めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(2月4週)―炉心溶融基準を5年間も気付がず?―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、2月4週(2月20日から28日)もしっかりトラブルが起こっています。
①130kgの物体が勝手に移動
②下請けさんはドクターヘリで搬送
③炉心溶融基準を5年間も気付がず?
④タンク増設計画は減少・汚染水量見込みは増大、雲の中の福島第一汚染水対応計画
⑤福島第一にローソン開店、ローソンは公表しない?
⑥処理水タンクの満タン状態が続く、建物潰して汚染水タンク
⑦東京電力の元幹部は起訴


1.130kgの物体が勝手に移動
 福島第一原発5号機で、重さ130kgの物体が移動する不可解な事態が発生しました。重さ130kgの浄化用フィルターは本来は使用済み核燃料プールの底にあるのですが、2月22日に東電社員様が使用済み核燃料(使用済燃料集合体ラック上部)に移動しているのを見つけました。これについて東京電力は
「当該フィルタについては、移動前はSFP(使用済み核燃料プール)内底部に設置してあったが、何らかの原因により当該箇所への移動が発生したものと判断」
としているので(2)、なんで動いたかは分からないようです。会見(3)を聞いていると近々にも点検され外の時は定位置にあったそうなので、最近移動したようです。

2.下請けさんはドクターヘリで搬送
2月22日午後2時45分ごろ、東京電力福島第1原発の来場者の出入りを管理する入退域管理棟の脱衣所で、50代の下請けさんの男性が意識を失って倒れてるのが見つかり、ドクターヘリで病院に運ばれました(2)。会見(3)によれば汚染水タンク工事をしている方とのことです。
 2月も1月に続き(4)(5)下請けさんのトラブルです。
 ①1月12日午前10時前に、福島第一原子力発電所構内で汚染水タンクの解体工事をしていた下請けさんが指をが左手人差指を骨折し救急車で病院に運ばれる(4)。
 ②1月18日午前11時30分頃、福島第一原子力発電所構内の2号機建屋西側付近で、土嚢運搬作業を行っていた下請けさんが、土嚢とガードレールの間に左手薬指を挟みケガをして救急車で運ばる(5)。
 ③2月22日午後2時45分ごろ、東京電力福島第1原発の来場者の出入りを管理する入退域管理棟の脱衣所で汚染水タンク工事をしている下請けさんの男性が意識を失って倒れてるのが見つかり、ドクターヘリで病院に運ばれましる(本稿)
で3件目です。うち2件は「汚染水」タンクに関係した下請けさんです。あとで記載しますが汚染水タンクはひっ迫しています。無理をしたのではないか心配です。去年もそうでしたが(6)、トラブルになるは全て下請けさんで東電社員様はいません。
 福島第一の安定化は福島復興の要だと思いますが、下請けさんを犠牲にしての福島復興は「復興」では無いと(=^・^=)は思います。

3.炉心溶融基準を5年間も気付がず
 東京電力は2月24日(水)に
  ①東京電力のマニュアル上では、炉心損傷割合が5%を超えていれば、炉心溶融と判定することが明記されている。
  ②2011年3月14日の早朝に福島第一3号機の原子炉格納容器内放射線量の監視計器が回復したため、原子炉格納容器内放射線量と炉心損傷割合を確認することが可能になっていた(この時点で基準を置けておりメルトダウンと判定できた)。
  ③新潟県技術委員会に事故当時の経緯を説明する中で、上記マニュアルを十分に確認せず、炉心溶融を判断する根拠がなかったという誤った説明をした。
と発表しました(7)。
 要約すれば東京電力の社内マニュアルでは炉心損傷割合が5%を超えればメルトダウン(炉心溶融)と明記されており、事故発生後の2011年3月14日には確認できていたものを、これを報告せず、さらには基準がありもかかわらず新潟県技術委員会に「炉心溶融を判断する根拠がなかった」と嘘の説明をしました。
炉心溶融が直ぐに気づけたけど5年間黙っていたと報じる福島民報
 図-1 東京電力は炉心溶融基準に気づかずと1面トップで報じる福島県の地方紙「福島民報」

 福島県地方紙の福島民報は
  「東京電力は24日、福島第一原発事故発生時に核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)の社内基準があったにもかかわらず、存在に気付かなかったと」
としていますが(9)、東京電力のプレス分(7)にはありません。東京電力の会見は月、木曜で(10)当日は会見は開かれない日ですので福島では会見が開かれたようです。
メルトダウンの判定基準があったと会見する東京電力
 ※(11)をキャプチャー
 図-2 2月24日の福島の会見の様子

