食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。2月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)~(6)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先月に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(7)。今週は基準超えです。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数4,214件中12件の基準超え(全体の0・3%)
②平均は、1キログラム当たり2.5ベクレル、最大3,800ベクレル(県産)。
原発事故6年目を迎えましたが、未だに宮城、群馬でセシウム汚染食品が見つかっています。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(8)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年3月)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(9)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
1.千葉銚子のヒラメからセシウム、福島は25件全数ND
千葉県銚子は千葉県北部で地図で見ると、茨城県の直ぐ南にある市です。3月は1件の検査ですが、セシウムが見つかりました。茨城県のヒラメからもそこそこセシウムが見つかっています。でも、福島県が実施した福島産ヒラメからはセシウムが見つかっていません。以下に推移を示します。

※1(3)(4)(5)(6)を集計
※2NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
※3日付は検査日
図-2 2016年3月中のヒラメのセシウム濃度
図に示す通り汚染源はある福島が低く出ています。
2.横浜市の検査で福島産果物ジュースからセシウム、福島県検査は大部分がND
福島は果物多くと呼ばれていますが(10)、果物の生産は福島盆地と呼ばれる狭い範囲に集中しています(11)

※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で3月1日時点に換算
※2 避難区域は(14)による
※3 福島盆地の範囲は(15)による。
※4 会津地方は(16)による。
図-3 福島盆地、伊達市、田村市といわき市
図に示す通り福島盆地は原発事故から5年以上経過しても、大部分が国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(17)を超えています。
以下に福島盆地を代表する果物のモモ(11)の価格を示します。

※(18)を転載
図―4 福島産と山梨産のモモ価格
福島原発事故以降は価格が低迷したままです。売れ残った果物は加工用に回されれ今も販売されています(19)。セシウムが心配です。消費地としては今年初めて、横浜市が検査を実施しました。1件の検査でセシウムが見つかっています。
福島産果物ジュース(検査横浜市) 1キログラム当たり2.5ベクレル(検査数1)
です。一方で福島県の検査では25件中で22件は検出限界未満(ND)です(1)。福島産果物ジューズは福島県外の検査では大部分でセシウムが見つからないのに、福島県外(横浜市)が検査すると、1件の検査で確りセシウムが見つかります。福島県の検査は他より低く出る検査です。
1キログラム当たり2.5ベクレルなら低いと考える方もいると思いますが、ジュースは飲み物(飲料)です。飲料の基準値は1キログラム当たり10ベクレルです。1回の検査でそれなりにセシウムが見つかってので、検査数を増やせば基準超えが出ても不思議ではありません。
福島産は他より低く出る検査で安全され出荷されます。そして産地では葬式が増えています。
3.福島県田村市でスイーツ店開店、材料のエゴマの検査2件、しかもセシウム入り
田村市は、福島県中部の山の中に位置し、2005年3月1日に田村郡7町村の内、滝根町、大越町、都路村、常葉町、船引町の旧5町村が合併し形成されました。同市は「緑豊かな自然にいだかれた高原都市」を主張していますが(20)、(=^・^=)は単なる山間僻地だと思います(21)。

※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で3月1日時点に換算
※2 田村市の区域分けは(22)による。
図―5 福島県田村市
福島原発事故によって、東部の都路地区全域が緊急時避難準備区域および警戒区域に指定され住民の避難しました。緊急時避難準備区域は2011年9月に解除され、2014年4月1日は安全とは言えない状態のまま旧警戒区域の避難指示が解除されました(14)。避難指示は無くなりましたが図―6に示すように同市の都路地区は酷く汚染されたままです。
同市では古くからエゴマが栽培されています(23)。エゴマはシソ科の一年草で(24)、5月頃に種まきが行われ10頃に収穫します(25)。同市の都路で3月24日にスイーツ店が開店しました。同市特産の「えごま」を使ったシフォンケーキや、あぶくまの天然水でつくったコーヒーがだだれるそうです(26)。セシウム汚染が心配です。以下に福島県田村市産のエゴマのセシウムの検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
図―6 福島県田村市のエゴマの検査結果
検査が実施されていない2012年を除き、原発事故以降は連続してセシウムが見つかっています。今シーズン(2015年10月以降)の検査は2件で、うち一件からは1キログラム当たりで
6ベクレル
のセシウムが見つかっています。厚生労働省の発表を見ると(1)、産地は「田村市」と記載があるだけで田村市の何処で採れたか記載がありません。エゴマは同市の「船引」でも栽培されています(23)。図-6に示す通り、田村市船引は概ね毎時0.23マイクロシーベルト以下ですが、都路は全域で超えており、毎時0.5マイクロシーベルトを超える場所も広がっています。都路のエゴマが検査されない限り、田村市産のエゴマが「安全」とは言えません。「船引」のエゴマを検査して、田村市産のエゴマは基準値以下と主張されても、公開されてるデータでは分かりません。それにしても2件は少なすぎます。
4.伊達・小国の信夫冬菜の漬物が発売、検査結果はありません。
信夫冬菜は伝統の福島野菜で、収穫時期は12月中旬からですが、一部春先に茎立ち菜として利用されるケースもあります(27)。伊達市霊山町小国地区の畑で採れた信夫冬菜を使った漬物が3月24日から発売されました(28)。

