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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月3週)―福島・いわきのブリは全数ND、銚子は2.8ベクレル―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。2月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。今週は基準超えです。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数1046件中1件の基準超え
  ②平均は、1キログラム当たり1.4ベクレル、最大130ベクレル(岩手県ヤマドリ産)。
事故から5年経っても見つかるセシウム汚染食品
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3 日付は捕獲日
 図-2 ブリのセシウム濃度

 福島県いわき市の2013年10月以降の検査を見ると28件連続して検出限界未満(ND)です。でも千葉県銚子や茨城県産ブリからは、原発事故から5年近くたった今もセシウムが見つかっています。汚染源がある福島が低いなんておかしな検査結果です。
 先週の記事でスズキについても同じ旨を記載しました(4)。新たなデータが発表になったので、追加で記載します。
千葉銚子や茨城県に比べ低い福島・いわき市のブリの検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3 日付は捕獲日
 図-2 ブリのセシウム濃度

 福島県いわき市の2013年10月以降の検査を見ると28件連続して検出限界未満(ND)です。でも千葉県銚子や茨城県産ブリからは、原発事故から5年近くたった今もセシウムが見つかっています。汚染源がある福島が低いなんておかしな検査結果です。
 先週の記事でスズキについても同じ旨を記載しました(4)。新たなデータが発表になったので、追加で記載します。
千葉・銚子や茨城に比べ低い福島・いわき市産スズキの検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3 日付は捕獲日
 図-3 スズキのセシウム濃度

 千葉・銚子のスズキからは7件連続でセシウムが見つかっていますが、福島県いわき市産は28件連続して検出限界未満(ND)です。間にある茨城県産からもそこそこセシウムが見つかっています。
 ブリにしてもスズキにしても汚染源に近い福島県いわき市で低くなっています。福島県いわき市産のブリやスズキの検査は全て福島県農業総合センターが実施しています(1)。福島県農業総合センターは福島県農林水産部の組織であり(7)、中立性に疑問があります。
 福島産は他に比べて低く出る検査で安全とされ出荷されます。

2.福島市産ナツハゼを検査しない福島県
 福島県は福島産食材を加工・販売する6次化事業を進めています(8)。福島県は6次化製品のカタログを作成していますが(9)、それを見ると福島県福島市ではなつはぜクッキー、なつはぜビスケット、なつはぜキャンディ等の「なつはぜ」製品は製品化されています。福島県福島市ではナツハゼも栽培されているので(10)、検査されているか心配です。以下に福島原発事故以降の5年間でナツハゼが検査結果がある市町村を示します。
原発事故後に一度もない福島市産ナツハゼの検査結果
※1(11)の数値データによる
 ※2(1)の結果を集計
 図-4 原発事故以降にナツハゼの検査が実施された市町村

 厚生労働省の発表を見ると福島原発事故以降に1回でもナツハゼの検査が実施されたのは、喜多方市、猪苗代町、三春町、田村市、小野町、石川町で福島市の検査結果はありません。図-4に示す通りナツハゼの検査が実施された市町村は概ね福島県の中では相対的に汚染の少ないところです。そして福島市産ナツハゼは5年間、1度も検査される事なく放置されています。
 福島産は汚染の酷い産地を避けた検査で安全とされ出荷されます。

3.福島産とちもちのセシウム濃度は上昇中
 とちもちは、灰汁抜きした栃の実(トチノキの実)をもち米とともに蒸してからつき、餅にしたものです(12)。以下に福島産とちもちのセシウム濃度を示します。
急上昇した福島産とちもちのセシウム濃度
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3 日付はサンプリング日付
 図-5 福島産とちもちのセシウム濃度 

 上昇傾向にあります。福島産はセシウム濃度が上昇することがあります。
 とちもちについてはもっと不思議なことがあります。以下に福島産トチの実ととちもちのセシウム濃度を示します。
とちもちに比べ大幅に低い福島産トチのみの検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3 日付はサンプリング日付
 図-6 福島産とちもちとトチの実のセシウム濃度 