 そこで気づかなかったと「口頭」で説明したと思います。
 これについて福島県の地方紙の福島民報は2月26日付の社説で
 「これまで基準の存在に気付かなかったと発表した。原発事故から間もなく丸5年となる。今まで何をしていたのか。怒りと不信感は強まるばかりだ。」
と論じたあと
 「『基準があった。それなのに溶融を公表しなかった』となる。何らかの意図があったと言われても仕方がない。隠蔽[いんぺい]との声もある。
 そもそも5年もの間、東電社員が誰一人として基準の存在に気付かないことなどあり得るのだろうか。知っていたが言い出せない雰囲気が社内になかったのか。
 誰も気付かなかったのが事実だとしたら、事態はより深刻だ。マニュアルは社員に周知されていない、ただの飾り物だったことになる。」
と論じています(12)。同じく福島民報は
 「それまで東電は、起きている事態を炉心溶融に陥る前段階の「炉心損傷」と説明してきた。

 その説明が誤りだったと、事故から5年が経過するいまになって東電が発表した。

 炉心溶融に当たるかどうかの判断基準があったにもかかわらず、見過ごしていたというのだ。しかも今月になって、ようやく基準があったことが判明したという。

 極めて遺憾だ。過酷事故に際しての東電の備えの不十分さがあらためて露呈した。危機的な事象が次々と起こる混乱の中にあったにせよ、正確な判断をできずに事態を過小評価していたことになる。」
と論じています(13)。
 1年前の2015年2月24日も福島第一原発の排水路から高濃度に汚染された排水が排水路を通じ海に流れ続けているのをかなり前から知りながら当日(2月24日)まで発表しなかった旨を発表をしました(14)。この日は火曜日で、会見はありませんでした。不都合な事は会見の無い日にこっそり「発表」する。東京電力の体質でしょうか?これでは東京電力が福島を避ける行為を「風評被害」と主張し(14)、柏崎刈羽原子力発電所は「安全」だと主張いても(15)、(=^・^=)は信用しません。

4.タンク増設計画は減少・汚染水量見込みは増大、雲の中の福島第一汚染水対応計画
 東京電力は月に1回、今後の汚染水の見込み量と汚染水タンクの増設計画を発表しています(16)。2月の発表が25日におこなれました(17)。そこで2016年1月の見込み(18)と比較してみました。以下に結果を示します。
1月に比べタンクが減って汚染水量が増えている2月の汚染水見積もり
 ※1(17)(18)より作成
 ※2 太線はタンク容量、細線は汚染水量
 ※3 点線は1月見込み、実線は2月見込み
 図-3 2016年1月、2月のタンク増設計画と汚染水量の見込み

 タンク増設計画(太線)でみると1月(点線)に比べ2月(実線)は低下しています。汚染水の見込み量(細線)は1月(点線)に比べ2月(実線)は増加しています。福島第一の汚染水処理計画は1月と持ちません。こもまま行けば汚染水がタンクに保管しきれなくなる最悪の事態も起こりそうです。
 東京電力の発表(17)をみると3月以降には「雲」マークが付いていました。汚染水処は1ヶ月先しか見通せないようです。


5.福島第一にローソン開店、ローソンは公表しない?
福島第一原発内にローソンが開店すると、東京電力は発表しました(19)。
ローソン開店を発表する東京電力
※(19)を引用
 図-4 福島第一構内のローソン開店を発表する東京電力

 福島第一で働く皆さんの利便性が向上するそうです。だとしたら福島復興に向け大きな力になると思います。ローソンも社会貢献として発表するかと思ってローソン側の発表を探しましたが見つかりません。ローソンのHP(20)には新規開店のリストがありますが「福島第一」と店舗はリストに載ってません。

6.処理水タンクの満タン状態が続く、建物潰して汚染水タンク
 東京電力は週毎に汚染水の量を公表しています(21)。以下に週毎の汚染水の増加量を示します。
日々、増え続ける福島第一汚染水
 ※(21)を集計
 図ー5 福島第一の汚染水増加量(日量)

 図に示す通り、地下水ドレン汲み上げ開始後に汚染水の増加が加速し改善の兆しがありません。
 福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
 タービン建屋⇒SARRY⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(22)(23)(24)。最終段の処理水について
  満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。
満タン状態が続く福島第一の処理水タンク
 ※(21)を集計
 図ー6 福島第一の「処理水タンク」の満水率

