めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

原子力規制委、東京電力に汚染水の海洋放出をせまる

4月25日と4月27日に原子力規制委員会と東京電力の打ち合わせがおこなわれました(1)(2)。そこで原子力規制委員会側は暗に東京電力に対し福島第一原発の汚染水は可能な限り処理したのち海に捨てることを迫っていました。
 福島第一では原子炉やタービン建屋に流れ込んだ地下水がデブリ(溶け落ちた核燃料)に触れ放射能で汚染されり(3)、海への汚染水の漏れを防ぐ為に海岸に設けられた水の流れをせき止める壁(海側遮水壁)(4)の内側に溜まった汚染水を汲みあげるなど(6)して日々、増えています。
増え続ける福島第一汚染水
※(7)を集計
 図-1 日々増え続ける福島第一原発汚染水

 放置すると溢れてしまうので、タービン建屋から汲み上げ可能な範囲で汚染水を取り除き汚染水タンクに貯め込んでいます。
 汚染水源と行先
 ※(3)(4)(6)(7)(8)にて作成
 図ー2 福島第一の汚染水源と汚染水処理の流れ

 東京電力は汚染水を抑えようと努力をしているようです(3)。その一つにタービン建屋と海側遮水壁の間に氷の壁(凍土壁)(9)を作り海側遮水壁への汚染水の流れを阻止し、海側遮水壁の内側への汚染水の流入を減らし、海側遮水壁の内側への汚染水の汲み上げ(地下水ドレン)(10)を減らそうとの試みもあります。凍土壁の凍結が3月31日に始まりました(9)。以下に地下水ドレン等からタービン建屋に送った汚染水の量を示します。
凍土壁凍結開始後に増えた地下水ドレン汲み上げ水の移送量
 ※1(6)にて作成
 ※2 降水量は(11)による
 図―3 地下水ドレン等からタービン建屋に送った汚染水の量

 雨が降った事も関係しますが凍結開始後にタービン建屋に送った汚染水の量は増えています。今の所は汚染水の増加に合わせ汚染水タンクを作り続けなくてはなりませんが、これも上手く行っていません。以下に4月28日に東京電力が発表した最終段の処理水タンク増設計画と実績をしめします。
計画に対し直ぐに遅れるタンクの増設実績
 ※(7)(12)を集計
 図-4 処理水タンク増設計画と実績

