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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島産ネギの価格差拡大、当然の結果です。

 東京中央卸売市場での年末・年始(12月と翌年1月)のネギの取引価格を見たら、福島産ネギの価格は全国平均に対し
 2014年12月・15年1月 △34円安
 2015年12月・16年1月 △57円安
で価格差は拡大してます。福島産には
 ①事故から5年経っても除染が必要な土地で栽培されている。
 ②汚染の酷い産地を避けた検査で「安全」される。
 ③他所より低く出る検査で「安全」とされる。
 ④福島産を許容するするほど葬式(死者数)が増えている。
等の特徴があり、当然の結果だと(=^・^=)は思います。
 福島原発事故によって福島第一原発からは広島原爆30個分に相当する放射性物質がばら撒かれたと(=^・^=)は試算しています(1)(2)(3)。ばら撒かれた放射性物質は福島の台地に降り注ぎ、汚染を引き起こしました。以下に航空機モニタリングも元に作成した福島の放射線量分布を示します。
事故から5年過ぎても除染が必要な福島
 ※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で2月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(6)による
 図―1 福島の放射線量分布
 
 原発事故から5年になりますが、福島では国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(7)を超えた地域が広く広がっています。多くの方が福島産に不安を抱きこれをこれを避けるのは当然の事です。価格が気になります。福島を代表する冬野菜の一つにネギがあります(8)。以下に各年の12月と翌年1月の平均価格を示します。
価格差が拡大する福島産ネギ
 ※(2)を集計
 図―2 福島産と全国平均のネギ価格(各年12月と翌年1月、東京中央卸売市場)

 原発事故前は福島産ネギはほぼ全国価格と同等の価格で取引されていましたが、原発事故後は全国平均に比べ2割以上安くなりました。12月と翌年1月の平均価格を2014年12月からと15年12月について見ると
 2014年12月と15年1月 全国平均245円、福島産211円で△34円安
 2015年12月と16年1月 全国平均278円、福島産221円で△54円安
と価格差が拡大しています。この間に福島県はTOKIOの皆様等の協力を得て福島産野菜のテレビCM流すなど「対策」を取っています(10)。でも価格差は逆に広がっています。これは福島産に対する理解が進んだ結果であり(=^・^=)は当然と考えます。
以下に福島のネギの生産量を示します。
いわき市・郡山市・須賀川市が上位3市の福島のネギ生産量
 ※(11)にて作成
 図―3 福島のネギの生産量(2006年)

 いわき市、郡山市、須賀川市と続きます。検査されているか心配なので、福島県が運営する検査結果検索サイトで検査件数を調べてみました。
主産地は殆んど検査されない福島産ネギ
 ※(11)を集計
 図-4 福島県のネギの検査件数

 上位の産地ではいわき市産が1件あるだけです。図ー1に示す通り上位の産地で、いわき市より汚染が酷そうな郡山市、二本松市産のネギは検査されていません。それでも福島県は
  「放射性物質の測定は、(福島)県内の主な産地において定期的にサンプリングし行っています。」
と主張し、福島産ネギは「安全」だとしています(13)。
 汚染の酷い産地の検査をしなのはネギだけではありません。福島県飯舘村は図―1に示すように事故から5年経ちましたが全域が避難区域です。それでもイチゴの生産が再開され(14)、今も続いています(15)。厚生労働省の発表(16)や福島県が運営するサイト(12)を集計すると、検査結果があるのは
 2014年7月と15年4月
の僅か2回で1年近く検査されていません。
 もっとも福島県の検査そのものが無意味かもしれません。野生鳥獣を除く福島産の農林水産物の検査は厚生労働省の発表(14)を見ると福島県農業総合センターが実施しています。ここは福島県農林水産部に所属しているので(17)、中立性に疑問があります。
 以下に福島産の福島県の検査と福島県外で実施された検査の比較を示します。
他県の10分の1程度の福島県の福島産検査結果
 ※1(18)を転載
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図-5 福島産の福島県検査と福島県外検査の相関(2015年)

 福島県の実施した検査は他に比べ大幅に低くなっています。たとえば2015年中の福島産サトイモの検査結果を見ると
  福島県検査    56件全てで検出限界未満(ND)
  福島県外での検査 1件の検査で1キログラム当たり15ベクレルのセシウムが見つかる
です。この傾向は今も続いています。
 地図で見ると茨城県は南を利根川を挟み千葉県銚子と北を福島県いわき市と接しています。以下に2015年10月以降の千葉県銚子市、茨城県、福島県いわき市産のスズキの検査結果を示します。
他に比べ大幅に低いいわき市産スズキの検査結果
 ※1(16)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 ※3 日付は捕獲日
 図-6 スズキの検査結果

 図に示す通り、千葉県銚子産や茨城県産のスズキからはそこそこセシウムが見つかっていますが、福島県産スズキからは殆ど見つかっていません。平均を取ると1キログラム当たりの値で
  千葉県銚子市産(千葉県検査) 2.6ベクレル
  茨城県産(茨城県検査)    4.2ベクレル
  福島県いわき市産(福島県検査)0.3ベクレル
です。銚子に比べ汚染源に近い茨城産のセシウム濃度は高くなっていますが、福島県が検査した福島県いわき市産スズキは大幅に低くなっています。汚染源に近いのに低い等はおかしな話です。同じような事がブリでも見られます(19)。
 以下に原発事故直後の福島市産原乳の検査結果を示します。
福島県が直接検査したら突然にNDになった福島県福島市産源乳の検査結果
 ※1(16)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 ※3 日付はサンプリングの日
 図-7 福島市産原乳の検査結果