 この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(25)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。
 2月12日に東京電力は福島第一原発内の新たな汚染水タンク建設場所を発表しました(17)。以下にその一つの「J9」エリアはGoogle Mapで見ると、現時点では「建物」が建っています。
建物がある場所にも計画される汚染水タンク設置工事
※(17)とGoogle Mapで作成
 図―7 福島第一汚染水タンクエリア

 汚染水タンクを作る場所が無くなり「建物」を解体して汚染水タンクを作るようです。そのうち下請けさんの休憩所も無くなったりして(26)。

7.東京電力の元幹部は起訴
  東京電力の勝俣元会長のほか、武藤栄(65)、武黒一郎(69)の両元副社長ら3人が福島第一原発事故を予見し得たのに安全対策をする義務を怠って原発事故を発生させ、周辺の病院の入院患者を避難中に死亡させるなどしたとして強制起訴される事がきまりました(27)。
東電元幹部の強制起訴を報じる福島民報
 ※(8)をを2月27日に閲覧
 図―8 東京電力元幹部の強制起訴を報じる福島県の地方紙「福島民報」

 多分、被告の3人は知らんぷりすると思いますが、確りと裁判を続け原発事故の更なる原因究明・再発防止に繋げて欲しいと思います。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
トラブル続きの福島原発!これでは福島の方は不安だと思います。福島県いわき市の特産品にイチゴがあります(28)。いわき市のイチゴ甘くてジューシーだそうです(29)。いわき市では2月27日に「いわきいちごフェスティバル」が開かれました(30)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(30)。でも福島県いわき市スーパーのチラシには、福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(31)を引用
 図―9 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月3週)―満タン状態が続く汚染水タンク―
(2)2016年2月23日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時30分現在】
(3)【2016年2月22日】東京電力 記者会見 - 2016/02/22 17:30開始 - ニコニコ生放送
(4)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月3週)―汚染水タンク工事で下請けさんが骨折―
(5)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月4週)―2週連続で下請けさんがケガ―
(6)めげ猫「タマ」の日記 勝手に福島原発十大トラブル2015
(7)福島第一原子力発電所事故当時における通報・報告状況について|東京電力
(8)福島民報
(9)東電 炉心溶融基準気付かず 第一原発事故危機管理甘さ露呈 | 県内ニュース | 福島民報
(10)東京電力記者会見|TEPCOニュース|東京電力
(11)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2016年2月25日(木)放送」
(12)【炉心溶融基準問題】東電不信また強まった(2月26日) | 県内ニュース | 福島民報
(13)2015年2月24日2号機原子炉建屋大物搬入口屋上部の溜まり水調査結果(PDF 960KB)
(14)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)風評被害対策について(PDF 325KB)
(15)柏崎刈羽発電所新トップページ|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(16)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」
(17)(16)中の「2016年2月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第27回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(10.0MB)」
(18)(16)中の「2016年1月28日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第26回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(9.54MB)」
(19)(16)中の「2016年2月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第27回事務局会議)」⇒「【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(15.8MB)PDF」
(20)ローソン
(21)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(22)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(23)原子炉の安定化|東京電力
(24)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(25)スロッシング - Wikipedia
(26)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月2週)―使用済燃料プール代替冷却系のポンプが停止、4日間秘匿します―
(27)東電の勝俣元会長ら3人、強制起訴へ 福島第一原発事故:朝日新聞デジタル
(28)いわき市 - Wikipedia
(29)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(30)いわき産イチゴ甘い! 初のフェス安全と味PR | 県内ニュース | 福島民報
(31)平尼子店 | マルト - 店舗情報
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  1. 2016/02/28(日) 19:50:10|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

 5年間隠してきたのは、責任に対する時効が成立するからでしょう。これで誰もメルトダウンを隠した事について、罰せられる心配が無くなるので公表したんでしょう。後15,6日で告発なんてできませんからね。
 更に泉田氏に花を持たせる為に、態と新潟で発覚させたという憶測も成り立ちますね(怒)これで泉田が再稼働容認に傾いても批判度が減りますわな。だってもうそろそろ賛成しないと交付税減額とか引き摺り下ろす算段が自民党と経産省内で蠢き出しそうじゃないですか!?あいつ等は、本当に凄い力持ってますからねェ、、(恐)
  1. 2016/02/29(月) 07:45:44 |
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  3. 武尊43 #-
  4. [ 編集 ]

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