福島県では、100点前後の空間放射線量率を毎日発表しています(1)。でも、それが何するかあまり説明はしていないと思います。東京電力放射性物質バラマキ事件の犠牲者が知りたいのは、今後どれくらい放射線を浴びるか?これまで、どれくらい浴びてしまったか?だと思いまました。そこで、「猫」なりに調べてみまました。
①これからどれくらい浴びるか?
結論からいうと今(2011年12月23,24日)に1μSv/h(マイクロシーベルト/時)の場所では143.5mSv(ミリシーベルト)の積算線量(外にいたら浴びてしまう放射線量)になります。これは、文部科学省の資料に「、全体として1.8%程度、放射性セシウムの物理的減衰以外の要因により、減少したものと考えられる。」との記述の通り(2)。大部分の98.2%は、セシウムの半減期によるものです。基本的にはセシウムの半減期だけで、今後の放射線量が計算できます。これを合計すれば、積算線量が分かります。その結果は
1μSv/h → 143.5mSv
2μSv/h → 287mSv
です。そして、最も空間放射線量率が高かった双葉町の山田多目的集会場付近(23,24の空間占領率の平均26.76μSv/h)では
3839.9mSv
になります。「3,000 - 5,000<略>50%の人が死亡する。」(3)と同じです。
②これまで、どれだけ浴びたか?
福島県では6地点では、3月11日から連続した空間放射線量率が公表されています(1)。また、郡山市ではわりと初期から測定されているので、他のデータで修正できます。すると、23、24日の空間線量率(単位μSv/h)とこれまでの積算線量(単位mSv)は以下のようになりました。
観測点 線量率 積算線量
福島市 0.98 10.66
郡山市 0.75 9.57
白河市 0.39 3.83
会津若松市 0.13 1.10
南会津町 0.08 0.53
南相馬市 0.41 4.06
いわき市平 0.18 1.96

図 12月23、24の空間放射線線量率と12月24日までの積算線量の関係
だいたい空間線量率(単位μSv/h)に11.25倍すると、これまでの積算線量(単位mSv)になるみたいです。①と②を合わせると
12月23、24の空間放射線線量率(単位μSv/h)の155倍すると、積算線量(単位mSv)が計算できるみたいです。たとえば
1μSv/h → 155mSvの積算線量
です。
<余談>
1μSv/h → 143.5mSv
の計算過程は以下の通りです。今(2011年クリスマスイブ)からt年後の空間線量率S(t)は、今の空間線量率をSとして
S(t) ≒S×(0.67×0.5
(t/2.06)+0.33×0.5
(t/30.2))
になります(4)。また、1μSv/hは8.766mSv/年(3600秒×24時間×365.25日(閏年を考慮))になります。積算線量は積分すればいいのですから積算線量SSは
SS=8.766×∫S×(0.67×0.5
(t/2.06)+0.33×0.5
(t/30.2))dt
これをt=0からt=∞まで積分すると
SS=S×8.766*{0.67*2.06/ln(2)+0.33*30.2/ln(2))
=143.5S
になります。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
福島県ホームページ - 組織別 - 環境放射能測定結果・検査結果関連情報(2)
文部科学省による 第4次航空機モニタリングの測定結果について(平成23年12月16日)(PDF:8778KB)(3)
被曝 - Wikipedia(4)
めげ猫「タマ」の日記 長期の空間放射線量の計算方法
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- 2011/12/25(日) 22:37:38|
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