めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(3月1週)―凍土壁工事の下請けさんが43ミリシーベルト被ばく―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、3月1週(2月29日から3月5日)もしっかりトラブルが起こっています。
 
①ホースの浮力で130kgの物体が移動  
②フランジタンクは使い続けます
③RO濃縮塩水タンクの解体は止まったまま
④凍土壁工事の下請けさんが43ミリシーベルト被ばく
⑤処理水タンクは満タン状態
⑥元役員が強制起訴される。

 
1.ホースの浮力で130kgの物体が移動  
 福島第一原発5号機で、重さ130kgの浄化用フィルターが2月22日に東電社員様が移動しているのを見つた旨を記事にしましたが(1)、原因の発表がありました。
 フィルターにはホースが付いているのですが、作業が終わり水漏れを防止するために水を抜きすぎて、水中の部分にも「空気」が入り、いわば「浮き輪」のようになってしまい浮力で移動したそうです(2)。
 水を抜き過ぎた単純な作業ミスです。この件で下請けさんのケガとか放射能漏れといった特段の不具合は起きてませんが、このような単純ミスが生じるには福島第一がいまだに厳しい状況が続いてる感じです。

2.フランジタンクは使い続けます
 福島第一の汚染水タンクにはフランジ型と溶接型のタンクがあります(4)。このうちフランジ型タンクは過去に汚染水漏れを起こしています(5)。このためフランジタンクを解体し、溶接型にリプレースを進める計画となっていました(6)。ところが地下水ドレンを稼働したら汚染水の増加が加速し(7)、汚染水タンク不足になったようです。
 3月3日に「第41回特定原子力施設監視・評価検討会【PDF:159KB】」が開かれこの問題が議題になりました(3)。そこで汚染水タンクが不足するので、今後もフランジタンクを使い続ける事が決まりました。東京電力提出資料(4)を見ると、終わりが書いてません。
フランジタンクは使い続けてます
 ※(4)を抜粋・加筆
 図-1 フランいタンクの使用終了を示していない東京電力資料


 先は見えないようです。
 この件で
• 今回のような状況が想定されるような場合には、十分なリードタイムをもって相談すること。
• 後手後手の対応ではなく、計画的に対応する必要がある。
との意見がでました(8)。東京電力の発表を見ていると昨年(2015年)10月時点で地下水ドレンの汲みあげ水が海に放流できない事はあきらかなので(9)、当然の意見と思います。

3.濃縮塩水タンクの解体は止まったまま
 福島第一原発にはセシウムを荒どりしたあと、ストロンチウム90等の放射性物質を濃縮して保管してある「濃縮塩水」なるものがあります(10)。福島第一原発内の汚染水としては最も素性が悪い汚染水です。さすがにまずいと思ったのでしょうか東京電力はストロンチウム90等を荒どりする作業を行いました。これでタンクが不要になったのったので、濃縮塩水タンクを解体する計画を立てています(6)。昨年12月末時点の計画では年明けから解体を進め今月(3月)末ぐらいには解体を終える予定でした(6)。でも全く減っていません。
解体が進まない濃縮塩水タンク
 ※(6)と(12)で作成
 図-2 濃縮塩水解体計画と実績

 不要なタンクが解体できなれば、新しいタンクが作れず汚染水タンクがひっ迫する要因になるので、それなりの問題だと(=^・^=)は思いますが、この点について東京電力の説明を知りません。東京電力は不都合なことはダンマリなようです。

