めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島県伊達市10周年―未来は暗い―

 新年、明けましておめどうございます。今年もめげ猫「タマ」の日記を宜しくお願いします。
 元旦はおめでたい日です。その日に福島県伊達市は市制10周年を迎えました。お祝いしたいのですが、未来は暗そうです。
 福島県伊達市は福島県の北の外れにある市です。
放射能に汚染されている福島県伊達市
※1(1)の数値データを元に(2)に示す手法で1月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(3)による
 図-1 福島県伊達市と会津地方

 2006年1月1日に 伊達町、梁川町、保原町、霊山町、月舘町が合併して、全国で2番目の「伊達市」として発足しました(4)。
 福島原発事故によって福島第一原発からは広島原爆30個分の放射性物質がばら撒かれましたが(5)(6)(7)、福島原発から40-50km離れた伊達市にも到達しました。
事故から4年10ヶ月過ぎても除染が必要な福島県伊達市
 ※(1)の数値データを元に(2)に示す手法で1月1日時点に換算
 図-2 福島県伊達市の放射線量

 図に示す通り原発事故から5年10ヶ月が経過した今も国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(8)を超えています。
 以下に伊達市産のイノシシのセシウム濃度を示します。
再上昇する福島県伊達市産イノシシのセシウム濃度
 ※(9)を集計
 図-3 福島県伊達市産イノシシのセシウム濃度

 一度は下がったのですが、再び上昇し最新の今年1月の検査結果では基準値の10倍の1キログラム当たり1000ベクレルのセシウムが見つかっています。以下に伊達市産のセシウム134と137の相関を示します。
セシウム137が確り残っている福島県伊達市の農産物
 ※(9)を集計
 図-4 福島県伊達市産のセシウム134と137の相関

 これは伊達市かぎったことではありませんが、原発事故から5年近くが経過し半減期2年のセシウム134(11)は当初の2割程度になっていますが、半減期30年(11)のセシウム137(11)が大部分になりました。以下に伊達市の住宅除染の進行状況をしまします。
除染が実施されなくなった福島県伊達市
 ※(12)を集計
 図-5 福島県伊達市の除染の進行状況

 2014年以降に動きはほとんどなく、除染は実質的に終了しています。今後は除染による放射線量の低減は望めません。そして残ったのは半減期30年となかなか減らないセシウム137ですので、今後の放射線量や放射能の低減は見込めません。
 原発事故後に放射線量以外に増えたものがあります。葬式です。福島県の発表(13)を纏めると12月の発表がないので、各年1から11月中の福島県伊達市の死者数は
  原発事故前年(2010年1-11月)  761名
  原発事故5年目(2015年1-11月) 857名
で、7%増えています。偶然に起こる確率を計算したら1.7%で偶然とは思えません。図-1示す様に福島県伊達市に比べれば汚染が少ない会津では
  原発事故前年(2010年1-11月)  2,997名
  原発事故5年目(2015年1-11月) 3,003名
で殆ど変っていません。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
 
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(14)による。 
有意差検定表
 伊達市やモモやあんぽ柿の産地として知られていますが(4)、農林水産省の統計を見ると(15)他にもイチゴ、ニラ、春菊は福島県最大の産地であり、キュウリは第二位の産地です。モモ、柿、イチゴ、ニラ、春菊、キュウリといった多くの特産品があり大変に農業が盛んな市です。以下に伊達市の農業生産額を示します。
回復の兆しが見えない福島県伊達市の農業生産額
 ※(16)より作成
 図-6 福島県伊達市の農業生産額

 伊達市発足後は福島原発事故前までは連続して増やしています。福島県伊達市においては農業は大事な成長産業だったと思います。それが原発事故後に激減し回復の兆しがありません。
 福島県伊達市は市の花をモモにしています(17)。モモは福島県伊達市にとって大切な農産物だと思います。以下に福島県の東京中央卸売市場でも福島産モモ価格を示します。
今年も低迷した福島のモモ価格
 ※(18)を転載
 図―7 福島産と山梨産のモモ価格

 原発事故後にライバルの山梨との価格差が大きく開きました。そして山梨との価格差は
  2014年 △156円
  2015年 △158円
で、価格差が逆に広がっています(18)。
 仕方がないことです。福島のモモについて福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇氏は
 「今年のモモは全て検出されず」
などと主張していますが(19)、福島県外の検査では福島原発事故以降に5年連続でセシウムが見つかっています。
福島県外検査ではセシウムが見つかる福島産のモモ
 ※(18)を転載((12)の集計)
 図―8 福島産モモの福島県外での検査結果

 5年連続でセシウムが見つかっています。福島のモモは原発事故から5年経ってもセシウム入りです。すでに述べたように、現時点で残っているセシウムはセシウム137で今後は早急な減衰が望めないのでこの状態は継続すると思います。福島県は福島産モモは検査で基準値以下が確認されていて「安全」だと主張しています(20)。でもこれは行政や生産者の論理であって(=^・^=)の論理は違います。セシウム入りと無しではセシウム無しが良いに決まっています。
 以下に福島産の2015年中と福島県と福島県外の検査結果の比較を示します。
他県の10分の1程度の福島県の福島産検査結果
 ※1(21)を転載((12)の集計)
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図-9 福島産の福島県検査と福島県外検査の相関(2015年)

 (=^・^=)が集計した限りでは福島県の福島産の検査結果は福島県外の10%程度の値です。福島産を福島県外で検査するとセシウムの値は10倍に跳ね上がります。これではいくら検査されても安心して伊達市産を含め福島産を食べることはできません。

