めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(1月5週)―法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ―

福島第一原発汚染水の1月5週(1月25日から31日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①事故から5年、外洋から放射性物質
 ②港湾口からは前年同時期には見つからない全ベータ
 ③地下水バイパスや上流の井戸からは排水基準を超える放射性物質
 ④海岸付近の井戸からは今週も過去最高の放射性物質
 ⑤サブドレンからとトリチウム放出がペースアップ
 ⑥法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ

1.事故から5年、外洋から放射性物質
 事故から5年近くになりました。時間が経ても外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
外洋の放射性物質濃度
かっています。
  ※1 (4)(5)(6)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 図―1 福島第一原発近傍外洋の放射性物質濃度

 このうち気になったのが南側放水口の放射性物質濃度です。以下に推移を示します。
南側放水口の放射性物質濃度推移
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 南側放水口の放射性物質濃度

 図に示すとおり、原発事故から5年近く経ちましたが低下の兆しがありません。

2.港湾口からは前年同時期には見つからない全ベータ
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
港湾内の放射性物質濃度
  ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  SR90はストロンチウム90を示し、採取日は2015年12月  
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

10月26日に海側遮水壁の工事が完了しました(8)。東京電力はこの効果で港湾内の放射性物質濃度は下がったと主張しています(9)。効果があれば汚染水の流れが悪くなり、全体の汚染水濃度が下がっていいはずです。以下に港湾口の2014年と15年10からの全ベータ濃度を示します。
 1年前より高い港湾口全ベータ濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―4 港湾口の全ベータ濃度

 港湾口は港湾と外洋の境界に当たる場所です。ここでの放射性物質濃度が低減されなれば外洋への流出が防止できたことになりません。図―4に示す通り、海側遮水壁ができる前の1年前は全ベータは見つかっていません。でも海側遮水壁が完成した2015年10月26日以降を見ると全ベータが見つかっています。一昨年末より海側遮水壁が完成した昨年末の方が全ベータ濃度が高くなっています。現時点では海側遮水壁の効果は見えません。

3.地下水バイパスや上流の井戸からは排水基準を超える放射性物質
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(10)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(11)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(12)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた放射性物質が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (11)(12)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。このうち気になるが地下水バイパスNo10井戸です。
排出基準の倍のトリチウムが見つかる地下水バイパスNo10井戸
 ※(11)を集計
 図―6 地下水バイパスNo10井戸のトリチウム濃度

 排水基準の倍の1リットル当たり3000ベクレル程度のトリチウムが見つかっています。でも、他の井戸から汲み上げた地下水で薄めトータルとして排水基準以下だとして海にながされそうです。

4.海岸付近の井戸からは今週も過去最高の放射性物質
 東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下に今週、最高濃度(新記録)の放射性物質が見つかった井戸の位置を示します。
高濃度の放射性物質が見つかる海岸の井戸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4  SR90はストロンチウム90を示し、採取日は2015年12月
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 このうち以降は1リットル当たりの値でNo1-14の全ベータ57,000ベクレルとNo3-4井戸のトリチウム4,100ベクレルは過去最高(新記録)です。事故から5年近くが経過しましたが、海岸付近の井戸は先週に続き(1)、今週も記録更新です。汚染水流出はますます酷くなっています。以下にNo3-4井戸のトリチウム濃度を示します。
過去最高を記録したNo3-4井戸のトリチウム
※(5)を集計
 図―8 No3-4井戸のトリチウム濃度

 昨年7月位から急に上昇しだし、止まる気配がありません。これからも上昇が続きそうです。

5.サブドレンからとトリチウム放出がペースアップ
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(13)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(14)ほぼ3ヶ月半が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(15)(16)、濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
トリチウムの排出のペースが上がったサブドレン
 ※(15)(16)を集計
 図―9 サブドレンの累積排出量

 累積で約142億ベクレルになりました。昨年9月14日にサブドレン汚染水(トリチウム入り)の排水が始まってから1月24日までの132日間の累積排出量は約126億ベクレルで、概ね1日約1億ベクレルのペースでした。1月26日から31日の7日間の排出量は約16億ベクレルで1日当たり2.3億ベクレルにペースアップしました。累積で142億ベクレルです。


6.法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ
 福島第一原発構内には幾つもの排水路があります。
福島第一原発排水路
 ※(17)で作成
 図―10 福島第一原発内の排水路

 当然ながら福島第一構内は放射性物質で汚染されており、排水路に流れ込みます。1リットル当たりでセシウム137の法令限度は90ベクレル、ストロンチウム90の法令限度は1リットル当たり30ベクレルです(2)。全ベータ濃度のおよそ半分がストロンチウム90で(7)、、全ベータでみれば1リットル当たり60ベクレルになります。このうちK排水路では法令限度を超えた汚染水の流れが確認されています。 
 以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
法令限度を超える汚染水が流れたK排水路
※(17)を集計
 図―11 K排水路の放射性物質濃度

 1月18日のK排水路の放射性物質濃度は
  セシウム137 140ベクレル
  全ベータ    240ベクレル
で共に法令限度を超えています。東電の発表(17)を見ると排水路は遮水壁を超えて海に繋がっているので、「海側遮水壁」が完成しても排水路の汚染水はブロックされません。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちらと(ブログ図表①)こちらを(ブログ図表②)参照ください。
 事故から5年近く経っても改善の兆しすら見えない福島第一による海洋汚染!福島の方は心配だと思います。
 福島県相馬市産米の全袋検査数が約14万件になりました(18)。人口  35,939人の市なので(19)十分な量だと思います。同市辺りのお米は「一度食べたら笑顔も満天」だそうです(20)。福島県は福島産米のテレビCMを流しています(21)。でも福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産米がありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―12 福島産米が無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬村の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月4週)―地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を1月30日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)
(9)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(11)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(12)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(13)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(14)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(15)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(16)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(17)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(18)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を1月30日に閲覧
(19)福島県相馬市ホームページ
(20)平成27年産 天のつぶ 精米10kg - JAそうまネットショップ「まごころ便」
(21)TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。
(22)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
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  1. 2016/01/31(日) 19:43:12|
  2. -
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