めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(1月1週)―福島第一にキツネ―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。今週も(2015年12月27日から2016年1月2日)新年早々でありながら確りトラブルが起こっています。福島第一原発の新年はトラブルで始まったようです。

1.福島第一にキツネ
 東京電力は12月28日の会見で福島第一原発でキツネが見つかったと発表しました(2)。
 福島第一に出没したキツネ
 ※(3)を引用
 図-1 福島第一で見つかったキツネ

 発見されたのは12月21日ですが、公表は1週間も後の12月28日でした。キツネさんが見つかった場所の放射線量は毎時200ミリシーベルトあるそうです(2)(4)。大丈夫か心配です。
 東京電力の会見で外から侵入したとは明言していませんが、福島第一のフェンス等は先の震災で破損し不備があることは認めています(2)。侵入したのがキツネで助かったのかもしれません。これがテロリストやクマさんなら大変な事になっていたと思います。福島第一原発が立地する大熊町や隣の富岡町でもクマさんの目撃情報があります(5)(6)。

 
2.地下水ドレンのトリチウム濃度が下がらず
海側遮水壁は福島第一原子力発電所の1~4号機側の敷地から港湾内に流れている地下水をせき止め、海洋汚染を減らす為に設けらもので、2015年10月26日に完成しました(7)。
海側遮水壁と地下水ドレン
 ※(8)にて作成
 図―2 海側遮水壁の概要

 海側遮水壁に汚染水が流れ込み一杯になってしまったので、11月5日から海側遮水壁内側の汚染水の汲みあげをはじめました(9)。当初の予定では汲み上げた汚染水は浄化装置を通した後で、海に流すはずでした(8)(9)。以下にくみ上げた汚染水のトリチウム濃度を示します。
排水基準の4倍程度推移する地下水ドレン汲み上げ水のトリチウム濃度
 ※(10)~(13)で作成
 図-3 地下水ドレンのトリチウム濃度

 概ね1リットル当たり6,000ベクレル程度で推移しています。海側遮水壁内側からくみ上げた汚染水を浄化装置を通し海に廃棄する一連の系を東京電力は地下水ドレンと命名していますが(9)、排水基準は1リットル当たり1,500ベクレル(14)で大きく超えています。今週の測定でも下がりませんでした(13)。東京電力はトリチウムは浄化できないと明言していますので(9)、海に捨てる事ができずタービン建屋に戻しているのが実態です(15)。
 以下にA,B,Cの3系統の配置を示します。
地下水ドレンの配置
 ※(6)にて作成
 図-4 地下水ドレンの井戸と一時保管用のタンク


4.タービン建屋の水位が上昇
 サブドレンは、原子炉建屋とタービン建屋近傍にある井戸のことです。サブドレンで地下水をくみ上げることにより、原子炉建屋およびタービン建屋へ流入する地下水が大幅に低減することが期待できます(8)。
 東京電力の会見を聞いていたら(7)、地下水ドレンの汲みあげで汚染水の総量が加速している問題の解決策として、サブドレンの汲みあげを強化して海側遮水側への地下水を抑える旨の発言がありました。そんなことが可能か(=^・^=)なりに調べてみました。
 以下にタービン建屋と海側サブドレンの水位を示します。
 差が縮小しつつあるタービン建屋とサブドレンの水位
 ※1(16)(18)(19)にて作成
 ※2 色違いは観測場所の違い
 図-5 海側サブドレンとタービン建屋水位

 タービン建屋の水位は上昇していますが、サブドレンの水位は下がっています。タービン建屋周辺の地下水位がタービン建屋の水位より低くなるとタービン建屋の汚染水が漏れ出でるので、あまり低くすることができません。東京電力は概ね11本のサブドレンの地下水位を公表していますが、これですべてが分かる訳ではありません。もっと低い所があるかも知れません。全域で測定するのは無理なので、統計的な手法を活用せざるを得ないともいます。一つの方法は正規分布を活用することだと思います。正規分布では平均から標準偏差の3倍を下回る部分には殆ど分布が無いとされています(20)。東京電力はサブドレン稼働前の2015年8月のサブドレン水位の数値を発表しています(21)。だたしサブドレンが稼働した9月以降の数値データは示していません。図-5はタービン建屋からみて海側に配置されいるサブドレンの水位なので(19)、8月のタービン建屋海側のサブドレンの水位の標準偏差を集計してみました。
海側サブドレンの標準偏差は1.1m
 ※(21)を集計
 図-6 海側サブドレンの標準偏差

 およそ1.1m程度でしょうか?11本の8月全体の平均でサブドレンの水位(TP)の最高値はNo58の6.00mで、最小は2.12mで差は3.88mです。図-5にあるように現時点は最大が約5.5m、最小が4mで差は1.5mです。この分だけ標準偏差減ったとすれば、現状の標準偏差は0.41m(1.1×1.5÷6.0)程度と推定します。図ー5の目分量で見て平均は3m程度でしょうか?するとタービン建屋海側の最低水位を平均―3×標準偏差として1.77m(3-3×0.41)です。タービン建屋のうち1月1日で4号機が最高で1.748m(18)で殆ど余裕がありません。これ以上のサブドレンによる地下水位の低下はタービン建屋との水位の逆転を起こしかねず無理な気がします。
 福島第一原発の汚染水は
  タービン建屋⇒「SARRY」⇒「淡水化装置」⇒SR処理水タンク⇒「ALPS」⇒処理水タンク
 に送られる手順になっています(22)(23)。