 国政調査の速報値によると(22)、前回(2010年)に比べ今回(2015年)の福島県伊達市の人口は△ 3,591減(△5.4%)で、福島県13市の中で2位です。一位は南相馬市ですが、ここは一部が避難地域になっています(3)。避難地域を除けば福島県最大です。でももっと事態は深刻なようです。以下に福島県伊達市の25歳~29歳の人口を示します。
減り続ける福島県伊達市の20代後半人口
 ※1(13)にて集計
※2 2015年の国勢調査の結果は反映されていない
 図ー10 福島県伊達市の20代後半人口

 福島原発事故以降に一直線で減っています。福島県の初婚年齢は男性が29.6歳、女性が27.8歳なので(23)、適齢期に該当するでしょうか?この世代がいなくなればカップルが誕生せず、次世代に命を繋ぐことができません。やがて滅びます。
 なんで減ったかといえば、福島原発事故後に二十歳を過ぎると、伊達市から逃走する若者が増えたからと思います。福島県の発表(13)によると5年前の2010年12月に、福島県伊達市の20代前半の女性は1,467人でしたが、5年後の2015年12月に彼女達が25歳を過ぎ適齢期なった時は980に減っています。20代後半の方が、5年前(当時は20代前半)に比してどれだけ残っているかを仮に「5年残存率」として定義して見ます。2015年12月の福島県伊達市の20代後半の女性の5年残存率は
 980(2015年12月時点の伊達市の20代後半の女性人口)÷1,467(2010年12月時点の伊達市の20代全半の女性人口)=0.67(67%)
です。以上のように定義した福島県伊達市の20代前半から後半への5年残存率を示します。
原発事故後に減少を始めた20代前半から後半にかけての5年残存率
 ※(13)を集計
 図-11 福島県伊達市の20代前半から後半への5年残存率

 原発事故前ないし直後は男性でほぼ100%、女性でも90%程度で、20代前半の若い方がが25歳になるまでに、福島県伊達市から出て行くことはあまりなかったと思います。でも、図に示す通り、20代前半から後半への5年残存率は低下しています。20代前半の方の福島県伊達市からの逃走が原発事故後に増えています。20代前半と言えば学校を卒業し社会に旅立つ時です。福島原発事故後は福島県伊達市の若者は伊達市外での旅立ちを選ぶようになりました。
 福島県伊達市の前半の5年はそれなりに未来に希望があったと思います。でも10年目の福島県伊達市は
 ・放射能に汚染されているが解消される見込みが無い。
 ・葬式(死者数)が増えている。
 ・原発事故前は成長を続けていた農業は落ち込んだまま回復の兆しが無い
 ・原発事故後に20代前半の若者が逃げていくようになった。
になりました。
 1月1日の福島県の地方2紙の社説は福島を子供達に引きづぐことを主張していました。福島民報は社説の冒頭で
 「東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から5度目の正月を迎えた。厳しい闘いは続くが、復興の道を照らす光は年ごとに明るさを増している。必ず福島を再生し、新たな魅力を創り出す―。県民の決意が県土活性化の鼓動となって広がる。福島の未来を開くために、古里を希望で満たして子どもたちに引き継ぐために、力強く歩んでいきたい。」
と論じています(24)。
 福島民友は社説の冒頭で
 「新年は、県民一人一人が未来を見つめ、次代を担う子どもたちに自信と誇りをもって手渡すことができるような新しい福島県をつくるために立ち上がる年にしたい。」
と論じています(25)。
 福島県伊達市の現状を見ていると夢物語にしか見えません。(=^・^=)は福島復興とは福島という地域の復興でなく、福島に住む皆様、特に子供達の復興でなくてはならないと考えています。どのような方策しろ福島に住む皆様が原発事故以前と同じような安全で安心して生活できる環境を取り戻すことが福島復興だと思います。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
福島県伊達市のスーパーでは今日(1月1日)が初売りのようです(26)。福島県伊達市ではニラ、春菊、あんぽ柿そしてイチゴがシーズンのようです(27)。とれか一つくらいはチラシに載っているか気になりチラシをみてみました(26)。でも見つける事はできませんでした。
他県産はあっても福島産イチゴな無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図―12 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(2)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(3)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(4)伊達市 (福島県) - Wikipedia
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(7)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)報道発表資料 |厚生労働省
(10)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(11)半減期 - Wikipedia
(12)福島県 伊達市|除染実施区域の概要・進捗|除染情報サイト:福島県・環境省
(13)福島県の推計人口(平成27年12月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(14)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(15)作物統計調査> 市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年
(16)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(17)市のシンボル - 福島県伊達市ホームページ
(18)めげ猫「タマ」の日記 今年(2015年)も低迷、福島モモ価格、山梨との価格差広がる
(19)放射線 放射性物質 Q&A 本県産のモモからセシウムは検出されているのか | 東日本大震災 | 福島民報
(20)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(21)めげ猫「タマ」の日記 今年(2015年)も低迷、福島モモ価格、山梨との価格差広がる
(22)平成27年国勢調査速報(福島県の人口・世帯数)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(23)結果の概要|厚生労働省
(24)【新年を迎えて】挑み、開く福島の未来(1月1日) | 県内ニュース | 福島民報
(25)【1月1日付社説】新年を迎えて/自ら立ち上がる年にしよう:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(26)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
(27)ベジフルカレンダー - JA伊達みらいのホームページ
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  1. 2016/01/01(金) 19:42:10|
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