めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(4月1週)―無許可工事で汚染水漏れ―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、4月1週(3月27日から4月1日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①無許可工事で汚染水漏れ
 ②K排水路付替え完了、放射性物質の流出は止まりません
 ③汚染水タンクの解体は進まず
 ④東京電力が新再建計画を発表!賠償総額は7.7兆円、でもこれだけではすまない。

1.無許可工事で汚染水漏れ
 福島第一のセシウム吸着装置から1リットル当たり48万ベクレルの全ベータに汚染さた汚染水が3,500リットル漏れ出したことは先週にお伝えすした通りです(1)。その詳細が公表されました(3)。
福島第一のタービン建屋には日々、汚染水が流れ込んでいます。放置すると溢れてしまうので
 タービン建屋⇒貯蔵施設⇒セシウム吸着装置⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(4)(5)(6)(7)。セシウム吸着装置には
・セシウム吸着装置(キュリオン)
・第二セシウム吸着装置(SARRY)
があります(8)(9)。このうち汚染水漏れを起こしたのは「セシウム吸着装置(キュリオン社)」です。同装置は貯蔵施設内の汚染水をセシウムを吸着し、処理後の汚染水を貯蔵施設に戻すことで貯蔵施設内の汚染水のセシウム濃度を下げる役割を担っています(3)。これをタービン建屋からセシウム吸着装置(キュリオン社)に送り、その後に貯蔵施設に移すように汚染水の流れを変える計画を立てています。
福島第一汚染水処理変更計画
 ※1(3)にて作成
 ※2セシウム吸着装置(キュリオン)はキュリオンと略す
 ※3第二セシウム吸着装置(SARRY)はSARRYと略す
 図-1 セシウム吸着装置の配管の変更計画

 この変更工事の為に「配管を切断」したら、汚染水漏れを起こしたそうです。これについて東京電力は
「当社(東京電力)工事担当グループは、当社と工事会社との全体工程打ち合わせ(2月10日)において、当該配管を含む複数配管は、実施計画申請中であり、今回の停止期間には認可の見通しがないため、切断しない旨を工事会社に指示していた。
工事会社の工事担当グループは、当社の指示に基づき工程を見直したが当該配管については修正し忘れていた。(他配管については修正されていた。)工事会社担当者は、この工程をもとに配管切断作業を計画していた。」
と記載しています(3)。
福島第一で設備変更をする場合は原子力規制委員会の「許可」が必要ですが(10)「実施計画申請中であり」とある通り、「許可」は下りていません。福島第一では無許可工事で汚染水漏れを起こしました。
 加えて言うなら「当該配管については修正」とあるように「許可」が下りてないのに下請けさんに「工事」を指示し、準備が終わり「工事」を実施する段階で原子力規制委員会の「許可」が下りていたかったので、中断を指示したことになります。


2.排水路付替え完了、放射性物質の流出は止まりません
 福島第一原発には幾つもの排水路があります。
福島第一原発排水路
 ※(11)で作成
 図―2 福島第一原発内の排水路

 当然ながら福島第一構内は放射性物質で汚染されており、排水路に流れ込みます。法令限度は1リットル当たりでセシウム137が90ベクレル、ストロンチウム90が30ベクレルです(12)。全ベータ濃度のおよそ半分がストロンチウム90で(13)、、全ベータでみれば1リットル当たり60ベクレルになります。以下に排水路の一つのK排水路を流れる水の放射性物質濃度を示します。
法令限度を超て汚染すされた水が流れるK排水路
 ※(14)を集計
 図-3 K排水路の放射性物質濃度

 図に示す通り、法令限度を超えて放射性物質に汚染された水が流れています。K排水路はこれまで外洋に直接繋がっていましたが、3月28日にこれを「港湾内」に付け替える工事が完了しました(11)。でも意味はありません。
 これまでは
  K排水路⇒外洋
と流れていた放射性物質が
  K排水路⇒港湾内⇒外洋
になるだけで、これからも福島の海へは排水路を経由し放射性物質は流れ続けます。

3.汚染水タンクの解体は進まず
福島第一原発のタンク増設計画を見ると(15)、過去に汚染水漏れを起こしたフランジタンク(16)を解体し跡地に新たなタンクを作る計画です。3月31日に新たな汚染水タンクの解体計画をしめしたました(15)。以下に実績との比較をしめします。
計画通りには進まない福島第一の汚染水タンク解体
 ※(15)(17)を集計
 図-4 濃縮塩水タンクの解体計画と実績

 図に示す通り計画では3月から解体がほぼ終わる計画でしたが、実績をみると解体が進んでいません。発表した日には既に破綻ししています。旧来のタンクを解体できなければ新しいタンクがつくれず、福島第一の汚染水処理は厳しくなりそうです。

4.東京電力が新再建計画を発表!賠償総額は7.7兆円、でもこれだけではすまない。
 東京電力の再建計画である「特別事業計画」の改定を発表しました(18)。賠償総額の見込みは
 前回(2015年7月28日) 7兆0753億円
 今回(2016年3月31日) 7兆6585億円
で、5,841億円増えました。以下に賠償見込み額の推移を示します。
増え続ける福島原発事故の賠償見込み額
 ※(18)より作成
 図-5 福島第一の賠償見込み額

