすればいいと思います。清浄なエサを与え続ければ生物学的半減期(
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E7%89%A9%E8%B3%AA)があるので、次第に放射性物質が抜けて行きお肉にできる牛さんにすることができます。でもたにもせず殺処分を要求するだけした(リファレスは本文にある通りです)。
- 2015/11/24(火) 19:20:46 |
- URL |
- mekenekotama #-
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