4.凍土壁工事の下請けさんが43ミリシーベルト被ばく
 凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲み汚染水の増加を抑えようとするものです(13)。凍土壁を工事に携わった下請けさんが1年間で43.42ミリシーベルトの被ばくをしたそうです(14)。法令限度は年間最大50ミリシーベルト、5年間のトータルで100ミリシーベルト(年平均で20ミリシーベルト)ですが(15)、凍土壁の実施計画では年40ミリシーベルトでこれを超えたとのことです。
 この下請けさんは2014年4月に福島第一原発に来られ2年間のトータルで66.24ミリシーベルト被ばくされたそうです(14)。すると
 2014年度 22.82ミリシーベルト(66.24-43.42)
 2015年度 43.42ミリシーベルト
と、年平均の許容値を2年連続で超えていることになります。凍土壁の工事に従事したのは2014年12月からとの事で、凍土壁の工事の為に福島第一にやって来た訳ではなさそうです。福島第一に来て2年連続で年平均の許容限度を超えています。ほほ100ミリシーベルトに近いので残りの3年は福島第一の仕事は無理だと思います。結局は下請けさんは被ばくして「使い捨て」ってことでしょうか?
 この件は東京電力は会見で「口頭」で発表したのみでした(14)。都合の悪い事は口頭の発表だけで済ますのも東京電力の習性でしょうか?
 (=^・^=)は凍土壁は場合によっては逆に汚染水の増加を加速するのではないかと推定しています(16)。効果不明の凍土壁工事に下請けさんにこれだけのリスクを負わすメリットがあるか疑問です。

5.処理水タンクは満タン状態
 福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
 タービン建屋⇒SARRY⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(10)(17)(18)。最終段の処理水について
  満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。
満水状態が続く処理水タンク
 ※(12)を集計
 図ー3 福島第一の「処理水タンク」の満水率

 この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(19)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。

6.元役員が強制起訴される。
 2月29日に東京電力の元役員3名が福島第一原発事故を起こした「罪」で強制起訴されました(20)。起訴の内容は先週の記事の通りです(1)。
強制起訴を報じる福島民報
 ※(21)を3月1日に閲覧
 図-4 強制起訴を1面トップで報じる福島の地方紙・福島民報

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
トラブル続きの福島原発では福島の方は不安だと思います。福島原発事故で一時は全町避難をした福島県広野町(22)で同町初のスーパーがオープンしました(23)。でも「帰還」は進んでないようです。
広野町の帰還が進まないと報じるTBS
※(24)をキャプチャー
 図-5 スーパーが開店しても帰還が進んでないと報じるTBS

 福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(25)。いわき市のイチゴは甘くてジューシーだそうです。同市では今、イチゴ狩りが楽しめます(26)。福島県いわき市はイチゴの季節です。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(27)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図―6 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月4週)―炉心溶融基準を5年間も気付がず?―
(2)2016年3月3日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(3)第41回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(4)(3)中の「配布資料」⇒「資料2:今後のタンクの運用計画について【PDF:1MB】」
(5)<福島第1>汚染水漏えい対策 立ち入り調査 | 河北新報 2015/06/24
(6)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島第一の地下水ドレン汲み上げについて
(8)(3)中の「当日作成資料:特定原子力施設監視・評価検討会(第41回会合)議論のまとめ[原子力規制庁]【PDF:160KB」
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島第一・地下水ドレンて運用できるの?
(10)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(11)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第242報)|東京電力
(12)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(13)陸側遮水壁|東京電力
(14)【2016年2月29日】東京電力 記者会見 - 2016/02/29 17:30開始 - ニコニコ生放送
(15)放射線業務従事者 - Wikipedia
(16)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁(海側)が大筋で決着、福島第一の汚染水対策は破綻?
(17)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(18)原子炉の安定化|東京電力
(19)スロッシング - Wikipedia
(20)【東電強制起訴】説明責任を果たせ(3月1日) | 県内ニュース | 福島民報
(21)福島民報
(22)広野町 - Wikipedia
(23)"東日本大震災 広野町に商業施設オープン 帰還への後押し、期待 産経ニュース
(24)「広野町に商業施設オープン、住民帰還への後押し期待」 News i - TBSの動画ニュースサイト
(25)いわき市 - Wikipedia
(26)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(27)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(28)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2016/03/05(土) 19:45:47|
  2. -
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