めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

「指定廃棄物」福島集約を警戒する福島

 福島県の地方紙の福島民報が3月22日の社説(1)で、福島県外の指定廃棄物処理について
「 県外の候補地からは『福島集約論』が相次ぐ。『国の支援策次第で、福島が受け入れてくれるのでは』との臆測すら飛び交う状況を憂える。」
と論じていましす(1)。福島は「福島集約論」を警戒しているようです。
 福島原発事故によって、福島県に限らず福島の隣県にも多くの放射性物質がばら撒かれました。放射性廃棄物は放置すると危険なので集めて管理する必要があります。国は1キログラム当たり8000ベクレル以上のセシウムを含む「ゴミ」を指定廃棄物と命名し、各県(宮城、福島、栃木、群馬、千葉)に一箇所つづ最終処分場をつくり各県で処理する計画になっていました(2)。
東日本各地に広がる放射性物質
 ※(3)の数値データを元に(4)に示す手法で3月1日時点に換算
 図-1 東日本各地に散らばった放射性物質

 これに対し最終処分場の候補地となった市や町は激しく反発し、国はとりあえず発生元の市町村で保管する「分散保管」を継続する方針に転換しましました(5)。
 しかし、福島は事情が違います。ほぼ市町村をまたぐ広域処理が確立しました。
広域で移動する福島の指定廃棄物
 ※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2避難区域は(6)による
 ※3焼却施設は(7)による
 ※4最終処分場は(8)による。
 図-2 福島県の指定廃棄物の流れ

 福島県飯舘村では昨年末に焼却施設の火入れが行われました。ここでは飯舘村で出た指定廃棄物の他に、福島市、伊達市、南相馬市、川俣町、国見町で発生した農林業系廃棄物及び下水道汚泥約70,000トンも処理することになっています(7)。さらに発生した焼却灰は楢葉町と富岡町の境界付近の富岡町側に設置される既存の管理型処分場(フクシマエコテッククリーンセンター)を活用して、速やかに埋立処分を行う計画が決まっています(8)。
 市町村を超えた指定廃棄物の最終処分があるなら、都道府県を超えた広域処理もあっても良いと考える方がいても不思議ではありません。宮城県内の市町村長会議では、加美町長が福島県飯舘村の仮設焼却施設で処分することを提案しました(9)。さらには1月4日の記者会見で 宮城県内の指定廃棄物を福島県飯舘村の仮設焼却施設で集約処理するよう提案していることについて「国と福島県、(処分場設置方針の)5県が本音で話し合う時期に来ている」と強調しました(10)。また栃木県のの処分場建設候補地になっている栃木県塩谷町長長は1月15日、「分散させると災害が起こったときに廃棄物が散らばる可能性がある」と述べ、国に抜本的な対策を求める考えを示しました(5)。福島県外の市町村は福島への集約を期待しているようです。
 これについて、福島県の地方紙の福島民友は
 「根底に福島県は『汚染されたところ』との意識がある。『福島の汚染された場所で集約処分すべき。どこで処分しても風評被害は出る』」
 と反論していますが(11)、図-2に示すように焼却施設がある福島県飯舘村や最終処分場のある福島県冨岡町・楢葉町の境界付近は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(12)を超えており今も除染が必要です。除染が必要である以上は「汚染」されています。「風評被害」を主張していますが、焼却施設のある福島県飯舘村では5年連続で女の子が多く生まれています。
5年連続で女の子が多く生まれた飯舘村
 ※(13)を転載
 図-3 福島県飯舘村の赤ちゃん誕生数

