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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

半減期でしか下がらない福島の放射線

 今月(2016年2月)に原子力規制委員会は放射線量を面的に測定した航空機モニタリング結果を発表しました(2)。2015年2月にも同様の結果を発表しているので(3)、比較したら概ね「半減期」で計算される放射線量分しか下がっていません。福島の放射線は「半減期」でしか下がりません。福島の放射線の主因はセシウム137であり、セシウム137の半減期は30年です(4)。
 福島原発事故によって多くの放射性物質がばら撒かれました。(=^・^=)は広島原爆の30個分と試算しています(5)(6)(7)。その結果、福島は汚染されました。福島の方は1日も早く放射線が無くって欲しいと考えていると思います。 
 放射性物質は自然に減って行く性質があります。半分になるまでの時間を半減期といっておりセシウム134で2年、セシウム137で30年です。この値から計算される放射線量と現時点の放射線量を比較すれば、放射線が半減期より早くなくなるか、半減期でしかなくならないかが分かります。
 以下に2015年11月時点の航空機モニタリング結果の数値データより作成した福島の放射線量分布を示します。
除染が必要なところが広く広がる福島
 ※(2)を集計
 図-1 福島の放射線量分布(2015年11月時点)

 国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(8)の場所が広く広がっています。今後が気になります。以下に2014年11月時点の航空機モニタリング結果と半減期から計算される放射線量を示します。
半減期から計算しても実測と大差が無い福島の放射線量
※1(3)の数値データより計算
 ※2 計算方法は(9)による。
 図-2 半減期から計算される放射線量

 図-1と図ー2を比べるとそれほど大きな差はありません。福島の放射線は半減期でしか下がりません。
 以下にセシウム137に対するセシウム134の割合を示します。
セシウム134の割合が減った福島の放射性物質
 ※(10)を集計
 図-3 セシウム137に対するセシウム134の割合

 福島原発事故直後の2011年4月時点ではほぼ同じでしたが、半減期が早いセシウム134は減っていくのですが、半減期が30年と長いセシウム137(4)は無くならずしつこく残った結果、セシウム137に対するセシウム134の割合は23%程度まで低下しました。いま、福島の放射線の主因はなかかか減らないセシウム137です。これからは福島の放射線は以前のようには下がりません。
 1ミリ四方に1ベクレルのセシウム134があると放射線量は毎時5.4マイクロシーベルト、セシウム137では毎時2.1マイクロシーベルトです(11)(12)。1ミリ四方にセシウム134が0.23ベクレル、137が1ベクレルあるとする時の放射線量は1時間当たりで
 セシウム134由来 1.2マイクロシーベルト(0.23×5.4)
 セシウム137由来 2.1マイクロシーベルト(1×2.1)
 合計        3.3マイクロシーベルト
 2015年11月時点で放射線量の67%(2.1÷3.3×100)がセシウム137由来で半減期は30年なので(3)、半分になるのに30年かかります。残りの33%はセシウム134由来です。2年で半分になりますが量はセシウム137に比べ少なく量です。両者を合計すれば今後の放射線量が見込めます。
だんだん減らなくなる福島の放射線量
 ※半減期等から計算
 図-4 今後の放射線量

 2020年7月24日は東京オリンピックが開幕します(13)。その時の放射線量を示します。
東京オリンピックころも除染が必要な福島
 ※(2)から半減期(4)を考慮して作成
 図-5 東京オリンピックの頃の福島

 オリンピックが開かれる頃になっても除染が必要な地域が広く広がっています。福島ではオリンピックの合宿や追加競技の誘致がすすめられています(14)。大丈夫ですかね?

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
航空機モニタリグ結果について福島県の地方紙の福島民報は2011年11月時点のデータと比べ、放射線量は65%減少したと報じていまっした(15)。それでも図-1に示す通り除染に必要な場所が広く広がっています。4年前は凄まじく酷かっただけに過ぎません。福島の方にとって重要なのは前と比べるのでなく、今後がどうなるかだと思います。でも(=^・^=)が知る限りそのような報道はこの件に関してはありません。多分、大幅に下がった事だけを喧伝し福島を守ることを優先させたと思います。福島からは若い女性が逃げ出しています(16)。もし今後は放射線量が以前に比べ下がりにくくなるなるなどの報道があればこの動きは加速し福島に子供が生まれなくなり滅んでしまうかもしれません。でも守るべきは福島でなく、福島で暮らす人です。特に子供達だと(=^・^=)は思います。でも福島の子供達は守られていないようです。
 福島県田村市の小学校で地元産の地粉、エゴマや桑の葉を使った手打ちうどんを作る授業が行われたそうです(17)。
桑の葉などを材料に調理実習を行う福島県田村市の小学生
 ※(17)をキャプチャー
 図-6 田村市の地粉、エゴマや桑の葉を使った手打ちうどんを作る授業を報じる福島のローカルTV局(TUF)