 1キログラム当たりの値で、トチの実は最大でも11ベクレルですが、とちもちは30ベクレルを超えています。普通に考えればもち米を混ぜるので、とちもちの濃度が低くなるはずです。この現象を説明できる仮説は
 ①福島産もち米がトチの実よりも汚染が酷い
 ②トチの実かとちもちかどちらかの検査がおかしい
です。トチの実を検査したのはブリやスズキを検査した「福島県農業総合センター」です。厚生労働省の発表を見ると野生鳥獣を除く福島産農林水産物は「福島県農業総合センター」が実施しています。とちもちを検査したのは「福島県衛生研究所」で、ここは福島県保健福祉部の所属です(13)。検査機関が農林水産部門から保健に変わるとセシウム濃度が変わる?なんて不思議な現象が起きているかもしれません。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
 福島県の地方紙の福島民友は「原発事故後、蓄積されてきた客観的データを尊重する態度は、放射線への認識がどうであれ必要だ。」との意見を報じています(14)。福島原発事故に蓄積された福島産食品の検査データを分析すれば、このデータが福島産の「安全」を担保するものではない事は本文に記載した通り「客観的データ」から導かれる事実です。同じく「(福島)県外の人が無意識に(福島)差別に加担する構図が頭に浮かんだ。『原発事故後、私たちがしてきたことの結果がこれなのか』」とも主張しています(15)。でも福島を避けなければならない客観的なデータがあるなら福島を避けることは福島差別ではありません。以下に福島産を受け入れる割合と葬式の増加率を示します。
福島産を許容する地域で増える葬式
 ※(16)を転載
 図-7 福島産を受け入れる割合と2010年(原発事故前)に対する15年の葬式(死者数)増加率

 福島産を受け入れるところでは葬式(死者数)が増えていますが、そうでない所では増えていません。そして何より福島の方が福島を避けています。
 福島県知事は昨年(2015年)に福島産のPRに福島県いわき市のスーパーに出向きました(17)。でも効果は無かったようです。福島県いわき市は福島で最も人口が多い市です(18)。福島県いわき市にはブランド米「Iwaki Laiki」(品種:コシヒカリ)があります(19)。いわき市産のお米は「安全」なので学校給食にも使われています(20)。福島県は福島産米のテレビCMも流しています(21)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―8 福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第968報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月2週)―千葉・銚子のスズキは6.1ベクレル、福島・いわきは全数ND―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)農林水産部 - 福島県ホームページ
(8)ふくしま6次化情報STATION 公式サイト
(9)ふくしま・地域産業6次化新商品カタログ | ふくしま6次化情報STATION 公式サイト
(10)ナツハゼについて | ニコニコ菅野農園
(11)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(12)栃餅 - Wikipedia
(13)保健福祉部 - 福島県ホームページ
(14)「ゆがみの構図」編へ識者の意見【番外編 上】 鈴木典夫氏・福島大行政政策学類教授:復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet
(15)【ゆがみの構図-1】被災地、無意識に差別 生の声聞き実情知る:復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き(2015)―福島産を許容する地域では葬式が10.5%増加―
(17)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(12月4週)―港湾口のストロンチウム90濃度は上昇中―
(18)平成27年国勢調査速報(福島県の人口・世帯数)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(19)いわき市産ブランド米「Iwaki Laiki」好評販売中 | いわき市 観光情報サイト
(20)[PDF]「学校給食における「いわき産米」の使用について」
(21)TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。
(22)平尼子店 | マルト - 店舗情報
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記

  1. 2016/02/16(火) 19:43:58|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<福島県郡山市の死者数9.2%増、原発事故5年目の3-翌年1月、相馬・南相馬は別 | ホーム | 福島甲状腺167人―第一原発から離れたところでは見つかっていない->>

コメント

回遊魚で出る様じゃ、日本は終わったな。もう福島がどうのこうのの問題じゃあない、、。
  1. 2016/02/16(火) 23:12:50 |
  2. URL |
  3. 武尊43 #-
  4. [ 編集 ]

いつも良記事有難うございます。

福島県内は「食べて復興!」のためなら、
「偽装はむしろ美徳」という精神の人ばかりになってしまいました。
「それでも日本人か?」と言いたくなります。

このような事実を伝えてくださるブログはここだけとなってしまったようです。
これからも真実を伝え続けてください。
  1. 2016/02/17(水) 08:34:20 |
  2. URL |
  3. ふく #2B3L1McM
  4. [ 編集 ]

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