めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(4月1週)―地下水バイパス井戸からは過去最高のトリチウム―

 福島第一原発汚染水の4月1週(3月28日から4月3日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①地下貯水槽観測孔からは相変わらずの全ベータ
 ②港湾口のストロンチウム90濃度が上昇中
 ③地下水バイパス井戸からは過去最高のトリチウム
 ④上昇を続ける海岸付近の井戸の放射性物質濃度
 ⑤3月中のサブドレンのトリチウム排出量は125億ベクレル

1.地下貯水槽観測孔からは相変わらずの全ベータ
 事故から5年以上経過しましたが、外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
事故から5年が経ても放射性物質が見つかる福島原発沖外洋
 ※1 (4)~(7)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度

地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(7)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(7)。従前の記事でこの井戸の水がら突然に全ベータが見つかった旨の記事を記載しましたが(9)、今週も
 全ベータが1リットル当たりで54ベクレル
見つかっています。外洋に流出したいか心配です。図-1に示す通り、そばにC排水路があります。以下にC排水路と地下貯水槽近傍の観測孔A9の全ベータ濃度を示します。
観測孔A1同機して変化するC排水路の全ベータ濃度
 ※1(6)(10)にて作成
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)
 図-2 観測孔A1とC排水路の全ベータ濃度

 図に示す通り、観測孔A9とC排水路の全ベータ濃度は同期しており、C排水路を通じ「海」に流れ出しています。

2.港湾口のストロンチウム90濃度が上昇中
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
汚染が続く福島第一港湾内
 ※1 (5)で作成
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は2月22日です。
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

(=^・^=)が気になったのは、港湾口のストロンチウム90濃度です。以下に推移を示します。
上昇傾向を示す後湾口のストロンチウム90濃度
  ※1(5)を集計
  ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-4 港湾口のストロンチウム90濃度


 今年に入り確り上昇しています。港湾口は外洋との境界です。ブロックされる事なく外洋に流れだしているはずです。


3.地下水バイパス井戸からは過去最高のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(11)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(12)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(13)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染水が見つかる地下水バイパス
 ※1 (12)(13)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で地下水バイパスNo10井戸のトリチウムが過去タイ、No3のトリチウム濃度が2週連続で過去最高(新記録)を記録しました。以下に推移を示します。
上昇傾向を示し2種連続で過去最高を記録した地下水バイパスNo3のトリチウム
 ※(16)を集計
 図―6 地下水バイパス井戸No3のトリチウム濃度

 当初は上がり下がりしていたのですが、2015年7月位から単調な増加に転じ、過去最高を記録しました。

4.海岸付近の井戸から高濃度の放射性物質
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
高濃度に汚染された地下水が見つかる福島第一海岸
※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

  以下にNo0-1井戸のトリチウム濃度の推移を示します。
上昇が続くNo0-1井戸のトリチウム濃度
※(5)を集計
 図―8 No0-1井戸のトリチウム濃度

 図に示す様に、今年に入り急上昇です。この先が心配です。

5.3月中のサブドレンのトリチウム排出量は125億ベクレル
サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(14)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(15)半年以上が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(16)(17)、濃度×排出量で累積のトリチウムの月別の排出量を求めてみました。
増え続けるサブドレンの月別のトリチウム放出量
 ※(16)(17)を集計
 図―9 サブドレンの月別排出量

 今年に入りトリチウムの排出量がどんどん増え、3月は2月より41%増えて125億ベクレルです。1日約4億ベクレルです。4月も1,2日で約13億ベクレルを排出しています。累積では約370億ベクレルに達しました。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)を参照ください。
 5年経っても止まる事が無い福島第一原発からの汚染水漏れ、福島の方は不安だと思います。福島県の地方紙の福島民報は今日(4月3日)のコラムで
「 福島の今を紹介してほしい。放射線を低減する除染が進んでいる。厳しい検査を経た農産物だけが市場に流通していること…。」
と述べていますが(18)、福島の方はそのようには思っていません。
 福島県が力を入れている農産物に鶏肉(地鶏)があります(19)。「 肉は、噛めば噛むほど鶏本来の旨みが口いっぱいに広がります。」との事です(20)。福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張しています(21)。産地の一つに福島県川俣町があります(18)(22)。でも福島県川俣町のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。
他県産はあっても福島産鶏肉が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ
※(23)を引用
 図―10 福島産鶏肉が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県川俣町の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月4週)―外洋から14ベクレルの全ベータ―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(7)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月1週)―地下貯水槽観測孔から突然の全ベータ―
(10)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(11)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(12)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(13)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(14)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(15)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(16)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(17)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(18)夕陽のまち(4月3日) | 県内ニュース | 福島民報
(19)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(20)(19)中の「11 地鶏兄弟」
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(22)川俣シャモ - 川俣町公式ホームページ
(23)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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  1. 2016/04/03(日) 19:46:12|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

基本のキかもしれませんが、トリチウムはどこでこんなに作られているのでしょう?
水素はあらゆるところに有るので、それが放射能を持つのは怖いです。
どうしたら事故の終息が出来るのでしょうか?
少なくとも、大丈夫なふりはダメな方法だと思うのですが・・・・・。
よく目を見開いてしっかり見て、考えないといけないのではと思います。
  1. 2016/04/04(月) 19:54:54 |
  2. URL |
  3. なう #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

なう 様
お問い合わせありがとうございます
Q> トリチウムはどこでこんなに作られているのでしょう?
A> (=^・^=)の知る限り、原子炉格納容器内の冷却水と中性子が反応してできる場合(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%87%8D%E6%B0%B4%E7%B4%A0)と、核分裂で原子核が3つに分裂する三体分裂でできる場合(https://www.jaero.or.jp/data/02topic/fukushima/knowledge/63.html)あります。原子炉の冷却水は原発事故の時にすっ飛んだので、今、福島第一に残っているトリチウムは「三体分裂」によるものと思ってます。東京電力もこの立場をとっています(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130228_08-j.pdf)。
  1. 2016/04/05(火) 19:20:38 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
  4. [ 編集 ]

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