めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(12月2週)―排水路から汚染雨水溢れ出す―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、12月2週(12月6日から12日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.ダクト(地下トンネル)の放射性物質濃度は4000倍
 福島発の報道によると(2)、福島第一原発4号機の南側地下を通るダクトにたまった汚染水を調べた結果、放射性セシウム濃度が前回調査(昨年12月)の約4千倍になるなど、高濃度の放射性物質を検出したとのことです。
放射性物質濃度が4千倍になったことを報じるFCT
 ※(3)をキャプチャ
 図-1 ダクト(地下トンネル)の汚染水濃度が4000倍になったと報じる福島のローカルTV局(FTV)

 以下に1リットル当たりの放射性物質濃度を示します。
  セシウム134  92、000ベクレル
  セシウム137 390、000ベクレル
  セシウム合計  482、000ベクレル
  全ベータ    500、000ベクレル
  トリチウム     6、700ベクレル
です(4)。東京電力はダクトは、地下に汚染水がたまる建屋とつながっていたが、東電は既にダクトと建屋の間で汚染水が行き来しないよう止水処理をしていると主張しているようですが、タービン建屋からくみ上げた直後の汚染水濃度(5)と比較してみると
  セシウム  2.0%(タービン建屋は1リットル当たり2、400万ベクレル)
  トリチウム 2.4%(タービン建屋は1リットル当たり28万ベクレル)
でほぼ同じ割合です。タービン建屋由来の汚染水だと思います。福島第一では事故から4年9ヶ月経っても原子炉やタービン建屋からの汚染水漏れは止まってません。
 ちなみに前回(昨年12月)に1リットル当たりの放射性物質濃度は
  セシウム134  27ベクレル
  セシウム137  94ベクレル
  セシウム合計  111ベクレル
  全ベータ    120ベクレル
  トリチウム   310ベクレル
です(4)

2.排水路から汚染雨水溢れ出す
福島第一原発にはK排水路と呼ばれる排水路があります。
 福島第一原発排水路
 ※(6)を転載
 図―2 福島第一原発内の排水路

 このを流れる排水は高濃度の放射性物質に汚染されています。
高濃度に汚染された汚染水が流れるK排水路
※(7)を集計
 図-3 K排水路の排水の放射性物質濃度

 この排水路の排水先は元々は「外洋」でしたが、汚染水漏れが発覚した後に途中に「揚水機」を設置して、汲み上げ「港湾内」に汚染水が流れるようにしました(8)。それでも時々は「揚水機」の能力を超えて外洋に直接汚染水が流れる事態が発生しています(9)。そこで汚染水を一時的に貯める「堰」のかさ上する対策を取ったのですが(10)効果がなく、またも汚染水漏れを起こしました(11)。そこで排水路の上流にポンプを増設する対策をとなったのですが(12)、これも効果なかったようです。
 12月11日午前10時25分頃からK排水路を流れる汚染雨水が堰を乗り越え、断続的に外洋側へ流れたそうです(13)。上流側に新設したポンプは4台中2台しか動かなったそうです。ポンプは水位を感知し、くみ上げを開始する仕組みですが、東電は新設ポンプが2台しか動かなかった理由として、「上流部分は4台が稼働する水位に達しなかった」としているそうです(14)

3.地下水ドレン水は排水できず
  海側遮水壁は福島第一の海岸の傍に、海水を通さない壁を作り海に流れ込んだ汚染地下水をブロックして海に広がらないようにするものです(15)。
海側遮水壁と地下水ドレン
 ※(11)にて作成
 図―4 海側遮水壁の概要

 海側遮水壁は10月26日に完成し(16)、ほっておくと溜まって溢れ出すので汲み上げて海に流す必要があります。今は消えてしまいましたが福島からの報道によるとその量は毎日400トンです(17)。東京電力は汲み上げるシステムも含め「地下水ドレン」と命名しています(16)。
 今週、地下水ドレンで汲み上げた汚染地下水の放射性物質濃度が発表になりました(18)~(22)。そのうちトリチウム濃度を示します。
排水基準よりかなり高いトリチウムが見つかる地下水ドレン汲み上げ水
 ※(18)~(22)にて作成
 図-5 地下水ドレンのトリチウム濃度

 なお、A、B,Cの位置は下記の通りです。
地下水ドレンの配置
 ※(1)とgoogle mapで作成
 図-6 地下水ドレンの井戸と一時保管用のタンク

 地下水ドレンのトリチウムの排水基準は1リットル当たり1500ベクレルです(23)。東京電力はトリチウムは浄化できないと明言しています(24)。図ー5に示す様に排水基準の数倍を超えるトリチウムが見つかっています。基準を超えているので海に排水することができないようです(1)。


