めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(3月2週)―地下貯水槽観測孔の全ベータは下がらず―

 福島第一原発汚染水の3月1週(3月7日から14日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①地下貯水槽観測孔の全ベータは下がらず
 ②港湾口のストロンチウム90濃度が上昇中
 ③地下水バイパスや山側井戸からは排水基準を超えた放射性物質
 ④海岸付近の井戸から過去最高の放射性物質
 ⑤サブドレンの排水のトリチウムの濃度が上昇中
 ⑥法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ


1.地下貯水槽観測孔の全ベータは下がらず
 事故から5年近くになりました。時間が経ても外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
5年たっても 汚染水が見つかる外洋
  ※1 (4)~(7)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度

 事故から5年経っても外洋から放射性物質が見つかっています。
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(7)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(7)。先回の記事でこの井戸の水がら突然に全ベータが見つかった旨の記事を記載しましたが(1)、その後が気になります。以下に観測孔の一つのA4の全ベータ濃度を示します。
突然上昇し下がらない地下貯水槽観測孔の全ベータ濃度
 ※1(6)(9)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(全ベータが見つからない事)を示す
 図-2 地下貯水槽周辺の観測孔A4の全ベータ濃度

 地下貯水槽周囲には19本の観測用の井戸がありますが(7)、今週は全ての井戸から全ベータが見つかっています。先週と今週の最高値は1リットル当たりで
 3月3日 A5井戸 340ベクレル
 3月7日 A4井戸 870ベクレル
で濃度が上昇しています。
 過去に汚染水漏れを起こしたフランジ型タンク(10)の寿命は5年と言われています(11)。事故から5年が経過しそろそろ寿命です。タンクの増設が汚染水の増加に追いつかず今後も使い続けるようですが(10)、(=^・^=)は心配です。
 
2.港湾口のストロンチウム90濃度が上昇中
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
高い濃度の放射性物質が見つかる港湾内
  ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  SR90はストロンチウム90を示し、採取日は2015年2月1日  
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 この中で気になるのは港湾口のストロンチウム90濃度です。以下に推移を示します。
上昇が続く港湾口のストロンチウム90濃度
  ※1 (5)で作成
  ※2  凡例中でストロンチウム90はSR90と略す
 図―4 港湾口のストロンチウム90濃度

上昇傾向にあります。港湾口は外洋との境目です。外洋に確り流れていきそうです。福島のお魚が心配です。それでもセシウムを検査して基準値以下なら「安全」と国は主張してます(12)(13)。

3.地下水バイパスや山側井戸からは排水基準を超えた放射性物質
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(14)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(15)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(16)。以下に放射性物質濃度を示します。
排出基準を超えた汚染水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (15)(16)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。
上昇傾向を続けるE-4井戸のトリチウム
 ※(16)を集計
 図―6 E-4井戸のトリチウム濃度

 他に比べればそれ程には高い値ではありませんが、じわりじわりと上昇しています。図-5に示すようの道路を挟んだ反対側のE-10井戸からはそれなりに高濃度のトリチウムが見つかっています。道路を超えて流れ出している気がします。

4.海岸付近の井戸から過去最高の放射性物質
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4 ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は2月2日
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 このうち以降は1リットル当たりの値でNo1-14の全ベータ66,000ベクレル、ストロンチウム90の65,000ベクレルは過去最高(新記録)です。以下に推移を示します。以下に推移を示します。
上昇が続くNo1-14井戸の全ベータとストロンチウム90
 ※(5)を集計
 図―8 No1-14井戸の放射性物質濃度

 昨年10月位から急に上昇しだし、止まる気配がありません。

5.サブドレンの排水のトリチウムの濃度が上昇中
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(17)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(18)ほぼ6ヶ月が経過しました。
 以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
上昇を続けるサブドレン排水のトリチウム
 以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
 ※(19)を集計
 図-9 サブドレン排水のトリチウム濃度

 1月中旬くらいまでは1リットル当たり300ベクレル前後でしたが、その後は上昇し800ベクレル程度になりました。
 濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
排出ペースを加速し累積で280億ベクレルを超えたサブドレンのトリチウム累積排出量
 ※(19)(20)を集計
 図―10 サブドレンの累積排出量
 
 図に示す様に排水のトリチウム濃度の上昇に伴い、排出のペースを上げ累積で280億ベクレルを超えました。

6.法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ
福島第一原発構内には幾つもの排水路があります。
福島第一原発排水路
 ※(20)で作成
 図―11 福島第一原発内の排水路

 当然ながら福島第一構内は放射性物質で汚染されており、排水路に流れ込みます。全ベータの法令限度は1リットル当たり60ベクレルであることは1項に記載の通りです。このうちK排水路では法令限度を超えた汚染水の流れが確認されています。 
 以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
法令限度を超えた排水が流れるK排水路
 ※(20)(21)を集計
 図―12 K排水路の放射性物質濃度

 K排水路の3月8日の放射性物質濃度は1リットル当たりで
  全ベータ 64ベクレル
で法令限度を超えています。東電の発表(19)を見ると排水路は遮水壁を超えて海に繋がっているので、「海側遮水壁」が完成しても排水路の汚染水はブロックされません。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)を参照ください。
原発事故から5年経ちましたが、福島第一からの汚染水漏れは止む気配がありません。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島はイチゴの栽培が盛んだそうです。いまがイチゴの季節です(22)。福島はイチゴのシーズンです。農林水産省の統計を見ると(23)、福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です。福島県伊達市のイチゴは「とても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのもの」だそうです(24)。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(25)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図-13 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月1週)―地下貯水槽観測孔から突然の全ベータ―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(7)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の各月の「地下貯水槽に関する分析結果」
(10)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月1週)―凍土壁工事の下請けさんが43ミリシーベルト被ばく―
(11)タンク耐用年数、根拠なし 第一原発 | 東日本大震災 | 福島民報
(12)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島産、ストロンチウム90の割合が想定外の10%超え―福島産は安全?―
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(15)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(16)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(17)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(18)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(19)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(20)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(20)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(21)(3)中の「 福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果 」
(22)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(23)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「9-5 野菜(果実的野菜) ⇒福島県 」
(24)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(25)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(26)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
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  1. 2016/03/14(月) 19:43:21|
  2. -
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  4. | コメント:0
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