めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(3月4週)―東電再建計画8回目の破綻、賠償見込み額7.7兆円―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、3月4週(3月20日から26日)もしっかりトラブルが起こっています。
①東電再建計画8回目の破綻、賠償見込み額7.7兆円
②セシウム除去装置から5、300リットルの汚染水漏れ
③満タン状態が続く処理水タンク
④汚染水の総量は90万立方メートル超え
⑤ALPSからも汚染水漏れ
おまけ.柏崎刈羽原発は優先原発を外れる

1.東電再建計画8回目の破綻、賠償見込み額7.7兆円
 東京電力は再建計画に当たる「特別事業計画」の変更を申請しました(2)。報道によると想定される賠償の総額は5831億円増え7兆6585億円に膨らむ見通しだそうです(3)。
 福島原発事故を起こした東京電力は巨額の賠償責任をおいました。賠償額が巨額でおよそ東京電力が支払きれるものではないので、国は「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を設立し東京電力を援助する仕組みを作りました(4)。そのかなで東京電力の再建計画に相当する「特別事業計画」が策定されました(5)。2011年11月の最初の計画では賠償見込み額は1兆0109億円でしたが(6)、その後は次ぎ次に破綻が明らかになり8回目の計画で7兆0753億円に膨らみました(7)。これも破綻し東京電力は新たな計画を申請しました(2)。最初の計画から9回目ですので、東京電力再建計画に当たる「特別事業計画」は8回破綻したことになります。賠償の見込み額は約7.7兆円(7兆6585億円)ですが、今後も破綻を繰り返し、増え続けると思います。
 このお金は電力会社が毎年分担金として原子力損害賠償・廃炉等支援機構に支払っていますので(8)、結局は(=^・^=)も支払う電気代に上乗せです。それもだめなら(=^・^=)も支払う「税金」の投入もあるかも知れません。

2.セシウム除去装置から3、500リットルの汚染水漏れ
 福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
 タービン建屋⇒セシウム吸着装置⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(9)(10)(11)。
 このうちセシウム吸着装置から5,300リットルの汚染水が漏れ出しました。漏れた汚染水からは1リットル当たりで
 セシウム134  6万3000べクレル
 セシウム137 32万ベクレル
 セシウム合計  38万3000ベクレル
 全ベータ    48万ベクレル
の放射性物質が見つかったそうです(12)。
 セシウム吸着装置に接続されている配管を工事中のため切断したのですが、上流に設置されている弁が開いたままセシウム吸着装置を起動したため、装置内の汚染水が漏れ出したそうです(13)(14)。以下に汚染水が漏れ出した配管の切断箇所を示します。
汚染水漏れを起こしたセシウム除去装置の配管
 ※(15)を引用
 図―1 汚染水が漏れ出した配管

 これだけ隙間が空いていれば汚染水がどっと漏れ出すのは当たり前です。弁を開けたまま配管を切断したかは「謎」です。

3.満タン状態が続く処理水タンク
 2項に記載した通り汚染水は最終的に処理水タンクに貯められます。最終段の処理水について
  満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。
満水状態が続く処理水タンク
 ※(16)を集計
 図ー2 福島第一の「処理水タンク」の満水率

 この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(17)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。

4.汚染水の総量は90万立方メートル超え
 東京電力の発表(18)を集計したら福島第一の汚染水の総量が90万2245立法メートルとなり90万立方メートルを超えました。以下にこれまでの汚染水量の推移を示します。
90万㎥を超えた福島第一汚染水
 ※(18)を集計
 図-3 福島第一の汚染水量

