めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(3月4週)―外洋から14ベクレルの全ベータ―

 福島第一原発汚染水の3月4週(3月22日から27日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①外洋から14ベクレルの全ベータ
 ②港湾奥地より高い港湾口の全ベータ濃度
 ③地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
 ④海岸付近の井戸から高濃度の放射性物質
 ⑤サブドレンのからのトリチウムの累積排出量は約330億ベクレル

1.外洋から14ベクレルの全ベータ
 原発事故から5年以上が経過しました。時間が経ても外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
事故から5年以上経過しても放射性物質が見つかる福島第一外洋
  ※1 (4)~(7)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度
 
 
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(7)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(7)。従前の記事でこの井戸の水がら突然に全ベータが見つかった旨の記事を記載しましたが(9)、今週も
 全ベータが1リットル当たりで150ベクレル
見つかっています。東京電力の会見(10)(11)を聞いていると「原因不明」のままだそうすです。これでは対策も取れず、拡散するのみと思います。
 もっと気になるが外洋です。以下に南放水口付近の放射性物質濃度を示します。
事故から5年経過しても下がる気配がない南放水口付近の放射性物質濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 南放水口北側の放射性物質濃度

 図に示すとおり、原発事故から5年近く経ちましたが低下の兆しがありません。1リットル当たりの全ベータ濃度を見ると
 3月16日 11ベクレル
 3月21日 14ベクレル
で上昇しています。1リットル当たり14ベクレルの全ベータは2015年11月12日以来4ヶ月ぶりです。

2.港湾奥地より高い港湾口の全ベータ濃度
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
外洋より高い濃度の放射性物質が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

(=^・^=)が気になったのは、港湾奥地の1~4号機取水口内南側(遮水壁前)と港湾口の全ベータ濃度の比較です。以下に3月中の推移を示します。
港湾奥地より高い全ベータが見つかる港湾口
  ※1(5)を集計
  ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
  ※3 「1~4号機取水口内南側(遮水壁前)」は「取水口内南側」と略す
 図-4 港湾口と1~4号機取水口内南側の全ベータ濃度

 図に示す通り、港湾奥地の1~4号機取水口内南側(遮水壁前)より港湾口の全ベータ濃度が高くなっています。3月中の最高値を1リットルで見ると
 1~4号機取水口内南側 20ベクレル
 港湾口        22ベクレル
3月中の全ベータ検出回数を見ると
 1~4号機取水口内南側 検査26回中6回
 港湾口        検査26回中8回
で最高値、検出回数共に港湾口の方が高濃度であることを示しています。港湾口は外洋との境目で外洋の海水も混じります。低くないといけないのですが。
 東京電力は2015年10月26日に福島第一原子力発電所の1~4号機側の敷地から港湾内に流れている地下水をせき止める「海側遮水壁」を完成させ(12)、汚染水の海洋への流れ込みが大幅に減ったと主張しています(13)。でも、堰き止めた汚染水が「海側遮水壁」を迂回して海に流れる可能性は否定できません。このような仮定をすれば港湾奥地の1~4号機取水口内南側(遮水壁前)より港湾口の全ベータ濃度が高いとの現象の説明が付きます。

3.地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(14)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(15)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(16)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (15)(16)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で地下水バイパス井戸No3のトリチウム濃度が過去最高(新記録)を記録しました。以下に推移を示します。
過去最高を記録した地下水バイパスNo3井戸のトリチウム
 ※(16)を集計
 図―6 地下水バイパス井戸No3のトリチウム濃度

 当初は上がり下がりしていたのですが、2015年7月位から単調な増加に転じ、過去最高を記録しました。

4.海岸付近の井戸から高濃度の放射性物質
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

  以下にNo17井戸の全ベータ濃度を示します。
3月に入り急上昇したNo17井戸の全ベータ
  ※(5)を集計
 図―8 No17井戸の全ベータ濃度

 図に示す様に、これまで1リットル当たり1万ベクレル未満で推移していました。しかし3月に入り突然に上昇し3月25日のには1リットル当たりで
 全ベータ 66,000ベクレル
に達しました。この先が心配です。

5.サブドレンのからのトリチウムの累積排出量は約330億ベクレル
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(17)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(18)半年以上が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(19)(20)、濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
約330億ベクレルとなったサブドレントリチウムの総排出量
 ※(19)(20)を集計
 図―9 サブドレンの累積排出量

 累積で約330億ベクレルになりました。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)を参照ください。
 原子力ムラの総会ともいうべき日本原子力学会の春の年会(21)が3月26日に開幕し、「今取り組むべき課題は何か」と題したパネル討論が行われたそうです(22)。そこでは
 ①「福島の農産物の安全は高いレベルで担保されているが、それでも買いたたかれている現実について考えてほしい」
 ②「放射線の健康影響に注目するあまり、他の防ぎ得た健康被害が見落とされているのではないか」
 ③「『(福島)県産農産物は危険』と強調するなどの原発事故に伴い本(福島)県に向けられるようになった『デマ・偏見』について「原発事故後続いてきた問題なのだが、他の問題が解決していく中で最近、大きな課題として注目されるようになってきた。この問題は長引くことになると思う』」
等の議論が交わされたそうです(22)。でもこれって原子力学会で話すべき議題ですかね?福島の課題は二つです。
 ①本文に記載した通り、今も続く福島第一からの放射能流出を止める。
 ②原発事故後に福島に放置された放射性物質(23)を取り除く
これが解決すれば福島の問題はほぼ解決すると思います。なんか徹底的な責任転嫁をしているみたいで、福島原発事故にも関わりもある(24)、「村」としての反省が無いようです。これでは福島の方は心配だと思います。
 原発事故後に福島からは当時の暫定基準値を超えるセシウム汚染牛が出荷されました(25)。消費地で見つる汚染牛がなぜ産地の福島で見つからなかったかの明確な説明はいまだになされていない気がします。それでも福島は牛肉の生産に力を入れているようです(26)。福島県白河地区で肉牛繁殖モデル農場が竣工したそうです(27)。でも未来は暗そうです。福島牛は、鮮やかな色合いと良質の霜降りをもつ絶品だそうです(28)。福島県は福島牛は「安全」だと主張してます(29)。でも福島県白河地区のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
福島産以外はあっても福島産牛肉が無い福島県白河地区のスーパーのチラシ
 ※(30)を引用
 図―10 福島産牛肉が無い福島県白河地区のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河地区の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月3週)―港湾口ムラソイから25,400ベクレルのセシウム―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(7)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月1週)―地下貯水槽観測孔から突然の全ベータ―
(10)【2016年3月22日】東京電力 記者会見 - 2016/03/22 17:30開始 - ニコニコ生放送
(11)【2016年3月24日】東京電力 記者会見 - 2016/03/24 17:30開始 - ニコニコ生放送
(12)海側遮水壁|東京電力
(13)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年2月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第27回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(10.0MB)」
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(15)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(16)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(17)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(18)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(19)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(20)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(21)日本原子力学会に“潜入” - 産経ニュース
(22)『福島の今』...抱える問題議論 日本原子力学会・春の年会:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(23)めげ猫「タマ」の日記 除染が終わっても、除染が必要な福島
(24)原子力村 - Wikipedia
(25)放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉用牛について - 埼玉県
(26)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(27)肉牛繁殖モデル農場竣工 JA東西しらかわ | 県内ニュース | 福島民報
(28)(26)中の「福島牛」
(29)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(30)イオン白河西郷店
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  1. 2016/03/27(日) 19:43:37|
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