福島県の2016年度予算が1兆8819億円に決まりました(1)。この数字を元に福島第一原発の後始末に要する費用を集計すると17兆0359億円になり、17兆円を突破しました。内訳は以下の通りです。
表―1 福島第一事故処理費用のまとめ
(億円)

福島第一原発費用は項目毎には公表されることもありますが、国は総額を集計し公表することはないと思います。でもこれは(=^・^=)も払う税金か電気代で賄われます(2)。巨額なのでこれを集計し、総額がいくらかを知ることは社会的に意義があります。福島県の2016年度予算が1兆8819億円に決まりました(1)

※(3)を2月4日に閲覧
図-1 福島県予算が1兆8819億円となった事を報じる福島県の地方紙「福島民報」
これを元に福島原発事故の後始末にどれだけのお金がかかったを集計してみました。
①原発事故の補償金 7兆0753億円(内除染費用9072億円)(1)
福島原発事故によって多くの方が被害をこうむりました。いまの所、7兆0753億円が確定しています(4)。そんなお金は東京電力には無いので、国などが作った「、原子力損害賠償・廃炉等支援機構」(以下機構と略す)が東電に交付しています(5)。ただ機構もお金が無いので、政府保証をうえけて銀行などからお金を借りて渡しています(5)。借りたお金はいつかは返さないといけないので、以下の3つの方法が検討または実施されています。
・一般分担金:全国の電力会社からお金を集めて返済に充ている。これまでに約5000億集めました。でも元を正せば、原発事故後に値上げされた(=^・^=)も払う電気代です(6)。
・特別分担金:東電の機構に支払う。これまでの累計は1,100億円です(6)。
・機構が所有している東電の(株)を売り払い売却利益でまかなう(7)。
でも、額が多くなれば「税金」の投入もありそうな気がします。
②福島県の予算膨張分 5兆2669億円(だだし除染費用を除く)
以下に福島県の予算・決算(歳出)額を示します。

※1(1)(8)(9)を集計
※2 2009年から13年度は決算(歳出)額(8)
※3 2014・15年度は補正後の予算額(9)
※4 2016年度は報道による予算額(1)
図-2 福島県の予算・決算額
福島県の予算・決算を見ると福島原発事故前は8千億円台だったものが2兆円程度に水ぶくれしています。しかたがないことです。福島の台地は放射能に汚染された汚染物です。原発事故で破壊された生活環境を事故前以上にすることは急務です。福島県予算を見ると除染等の環境回復プロジェクトに2367億円の予算をつけていますが、それに次ぐのが人口減少・高齢化対策プロジェクトで2357億円です(10)。福島からは若い女性が逃げ出しています(11)。当然の結果です。まして福島の女性はお隣の茨城や宮城の女性に比べても大変に綺麗です。どこへ行っても歓迎されます。

※(12)をキャプチャー
図-3 福島の綺麗な女性
放置すれば福島は大幅な人口減と凄まじい高齢化が襲います。これを阻止するのは急務です。原発事故がなければ若い女性が特異的に逃げていく現象は起きなかったと思います。
③東電が払わない除染費用 2兆0133億円
2011年から15年までの国の除染の合計は2兆6211億円(13)(14)、16年度6715億円(15)の合計2兆9185億円です。このうち、9072億円は東電の賠償に組み込まれたので(4)、残りは2兆0133億円です。法律(除染特措法)では、国が支出した除染費用は東電が国に支払わなくではならないのですが、支払ったのは僅かに3,897億円です(16)。
④中間貯蔵施設関連費用 1兆3610億円
中間貯蔵施設の建設・運営に1兆0600億円(17)、中間貯蔵施設を福島の方に受け入れてもらうたに国が支出する「交付金」が3010億円です(18)。ただ中間貯蔵施設は用地交渉すら上手くいってない状態なので(19)、終わってみないと分からない気がします。
中間貯蔵施設に運びこまれた除染廃棄物は30年以内に福島から撤去することになっていますが、この費用(新たな処分場の建設費、撤去費用)はこの中に含まれていません。
⑤福島第一原発安定化費用 1兆3214億円
東電が決算で福島第一原発の安定化に使ったとする主張している費用は
2010年度 9,204億円(20)―11年3月11日は2010年度―
2011年度 2,871億円(20)
2012年度 402億円(21)
2013年度 267億円(22)
で、合計1兆2744億円です。2014年度以降は設備補修費に潜り込ませているようで、東京電力の決算で福島第一の後始末にいくら使ったか明示していません(23)。現在、福島第一では1万人近い方が働いています(24)。年間で1000億は使っている気がします。この他に国が、凍土壁に320億円、高性能ALPSに150億円の合計470億円を使います(25)。
なおこれには福島第一5,6号機廃炉に伴う損失額398億円は入っていません。
以上の合計で17兆0359億円になり、17兆円を突破しました。ただし、これまでに確定した費用であり、たとえば森林除染など国、東京電力と福島でもめている(26)(27)問題など不確定な要素が多々あり、これからも増え続けると思います。1年前に(=^・^=)が集計した総費用は14兆5107億円でしたので(28)、1年で2兆5252億円増えています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
事故調査報告(28)を見ると福島第一原発事故は想定外の津波で起こったのでなく、想定が甘く安全性に問題があったのに放置され、震災による津波でそれが表面化しただけだと思います。そして本文に記載の通りの「損害」を(=^・^=)を含む日本在住者にもたらしました。これからも増えると思います。でもだれも個人として責任は取りません。政治家も官僚も東電社員・役員もすべてが無責任です。安倍出戻り総理は出戻る前の2006年に「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全の確保に万全を期している」「経済産業省としては、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期している」と今後も原子力の安全確保に万全をつくすとしています(29)。でも実際はそうでなかった事は事故報告書に有る通りです。彼もまた無責任です。これでは福島の方は不安だと思います。
福島県白河市産米の全袋検査数が約57万件になりました(30)。人口 62,275人の市なので(31)十分な量だと思います。同市辺りのお米は「ゆっくりと籾殻に栄養が届き美味しいお米」だそうです(32)。福島県は福島産米のテレビCMを流しています(33)。でも福島県白河市のスーパーのチラシには福島産米がありません。

