食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。2月2週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数1030件
②平均は、1キログラム当たり1ベクレル、最大71ベクレル(群馬県産ワカサギ)。
基準超の食品は見つかっていますが、安心はできません。
1.千葉・銚子のスズキ6.1ベクレル、福島・いわきは全数ND
千葉県銚子市産スズキから1キログラム当たり6.1ベクレルのセシウムが見つかりました(3)。汚染源に近い福島県いわき市のスズキが心配です。以下に福島県いわき市、茨城県、千葉県銚子市のスズキの検査結果を示します。

図に示す通り千葉県が検査した銚子市産の6件全てセシウムが見つかっていますが、福島県が検査した24件すべてが検出限界未満(ND)です。千葉県銚子市のスズキからセシウムが見つかっているのに、銚子に比べればはるかに汚染源に近いいわきでは見つかっていません。図に示す通り、茨城産スズキからもそこそこ見つかっています。
千葉県や茨城県の検査は外部機関が主に実施していますが、野生鳥獣を除く福島産農林水産物の検査は福島県農林水産部所属の福島県農業総合センター(7)が実施しています(1)。中立性に疑問があります。そして福島産は千葉や茨城の検査結果と比べ低く出ています。
少なくとも福島産は他より低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
2.安全とは言えないのにキャペーンをする福島県
福島県は果樹王国と言われていますが(8)、福島県全域で果物がとれる訳ではありません。福島盆地と呼ばれる地域に集中してます(9)。以下に福島盆地の範囲を示します。

※1 (10)中のCSVファイルで作成
※2 避難区域は(11)による
※3 福島盆地の範囲は(9)による。
※4 2015年11月時点
図-2 福島盆地と伊達市
図に示す通り避難区域を除けば福島県内でも汚染の酷い場所であり、原発事故から間もなく5年ですが、国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(12)を広い範囲で超えています。福島盆地の死者数(葬式)の推移を示します。

※1(13)を集計
※2 震災犠牲者は(14)による。
図-3 福島盆地の死者数の推移
死者数を見ると
原発事故前年(2010年) 3,929人
原発事故5年目(2015年) 4,424人
で約13%増えています。偶然に起こる確率を計算したら2000万分の1程度なので偶然ではありません。一方で、福島産を受け入れる方が10%に満たない相馬・南相馬市の死者数は
原発事故前年 (2010年)1,335人
原発事故後5年目(2015年)1,254 人
で減っていますが、統計的な差はありません(15)。
農林水産省の統計(16)を見ると福島県伊達市は福島県最大のイチゴの産地です。汚染が酷く葬式が増えているところが主産地のイチゴは確り検査して欲しいと思います。
福島県は福島産イチゴのキャペーンを始めました(17)。福島県は同県の検査で基準値以下が確認されたとする物について、同県のウェッブサイトで公表しています(18)。そこを見たのですがイチゴは載っていません。福島県は福島産イチゴは「安全」だとは言っていいません。当然です。福島最大のイチゴ産地のイチゴの検査結果を見たら、僅かに1件でした(19)。
福島産は汚染が酷く葬式が増えている産地を避け検査され、福島県すら「安全」とは言えないのに平気でキャペーンが行われています。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。計算方法は(=^・^=)の過去の記事(20)によります。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果

3.福島・富岡町のシロメバルのセシウム濃度が上昇
福島県冨岡町は福島第一原発の直ぐ南にある町で、福島第一原発から南9kmの所に富岡漁港があります(21)。漁の再開に向け、海中瓦礫の撤去なども計画されています(22)。放射能汚染が心配です。以下に富岡町産シロメバルのセシウム濃度を示します。

※1(1)を集計
※2NDは検出限界未満を示す。
※3日付は捕獲日
図-4 冨岡町産シロメバルの検査結果
突然の上昇です。1キログラムの値で
前回検査(1月21日採取) 8ベクレル
今回検査(1月27日採取)55ベクレル
1週間で約8倍になっています(1)。
福島産はセシウム濃度が突然に上昇することがあります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・安全とは言えないのにキャペーンが行われる福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは福島の方は心配だと思います。福島の果樹地帯では葬式も増えています。
福島県いわき市には「Iwaki Laiki」なるブランド米があるそうです(23)。福島県いわき市のお米は「安全」とされ学校給食にも使われています(24)。福島県は福島産米のテレビCMも流しています(25)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(26)を引用
図-5 福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第967報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月1週)―千葉・銚子は全数セシウム入り、福島・いわきは全数ND、おかしなスズキの検査結果―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)
農林水産部 - 福島県ホームページ(8)
果樹王国 - Wikipedia(9)
PDF]くだものづくりがさかんな福島盆地(10)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV」
(11)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(12)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(13)
福島県の推計人口(平成28年1月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(14)
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報 - 福島県ホームページ(15)
めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き(2015)―福島産を許容する地域では葬式が10.5%増加―(16)
作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「9-5 野菜(果実的野菜) ⇒福島県 」
(17)
「チャレンジふくしまサミットin首都圏」を東京で開催!!伝えたい~福島の今と魅力~ - 福島県ホームページ(18)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(19)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を2月9日に「イチゴ」、「イチゴ(施設) 」と「伊達市」にチェックを入れ検索
(20)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について(21)
試験操業 拡大に期待感 2016年01月28日 読売新聞-2016/01/27(22)
原発20キロ圏「海中がれきどう処分」 | 県内ニュース | 福島民報(23)
いわき市産ブランド米「Iwaki Laiki」好評販売中 | いわき市 観光情報サイト(24)
学校給食等における放射性物質検査の結果について|いわき市(25)
TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。(26)
平尼子店 | マルト - 店舗情報
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