 田村市のホームページを見ると、給食の食材の放射性物質検査結果はあるのですが(18)、調理実習に使う食材の検査結果は無いようです。厚生労働省の発表を見たら地粉の原料となるソバ(19)も、エゴマもセシウム入りでした(20)(21)。桑の葉は検査結果がありません。類似ものとしてお隣に二本松市の桑茶の検査結果を以下に示します。
基準値を超え、その後は計測されたくなった福島県二本松市産鍬茶のセシウム
 ※(10)を集計
 図-7 二本松市産桑茶のセシウム濃度

 図に示す通り2年以上も検査結果がありませんが、過去に基準値を大きく超えておりセシウム汚染リスクが高いと思います。同じように桑の葉もセシウム汚染リスクと想定されます。セシウム入りが分かっている食材はまだしも、セシウム汚染リスクが高い無検査の桑の葉で学校で調理実習をさせられる等、福島の子供達は守られていません。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県白河市産米の全袋検査数が57万袋を超えました(23)。同市は人口 62,216 人なので(24)、十分な量です。同市あたりのお米はゆっくりと籾殻に栄養が届き美味しいそうです(25)。福島県は福島産米は全数検査を実施しており「安全」だと主張しています(26)。テレビCMも流しています(27)。でも福島県白河市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県白河市のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図―8 福島産米が無い福島県白河市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会
(2)(1)中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(3)(2)中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (KMZ, CSV)」
(4)半減期 - Wikipedia
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(7)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(10)報道発表資料 |厚生労働省
(11)空間線量率の計算
(12)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(13)2020年夏季オリンピック - Wikipedia
(14)21市町村が誘致に名乗り 東京五輪外国の事前合宿 | 県内ニュース | 福島民報
(15)原発80キロ圏、線量65%減少 | 国内外ニュース | 福島民報
(16)めげ猫「タマ」の日記 若い女性が逃げて行く福島(2015
(17)スイッチ20160217 TUFchannel
(18)学校給食用放射性物質測定値のお知らせ - 福島県田村市ホームページ
(19)地粉 - Wikipedia
(20)食品中の放射性物質の検査結果について(第954報) |報道発表資料|厚生労働省中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果」のNo45
(21)食品中の放射性物質の検査結果について(第957報) |報道発表資料|厚生労働省中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果」のNo18
(22)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を2月18日に閲覧
(24)白河市 | みちのくの玄関 白河市
(25)管内農畜産物 | JAしらかわ(白河農業協同組合)
(26)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(27)チラシ - ホーム

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  1. 2016/02/18(木) 19:41:45|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

と言うことは、莫大なお金をかけて除染をしている効果が、見られないと言うことですか。
だったら、そのお金を使って、もっと良いこと役に立つこと、みんなが喜ぶことをすればいいのに。
大成建設とか除染の元受が濡れ手に粟で、途中いくつもの企業に費用を中抜きされて・・・・、みたいなことを聞くし。
除染より上手なお金の使い方、有りそうな気がします。
福島県民さんは、行政から出されたメニューから選ぶだけでなく、して欲しいことを言った方が良いのではないかしら?
行政の人でアイデアが湧いてくる人って、少ない印象が有る。形式通りとか型通りが得意でしょう。行政って。
  1. 2016/02/18(木) 22:29:13 |
  2. URL |
  3. なお #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

なお様
コメントありがとうございます。
Q> と言うことは、莫大なお金をかけて除染をしている効果が、見られないと言うことですか。
A>最初から効果が無い事は分かっていた気がします(http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-379.html)。チェルノブイリでは除染は断念されています(http://mainichi.jp/graph/2012/04/25/20120425k0000m030103000c/001.html)。
  1. 2016/02/19(金) 19:15:29 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
  4. [ 編集 ]

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