※(34)を引用
図-4 福島産米が無い福島県白河市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
県予算案1兆8819億円 復興1兆円超、過去最大 | 県内ニュース | 福島民報(2)
めげ猫「タマ」の日記 福島賠償一般分担金は5000億円超え―原資は電気代―(3)
福島民報(4)
特別事業計画の変更の認定について|東京電力(5)
原子力損害賠償・廃炉等支援機構 - Wikipedia(6)
めげ猫「タマ」の日記 福島賠償一般分担金は5000億円超え―原資は電気代―(7)
2014年8月8日特別事業計画の変更の認定について (8)
決算の概要 - 福島県ホームページ(9)
予算の概要 - 福島県ホームページ(10)
平成28年度重点事業 - 福島県ホームページ(11)
めげ猫「タマ」の日記 知事交代も効果無し!若い女性が逃げて行く福島県(12)
スイッチ20160202 TUFchannel (13)
除染、汚染廃棄物処理関係予算について [PDF:116KB](14)
[PDF]平成26年度 予算概算決定概要 - 復興庁(15)
環境省_平成28年度環境省概算要求 主要新規事項等の概要(16)
賠償金のお支払い状況|東京電力を2016年2月4日に閲覧
(17)
中間貯蔵施設 受け入れまでの経緯は | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今(18)
<中間貯蔵>交付金850億円 生活支援費に 河北新報-2015/12/09(19)
【中間貯蔵施設用地】国は県の新方針生かせ(1月15日) | 県内ニュース | 福島民報(20)
2012年5月14日 特別損益の計上に関するお知らせ PDF版(PDF:138KB)(21)
2013年4月30日 特別損益の計上及び業績予想との差異に関するお知らせ PDF版(PDF:139KB) (22)
<参考2>特別利益の内訳(単独)(PDF 8.79KB)(23)
2014年度(平成26年度)決算について|東京電力(24)
福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況について|東京電力(25)
政府が原発汚染水対策で国費投入、東電任せ転換 | Reuters(26)
発事故の森林除染/再生に向けて努力を尽くせ 河北新報-2016/02/01(27)
「里山しっかり除染」 環境副大臣が明言 | 県内ニュース | 福島民報(28)
日本政府、事故調、東京電力発表報告書(29)
安倍晋三 - Wikipedia(30)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を2月4日に閲覧
(31)
白河市 | みちのくの玄関 白河市(32)
管内農畜産物 | JAしらかわ(白河農業協同組合)(33)
TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。(34)
チラシ - ホーム
スポンサーサイト
- 2016/02/04(木) 19:45:45|
- -
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
栃木県の那須や那須塩原にも支払われている除染費用や補償金全部合わせると一体いくらになるんでしょね、でもそう簡単に補償を止めるわけにもいきませんよね観光地で温泉旅館や飲食店がバタバタつぶれたんではカッコつかないですものね
- 2016/02/05(金) 02:42:28 |
- URL |
- yaeko #UKzGZv1A
- [ 編集 ]
yaekoさま
お問い合わせありがとうございます。
Q1>栃木県の那須や那須塩原にも支払われている除染費用や補償金全部合わせると一体いくらになるんでしょね、
A1>環境省は那須塩原市の除染はほぼ終わったと主張しているようです(
http://josen.env.go.jp/zone/details/tochigi_nasushiobara.html)
Q2>そう簡単に補償を止めるわけにもいきませんよね観光地で温泉旅館や飲食店がバタバタつぶれたんではカッコつかないですものね
A2>東電は賠償の支払いを渋っているようです(
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/economics/news/20150701/2007692)
- 2016/02/05(金) 19:48:35 |
- URL |
- mekenekotama #-
- [ 編集 ]