 原発事故直後は福島県に属さない検査機関(外部機関)に委託していますが、その後は福島県の検査機関(福島県)に移りました。すでに消えてしまっているので、リファレンスが取れないのですが検査のスピードアップと説明されていたのを記憶してます。でも図―7に示すように外部機関が検査しているときはそこそこセシウムが見つかっているのですが、福島県が直接検査するようになったら全ての検査結果が検出限界未満(ND)になりました。図-5、図ー6に示す事実と合わせ、福島県の「意図」を想像してしまいます。
 (=^・^=)が疑念を持っているのに、福島産米全数全袋検査があります。同検査は福島原発事故後に福島県のみに導入された検査ですが、装置の精度は「食品中の放射性セシウムスクリーニング法 」に準拠することになっています(20)。「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」は、簡易的な装置で食品のセシウム検査を定めたものす。簡易的(精度が悪い)装置なので、基準値より低い「スクリーニングレベル」と呼ばれる値で1次判定を行い、この値を超えたもは精密検査装置で測ることを要求しています。「スクリーニングレベル」は特段のデータが無い限りにおいて1キログラム当たり50ベクレルと規定されています(21)。ところが福島県が公開している検査映像(22)を見ると、「スクリーニングレベル」は1キログラム当たり74ベクレルに設定されています。「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」に準拠する装置であるなら、スクリーニングレベルを変更するにはデータが必要です。そこで福島県の担当課のHPを見たのですが(23)、そのようなデータは公開されていません。(=^・^=)は3年以上もの間、該当するデータを探しているのですが、見た事がありません。なお、(=^・^=)なりに福島県の発表等から精度を推定すると1キログラム当たり数十ベクレルとなり、必要な精度は無いと考えています(24)。福島県が公表しているデータを見る限り福島産米全数全袋検査は単なるおまじないです。
 以上に記載した通り福島県の検査には疑念があり、福島の方の健康が心配です。ひらた中央病院のHPによると(124)福島県でも郡山市や三春町では福島産を許容する人が多く、相馬・南相馬市では少なく、いわき市は中間です。
 表―1 「福島産を避けていますか?」のアンケート結果
 ※1 ①~④は(24)を転載
 ※2 ⑤は⑤=①-②-③+④で計算
 ※3 ⑥は⑥=⑤÷⑥×100で計算
郡山・三春では福島産を許容、相馬・南相馬は許容しない

 図-1に示す様に郡山市と三春町、相馬市と南相馬市は隣接しているのでそれぞれを1グループにまとめた小計をつけました。
 以下に福島県の人口動態(25)から集計した原発事故前年の2010年3月から11年1月と原発事故5年目の2015年3月から16年1月の、それぞれ11ヶ月間の死者数を示します。

 表-2 2010年3月から11年1月と2015年3月から16年1月の死者数の比較
 ※(25)を集計
郡山市で特異的に増えた葬式

 表―1と表―2を合わせると、下記の図が出来上がります。
福島産を許容する地域程増える葬式
 ※表―1、2より作成
 図-8 福島産を許容する割合と葬式(死者数)の増加率

 図に示す通り福島産を許容するするほど葬式(死者数)が増えています。(=^・^=)は思わず
 「福島産食べて応援、あの世行」
なんて印象を持ちます。

 福島産について纏めると
 ①事故から5年経っても除染が必要な土地で栽培されている。
 ②汚染の酷い産地を避けた検査で「安全」される。
 ③他所より低く出る検査で「安全」とされる。
 ④福島産を許容するするほど葬式(死者数)が増えている。
等の特徴があります。汚染が酷いのに検査に疑義あり葬式が増えるようであれば、福島産を多くの方が避けて価格が下がるのは当然の結果です。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
「福島産食べて応援、あの世行」を最も感じているのは福島の皆さまかもしれません。福島県白河市産米の全数全袋検査数が57万件を超えました(27)。同市は人口61,770人の市なので(26)十分な量です。同市あたりのお米はゆっくりと籾殻に栄養が届き美味しいそうです(28)。福島産米は「安全」との主張は本文に記載の通りです。でも白河市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県白河市のスーパーのチラシ
 ※(29)を引用
 図―9 福島産米が無い福島県白河市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(2)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(3)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(6)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。
(9)東京都中央卸売市場-統計情報検索を各年12月と翌年1月、葉茎菜類 ⇒ねぎで検索
(10)TOKIO、福島応援CMへの出演料は「0円」 松岡昌宏「一緒に頑張りたい!」
(11)統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103中の「9-2 野菜(葉茎菜類) ⇒福島県」
(12)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を1月21日にネギ、ネギ(施設)にチェックを入れ検索
(13)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編」
(14)復興庁 | イチゴの出荷再開(福島県飯舘村)[平成26年7月31日]
(15)『イチゴの紅茶』商品化へ 飯舘村栽培の夏イチゴ「雷峰」使用:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(16)報道発表資料 |厚生労働省
(17)農林水産部 - 福島県ホームページ
(18)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2015年)―福島産、他所で測れば10倍に!―
(19)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月4週)―飯舘イチゴは検査せず―
(20)全量全袋検査 - Wikipedia
(21)食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について |報道発表資料|厚生労働省
(22)検査体制について | ふくしま 新発売。中の「米の全量全袋検査」の53秒付近
(23)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(24)めげ猫「タマ」の日記 今年(2013年)もデタラメ―福島県産米全袋検査
(25)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(26)福島県の推計人口(平成28年2月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(27)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(28)管内農畜産物 | JAしらかわ(白河農業協同組合)
(29)チラシ - ホーム
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