 確実に増えています。東京電力は汚染水対策を実施していると主張していますが(10)、あまり効果が無いようです。

5.ALPSからも汚染水漏れ
 3月25日19時42分に福島第一原子力発電所 多核種除去設備(ALPS)から汚染水もれを示す警報がでました。同日21時10分頃にALPS(多核種除去設備)A系の吸着塔6A下部に設置してある配管のフランジから1秒に1滴程度の割合で汚染水が漏れ出ているのを東電社員様が確認しました。漏れ出た汚染水は漏えい検知用の升(約20cm×20cm×深さ5cm)と床面の漏えい範囲(約2m×3m×深さ1mm)に広がり、約8リットルと推定してるとの事です。汚染水を分析した結果1リットル当たりで
 ・セシウム134: 150 ベクレル
 ・セシウム137:  690 ベクレル
 ・セシウム合計  840 ベクレル
 ・全ベータ  :19,000 ベクレル
の放射性物質が見つかりました(19)。
 今週はセシウム吸着装置にALPSと汚染水じゃやもれです。

おまけ.柏崎刈羽原発は優先原発を外れる
 柏崎刈羽原子力発電所は新潟県柏崎市と刈羽村にまたがって設置された東京電力の原子力発電所です(20)。現在、原子力規制委員会で「適合性審査」が進められています(21)。これまでは他の原子力発電所に「優先」して審査をするいわゆる「優先原発」でしたが(22)、3月23日の原子力規制員会で「優先原発」を外されました(22)(23)(24)。なんでも
、「耐震設計方針の審査を開始したところ、(中略)東京電力(株)は、審査を進めるための必要な資料等の準備をしていなかったため、今後、その準備に相当の時間を要することが見込まれる。」との事です(23)(24)。
 安全審査の過程で、原発が耐えなければならない最大の地震(基準地震動)(25)が引き上げられたのですが、従来の評価方法ではこれに耐えられないので、評価方法を変えるようです。以下に比較を示します。
大きく揺れる従来手法の解析結果 小さく揺れる新手法の解析結果
 (a)従来の手法         (b)新手法
 ※1(26)を引用
 ※2引用例は「7号機原子炉建屋のシミレーション解析結果加速度応答スペクトル(東西方向)」
 図―4 加速度応答スペクトル(東西方向)の解析例
 
 応答スペクトルとは外部から一定周期の振動を建屋に加えた時に、建屋がどれだ揺れるかを周期を変えてグラフ化したものですが(27)、0.4秒周期の振動を加えた時に図ー4(a)に示すように従来手法では毎秒40m/sの加速度が加わりますが、新しい手法では(b)に示す様に毎秒12m/sの加速度に低減されます。この結果、建物を補強したくてもより大きな地震に耐えられるとの結果を得ることができます。
 ところが東京電力は新しい手法が正しいと言えるだけの根拠が用意できておらず、審査が止まるので「優先原発」を外れるそうです。
 もっとも審査に通っても再稼働できるかは疑わしいと(=^・^=)は思います。東京電力は新潟限定でCMを流していますが(28)、あまり評判は良くないようです(29)。新潟県に電気を供給しているのは東京電力でなく東北電力です(30)。電気の安定供給の為にも「原発」は重要だと主張されても(31)、新潟の安定供給には寄与しません。リスクだけあってメリットの無い柏崎刈羽原発(32)は新潟では評判が悪いようです(33)。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
福島県の地方紙の福島民報は3月26日付の社説で
「不安解消のためには、廃炉を進める原発の制御が絶対条件だ。発生する汚染水の適切な処理はもちろん、周辺環境に影響する事態に細心の注意と何重もの防護策を取ってほしい。」
と論じていました(34)。でも福島第一原発はトラブル続きです。これでは福島の方は不安だと思います。
 東京電力の元役員が社長を務める東京電力福島第一原発事故からの地域農業再生を目指し、福島県南相馬市原町区の下太田工業団地に建設されたトマトの大規模工場「南相馬トマト菜園」から3月25日、南相馬産を前面に出した「あすびとトマト」ブランドのトマトが初出荷されたそうです(35)(36)。同トマトはヨークベニマルの原町西(南相馬市)、相馬、相馬黒木(相馬市)の地元3店の店頭で販売されたそうです(35)。でもヨークベニマル原町西(南相馬市)店のチラシには別のトマトが載っていました。チラシの目的はチラシの商品に興味を持ってもらえた後は次のステップへ誘導させる事です(37)。スーパーのチラシなら次のステップは来店です。3月25日付のヨークベニマルの原町西店(南相馬市)のチラシには別のトマトが載っていました。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県南相馬市のチラシ
 ※(38)を引用
 図―5 福島産トマトが無いヨークベニマルの原町西店(福島県南相馬市)