※(29)をキャプチャー
図―7 伊達市霊山町小国地区の畑で採れた信夫冬菜を使った漬物の販売を報じる福島のローカルTV局(TUF)
以下に伊達市霊山町小国地区を示します。

※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で3月1日時点に換算
※2 小国地区は(30)による。
図―8 福島県伊達市霊山町小国
伊達市霊山町小国地区は図に示す通り原発事故から5年が経ちましたが、国が除染の基準とする毎時0.23マイクロシーベルトのない以上の0.5マイクロシーベルトを超えています。検査結果が心配です。
福島県運営するサイト(31)で「フユナ」を選択し福島県全体の3月29日に検査結果を調べたら、検査結果が出て来ません。厚生労働省の検査結果を見ると福島県全体で2011年4月21日以降5年近くもの間、検査結果がありません。最後の検査では福島県産の信夫冬菜のセシウム濃度は
1キログラム当たり1,960ベクレル
で基準値を大きく超えています。その後の検査も無く、出荷が再開されたようです。
福島産はセシウム汚染が酷い産地を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。
5.急上昇した福島県いわき市産クロダイ
以下に福島県いわき産クロダイのセシウム濃度を示します。

※1(1)を集計
※2日付は捕獲日
※3NDは検出限界未満を示す
図-9 福島県いわき産クロダイのセシウム濃度
しばらく検出限界未満(ND:セシウムが見つからない事)が続いていたのですが、突然の上昇です。福島産はセシウム濃度が急に上昇することがあります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは福島の方は不安だと思います。
福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(32)。いわき市のイチゴはたわわに実っっており甘くてジューシーだそうです。今はいわき市でもイチゴ狩りが楽しめます(33)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(34)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。

※(35)を引用
図―10 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第971報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
食品中の放射性物質の検査結果について(第972報) |報道発表資料|厚生労働省(5)
食品中の放射性物質の検査結果について(第973報) |報道発表資料|厚生労働省(6)
食品中の放射性物質の検査結果について(第974報) |報道発表資料|厚生労働省(7)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月)―千葉のマダイからセシウム、福島は47件連続ND―(8)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(9)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(10)
果樹王国 - Wikipedia(11)
[PDF]くだものづくりがさかんな福島盆地(12)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(13)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(14)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(15)
福島盆地 - Wikipedia(16)
会津 - Wikipedia(17)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(18)
めげ猫「タマ」の日記 今年(2015年)も低迷、福島モモ価格、山梨との価格差広がる(19)
【楽天市場】「桃の恵み」桃ジュース【送料無料】JAふくしま未来 伊達地区本部果汁100%ももジュース10P08Feb15:伊達の蜜桃webshop(20)
田村市の概要 - 福島県田村市ホームページ(21)
めげ猫「タマ」の日記 田村市10周年、未来は暗い(22)
田村郡 - Wikipedia(23)
福島県田村市におけるエゴマの再発見と普及 - 日本特産農(24)
エゴマ - Wikipedia(25)
雑穀・山菜・その他|農作業便利帖|みんなの農業広場(26)
都路にスイーツ店誕生 こぼれる笑顔で復興を後押し:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(27)
福島野菜の広瀬ちぢみと信夫冬菜ってどんな野菜なの?(28)
「信夫冬菜」漬物に 旧避難勧奨地点の住民ら郷土野菜を栽培:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(29)
スイッチ20160324 TUFchannel(30)
伊達郡 - Wikipedia(31)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。(32)
いわき市 - Wikipedia(33)
暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト(34)
農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ(35)
チラシ情報 イオンいわき店
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2016/03/29(火) 19:45:02|
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| コメント:1
大体ももジュース商品名書いてなくても調べていますのでわかります。わからない人加工品だと飲んじゃってますね。牛乳もけっこう数字出しまくってますね!!岩手産だと大体どこさんとかわかりますが他はわからないです。厚生省ホームページは商品名載らず本当は教えてほしいですね。
- 2016/04/08(金) 14:44:27 |
- URL |
- ぶぶ #-
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