福島県は果樹王国と言われますが(1)、福島県全域で果物が採れる訳ではありません。概ね福島市、伊達市、桑折町、国見町の2市2町で構成される福島盆地(2)が中心です(3)。ここは避難地域をの除けば福島の中でも特に放射能汚染が酷く、福島原発事故から5年連続で同地で生産される果物からはセシウムが見つかり(4)、葬式も増えています。
福島原発事故によって福島第一原発からは(=^・^=)の試算では、広島原爆30個分の放射性物質がばら撒かれ(5)(6)(7)、福島の台地を汚染しました。

※1(8)の数値データを元に(9)に示す手法で3月1日時点に換算
※2 避難区域は(10)による
※3 福島盆地の範囲は(2)による
※4 会津の範囲は(11)による。
図-1 福島盆地と会津地方
図に示す通り、福島県でも場所によって「汚染」の度合いが違います。図-1に示す様に避難地域の周囲と東北道の周囲に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(12)地域が広がっています。東北道沿線では、北部の汚染が酷い感じです。
福島県は東西に広がり3つとも4つとも言われています。地域によって気候風土に大きな差があります(13)。当然、地域ごとに農業にも特徴が出てきます。福島県は果樹王国と言われていますが(1)、果物が栽培されているのは福島盆地が中心です(3)。
福島県は福島を代表する果物として「モモ」や「ナシ」を挙げています(14)。この他にリンゴ、オウトウ(サクランボ)、ブドウなどが作られています(3)。今の季節ですとイチゴがあります(15)。
以下に福島県内の果物の生産順位を示します。

※(3)を引用
図―2 福島県内の果物生産順位
図に示す通り上位を福島市、伊達市、桑折町、国見町なのどの福島盆地に属する市や町が占めています。
この辺りはもともと養蚕が盛んだったのですが、第二次世界大戦を境に衰退し、桑園は盆地特有の気候を活かした果樹園に転換されました(16)。なぜ養蚕がさんんだったとえいば、この辺りは河川が山地から平野や盆地に移る所などに見られる、土砂などが山側を頂点として扇状に堆積した地形である扇状地(17)が分布しています(1)。扇状地は河川の伏流により地下水位が低く乏水地となるため、水田には利用しにくいそうです(17)。

※(3)を引用
図-3 保水性が悪い(水はけが良い)扇状地
結局は水田が作れず、桑や果樹しか作れない土地です。福島市の全袋検査数は約32万件で、ほぼ同規模の郡山市の136万件(16)の4分の1以下です。
福島の果物が全国的評判が良いかといえばそうでもなさそうです。福島のモモは山梨についで全国2位の生産量ですが(19)、価格を見ると原発事故前から山梨より安く取引されています(20)。
以下に福島産と山梨産のモモ価格を示します。

※(20)を転載
図―4 福島産と山梨産のモモ価格
そして5年連続でセシウムも見つかっています。 以下に福島盆地と会津地方のサクランボのセシウム濃度の推移を示します。

※1(21)を転載
※2 NDは検出限界未満を示す
図―5 福島盆地と会津地方のサクランボのセシウム
会津地方では2013年以降はサクランボからセシウムは見つかっていませんが、福島盆地では事故から5年目の2015年もセシウムが見つかっています。
2015年度中の厚生労働省の発表を集計すると(22)、
福島県のモモの精密検査は96件全てで検出限界未満(ND)ですが、
福島県外の精密検査では5件中1件がセシウム入り
また
福島県のナシの精密検査では検査109件中108件で検出限界未満(ND)で、セシウム入りは1件ですが
福島県外の精密検査では5件中1件がセシウム入り
です。どう見ても福島県の福島産果物は他県より低くでる検査で「安全」とされているようです。産地の皆さんの健康が心配です。
以下に各年3月から1年間の福島盆地(福島市、伊達市、桑折町、国見町)(4)の死者数を示します。

※1(23)を集計
※2震災被害者には間接死を含まずデータは(24)による。
※3集計期間は各年3月から翌年2月までの1年間
図―6 福島盆地の死者数推移
福島原発事故以降に死者数の増加が認められます。
福島原発事故前1年(2010年3月から11年2月)の死者数は3,988人
福島原発事故後4年目(2015年3月から16年2月)の死者数は4,269人
で約7%増加しています。偶然に起こる確率を計算したら0.02%なので偶然とは考えにくいです。
一方、サクランボからセシウムが見つからなくなった福島県会津地方では
福島原発事故前1年(2010年3月から11年2月)の死者数は4,130人
福島原発事故後4年目(2015年3月から15年2月)の死者数は4,120人
で殆ど変化がありません。
果物づくりが盛んな福島盆地ではセシウムが見つかり、死者数が有意増えているのに、セシウムが見つからなくなった会津地方の死者数の増加が認められません。
福島の果物には以下の特徴があると思います。
①避難地域を除けば福島でも汚染が酷い福島盆地で主に作られている。
②原発事故以降、5年連続でセシウム入り
③他県より低く出る検査で「安全」とされる。
④果物作りが盛んで、汚染の酷い福島島盆地では葬式が増えている。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
福島県は福島復興の柱に「農業の復興」を掲げています(25)。でもこれって放射能汚染リスクのある福島産を誰かに押し付ける事になります。福島の方の理解が得られているのか興味があるところです。
原発事故後に福島からは当時の暫定基準値を超えるセシウム汚染牛が出荷されました(26)。消費地で見つる汚染牛がなぜ産地の福島で見つからなかったかの明確な説明はいまだになされていない気がします。それでも福島県は果物の他に牛肉にも力を入れています。福島県によれば福島県全域で生産されているそうです(14)。福島牛は、鮮やかな色合いと良質の霜降りをもつ絶品だそうです(27)。福島県は福島牛は「安全」だと主張してます(28)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。

※(29)を引用
図―7 福島産牛肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
以下に福島盆地の葬式の増加が偶然に起こる確率計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(30)による

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
果樹王国 - Wikipedia(2)
福島盆地 - Wikipedia(3)
くだものづくりがさかんな福島盆地(4)
めげ猫「タマ」の日記 今年(2015年)も、福島産果樹はセシウム入り(5)
めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?(6)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!(7)
めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能(8)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(9)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(10)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(11)
会津 - Wikipedia(12)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(13)
気候 - 福島県ホームページ(14)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(15)
特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来(16)
1.ふくしまの文化と花の回廊(福島市) / ふくしまの歴史と文化の回廊 - 福島県ホームページ(17)
扇状地 - Wikipedia(18)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報(19)
桃の出荷量の都道府県ランキング - 都道府県格付研究所(20)
めげ猫「タマ」の日記 今年(2015年)も低迷、福島モモ価格、山梨との価格差広がる(21)
めげ猫「タマ」の日記 福島・サクランボ価格、2年連続山形に及ばず(22)
報道発表資料 |厚生労働省(23)
福島県の推計人口(平成28年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(24)
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報 - 福島県ホームページ(25)
農林水産業 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ(26)
放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉用牛について - 埼玉県(27)(14)中の「福島牛」
(28)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(29)
チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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- 2016/03/30(水) 19:43:35|
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| コメント:1
福島産の果物使用のジュース数字出しまくってますね~ひどいと思います。調べている人いるからいやで商品名チェックしてさけています。
- 2016/03/31(木) 11:57:41 |
- URL |
- ぶぶ #-
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