 満水率=保管量÷タンク容量
で規定して、処理水の満水率の経過を見てみました。
約98%をキープする処理水の満水率
 ※(1)を転載
 図―7 処理水タンクの満水率

 この所、約98%で推移しています。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(24)。(=^・^=)はこれが限度だと思っています。
 結局は地下水ドレンからくみ上げる汚染水量をサブドレンの強化で減らすことが出来ません。2項に示すようにトリチウム濃度が高く、海に流すこともできません。ここ当分は地下水ドレンを汲みあげてはタービン建屋に送り込むしかありませが、最後に行きつく汚染水タンクは満タン状態です。


4.サブドレンは第三者機関のチェック無し
 サブドレンの運用は9月3日から始まりました(24)。サブドレンの開始に当たり東京電力は福島の漁師さんに対し
「排水実施にあたっては、弊社および第三者機関にて、一時貯水タンクにおける水質分析結果が運用目標を満足していることを各々確認し、排水を実施いたします。」
と約束しました(25)。でも1月2日発表したサブドレン水分析結果には「第三者機関」の結果がありません(26)
「第三者機関」の結果が無いサブドレン水の分析結果
※(26)を引用
 図―8 「第三者機関」の結果が無いサブドレン水の分析結果

 確かに昨年12月28日の会見では(2)、お正月休み中は第三者機関の検査は止めて東京電力の検査を2回実施して海に捨てる旨の説明は口頭ではありましたが、それでいいのですかね。約束したのは福島の漁師さんです。漁師さんへの説明はきっちろしたんですかね?それとも東京電力って約束は平気で破る?


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
新年早々からの福島原発のトラブルでは福島の方を心配なようです。福島からは初売りにニュースが流れてきました。なんでも「福」を求めて人の波ができたそうです(28)。でも「福島」を求める方は少ないようです。
 福島のスーパーには今日(1月2日)に初売りをする店もあります(29)。福島県を代表する冬野菜にネギがあります。福島県いわき市が福島県最大の産地です(30)。福島県は福島産ネギは「安全」だと主張しています(31)。でも福島県いわき市のスーパーの初売りのチラシには福島産ネギはありません。
他県産はあっても福島産ネギが無い福島県いわき市の初売りのチラシ
 ※(29)を引用
 図―9 福島産ネギが無い福島県いわき市のスーパーの初売りのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月4週)―福島第一汚染水対策は綱渡り―
(2)【12月28日】東京電力 記者会見 - 2015/12/28 17:30開始 - ニコニコ生放送
(3)東京電力 写真・動画集| 2号機原子炉建屋内における動物の確認について
(4)高線量建屋にキツネか 第一原発2号機 | 県内ニュース | 福島民報
(5)町内で熊の目撃情報! | 大熊町公式サイト
(6)【緊急情報】富岡町内で平成27年2月10日10時頃に熊の目撃情報がありました。町内に一時帰宅した際は十分にご注意ください。|緊急情報 | 富岡町役場
(7)【12月24日】東京電力「中長期ロードマップの進捗状況」に関する記者会見 - 2015/12/24 18:00開始 - ニコニコ生放送
(8)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(9)海側遮水壁|東京電力
(10)2015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(~2015年9月30日採取分)(PDF 360KB)
(11)015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(2015年10月1日~11月4日採取分)(PDF 360KB)
(12)2015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(2015年11月5日~12月2日採取分)(PDF 360KB)
(13)福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果|東京電力中の「地下水⇒12月11日、18日、24日および28日」
(14)サンプリングによる監視|東京電力
(15)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月3週)―サブドレン稼働・現状は悪い方にいっている―
(16)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(17)データ集|東京電力
(18)(17)中の「構内にある滞留水の水位・移送、処理の状況」
(19)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(20)正規分布 - Wikipedia
(21)サブドレンピット水位計測結果|東京電力
(22)原子炉の安定化|東京電力
(23)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(24)スロッシング - Wikipedia
(25)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(26)福島第一原子力発電所のサブドレンおよび地下水ドレンの運用等に関する全国漁業協同組合連合会からの申し入れに対する回答について|東京電力
(27)2016年1月2日サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果(PDF 67.3KB)
(28)「福」を求めて人の波 福島県内初売り、にぎわう:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(29)平尼子店 | マルト - 店舗情報
(30)栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。
(31)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページちゅうの「やさい編」
スポンサーサイト
  1. 2016/01/02(土) 19:47:30|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<福島第一汚染水(1月1週)―海岸付近の井戸は新記録ラッシュ― | ホーム | 福島県伊達市10周年―未来は暗い―>>

コメント

>フェンス等は先の震災で破損し不備があることは認めています
 アレ!?東京新聞の記事(記者会見だと思う)では破れていないので、逃げ出す心配はない、と言っているとなっていたんですが?
まぁ、私は「じゃあ何所から発生したんだ!?」と思わずツッコミ入れたくなりましたがね(笑)まさか敷地内で生まれたのかァ!?ですよね。
 その内キネゴンとかキングキネラーなんてのが生まれるんじゃないの、とオモチャった(恐)
>東京電力って約束は平気で破る?
ハイ!平気で破ります。環境省への移染費用だって払っていません。ADRだって拒否します。
確か両方とも迅速に対応する事で了承していた筈。
  1. 2016/01/02(土) 23:00:08 |
  2. URL |
  3. 武尊43 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1672-49c38b7d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)