東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、1月3週(1月10日から16日)もしっかりトラブルが起こっています。
1.汚染水タンク工事で下請けさんが骨折
2016年1月12日午前10時前に、福島第一原子力発電所構内で汚染水タンクの解体工事をしていた下請けさんが指をが左手人差指を骨折し救急車で病院に運ばれました。約3ヶ月程度の治療を要する見込みと診断されたそうです(2)。去年も大量のげが人・死人が出ています(3)。
汚染水タンクがひっ迫していることは先週に記載した通りですが(1)、無理をした可能性はないのでしょうか?(=^・^=)が東京電力や下請けさんに言いたいのは汚染水を漏らしてもけが人や死人は出すなです。
2.ダストモニタから警報
1月13日12時40分ごろ、敷地境界の南側に設置されたダストモニタ1カ所で鳴りました。1立方メートル当たり11ベクレルの放射性セシウムが見つかったそうです。原因について東京電力は
①警報がなった時はほぼ南から北に向かって風が吹いていた(南南東 風速:毎秒4.3m)
②南側の道路をダンプが通過していた。
との事から、ダンプが砂塵が舞い上げ、これをダストモニタ検知(見つけ)警報が鳴ったと説明しています(4)。以下に警報を出したダストモニタの位置を示します。

※Google Mapと(4)(5)にて作成
図ー1 警報を出したダストモニタ位置
確かに南側に道路があります。以下に道路の様子を示します。

※Google Mapにて作成
図ー2 ダストモニタ南側道路
舗装されています。ダンプが砂塵が舞い上げる事ができるんですかね?
3.地下水ドレンのトリチウム濃度は高いまま
海側遮水壁は福島第一原子力発電所の1~4号機側の敷地から港湾内に流れている地下水をせき止め、海洋汚染を減らす為に設けらもので、2015年10月26日に完成しました(6)。海側遮水壁に汚染水が流れ込み一杯になってしまったので、11月5日から海側遮水壁内側の汚染水の汲みあげをはじめました(7)。当初の予定では汲み上げた汚染水は浄化装置を通した後で、海に流すはずでした(7)(8)。以下にくみ上げた汚染水のトリチウム濃度を示します。

※(9)~(13)で作成
図-3 地下水ドレンのトリチウム濃度
概ね1リットル当たり5,000ベクレル程度で推移しています。海側遮水壁内側からくみ上げた汚染水を浄化装置を通し海に廃棄する一連の系を東京電力は地下水ドレンと命名していますが(8)、排水基準は1リットル当たり1,500ベクレル(14)で大きく超えています。東京電力はトリチウムは浄化できないと明言していますので(8)、昨年11月初に地下水ドレンからの汲みあげを開始したのですが、海に捨てる事ができずタービン建屋に戻しているのが実態です(15)。福島第一の汚染水は増え続けています。A,B,Cの系統については(=^・^=)の先週の記事(1)をご覧ください。
4.地下水ドレンのくみ上げ量の公表は遅らせます。
福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
タービン建屋⇒SARRY⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(16)(17)(18)。最終段の処理水について
満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。

※(19)を集計
図ー4 福島第一の「処理水タンク」の満水率
この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(20)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。
東電の会見を聞いていると地下水ドレンからどれだて汲み上げるかは報道記者の関心事のようです。そこで東京電力は1月7日の会見で、次週から地下水ドレンからからの汲みあげ量を公表すると発表しました(21)。ところが1月14日の会見ではさらに1週間、公表を遅らすとの発表に変更になりました。理由は全体像が分かるように他のデータも併せて発表するので検討が必要とのことです(22)。
以下に(=^・^=)が見積もった処理水タンクの容量と汚染水量の見込みを示します。手法は先週の記事に記載した通りです(1)。

※1(6)(19)にて作成
※2タンク容量は処理水のみで増えてるので増設タンクは処理水タンクとなることを想定
※3 水量・見込は汚染水が今後も同様の増え方をしたと仮定した時の汚染水量の見込みを示す。(19)を集計し推定
※4 容量・見込みはタンク増設計画(19)から想定される処理水タンクの容量
図-5 処理水タンク容量と汚染水量の見込み
現状のままですと、5月中旬には処理水の量がタンク容量を上回りこれ以上の処理ができなくなります。事態は深刻です。
(=^・^=)は事態の深刻さを誤魔化すためにどのようなデータをくっつけるかの検討に時間がかかっていると想像したくなります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
トラブル続きの福島原発!これでは福島の方は不安だと思います。
昨日(1月15日)はイチゴの日です(23)。福島県は全国有数のイチゴの産地です(24)。福島県伊達市は福島県最大のイチゴの産地です(25)。福島県伊達市のイチゴは、とても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのものです(26)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。

※(27)を引用
図―5 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月2週)―ALPS停止まで130日―(2)
2016年1月13日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後4時現在】 (3)
めげ猫「タマ」の日記 勝手に福島原発十大トラブル2015(4)
2016年1月14日福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力(5)
福島第一原子力発電所構内でのモニタリングポスト計測状況|東京電力(6)
中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(7)
海側遮水壁|東京電力(8)
サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力(9)
2015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(~2015年9月30日採取分)(PDF 360KB) (10)
015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(2015年10月1日~11月4日採取分)(PDF 360KB)(11)
2015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(2015年11月5日~12月2日採取分)(PDF 360KB) (12)
福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果(2015年12月)|東京電力中の「地下水⇒12月11日、18日および24日」
(13)
福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果|東京電力>中の「地下水⇒1月7日、8日、12日、14日」
(14)
サンプリングによる監視|東京電力(15)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月3週)―サブドレン稼働・現状は悪い方にいっている―(16)
汚染水対策の主な取り組み|東京電力(17)
原子炉の安定化|東京電力(18)
めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について(19)
プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(20)
スロッシング - Wikipedia(21)
【2016年1月7日】東京電力 記者会見 - 2016/01/07 17:30開始 - ニコニコ生放送(22)
【2016年1月14日】東京電力 記者会見 - 2016/01/14 17:30開始 - ニコニコ生放送(23)
1月15日 いちごの日|なるほど統計学園(24)
甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売(25)
めげ猫「タマ」の日記 1月15日はイチゴの日、福島のスーパーのチラシのイチゴの殆どが福島産以外(26)
伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ(27)
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- 2016/01/16(土) 19:47:33|
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