めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(4月3週)―原発事故・炉心溶融基準 東電社員様は知っていた―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、4月3週(4月10日から16日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①3号機原子炉建屋オペレーションフロアへの遮蔽体の設置工事は初日からトラブル
 ②建屋内で汚染水、2件
 ③ALPSの密閉材が溶けていた
 ④汚染水タンクの増設が1ヶ月半近く止まる
 ⑤凍土壁稼働2週間、地下水ドレンからの汚染水移送量は増加
 ⑥汚染水タンク処理の下請けさんが事故
 ⑦原発事故・炉心溶融基準 東電社員様は知っていた

1.3号機原子炉建屋オペレーションフロアへの遮蔽体の設置工事は初日からトラブル
 福島第一では核燃料プール内の核燃料を取り出すための準備作業が進められています(2)。4月12日に原子炉建屋の最上階にあり、燃料取り出しの作業場所となるオペレーティングフロア(3)の遮蔽工事が始まりました(4)。でも初日から確りトラブルです。
 4月12日17時半頃、5.6号機開閉所西側道路で、3号機原子炉建屋除染遮へい工事で使用しているトレーラー後輪付近の下部から油が漏れているのが見つかりました(5)。
遮蔽工事に使われるトレーラー
 ※1(6)をキャプチャ
 ※2 油漏れを起こしたトレーラーと同型とは限らない
 図-1 3号機原子炉建屋除染遮へい工事で使用しているトレーラー(例)

 漏れたのは駆動油で、約4m×3.5mの範囲に広がったそうです(5)。工事に入る前にトレーラーを点検しなかってですかね。工事初日のトラブルですので、確り点検していれば防げた気がします。それとも点検がいい加減?

2.汚染水たまりが2件
 今週は二つの建物で水たまりが見つかりました。何処からかは分かりませんが、建物内に流れ込んだのは確かです。中は汚染されているので、漏れた水は最後は「汚染水」です。
 ①4月12日17時半頃、焼却工作建屋1階の床面に、東電社員様が約10m×10m×1cm程度の水溜まりを見つけました。この水からは1リットル当たりで
 全ベータ    800ベクレル
 セシウム134 120ベクレル
 セシウム137 540ベクレル
 セシウム合計  660ベクレル
の放射性物質が見つかったそうです(5)。東京電力は雨漏りだとしています(7)。原発事故から5年経って、福島第一の建物の劣化は進んでいるようです。
 ②ALPSから汚染水漏れ?
 福島第一のタービン建屋には日々、汚染水が流れ込んでいます。放置すると溢れてしまうので
 タービン建屋⇒貯蔵施設⇒セシウム吸着装置⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(2)(3)(4)(5)。
 最終段の汚染水処理装置のALPSでも水溜りが見つかりました。4月14日21時45分にALPS(多核種除去設備)の、漏えい検知器が動作し警報を出しました。東電社員様が現場に行って調べたら、ALPSは3系統(A,B,C)に分かれているのですが、そのうちB系統の吸着塔付近に約20cm×10cm×1mmの水溜まりが2箇所で見つかりました(12)。。
 (1)漏れた汚染水をウエスでふき取り、表面の放射線量を測定したら1時間当たりで
  ベータ線を主に測定する70μm線量当量率: 600マイクロシーベルト
  ガンマ線を主に測定する1cm線量当量率: 3マイクロシーベルト
で(5)、 ベータ線が主流です。ALPSに送られる汚染水はSARRYを経由しましがSARRYはセシウムを荒どりする機能があり(14)、セシウムはガンマ線を出すので、ALPSで処理する汚染水はベータ線を多く出す汚染水です。
 (2)吸着塔に取り付けてある酸性かアルカリ性かを測るpH検出器(15)のねじ込み部から「汚染水?」の滲みが見つかっているそうです(12)。
にじみが見つかったAPLSのpHメーターねじ込み部
 ※(12)を引用
 図―2 汚染水?がしみだしたpH検出器のねじ込み部

 なんかALPSで処理する汚染水が漏れた可能性が高い気がします。福島からの報道を見ると(16)、東京電力は調査を継続するそうです。来週にはもう少し詳しい報告ができそうです。
 ALPSで処理した後に出来る「処理水」は今週は殆ど増えておらず(11)、事実上は停止状態ですがそれでも汚染す漏れ?