 当初は1兆円程度からスタートしたのですが、4年半を経て8倍近い7.7兆円です。でもこれからも増えそうです。事故から5年以上経過しましたが
 ①消費者の福島産に対する正しい理解が進み、福島の農産物価格は低迷はますます進んでいます(19)。
栃木は値上がり、福島値下がり、今年2月のイチゴ価格
 ※(19)を転載
 図―6 各年2月のイチゴの取引価格(東京卸売市場)

 ②避難指示解除の目途が立っていない帰還困難区域(20)からは今も24,100人の方が避難しています(21)。
 ③福島では今も大量の放射性物質が放置されています(22)。これからも片付け続けることになりしょうです(23)。
 また新たな費用負担も見ててきました。
 ④福島県は放射線量が比較的高い県管理河川の土砂除去をきめましたが、国への財政支援渋ったの、東京電力に賠償を請求するそうです(24)(25)。
 ⑤東京電力新潟本社の代表は3月28日、福島第1原発事故の影響で発生した放射性物質を含む汚泥のうち濃度の低いものを引き取る考えを新潟県に伝えたそうです(26)。当然ながら費用は東京電力負担だと思います。それ以前にこのニュースを福島の方が聞いたら怒り出しそうです。
 福島の方は福島に放射性物質がある限りその除去や放射性物質の放置による損害の賠償を求め続けると思います。「物理的に困難」等と説明(27)は受け入れられる訳がありません。賠償は今後も順調に増え続けるはずです。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
福島県の地方紙の福島民友は今日(4月2日)の社説を
「汚染水を浄化した後の処理水の保管問題だ。除去し切れないトリチウムが含まれるため、現状では原発構内の地上タンクに保管し続けるしかない。

 いずれタンクの増設場所もなくなる。政府と東電は、科学的な観点からどのように処分すればいいのか検討を続け、早急に解決の道筋を示すべきだ。」
 と結んでいます(28)。原子力委員会が来年度(2017年度)からの
「多核種除去設備処理水の規制基準を満足する形での海洋放出等」
を主張しているので(29)、これと合わせると
 国は福島第一原発汚染水の海洋放出の筋道を早くつけるべし
としか取れない内容です。福島民友は読売系の新聞社であり(30)、読売新聞は1955年1月1日 正力松太郎の命令により、原発導入を図るため大キャンペーンを展開開始するなどしている(31)過去があるとしても、思い切った社説だと思います。福島は放射性物質に追い詰めらてています。福島の方は不安だと思います。
 福島を代表する冬野菜にネギ・ニラがあるそうです。福島の冬野菜は美味しいそうです(32)。福島県は福島産ネギやニラは「安全」だと主張してます。でも福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産ネギもニラもありません。
他県産はあっても福島産ネギ・ニラが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(33)を引用
 図―7 福島産ネギやニラが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月4週)―東電再建計画8回目の破綻、賠償見込み額7.7兆円―
(2)中長期ロードマップ|東京電力
(3)(2)中の「廃炉・汚染水対策現地調整会議」⇒「2016年3月30日(第31回)」⇒「【資料1-5】高温焼却炉建屋内における堰内漏えいについて(445KB)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(5)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(6)原子炉の安定化|東京電力
(7)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第246報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(8)福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社
(9)セシウム吸着装置(キュリオン社)|東京電力
(10)「福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画」の認可について|東京電力
(11)2016年3月28日K排水路付替完了(PDF 258KB)
(12)サンプリングによる監視|東京電力
(13)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(14)報道配布資料|東京電力中の「福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果 」および「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(15)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年3月31日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第28回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(18.6MB)」
(16)[PDF]福島第一原子力発電所の汚染水の現状と対策について
(17)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(18)特別事業計画の変更の認定について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島値下がり、栃木は値上がり、2月のイチゴ価格、当然の結果です。
(20)大震災5年 帰還困難区域見直し/除染の方向性 早期に明示を 河北新報-2016/03/20
(21)【避難指示区域】「帰還困難」「居住制限」「避難指示解除準備」区域:震災・原発関連:福島民友新聞社 みんゆうNet
(22)めげ猫「タマ」の日記 除染が終わっても、除染が必要な福島
(23)<除染>福島の森林 範囲拡大 河北新報-2016/03/09
(24)東電に費用請求 河川土砂除去 県が方針転換 | 県内ニュース | 福島民報
(25)県、72河川土砂除去へ 中・浜通り比較的線量高い箇所 | 県内ニュース | 福島民報
(26)東電「放射性汚泥、引き取る」 100ベクレル未満、再利用も視野 新潟 産経ニュース-2016/03/28
(27)「森林除染」広がる波紋 再生へ懸念、環境省「物理的に困難」:東日本大震災4年10カ月特集:福島民友新聞社 みんゆうNet
(28)【4月2日付社説】凍土壁の凍結開始/汚染水これからが正念場だ:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(29)東京電力福島第一原子力発電所関連 | 原子力規制委員会
(30)福島民友 - Wikipedia
(31)栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。
(32)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編 [PDFファイル/180KB]」
(33)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2016/04/02(土) 19:49:13|
  2. -
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