2015年は
 男の子 18人
 女の子 32人
でした。通常は男の子が多く生まれるので(14)、おかしな現象です。飯舘村は現在は全村避難していますが、避難が終了したのは原発事故から3ヶ月以上経過した2011年6月22日です(15)。わずか3ヶ月の生活でこのような現象が続いては「風評被害」と言い切るのは無理があります。
 楢葉町は昨年9月に避難指示が解除され半年が経過しましたが帰還したのは全人口7,379人(住基人口)中の442人で(16)全体の6%です。特に若い層の帰還が進んでいないようです(17)。冨岡町ではお彼岸に併せ夜間も含め一定期間、滞在を認める特例宿泊を開始したのですが、申し込んだ方は9816人中53人です(18)。これについて福島民報は
「除染による放射線への不安解消や生活基盤の復旧が課題として挙げられる。時間の経過とともに、避難先に落ち着く世帯が増えていることも要因の一つだ。子どもの教育や仕事の関係で故郷に戻ることを断念した人は少なくない。」
と論じています(19)。放射線の不安もあるし、5年も経てば避難先に根付いてしまいいまさら戻る人はいないとの旨でしょうか?(=^・^=)の見る限り最終処分場周辺の富岡町・楢葉町は福島第一の廃炉作業の前進基地以外の使い道しかなさそうです。
 福島民友は
「避難指示解除後の古里で営農を再開した田村市都路町の坪井久夫(65)は、指定廃棄物の本県への集約論に『乱暴な話だ』と憤る。風評払拭に苦労してきた経験から『いろいろな考え方があり、全ての人に理解してもらうのは難しい』というのが実感だ。」
と報じ(11)、福島県田村市においては福島を正しく恐れこれを避ける行為が解消しているかのように報じていますが、同市で最も観光客が多いの観光施設の「あぶくま洞」(20)の観光客数は以下に示すように回復の兆しがありません。
大幅に減ったあぶくま洞来場者
 ※1(20)を集計
 ※2入水鍾乳洞を含む
 図―4 あぶくま洞等の入り込み数

2015年も20万人程度の見込みです(21)。同紙の報道では福島の方の努力で福島県田村市を正しく恐れる方は減ったような書き方ですが、いまも多くの方が恐れています。
 ・人が戻る見込みが無い
 ・5年経っても放射能に汚染されたままである。
 ・5年経っても多くに方が正しく恐れて避けている。
実態があれば周りの方は「福島集約」に期待すると思います。
 (=^・^=)の住む街にも福島原発事故後に福島から多くの方と放射性物質がやっていきました。5年経つと福島から来ていただいた方は(=^・^=)の住む街に組み込まれ必要な隣人です。福島から来ていただいた方に福島に帰られるのは困ります。でも、放射性物質はできれば福島に帰って欲しい思っているのが「本音」です。
 福島県の地方紙の福島民報が3月22日の社説(1)で、福島県外の指定廃棄物処理について
「 県外の候補地からは『福島集約論』が相次ぐ。『国の支援策次第で、福島が受け入れてくれるのでは』との臆測すら飛び交う状況を憂える。」
と論じていましす(1)。「国の支援策次第で、福島が受け入れてくれるのでは」などと言うことはまず期待できないと思います。
 以下に福島県の予算・決算額を示します。
原発事故後に水膨れした福島県予算
 ※1(22)を転載
 ※2 2009年から13年度は決算(歳出)額
 ※3 2014・15年度は補正後の予算額
 ※4 2016年度は報道による予算額
 ※5 2016年の除染費用は前年度流用
 図-5 福島県の予算・決算額
 
 原発事故後に1兆円以上の水ぶくれを起こしています。以下に年度別の福島第一原発事故の賠償支払い額を示します。
毎年1兆円を超える原発事故の賠償金額
 ※1(23)を過去分も含め集計
 ※2 2015年年度は2016年3月18日支払分まで
 図-6 福島第一原発事故の賠償支払い額

 毎年1兆円以上のお金が福島を中心に「賠償」として支払われています。この他に国の直轄事業や東京電力による福島第一原発廃炉費用等(22)を含めれば年間3兆円近いお金が福島に新たに流れ込んでいます。福島県のGDPは約7兆円です(24)。そこに年間3兆円のお金が流れ込んで来ては福島は歪ます。
 福島県川俣町では震災で役場庁舎が被災しました(25)。それから5年が経ちましたが役場庁舎の再建工事は始まっている様子がありません(26)。役場庁舎の再建は必要ですが、除染、インフラ復旧、災害公営住宅、子どもの遊び場の復旧(27)等の他にもやらなればばらない事が沢山ありおよそ「国の支援策次第で、福島が受け入れてくれるのでは」のような事業まで手を出す余裕はなさそうです。
 だいたい福島県内各地には大量の除染廃棄物が仮置きされており(28)、福島島には他所の放射性廃棄物を受け入れて処分する余裕など無いと思います。
 
<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 (=^・^=)の住む街の指定廃棄物も何処でもいいから(=^・^=)の住む街以外に運び出して貰いたいと思います。福島が無理だとすると、(=^・^=)は栃木県塩谷町に集約するのが最適だと思います。
 ①塩谷町が主張するように指定廃棄物処分場は各県に作るより、一箇所に集約し保管した方が「安全」で合理的である(29)。
 ②本文に記載した通り福島県は復興にリソースを割かれ、他の都県の指定廃棄物まで処分する余力がないので、福島県外の指定廃棄物は福島県外一箇所に集約するのが合理的である。
 ③環境省のデータを集計すると(2)福島県以外の指定廃棄物の総量は27,838トンで、そのうち栃木県分が13,533トンで約半分を占めるので、栃木県内に最終処分場を作るのが合理的である。
 ④栃木県塩谷町の候補地は除染が必要なレベル程度に汚染されている。
最終処分場候補地は除染が必要な栃木県塩谷町
  ※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で3月1日時点に換算
  ※2 候補地の位置は(29)による。
 図―7 栃木県塩谷町と最終処分場候補地