3.ALPSの密閉材が溶けていた
 3月25日にもALPSは汚染水漏れを起こしました(17)(18)。その原因が発表されました(19)。ALPSの配管では、配管と配管の継ぎ目は配管同士を直接繋ぐのでなく、配管の継ぎ手からの汚染水漏れを防止する密閉材(ガスケット)(20)を挟んで繋がれています。このガスケットが溶けてしまい隙間ができて汚染水が漏れ出したそうです。
溶けてしまったALPSのガスケット
※(21)を引用
 図-3 溶けてしまったALPSのガスケット

 このガスケットは他の部品の腐食を防止するために「犠牲陽極」が使われています(20)。他の部品より腐食しやすい部品で、ここを「腐食」させる事で、他の部品の腐食を防止するものです。当然ながらと溶け易く(22)定期的な交換が必要です。でも交換する前に溶けてしまい汚染水漏れに至ったようです。この汚染水漏れはメンテナンスをサボって汚染水漏れって感じです。
 東京電力は柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目指し、広報活動を続けています(23)。汚染水処理装置すらまともにメンテナンスできない東京電力が巨大な原発をメンテナンスできるんですかね?

4.汚染水タンクの増設が1ヶ月半近く止まる
 福島第一では日々、汚染水が増え続けています。
日々増え続ける福島第一汚染水
 ※(24)を集計
 図―4 日々、増え続ける福島第一原発汚染水

 溢れないように汚染水を汲みあげ汚染水タンクに運ぶ必要があります。以下に最終段の処理水タンクの容量と汚染水量を示します。
増設が止まった終段の処理水タンク
 ※(24)を集計
 図-5 処理水量とタンク容量

 図に示す通りタンク容量が増えていません。3月4日から1ヶ月半近くも福島第一では汚染水タンクの増設が止まったままです。

5.凍土壁稼働2週間、地下水ドレンからの汚染水移送量は増加
 福島第一原発の汚染水増加要因は
  ①原子炉やタービン建屋に地下水等が直接侵入する。
  ②海への汚染水流出を防止するために海岸に水を通さない「壁」である海側遮水壁を作ったのですが(25)、放置すると内側に汚染水が溜り溢れてしまうので、汲み上げています。東京電力はこれを地下水ドレンと呼んでいます(26)。汲み上げた汚染水は当初は浄化装置を経由して海に流す計画でしたが、汚染が酷く浄化装置を通しても排水基準を満たせなので、タービン建屋に移送しています(28)。これを減らす為に原子炉タービン建屋と海岸の間に氷の壁を作り、海側遮水壁への汚染水の流れを減らす氷の壁(凍土壁)(29)の凍結が3月31日に開始されました(30)。以下に凍土壁凍結前後の地下水ドレンからタービン建屋への移送量を示します。
凍土壁凍結を始めたら増えた地下水ドレン移送量
※(28)(31)を集計
 図―6 地下水ドレンからの移送量と降水量

 雨の影響が主要因だとは思うのですが、凍土壁の凍結を開始したら急に増えてしまいました。

6.汚染水タンク処理の下請けさんが事故
 タンクが増えないのに、汚染水がどんどん増えていては汚染水処理に携わる下請けさんがおかしな事にならないか心配です。そしたら汚染水処理に係る下請けさんを載せたワゴン車が民家に突っ込み重症が2人、軽傷が3人出たそうです(32)。
汚染水処理の下請けさんの事故を報じるFCT
 ※(32)をキャプチャー
 図―7 汚染水タンク処理の下請けさんが事故を伝える福島のローカルTV局(FCT)

 蛇足ですが熊さんも交通事故にあったそうです。
熊さんの交通事故を報じるFCT
 ※(32)をキャプチャー
 図―8 熊さんが車にひかれた事を伝える福島のローカルTV局(FCT) 
 
