めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

凍土壁(海側)が大筋で決着、福島第一の汚染水対策は破綻?

 原子力規制委員会が審議していた凍土壁のうち、海側について本日(3月3日)の大筋で決着しました。これにより凍土壁より海側に降った雨水をサブドレンで汲み上げ出来なくなり、海側遮水壁に流れて行き、地下水ドレンで汲み上げをせざるを得なくなり、福島第一の汚染水増加をさらに加速します。(=^・^=)の見積もりでは、この夏にはタンクが汚染水の増加に追い付かれ、福島第一の汚染水対策は破綻します。
 (=^・^=)は福島第一の海岸付近の地下水や雨水の流れを下図の通りに想定しています。
凍土壁が中ればサブドレン側にも流れる雨水
 ※(1)より作成
 図-1 福島第一の海岸付近の地下水や雨水の流れ

 海側から見て、4m盤では
  ①汚染水の海への流出を防止する為に設けられた海側遮水壁(赤線)
  ②海側遮水壁の内側に溜まった汚染水を溢れないように汲み上げる地下水ドレン(桃線)
 次の10m盤では
  ③凍結予定がほぼ決まったと海側の凍土壁(青点線)
  ④地下水を汲み上げるサブドレン(緑線)
  ⑤タービン建屋・原子炉建屋
  ⑥地下水を汲み上げるサブドレン(緑線)
  ⑦凍結の見込みが無い側の山側の凍土壁(青点線)
が並びます(1)。
 このうち4m盤に降った雨は海側遮水壁でせき止められ内側に溜まり、地下水ドレンで汲み上げられ大部分がタービン建屋に送られ汚染水の増加要因となっています。この他にタービン建屋側から海側遮水壁にも汚染された地下水が流れ込んでいます(1)。
 凍土壁はタービンや原子炉建屋を氷の壁で囲いタービン建屋や原子炉建屋への地下水の流れを阻止するものです(2)。その運用について原子力規制委員会・特定原子力施設監視・評価検討会で長らく審査が行われていましたが(3)、本日(3月3日)に開催された第41回特定原子力施設監視・評価検討会で(4)、海側についてはほぼ凍結の実施が認められあとは、実施計画の変更認可申請と審査を残すのみとなり実質的に決着しました(5)。
 審査を聞いていたのですが、原子力規制委側は汚染水漏れを引き起こす事を危惧しチェックする姿勢はあったのですが、新たな汚染水の増加要因にならないかのチェックはされていません。(=^・^=)は新たな汚染水増加要因にならないか心配です。以下に海側凍土壁完成後の汚染水や雨水の流れの(=^・^=)の想像図を示します。
凍土壁が凍れば海側遮水壁側に流れる雨水
 ※(=^・^=)の想像
 図-2 福島第一の海岸付近の地下水や雨水の流れ 
 
 海側の凍土壁(青実線)が凍結が完了すると10m盤に降った雨は4m盤を経由して海側遮水壁に流れて行くしかありません(赤枠矢印)。この領域に降った雨は最終的に地下水ドレン等ので汲み上げられて、新たな汚染水になります。
 以下に凍結予定の海側の凍土壁や海側遮水壁の水平配置を示します。
福島第一護岸部の水平配置
 ※1(1)を転載
 ※2 青実線が凍土壁凍結部(5)
 図-3 福島第一の海岸側の配置

 凍結予定の凍土壁と海側遮水壁に囲まれた部分の面積を地図(6)で計測した結果を示します。
凍土壁と海側遮水壁で囲まれた面積は6.22万平方メートル
 ※(5)にて作成
 図ー4 凍結予定の凍土壁と海側遮水壁に囲まれた部分の面積
   
 こに降った雨は周りを凍土壁や海側遮水壁で囲まれることになるので行き場が無く、地下水ドレンで汲み上げるしかありませんが、地下水ドレンの汲みあげ水は汚染されており海に流せないのでタービン建屋に移送され(1)、新たに汚染水となります。面積が6.22万平方メートルなので雨1mmで62.2立方メートル(6.22万÷1000)の汚染水が発生します。現状は雨1mmで30立方メートルなので倍以上です。汚染水が心配です。
 以下に地下水ドレンからの汲み上げを開始した11月5日以降の降水量と福島第一の汚染水増加量を示します。
雨が降ると汚染水の増加が加速する福島第一
 ※1(7)(8)にて作成
 ※2週平均
 図-5 汚染水増加量と降水量