 「穏やかで自然豊かな水源地が、今危険にさらされようとしている」と主張しているが、図―7に示すように塩谷町の水源地は福島原発事故により十分に汚染されいる。
 ⑤図―7に示す通り栃木県塩谷町は高速道路も新幹線も通過しているがインターも駅も無い。塩谷町に高速のインターや駅を作る事で地域振興がはかり易い。
 ⑥東京電力の管内にあるので最終処分場の反対給付として東京電力の責任で電気料金を大幅に割り引くことも可能である。⑤と合わせ塩谷町への企業立地が促進できる。
 ⑤⑥でも足りなければ、栃木県には国立の医学部が無いので国の責任で設置するとか、空港が無いので国営の空港を作るとか色々と知恵を出せばいいと思います。ただし(=^・^=)の住む街に同じ提案をされたら「拒否」します。
 最終処分場の立地は相当な「飴」を用意しないと無理なのは安倍出戻りも分かっているはずです。でも「飴」を用意した気配がありません。無責任です。結果は福島集約論を広げました。これでは福島の方は不安だと思います。
  福島はイチゴの栽培が盛んだそうです。いまがイチゴの季節です(30)。福島はイチゴのシーズンです。農林水産省の統計を見ると(31)、福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です。福島県伊達市のイチゴは「とても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのもの」だそうです(32)。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(33)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図-8 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)【指定廃棄物処分】いがみ合いは避けたい(3月22日) | 県内ニュース | 福島民報
(2)指定廃棄物について|放射性物質汚染廃棄物とは|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(5)<最終処分場>政府断念か 分散保管を継続 | 河北新報 2016/01/16
(6)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)飯舘村蕨平地区仮設焼却施設の火入れ式について(お知らせ)[福島環境再生事務所]:環境省
(8)処分に向けた取組み|福島県における取組み|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(9)<最終処分場>集約論に福島反発「心外」 | 河北新報オンライン 2015/12/15
(10)<最終処分場>福島集約「話し合う時期」 | 河北新報オンライン 2016/01/05
(11)【復興の道標・ゆがみの構図-3】乱暴な「福島県集約論」 見えない国の関与:復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet
(12)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(13)めげ猫「タマ」の日記 5年連続でも女の子が特異的に生まれる福島県飯舘村
(14)出生性比
(15)飯舘村 - Wikipedia
(16)広報ならは 3月号(第554号)|楢葉町公式ホームページ
(17)めげ猫「タマ」の日記 楢葉町の男性は5ヶ月連続で転入超、未来は原子力ムラ
(18)<特例宿泊>福島・富岡5年ぶり夜間滞在 河北新報-2016/03/17
(19)【避難区域の帰還】二地域居住の道探れ(3月21日) | 県内ニュース | 福島民報
(20)福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(21)めげ猫「タマ」の日記 福島・あぶくま
(22)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原総費用16兆9205億円は決まり―でもまだまだ増える―
(23)賠償金のお支払い状況|東京電力
(24)福島県県民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(25)役場庁舎移転のお知らせ - 川俣町公式ホームページ
(26)新庁舎建設 - 川俣町公式ホームページ
(27)田んぼスケート場、5年ぶり再開 福島・川俣町  :日本経済新聞
(28)1000万袋超が仮置きに=汚染土解消、めど立たず-中間貯蔵、用地 時事通信-2016/03/09
(28)- 栃木県塩谷町 - 指定廃棄物最終処分場候補地選定までの経緯と現状
(29)候補地の状況 - 塩谷町民指定廃棄物最終処分場反対同盟会
(30)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(31)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「9-5 野菜(果実的野菜) ⇒福島県 」
(32)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(33)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(34)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
スポンサーサイト
  1. 2016/03/22(火) 19:50:05|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月3週)―宮城・茨城・千葉県より低い福島のスズキの検査結果― | ホーム | 福島第一汚染水(3月3週)―港湾口ムラソイから25,400ベクレルのセシウム―>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1751-314872bd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)