めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(1月1週)―海岸付近の井戸は新記録ラッシュ―

 福島第一原発汚染水の1月1週(12月28日から1月2日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①事故から4年10ヶ月超、外洋からはトリチウム等の放射性物質
 ②港湾口からは一昨年は見つからなかった全ベータ
 ③地下水バイパス井戸からは過去最高のトリチウム
 ④海岸付近の井戸は新記録ラッシュ
 ⑤サブドレンからとトリチウム放出量は100億ベクレル突破

1.事故から4年10ヶ月超、外洋からはトリチウム等の放射性物質
 外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
 原発事故6年目も外洋から見つかる放射性物質
 ※1 (4)(5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(6)
 図―1 福島第一原発近傍外洋の放射性物質濃度

 このうち気になったのが5,6号機放水口北側の放射性物質濃度です。以下に推移を示します。
 原発事故6年目になっても下がる気配が無い5,6号機放水口北側の放射性物質濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

 図に示すとおり、原発事故から4年10ヶ月を過ぎても低下の兆しがありません。

2.港湾口からは一昨年は見つからなかった全ベータ
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
原発事故6年目もそれなりの港湾内の放射性物質濃度
 ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値  
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

10月26日に海側遮水壁の工事が完了しました(7)。東京電力はこの効果で港湾内の放射性物質濃度は下がったと主張しています(8)。効果があれば汚染水の流れが悪くなり、全体の汚染水濃度が下がっていいはずです。以下に港湾口の2014年と15年10~12月の全ベータ濃度を示します。
1年前は見つからない全ベータが今は見つかる港湾口
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―4 港湾口の全ベータ濃度

 港湾口は港湾と外洋の境界に当たる場所です。ここでの放射性物質濃度が低減されなれば外洋への流出が防止できたことになりません。図―4に示す通り、海側遮水壁ができる前の2014年は全ベータは見つかっていません。でも海側遮水壁が完成した2015年10月26日以降を見ると全ベータが見つかっています。一昨年末より海側遮水壁が完成した昨年末の方が全ベータ濃度が高くなっています。現時点では海側遮水壁の効果は見えません。

3.地下水バイパス井戸からは過去最高のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(9)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(10)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(11)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染水が見つかる地下水バイパス山側井戸
※1 (10)(11)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。このうち気になるが地下水バイパスNo11井戸です。
上昇に転じ過去最高を記録した地下水バイパスNo11井戸のトリチウム
 ※(11)を集計
 図―6 地下水バイパスNo11井戸のトリチウム濃度

昨年12月位から上昇し、新年早々に過去最高(新記録)のトリチウムが見つかったと発表がありました(12)。

4.海岸付近の井戸は新記録ラッシュ
  東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下に今週、最高濃度(新記録)の放射性物質が見つかった井戸の位置を示します。
過去最高を記録した海岸付近の多数の井戸
 ※(5)を集計
 図―7 今週に過去最高を記録した海岸付近の井戸の位置

 いつもですと図に数値も記載するのですが、過去最高が多数あり図に記載できないので位置だけにします。今週過去最高を記録した井戸の放射性物質濃度は番号が若い順に以下の通りです。値は全て1リットル当たりで集計期間内の最大値です。セシウムはセシウム134と137の合計値です。
 ①No1-12
  セシウム   1,950ベクレル(過去最高)
  全ベータ   5,000ベクレル
  トリチウム 38,000ベクレル
 ②No1-14
  セシウム    347ベクレル
  全ベータ 44,000ベクレル(過去最高)
  トリチウム 4,600ベクレル
 ③No2井戸
  セシウム   307ベクレル(過去最高)
  全ベータ   800ベクレル
  トリチウム  580ベクレル
 ④No2-2井戸
  セシウム   127ベクレル(過去最高)
  全ベータ   480ベクレル
  トリチウム  240ベクレル  
 ⑤No2-3井戸
  セシウム     90ベクレル(過去最高)
  全ベータ    600ベクレル
  トリチウム 3,700ベクレル
 ⑥No2-5井戸
  全ベータ   40万ベクレル(過去最高)
  トリチウム  350ベクレル
 ⑦No2-7井戸
  セシウム    98ベクレル(過去最高)
  全ベータ   870ベクレル
  トリチウム  670ベクレル       
 ⑧No2-8井戸
  セシウム   196ベクレル(過去最高)
  全ベータ 7,300ベクレル
  トリチウム  710ベクレル
このうち最も気になったのがNo2-5井戸の全ベータ濃度です。以下に推移を示します。
急上昇が続くNo2-5井戸の全ベータ
 ※(5)を集計
 図―8 No2-5井戸の全ベータ濃度

 昨年10月始め位から急上昇を開始し、止まる気配がありません。これからも急上昇が続きそうです。

5.サブドレンからとトリチウム放出量は100億ベクレル突破
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(13)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(14)ほぼ3ヶ月半が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(15)(16)、濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
※(15)(16)を集計
 図―9 サブドレンの累積排出量

 累積で101.3億ベクレルと100億ベクレルを突破しました。9月14日にサブドレン汚染水(トリチウム入り)の排水が始まってから年末までで108日ですので、概ね1日約1億ベクレルのペースでしょうか?
  
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)と(ブログ図表②)を参照ください。
 原発事故から6年目になりました。福島第一の汚染水漏れはますます酷くなっているようです。他にも福島は色々な問題を抱えているようです。福島の地方紙の福島民報は今日(1月3日)の1面トップに「よみがえれ古里」との記事を載せていました。
よみがえれ故郷と福島がよみがえってないことを報じる福島の地方紙・福島民報
 ※(17)を1月3日に閲覧
 図-10 「よみがえれ古里」と1面トップに掲載した福島県の地方紙、福島民報

 福島は原発事故から5年を経てもよみがえっていないようです。この間に福島には、除染、復興、賠償、福島第一の安定化等に福島県民一人あたり1000万円近いお金が使われました(18)。それでも福島は今もダメなようです。これでは福島の方も不安だと思います。
 今日で3が日も最後、お雑煮の食べ納めなんて方もいると思いまます。福島のお雑煮にネギを入れるご家庭もあると思います(19)。ネギは福島を代表する冬野菜のひとつだそうです。福島県いわき市が福島県最大の産地です(20)。福島県は福島産ネギは「安全」だと主張しています(21)。でも福島県いわき市のスーパーの初売りのチラシには福島産ネギはありません。
他県産はあっても福島産ネギが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―11 福島産ネギが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(12月4週)―港湾口のストロンチウム90濃度は上昇中―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を12月27日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(7)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)
(8)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(10)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(11)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(12)2016年1月2日福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果(PDF 154KB)
(13)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(14)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(15)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(16)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(17)福島民報
(18)めげ猫「タマ」の日記 東電再建計画100日で破綻―福島原発費用は福島県民一人当たり1000万円―
(19)お雑煮【福島県風】お雑煮の作り方を教えてください。できれば福島県風(いわ... - Yahoo!知恵袋
(20)栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページちゅうの「やさい編」
(22)イオンいわき店
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  1. 2016/01/03(日) 19:50:10|
  2. -
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