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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月4週)―宮城・亘理のスズキは23ベクレル、福島・相馬は8件全数ND―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。11月4週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム汚染食品が見つかっています(4)。
  ①検査数1,704件中8件の基準値超え(全体の0.5%)
  ②平均は、1キログラム当たり3.1ベクレル、最大740ベクレル(宮城県産イノシシ)。
  ③基準超の食品が宮城県で見つかっています。
原発事故から4年8ヶ月以上過ぎても見つかるセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2015年11月4週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.宮城・亘理のスズキは23ベクレル、福島・相馬は8件全数ND
  宮城県亘理町は宮城県沿岸部南部にある町です(7)。一方、福島県相馬地方は福島県沿岸部の北部の地域(8)で近くにあります。
近い位置にある宮城県渡里町と福島県相馬地方
※1(9)の数値データを元に(10)に示す手法で11月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(11)による
 ※3 亘理町は(7)による
 ※4 相馬地方は(8)による
 ※5 イチゴマークはイチゴの検査実施市町村を示し(1)(12)による。
 ※6 旧大里村の位置は(13)による。
 図―2 本記事で扱う市町村や地域

 宮城県亘理町産のスズキから1キログラム当たり23ベクレルのセシウムが見つかりました。福島県の相馬地方の結果が気になります。以下に過去半年間の宮城県亘理町と福島県相馬地方のスズキの検査結果を示します。
宮城・亘理に比べ大幅に低い福島・相馬産スズキの検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 図―3 宮城県亘理町と福島県相馬地方のスズキの検査結果

 図に示す通り宮城県亘理町産スズキからはそこそこセシウムが見つかっていますが、福島・相馬のスズキは全数が検出限界未満(ND)です。纏めると
 宮城県亘理町
  検査19件中17件でセシウムが見つかり、最大1キログラム当たり27ベクレル
 福島県相馬地方
 検査8件全てが検出限外未満
どう見ても検査結果だけ見れば、福島・相馬のスズキの値が低くなっています。偶然に起こる確率を計算したら0.7%なので偶然とも思えません。
 当然ならがら汚染源に近い福島・相馬の方が高くなければなりません。どちらかの検査が間違っています。福島・相馬のスズキの検査は全てが福島農業総合センターで実施されており(1)、ここの検査が狂えばすべてがおかし値になります。一方で、宮城県亘理町のスズキは複数の検査機関で実施されており、複数の検査機関が同時に誤って高い値を出すことは考え難いので、比較して一致していれば検査は正しいと言えます。検査件数が4件以上の検査機関が二つあったので両者を比較してみました。宮城県亘理町のスズキの検査結果は1キログラム当たりで
 (株)環境総合テクノス 検査数 4、平均 11.5ベクレル 最大 23ベクレル
 (株)静環検査センター 検査数 6、平均  9.9ベクレル 最大 27ベクレル
でほぼ一致しています。宮城県の検査では同じ物を測れば検査機関が違っていても同じような値となる当たり前の結果が出たので正しいと言えます。一方で福島・相馬のスズキにはこのようなデータはありません。
 茨城県の検査と福島県の検査結果を比較しても福島産スズキの値が低いのは先の記事の通りです(5)。
 福島産は他より値が低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法な(=^・^=)の過去の記事(14)による。
有意差検定表

2.福島産いちごが出回る、主産地は検査されていません。
 もうすぐクリスマスです。いちごケーキを楽しみしている方も多いと思います。福島県もいちご栽培が盛んだそうです(15)。その中で福島県伊達市は福島県最大のいちご産地です。 
福島県のイチゴの生産量
※(16)を集計
 図―4 福島県のイチゴの生産量

 福島県のスーパーの福島産が載ったチラシを見ることはあまりなのですが、福島県伊達市のスーパーのチラシに福島産いちごが載っていました。
福島産イチゴが掲載された福島のイチゴの主産地・伊達のスーパーのチラシ
※(17)を引用
 図ー5 福島産いちごが掲載された福島県伊達市のスーパーのチラシ

 福島産いちごが出回っているようです。伊達市は図―2に示す通り福島県の北部にあり、今も広い地域で国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(18)を超えています。検査されているか心配です。福島県の検査結果(1)(2)(12)を調べたら伊達市産いちごの検査結果はありません。
 福島県全体では2件ありますが、田村市と鏡石町で伊達市からは離れています。図―4に示す通りどちらもいちごの生産量はそれ程には多くありません。いちご掲載したスーパーチェーンの田村市の店舗(19)と鏡石町には当チェーンの店舗がなにので(20)、隣接する須賀川市の店舗(21)のチラシを見たのですがいちごは載っていますたが栃木産でした。福島のスーパーチェーンが検査されているところから仕入れたらこちらにも「福島産いちご」があってもいいと思うのですが・・・。
 11月20日には出荷自粛中の福島県広野町産ユズが売られているのが発覚しました(22)。福島では無検査の物が販売されています(23)(24)。それでも福島県は福島産は検査されていて「安全」であると主張しています(25)。

3.旧大里村の大豆から80ベクレル
 福島県大里村は1955年に天栄村と合併しました(26)。厚生労働省の発表によると、旧大里村の大豆から1キログラム当たり80ベクレルのセシウムが見つかりました(3)。以下に推移を示します。
突然に基準値寸前まで上昇した福島県旧大里村産大豆のセシウム濃度
 ※(1)を集計
 図―6 福島県旧大里村(現天栄村)の大豆のセシウム濃度

 突然の上昇です。福島産はセシウム濃度が突然に上昇することがあるので、従前の検査で基準値以下でも今も基準値以下とは限りません。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・検査されていなくても検査されていて「安全」される福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
 これでは福島の方は不安だと思います。まして福島産米を避ける人が多い相馬や南相馬市では葬式(死者数)が増えていないのに、避ける人が半数以下の郡山市・三春町では増えています(27)。
  福島市のモモの出荷量は11,500トンで全国2位の出荷量ですが、リンゴの出荷量はモモより多く14,700トンです(28)。福島市にとってリンゴもモモも大事な果物です。福島のリンゴは今がシーズンです(29)。福島県は福島産リンゴは安全だと主張しています(30)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシにはリンゴも含め福島産がありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(31)を引用
 図―7 福島産が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第957報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月3週)―茨城のスズキは34ベクレル、福島は13件全てND―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)亘理町 - Wikipedia
(8)相馬地方広域市町村圏組合
(9)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(11)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(12)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。
(13)岩瀬郡 - Wikipedia
(14)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(15)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(16)作物統計調査 市町村別データ  平成18年産市町村別データ 年次 2006年
(17)ヨークベニマル/お店ガイド
(18)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(19)ヨークベニマル/お店ガイド
(20)ヨークベニマル/お店ガイド
(21)ヨークベニマル/お店ガイド
(22)収穫自粛の「ユズ」販売 広野町産、道の駅よつくら港で:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(23)めげ猫「タマ」の日記 出荷制限中の福島産ユズが売られていた―今年2回目―
(24)めげ猫「タマ」の日記 福島フードフェアに無検査品が出品
(25)検査体制について | ふくしま 新発売。
(26)大里村 (福島県) - Wikipedia
(27)めげ猫「タマ」の日記 「福島米」避けていないと所では葬式が9%増、避けた所は増えていない。―原発事故5年目―
(28)統計データ
(29)食べ頃カレンダー
(30)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(31)イトーヨーカドー 福島店
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記

  1. 2015/11/26(木) 19:56:58|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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