めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(1月4週)―地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム―

 福島第一原発汚染水の1月3週(1月18日から24日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①事故から5年、外洋から放射性物質
 ②港湾口からは前年同時期には見つからない全ベータ
 ③地下水バイパス上流井戸から過去最高のトリチウム
 ④海岸付近の井戸からは今週も過去最高の放射性物質
 ⑤サブドレンからとトリチウム放出量は124億ベクレル突破
 ⑥港湾内の魚から高濃度のセシウム

1.事故から5年、外洋から放射性物質
 事故から5年近くになりました。時間が経ても外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
事故から5年経ても放射性物質が見つかる福島第一沖外洋
 ※1 (4)(5)(6)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 図―1 福島第一原発近傍外洋の放射性物質濃度

 このうち気になったのがの5,6号機放水口北側の放射性物質濃度です。以下に推移を示します。
5年経ってもなかかな下がらい5,6号機排水口付近の放射性物質濃度
※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

 図に示すとおり、原発事故から5年近く経ちましたが低下の兆しがありません。

2.港湾口からは前年同時期には見つからない全ベータ
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
高い濃度の放射性物質が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  SR90はストロンチウム90を示し、採取日は2015年12月14日  
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

10月26日に海側遮水壁の工事が完了しました(8)。東京電力はこの効果で港湾内の放射性物質濃度は下がったと主張しています(9)。効果があれば汚染水の流れが悪くなり、全体の汚染水濃度が下がっていいはずです。以下に港湾口の2014年と15年10からの全ベータ濃度を示します。
前年同時期には見つからなかった全ベータが見つかる港湾口
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―4 港湾口の全ベータ濃度

 港湾口は港湾と外洋の境界に当たる場所です。ここでの放射性物質濃度が低減されなれば外洋への流出が防止できたことになりません。図―4に示す通り、海側遮水壁ができる前の1年前は全ベータは見つかっていません。でも海側遮水壁が完成した2015年10月26日以降を見ると全ベータが見つかっています。一昨年末より海側遮水壁が完成した昨年末の方が全ベータ濃度が高くなっています。現時点では海側遮水壁の効果は見えません。

3.地下水バイパス上流井戸から過去最高のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(10)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(11)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(12)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた地下水が見つかる地下水バイパス山側井戸
 ※1 (11)(12)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。このうち気になるが地下水バイパスNo9井戸です。
上昇傾向に転じ過去最高を記録した地下水バイパスNo0井戸のトリチウム
※(11)を集計
 図―6 地下水バイパスNo1井戸のトリチウム濃度

昨年4月位から上昇に転じ、今週は過去最高濃度を記録しました。

4.海岸付近の井戸からは今週も過去最高の放射性物質
 東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下に今週、最高濃度(新記録)の放射性物質が見つかった井戸の位置を示します。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 このうち以降は1リットル当たりの値でNo1-14の全ベータ53,000ベクレル、セシウム550ベクレルは過去最高(新記録)です。事故から5年近くが経過しましたが、海岸付近の井戸は先週に続き(1)、今週も記録更新です。汚染水流出はますます酷くなっています。以下にNo1-14井戸の全ベータ濃度を示します。
上昇傾向に転じ過去最高を記録したNo1-14井戸の全ベータ
 ※(5)を集計
 図―8 No1-14井戸の全ベータ濃度

 10月末位から上昇に転じ、止まる気配がありません。これからも上昇が続きそうです。

5.サブドレンからとトリチウム放出量は124億ベクレル突破
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(13)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(14)ほぼ3ヶ月半が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(15)(16)、濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
124億ベクレルを超えたサブドレンのトリチウム累積排出量
 ※(15)(16)を集計
 図―9 サブドレンの累積排出量

 累積で124億ベクレルを突破しました。9月14日にサブドレン汚染水(トリチウム入り)の排水が始まってから昨日で131日なので、概ね1日約1億ベクレルのペースでしょうか?

6.港湾内の魚から高濃度のセシウム
 今週、福島第一港湾口で採れた魚のセシウム検査結果が発表になりました(1)。それによると1キログラム当たりで
  シロメバル 8,500ベクレル
  クロソイ  4,890ベクレル
  アイナメ  1,950ベクレル
など基準値の1キログラム当たり100ベクレル(17)を大きく超えるセシウムが見つかっています。以下にアイナメのセシウム濃度の推移を示します。
下がらなくなった港湾内アイナメのセシウム濃度
 ※(18)を集計
 図ー10 福島第一港湾内アイナメのセシウム濃度

 図に示す通り下がる気配がありません。これからも高濃度のセシウムに汚染されたお魚が見つかりそうです。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちらと(ブログ図表①)こちらを(ブログ図表②)参照ください。
事故から5年近く経っても改善の兆しすら見えない福島第一による海洋汚染!福島の方は心配だと思います。福島県知事はダボス会議で「福島県は世界でも例のない厳しい状況にある」と述べたそううです(19)。
 福島県川俣町の特産品に鶏肉(軍鶏)があるそうです(20)。福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張しています(21)。でも福島県川俣町のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。
他県産はあっても福島産鶏肉が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―11 福島産鶏肉が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県川俣町の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月3週)―今週も海岸付近の井戸は新記録―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を1月24日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)2016年1月19日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>(PDF 99.0KB)PDF
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)
(9)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(11)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(12)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(13)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(14)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(15)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(16)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(17)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(18)(3)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>」
(19)ダボス会議で知事が復興の決意 - NHK福島県のニュース
(20)川俣シャモ - Wikipedia
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(22)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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  1. 2016/01/24(日) 19:44:13|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

賞味期限切れ冷凍を子供達に食わした産業界が、そんな表示なんて気にしない気にしない(恐)加工しちゃえば、何所のやら、、。
  1. 2016/01/24(日) 20:51:22 |
  2. URL |
  3. 武尊43 #-
  4. [ 編集 ]

賞味期限切れ食材とトリチウム水の問題を同じに見るということは、トリチウムは金をかければろ過することが出来るということですか?
  1. 2016/01/25(月) 08:34:27 |
  2. URL |
  3. ? #-
  4. [ 編集 ]

トリチウムは 今の技術では 取り除けないよ

ただ 賞味期限切れの食材が、出回ってても
放射能汚染された飲み物 食べ物が 出回ってても 加工しちゃえば 駄々漏れの現実って事を 言いたかったんじゃない?
  1. 2016/01/25(月) 12:24:24 |
  2. URL |
  3. 通りすがり #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

各位

 トリチウム除去の例はあるようです(http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/140115/140115_01d.pdf
引用の報告は、福島第一には適応できないとの結論ですが、改良はけんとうされたのか?
  1. 2016/01/25(月) 19:45:20 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
  4. [ 編集 ]

めげ猫タマさま
そうですよね。重水を使った原発が有るのですから。重水を作る水素よりもっと比重が大きいトリチウムを集められない訳がない。
金をケチっているだけですよ~~~。
  1. 2016/01/26(火) 20:26:40 |
  2. URL |
  3. あんこ #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

あんこ様
コメントありがとうございます。トリチウムの問題は「森林除染 物理的に困難」(http://this.kiji.is/54370786253307904)にいていると思います。
  1. 2016/01/26(火) 21:02:29 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
  4. [ 編集 ]

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