 雨が降ると汚染水が増加します。以下に相関図を示します。
降水量と汚染水増加量の相関
※1(7)(8)にて作成
 ※2週平均
 図-6 汚染水増加量と降水量

 雨が降らない時の汚染水増加量は1日あたり452立法メートル
 雨1ミリ当たりの汚染水増加量は39.4立方メートル
です。このうち地下水ドレンからの移送量は
 雨が降らない時の汚染水増加量は1日あたり188立法メートル
 雨1ミリ当たりの汚染水増加量は30立方メートル
です(1)。これを引いいて直接タービン建屋や原子炉建屋に流入する分は
 雨が降らない時の汚染水増加量は1日あたり264立法メートル
 雨1ミリ当たりの汚染水増加量は9.4立方メートル
です。
 海側の凍土壁を閉じてもタービン建屋から海側遮水壁への汚染された地下水の流れが止まる訳ではありません。東京電力は凍結できない場所があるとしています(9)。
穴が開いた状態になる海側の凍土壁
 ※(7)
 図―7 凍結できない場所があるとする東京電力

 東京電力の見積もりでは海側の凍土壁が完成しても
  1日当たり110立方メートル
の汚染された地下水が海側遮水壁に向かって流れるそうです。
 東京電力のデータを解析すると2月後半からは1日当たり約40立方メートルの地下水ドレン汲み上げ水を海に流していると想定される。これらを整理すると
①海側の凍土壁が完成する前の汚染水増加量は
 雨が降らない時は1日あたり412立法メートル(下水ドレン汲み上げ水を海に流している分を引いた)
 雨1ミリ当たりは39.4立方メートル 
②凍土壁完成した後の汚染水増加量は
 雨が降らない時は1日あたり334立法メートル(110+264-40))
  雨1ミリ当たりは71.6立方メートル(9.4+62.2)
です。
 以下に福島第一原発近くのアメダス観測点の「浪江」の平均の月別降水量を示します。
 3月以降に福島第一付近の降水量
 ※(10)を集計
 図-8 福島第一原発近くの「浪江」の平均の月別降水量

 東京電力の計画では凍土壁は5月15日位から効果を表す(11)。図ー8に示す降水量を5月14日以前は①で、以降は②で福島第一の汚染水が増えるとして今後の汚染水量(処理水等)を見積もってみました。
汚染水量がタンク容量を超えてしまう汚染水量見積もり結果
 ※1 汚染水量は本稿中の記載による
 ※2 タンク容量は(11)による
 ※3 対象は処理水等
 図-9 今後の処理水等の見込み

 図に示す通りこの夏には総量がタンク容量を超え、福島第一の汚染水処理は破綻します。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
今日の第41回特定原子力施設監視・評価検討会では汚染水の増加の問題も議題に上がりました。東京電力の資料(12)を見ていると地下水ドレン汲み上げ開始後の「実績」を元に今後の汚染水量を想定しているようでした。でも図ー9に示す通り地下水ドレンの汲みあげが始まった11月からは雨が少ないシーズンに入ります。当然ながら今後の降雨の増加を想定した汚染水の見積もりが必要です。しかしそのような事は実施していません。そしたら汚染水処理が「破綻」する結果が出てくると思います。
 東京電力は2月24日に福島第一原発事故発生時に核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)の社内基準に照らせば事故発生から3日後には炉心溶融状態と判定できた旨を発表しました(13)。これについて福島県の地方紙の福島民報は社説で「そもそも5年もの間、東電社員が誰一人として基準の存在に気付かないことなどあり得るのだろうか。知っていたが言い出せない雰囲気が社内になかったのか。」と(14)東京電力の隠ぺい体質を強く疑うように論じています。東京電力の汚染水に対する対応を見ていると、この体質は全く改善されていない気がします。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(15)。いわき市のイチゴは甘くてジューシーだそうです。同市では今、イチゴ狩りが楽しめます(16)。福島県いわき市はイチゴの季節です。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(17)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(18)を引用
 図―10 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一の地下水ドレン汲み上げについて
(2)陸側遮水壁|東京電力
(3)第41回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(4)(3)中の「会議映像別ウインドウで開きます YouTube」
(5)2016年2月22日「陸側遮水壁の閉合について」実施計画変更認可申請の概要(PDF 1.37MB)
(6)地理院地図
(7)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況につ 」
(8)報道配布資料|東京電力中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(9)(3)中の「配布資料」⇒「資料3:陸側遮水壁の閉合について【PDF:3MB】」
(10)気象庁|過去の気象データ検索
(11)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年2月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第27回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(10.0MB)」
(12)(3)中の「配布資料」⇒「資料2:今後のタンクの運用計画について【PDF:1MB】」
(13)福島第一原子力発電所事故当時における通報・報告状況について|東京電力
(14)【炉心溶融基準問題】東電不信また強まった(2月26日) | 県内ニュース | 福島民報
(15)いわき市 - Wikipedia
(16)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(17)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(18)平尼子店 | マルト - 店舗情報
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  1. 2016/03/03(木) 19:47:30|
  2. -
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