 福島の方にとって福島産は興味の持てる商品ではありません。(=^・^=)も福島県南相馬市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月3週)―ALPS停止―
(2)特別事業計画の変更の認定申請について|東京電力
(3)東電、9回目の新総合特別事業計画改訂-賠償額、7兆6585億円に(2面)-電気新聞-
(4)原子力損害賠償・廃炉等支援機構 - Wikipedia
(5)原子力損害賠償・廃炉等支援機構
(6)特別事業計画の認定について|TEPCOニュース|東京電力
(7)特別事業計画の変更の認定について|東京電力
(8)原子力損害賠償・廃炉等支援機構
(9)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(10)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(11)原子炉の安定化|東京電力
(12)2016年3月24日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(13)2016年3月24日福島第一原子力発電所 高温焼却炉建屋内における堰内漏えいについて(PDF 209KB)
(14)2016年3月25日高温焼却炉建屋内における堰内漏えいについて(続報)(PDF 29.8KB)
(15)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所 高温焼却炉建屋内における堰内漏えいについて
(16)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(17)スロッシング - Wikipedia
(18)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第245報)|東京電力
(19)2016年3月26日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(20)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(21)柏崎刈羽原子力発電所 6・7号炉 関連審査会合 | 原子力規制委員会
(22)東京新聞:柏崎刈羽原発の優先見直し 規制委、審査長期化も :社会(TOKYO Web)
(23)第62回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会
(24)第62回原子力規制委員会(2016年3月23日開催)における議論について|東京電力
(25)地質調査と基準地震動|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(26)第337回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合 | 原子力規制委員会中の「資料1-1 柏崎刈羽原子力発電所 6号及び7号炉 既工認で採用実績のない耐震評価手法について(主要な検討事項)【PDF:671KB】」
(27)応答スペクトル - Wikipedia

(28)TVCM・新聞・雑誌広告
(29)避難者が東電CMに抗議|社会|新潟県内のニュース|新潟日報モア
(30)東北電力 - Wikipedia
(31)燃料の安定供給 - 原子力発電の特徴 | 電気事業連合会
(32)(7)新潟県限定で、大量のCM|敷かれたレール|特集(短期連載)|新潟日報モア
(33)(9)県内経済界 冷めた目も|敷かれたレール|特集(短期連載)|新潟日報モア

(34)【本県漁業の再生】不安払う不断の対策を(3月26日) | 県内ニュース | 福島民報
(35)「あすびとトマト」初出荷 一足先に南相馬、相馬で販売 | 県内ニュース | 福島民報
(36)「復興のトマト」初出荷...農業の「あす」へ第一歩:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(37)チラシデザインの目的 | 売れるチラシ研究所
(38)ヨークベニマル/お店ガイド
スポンサーサイト
  1. 2016/03/26(土) 16:32:42|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<福島第一汚染水(3月4週)―外洋から14ベクレルの全ベータ― | ホーム | 1(μSV/h)で葬式40%増、原発事故5年目の福島>>

コメント

東電はケチって今の状態。本当は今現在辺りで11兆円位に成っていた筈です。ですからこれから11兆円に近付くでしょう。そしてその後も増え続けます。
>「税金」の投入もあるかも知れません。
いやもう投入されてるんですけど、、。投入金の利息は税金で賄う事が決まっており、借り先に払われています。まぁ、電気代も税金と同じですから、これも『血税』と思って間違いはない!
汚染水もう直ぐ溢れますなぁ、、。6月位に溢れると参議院選挙に相当影響するだろうなぁ、、。
  1. 2016/03/26(土) 22:59:21 |
  2. URL |
  3. 武尊43 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1755-69273657
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)