4.サブドレン稼働後、流入は毎日200トン、増加は500トン
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(24)。サブドレンの運用は9月3日から始まってから(25)ほぼ3ヶ月以上が経過しました。これについて福島からの報道によると(26)、12月11日に東京都で開かれた汚染水処理委員会で経済産業省の担当者がサブドレン計画開始前は建屋に1日当たり300トン以上の地下水が流入し汚染水になっていたが、9月の計画開始後は徐々に流入量が減少し、10月中旬以降は降水量に関わらずほぼ200トン以下を維持していることを明らかにしたそうです。だったら汚染水の増加も減っているはずです。効果を見る為に10月15日以降の汚染水増加量を去年(2014年)と比較してみました。
サブドレン稼働後も毎日500トン増える福島第一汚染水
 ※(27)を集計
 図―7 福島第一の汚染水増加量

 地下水のタービンや原子炉建屋に流れ込む地下水は1日200トンですが、10月15日以降の平均をとると、原子炉・タービン建屋や汚染水タンクに蓄えられている汚染水の増加量は1日509トンです。昨年の同時期が平均で446トンで、逆に増えています。
 なぜこのようなことが起こったかを(=^・^=)なりに推定すれば地下水ドレンです。3項に記載したように地下水ドレンの汲みあげ汚染水はトリチウム濃度が高すぎ海に流すことができません。最終的には汚染水タンクに蓄えるしかありません。地下水ドレンを動かせば汚染水の増加は加速します。
 福島第一ではサブドレン稼働しても、これまでの同様かそれ以上のペースで汚染水タンクを作り続けなくてはなりません。今年1月に汚染水タンク工事に関連して下請けさんが亡くなりました。(=^・^=)は汚染水タンク作りに無理があったと考えています(28)。下請けさんの命を守るためには汚染水タンクの増設ペースを落とすことが必須です。そのためには地下水ドレンの汲みあげ水を「海」に流せるようにしなくてはならないのですが、トリチウムの1リットル当たり1500ベクレルの基準がネックになっています。1項に記載したようにタービン建屋から汚染水が漏れ出している可能性が高くトリチウム濃度を下げるのは難しいと思います。あとは福島の皆様の協力を得るしかないと思います。そのためには、無責任に好都合な事をいうのでなく、事実を確り伝えるべきです。
 福島の海が汚れても福島の魚を食べず、福島の海で遊ばなければ死人は出ません。でもこもままでは下請けさんが死亡事故が起きそうです。安倍出戻り内閣は無責任です。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 トラブル続きの福島原発、無責任な安倍出戻り内閣。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島原発事故で避難された酪農家の皆さんが、避難先の福島県福島市で東北最大級の牧場を開いたそうです(29)。今月15日から生乳の出荷を開始するそうです。今後、乳牛の飼育頭数を拡大し、1日当たり生乳約15トンを出荷する計画とのことです(30)。でも未来が心配です。福島県は福島産牛乳は安全だと言っているのですが(31)、福島県福島市のスーパーには牛乳も含め福島産がありません。
 県外産はあっても福島産が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 
 ※(32)を引用
 図―8 福島産が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月1週)―サブドレン3ヶ月、効果は見えず―
(2)放射性物質濃度が急上昇 第一原発4号機地下ダクト | 県内ニュース | 福島民報
(3)福島のニュース 福島テレビ(12月10日ひる放送) FTV8
(4)2015年12月9日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(5)2015年11月27日水処理設備の放射能濃度測定結果(PDF 8.28KB)
(6)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発―2週連続で下請けさんがケガ―
(7)報道配布資料|東京電力中の「福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果 」」
(8)2015年7月16日強い降雨によるK排水路雨水の外洋側への一部排水について
(9)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(8月5週)―またも汚染雨水漏れ―
(10)2015年8月31日K排水路 堰の状況(PDF 125KB)PDF
(11)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(9月3週)ーサブドレン稼働2週間、汚染水の増加は加速-
(12)「平成27年度第8回 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」における当社資料のご説明について|東京電力中の「・構内排水路の対策の進捗状況について(K排水路対応状況)(PDF 6.55MB)」
(13)2015年12月11日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(14)雨水また海に流出 新設ポンプ間に合わず K排水路 | 県内ニュース | 福島民報
(15)側遮水壁|東京電力
(16)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)
(17)めげ猫「タマ」の日記 福島第一・地下水ドレンて運用できるの?
(18)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年11月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第24回事務局会議)中の「【資料3-1】汚染水対策(9.18MB)」
(19)2015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(~2015年9月30日採取分)(PDF 360KB)
(20)015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(2015年10月1日~11月4日採取分)(PDF 360KB)
(21)2015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(2015年11月5日~12月2日採取分)(PDF 360KB)
(22)福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果|東京電力中の「地下水⇒12月11日」
(23)サンプリングによる監視|東京電力中の「サブドレン・地下水ドレンに関するサンプリング」
(24)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(25)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(26)サブドレン効果で流入1日200トン以下に 第一原発 | 県内ニュース | 福島民報
(27)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(28)めげ猫「タマ」の日記 福島原発で死んだ下請けさんは「国策」の犠牲者―でも何もしない安倍出戻り総理―
(29)東京新聞:酪農仲間たちに元気を 「復興牧場」に懸ける5人の思い:ふくしま便り:東日本大震災(TOKYO Web)
(30)福島の「復興牧場」15日初出荷 生乳1日15トン生産へ:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(31)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(32)イトーヨーカドー 福島店
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  1. 2015/12/12(土) 20:25:04|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