 福島では放射線以外にも熊さんにも注意が必要なようです。


7.原発事故・炉心溶融基準 東電社員様は知っていた
 東京電力は事原発事故2カ月後の2011年5月まで「溶融を判断する根拠がない」として、燃料の状態を「炉心損傷」と説明し続けてました。ところが今年2月になって「社内の原子力災害対策マニュアルに溶融の判断基準があった。5年間見過ごしていた」と明らかになりました(33)。これについて福島県の地方紙の福島民友は4月10日に
「当時、福島第2原発所長だった福島第1廃炉推進カンパニー最高責任者の増田尚宏(58)もマニュアルを知っていたかどうかに関し『今は答えない方がい』」と会見で繰り返す。所長として当然、その存在を把握していたとみられるが、県民への説明よりも東電という組織の一員として口をつぐむ。」
との記事を配信し(34)東京電力への不信をあらわにしています。ここの新聞社は読売系で(35)、福島第一原発の賠償は過剰であるとか(36)、4月2日の汚染水問題を扱つかった社説を
「いずれタンクの増設場所もなくなる。政府と東電は、科学的な観点からどのように処分すればいいのか検討を続け、早急に解決の道筋を示すべきだ。」
と結び(37)、溜まり続ける汚染水の環境中への放出を政府が早く決断すべしと暗に主張するなど東京電力が喜びそうな記事を配信しています。そこが東京電力を「隠ぺい体質」とする記事です。
 また3月23日に開催された新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会で、新潟県の防災局長が最後の挨拶で
「本当に何が起こっていたのかという、もしかしたらとてもシンプルな事なのかもしれません。今日、この委員会に来られている先生方も今日の議論で到底納得されているという事ではございませんでしょうし、事務局である私たちもこの状態では到底県民の皆様に説明できるものではありません。ぜひ東京電力は誠実にしっかりと対応していただきたいと思っております。」
と述べています(38)。
 東京電力への不信が渦巻いています。そうした中で4月11日の東京電力の会見(39)で、会見者自身はメルトダウンの定義を知っていたかの質問に
「(炉心溶融の基準を)私自身は認識しおります」
と述べました。但し本社の事故対策要員として4号機使用済み核燃料プールへの注水策などを検討しており、(事故当時は)「炉心溶融を判断する立場ではなかった」と述べています。
 会見をきいていた限りではそれ程には厳しい質問でもないので、口を滑らしたいうより最初から用意されていた回答のような気がします。
 この発言でかなり広くこのマニュアルは知られていた気がします。事故当時は東京電力はマニュアルを知りながら、マニュアル道理に行動せず、その事実を5年間も隠していた事になります。
 福島原発事故の最大の謎は東京電力や規制当局は福島第一に先の地震で襲った程度の津波が襲来する可能性を知っていたが可能性が小さいとし、これを無視し、その事実を今も隠し続けているか否かです(40)。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 隠ぺい体質の東京電力、トラブル続の福島原発。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島市等の福島盆地は果物作りが盛んな所です(41)。いま福島市ではイチゴ園がオープンしているのでイチゴの季節です。福島のイチゴは美味しいそうです(42)。 福島市はイチゴの季節です。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(43)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(44)を引用
 図―9 福島産イチゴが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(4月2週)―福島第一汚染水処理は破綻―
(2)3号機燃料取り出し|東京電力
(3)[PDF]用語集
(4)2016年4月12日福島第一原子力発電所 3号機原子炉建屋オペレーションフロアへの遮蔽体の設置について(PDF 484KB)
(5)2016年04月13日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(6)2016/4/14(木) 3号機遮蔽体設置
(7)2016年04月14日 福島第一原子力発電所の状況について(日報)午後3時現在】
(8)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(9)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(10)原子炉の安定化|東京電力
(11)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第248報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(12)2016年4月15日多核種除去設備(既設ALPS)pH計ラック内の滴下について(PDF 367KB)
(13)サリー (機械) - Wikipedia
(14)セシウム137 - Wikipedia
(15)水素イオン指数 - Wikipedia
(16)第1原発・ALPSに「水たまり」 2カ所確認、東電が原因調査:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(17)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月4週)―東電再建計画8回目の破綻、賠償見込み額7.7兆円―
(18)2016年03月26日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(19)2016年4月13日多核種除去設備(既設ALPS)配管フランジ部からの滴下の調査結果(PDF 68.0KB)PDF
(20)ガスケット - Wikipedia
(21)東京電力 写真・動画集| 多核種除去設備(既設ALPS)配管フランジ部からの滴下の調査結果
(22)船で使用されている「犠牲陽極」について教えて... - 化学 | Yahoo!知恵袋
(23)TVCM・新聞・雑誌広告
(24)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について
(25)海側遮水壁|東京電力
(26)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(27)報道配布資料|東京電力
(28)(27)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(29)第39回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(30)2016年3月31日 福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始についてPDF
(31)(27)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(32)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2016年4月14日(木)放送」
(33)<原発事故>炉心溶融基準 東電幹部知っていた4月12日 河北新報
(34)復興の道標・不信の連鎖-6】続く東電の隠蔽体質 「今は答えない方が」:復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet
(35)福島民友 - Wikipedia
(36)めげ猫「タマ」の日記 福島民友さんの特集記事「復興の道標」に反論する。
(37)【4月2日付社説】凍土壁の凍結開始/汚染水これからが正念場だ:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(38)新潟県:平成27年度第4回新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会(平成28年3月23日開催)中の「議事録(PDF形式 436 キロバイト)」
(39)【2016年4月11日】東京電力 記者会見 - 2016/04/11 17:30開始 - ニコニコ生放送
(40)めげ猫「タマ」の日記 福島原発事故は「未必の故意」?
(41)めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地
(42)福島 いちご狩り特集 | 一般社団法人 福島市観光コンベンション協会公式ページ こらんしょふくしま
(43)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(44)マックスバリュ南東北 - ザ・ビッグ福島大森店
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  1. 2016/04/16(土) 19:44:36|
  2. -
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