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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(1月4週)―2週連続で下請けさんがケガ―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、1月4週(1月17日から23日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.2週連続で下請けさんがケガ
1月18日午前11時30分頃、福島第一原子力発電所構内の2号機建屋西側付近で、土嚢運搬作業を行っていた下請けさんが、土嚢とガードレールの間に左手薬指を挟みケガをして救急車で運ばれました(2)。会見を聞いている限り(3)(4)、凍土壁の工事に従事していたようです。
 先週の1月12日午前10時前に、福島第一原子力発電所構内で汚染水タンクの解体工事をしていた下請けさんが指をが左手人差指を骨折し救急車で病院に運ばれましたので(1)、新年早々に2週連続で下請けさんがケガをしています。

2.凍土壁へ原子力規制委が質問状
 東京電力と国(資源エネルギー庁)は福島第一原発のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で取り囲み、汚染水の元となる地下水の流入を抑える「凍土壁」を計画しています(5)。当初は2015年1月から凍らせる計画をしていました(6)。
 3月から凍結開始の予定だった凍土壁の計画
 ※(6)にて作成
 図―1 凍土壁工程表

 それから1年近く経った今も「凍結」は始まっていません(7)。これについて原子力規制委員会は
 「地下水水位変動の予測シミュレーションは、実測値と照らして、その予測能力が確認できること。」
とか
 「地下水が陸側遮水壁(海側)の両脇へ流れ、最終的に海へ至る場合の環境への影響評価について示すこと。」
といった論点を提示しました(8)。東電の福島第一構内での地下水制御に関する予測は(=^・^=)の見る限り外れまくっているので(9)、東京電力や国は原子力規制委の疑問に答えることができないと思います。凍土壁は(=^・^=)も支払う税金が約320億円使われています(10)。このまま凍らすことができず税金の無駄遣いで終わりそうです。1月27日に「第39回特定原子力施設監視・評価検討会」が開かれるので、そこで細かな議論がされると思います。結果は折を見て記事にしたいと思います。

3.汚染水タンクは満タン状態
 福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
 タービン建屋⇒SARRY⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(12)(13)(14)。最終段の処理水について
  満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。
満水状態が継続する福島第一処理水タンク
 ※(15)を集計
 図ー2 福島第一の「処理水タンク」の満水率

 この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(20)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。
 以下に(=^・^=)が見積もった処理水タンクの容量と汚染水量の見込みを示します。手法は前の記事に記載した通りです(16)。
雨が降らなかったから減ったのに減ったとだけ主張する東電データ
 ※(1)を抜粋・加筆
 図―4 要因別の汚染水増加量

 この図を用いて東京電力は②で示す
 「地下水ドレン等から建屋への移送量は海側遮水壁の閉合に伴い一時的に増加したものの、減少傾向(②)」
と主張していますが、図をみると雨が降らなくなっています。(=^・^=)には単に雨が降らなかっただけだとおもいます。過去2週間の汚染水増加量と週毎の汚染水増加量を示すと
  1月 1日から 7日 降水量0(雨なし) 汚染水増加量 1日当たり406立方メートル
  1月 8日から14日 降水量0(雨なし) 汚染水増加量 1日当たり437立方メートル
  1月15日から21日 降水量64mm   汚染水増加量 1日当たり644立方メートル
と雨が降った途端に汚染水増加量が増えています。なを降水量は福島第一原発近くのアメダス観測点の浪江(20)、汚染水増加量は東京電力の発表(15)を集計しました。
 以下に「浪江」の月平均の降水量を示します。
3月以降に増えそうな福島第一近辺の雨
 ※(20)を集計
 図-5 福島第一近くのアメダス観測点「浪江」の月平均降水量

 12,1,2月は雨は少ないので汚染水の増加は抑えられますが、3月以降9,10月まではどんどん増えます。汚染水もどんどん増えて行く気がします。福島第一の汚染水問題は深刻さを増していると思います。今後も折に触れ記事にしていきます。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
トラブル続きの福島原発!これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県二本松市のお米の全数全袋検査数が30万袋を超えました(21)。二本松市の人口は56,962人なので(22)、十分な量です。二本松市辺りのお米は「『お天道様』に育まれたやさしい米」だそうです(23)。福島県は福島産米は全数検査されており「安全」だと主張しています(24)。テレビCMも流しています(25)。でも福島県二本松市のスーパーのチラシにはお米を含め福島産がありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図―6 福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県二本松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月3週)―汚染水タンク工事で下請けさんが骨折―
(2)福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力
(3)【2016年1月18日】東京電力 記者会見 - 2016/01/18 17:30開始 - ニコニコ生放送
(4)【2016年1月21日】東京電力 記者会見 - 2016/01/21 17:30開始 - ニコニコ生放送
(5)陸側遮水壁|東京電力
(6)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(7)2016年1月21日福島第一原子力発電所陸側遮水壁凍結管設置作業の進捗状況について(PDF 86.4KB)
(8)福島第一事故対策に関するもの | 原子力規制委員会中の「
日付、平成28年01月18日⇒ 件名、東京電力株式会社福島第一原子力発電所における陸側遮水壁の運用に係る面談 ⇒資料【PDF : 55KB】」
(9)めげ猫「タマ」の日記 勝手に福島原発十大トラブル2015
(10)東京新聞:「凍土壁」早くも黄信号 地下トンネル、汚染水抜き難航:福島原発事故(TOKYO Web)
(11)第39回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(12)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(13)原子炉の安定化|東京電力
(14)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(15)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(16)スロッシング - Wikipedia
(17)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月2週)―ALPS停止まで130日―
(18)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(19)2016年1月18日建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移(PDF 182KB)PDF
(20)気象庁|過去の気象データ検索
(21)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を1月22日に閲覧
(22)二本松市ウェブサイト トップページ
(23)天日乾燥  福島コシヒカリ - JAみちのく安達-食と農を結ぶJAづくり 福島県二本松市・本宮市・大玉村の農業協同組合
(24)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(25)TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。
(26)店舗・チラシ検索|ベイシア beisia 豊かな暮らしのパートナー
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  1. 2016/01/23(土) 19:40:50|
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