福島牛乳のストロンチウム検査結果が見当たりません

めげ猫タマ様
いつもありがとうございます。
リファレンス29-31を読んで、とても恐ろしく思いました。
福島の牧場で生産して、どこに出荷するかは不明ですが、乳製品でも加工品でも必ず生産すれば誰かの口に入ってしまいます。
福島を復興したいという熱意だけで、ストロンチウムの検査結果や、どうやって管理するかに何も触れられておらず、汚染のある土地に東北最大級の牧場を作るとは。
ストロンチウム検査はセシウムより時間がかかるから、とても検査してから出荷するわけにはいかないですよね。
ネットで、「福島産牛乳 ストロンチウム検査結果」と検索してもこれくらいしか出てきません。↓
12群の「乳」は岩手と栃木 埼玉しか測定していません。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11134000-Shokuhinanzenbu-Kijunshinsaka/20140523.pdf

岩手、宮城だけ。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11134000-Shokuhinanzenbu-Kijunshinsaka/20140822.pdf

こちらは12群の「乳」は一個も測定していません。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11134000-Shokuhinanzenbu-Kijunshinsaka/20150731.pdf

このシリーズでは過去H24年春の会津(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11131500-Shokuhinanzenbu-Kikakujouhouka/24spring_2.pdf)以外に福島県の12群「乳」は一つも検査していません。
セシウムが低いからストロンチウムが低いとは限らないし、魚では相関が無いというめげ猫さんの記事もありましたよね。
しかもこの方式だと、地元産か、近隣産をスーパーで買うだけだから、そこで売っていなければ引っかかりません。しかも食品群ごとに混合しています。

いわきのたらちねさんには期待していたけど、乳製品のストロンチウム測定結果が産地の不明な粉ミルクしかありませんでした。
http://www.iwakisokuteishitu.com/result.html
福島の牛乳の測定結果が一個もありませんでした。

福島の牛乳のストロンチウム、もう五年経とうとして、会津の一件しか調べていないわけないですよね。
会津は福島県の中では汚染が軽い方だし。
他にたくさんしていて、私が発見できないだけでしょうか。もしあったら教えてください。
  1. 2015/12/12(土) 23:38:16 |
  2. URL |
  3. 身内に被爆者がいたもの #YOiJM49g
  4. [ 編集 ]

Re: 福島牛乳のストロンチウム検査結果が見当たりません

身内に被爆者がいたもの 様
コメントありがとうございます。以下回答します。
Q1.福島の牧場で生産して、どこに出荷するかは不明ですが
A1.リファレンス(30)中に
「県酪農業協同組合を通じて酪王乳業に出荷する。」
なんて記載があります(太字は(=^・^=)が付けた)。こちらのメーカさんは「福島県酪農業協同組合」がつくられった乳業メーカーです(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9C%8C%E9%85%AA%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E5%8D%94%E5%90%8C%E7%B5%84%E5%90%88)。こちらの製品は福島県外にも広く出回っているようですが(http://www.excite.co.jp/News/bit/E1425024936788.html)、メーカー名を見ただけで「福島」を連想できる人は少ないと思うので注意が必要だと思います。最近、(=^・^=)の住む街で「南郷」とか「ばんだい」とかの名前を付けた商品を見ることがあるのですが、こちらは福島にある地名です(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E9%83%B7%E6%9D%91_(%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9C%8C、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A3%90%E6%A2%AF%E7%94%BA)。
Q2.福島の牛乳のストロンチウム<略>もしあったら教えてください。
A2.5年間、探し回ってますが一度も見たことがありません。もし見つけたら教えてください。
  1. 2015/12/13(日) 12:08:13 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
  4. [ 編集 ]

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