 図に示す通り3月中は処理水タンクの増設が止まっていましたが、4月からは増設が行われる計画でしたが、実際は4月になってもなかなか増設ができていません。計画発表時点で計画に比べ実績が遅れています。汚染水が増えてもタンクが増設できなければ溢れさすか海に捨てるしか選択肢はなさそうです。
 4月25日に「第42回特定原子力施設監視・評価検討会」が開かれこの問題を東京電力が原子力規制委員会に説明しました(1)。この中で東京電力は古い汚染水タンクを使って乗り切る旨の説明をしましたが(13)、原子力規制委員会の納得が得られなかったようです。当会の結論として
 ①「ALPS処理済水のタンク貯留が廃止措置のリスク低減に与えている影響」について、次回東京電力から説明を受ける。
 ②トリチウム水タスクフォースで挙がったコスト試算や期間について、東京電力が現実に実行可能か否かを含めて議論してほしい。
がでました(14)。ここで「トリチウム水タスクフォースで挙がったコスト試算や期間」とは4月19日に 経済産業省が発表した東京電力福島第1原発の処分方法について、濃度を薄めて海中に放流する「海洋放出」が最も短期間に低コストで処分できるとする試算(15)を示しています。
 ①②を合わせてみると事実上は原子力規制委員会が東京電力に対し、処理した後の汚染水の海洋放出の検討を指示した内容です。
 4月27日に第7回原子力規制委員会 臨時会議が開かれ、そこに東京電力の広瀬社長が出席しました。福島第1原発の汚染水問題について更田豊志委員長代理は「東電が本音を語れているか疑問を持っている」と発言した上で汚染水の処分方法などで、明確な意思表示を求めました(2)。(=^・^=)には「東電が本音を語れているか疑問を持っている」って「隠ぺい体質」と同じ意味にとれるのですが、東京電力は汚染水の海洋放出が必要と考えているだから正直に答えろとい原子力規制委は行っている気がしました。 広瀬社長は「やれることは全部やらないといけない、まずはそういうスタンス」などと述べるにとどめましたが(2)、東京電力柏崎刈羽原子力発電所は原子力規制委で適合性審査が進められています(16)。東京電力が総合的な判断をする可能性もあると思います。
 一方で福島の漁師さんからは
「漁業の未来がなくなる。絶対に海に流してはならない」とか
「漁業者の間に相当な不安が生じ、風評が拡大する」とか
、「放射性物質が海に流されるのは反対。地下水バイパス、サブドレン計画実施を容認してきた経過があり、これ以上の環境悪化は許されない」
との声が出ているそうです(17)。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
このままいけば汚染水を海に流すが溢れさせるかの選択を迫られ、結局は海に流す日が来るかもしれません。いくら処理したとは言え最終段の「処理水」でも1リットル当たり40万ベクレル程度のトリチウムが含まれています(15)。今はサブドレンと称し原子炉やタービン建屋の回りから汲み上げた汚染地下水を海に流しています(18)。これに含まれるトリチウムは高い時でも1リットル当たり1000ベクレルです(18)。この400倍も汚染された水が海に流されます。もし海洋放出が始まれば、福島県、安倍出戻り総理そして東京電力は「安全」と叫ぶと思います。でもこの方達は福島原発事故前は「原発は安全」と叫んでいた方です(19)(20)(21)。よほど確りしたデータでも無い限り信用しません。でもデータは出て来ないと思います。
 この5年間を見ていると怪しげなものの調査は絶対にしません。いつのまにか福島ゲノム計画は立ち消えになったようです(22)。結局はこの5年間、福島ではまともな調査は行われず、何かあれば「そうのうなデータは無い」(取ってないからあるはずありません)「非科学的だ」なんて主張がまかり通っている気がします。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県は鶏肉(地鶏)に力を入れています(23)。29、30日と福島市内の公園で「川俣シャモまつり」が開かれています(24)。福島県郡山市の公園では「ふくしまラーメンショー2016」が開幕したそうです(25)。そこには福島産鶏肉を使ったラーメンが出るそうです(26)。福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張しています(27)。でも福島県福島市や川俣町に店舗を展開するスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。
他県産はあっても福島産鶏肉が無い福島県福島市・川俣町のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図―5 福島産鶏肉が無い福島県福島市や川俣町のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市や川俣町の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第42回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(2)第7回原子力規制委員会 臨時会議 | 原子力規制委員会
(3)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(4)海側遮水壁|東京電力
(5)報道配布資料|東京電力
(6)(5)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(7)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(8)原子炉の安定化|東京電力
(9)陸側遮水壁|東京電力
(10)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(11)(5)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(12)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年4月28日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第29回事務局会議」⇒「【資料3-1】汚染水対策(29.0MB)」
(13)(1)中の「資料2:今後のタンク運用計画について[東京電力]【PDF:3MB】」
(14)(1)中の「当日作成資料:特定原子力施設監視・評価検討会(第42回会合)議論のまとめ[原子力規制庁]【PDF:313KB】」
(15)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水は海洋放出計画が固まる?計画に従えば毎月12兆ベクレルのトリチウムが海へ
(16)柏崎刈羽原子力発電所 6・7号炉 関連審査会合 | 原子力規制委員会
(17)第一原発トリチウム 海洋放出認めず 県漁協組合長会議 | 東日本大震災 | 福島民報
(18)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(4月2週)―外洋8地点から全ベータ―
(19)安倍晋三 - Wikipedia
(20)福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル実施に係る安全確認 - 福島県ホームページ
(21)原子力安全・品質保証会議|東京電力
(22)めげ猫「タマ」の日記 とうなった?福島ゲノム調査
(23)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(24)川俣シャモまつり賑わう - NHK福島県のニュース
(25)「ふくしまラーメンショー」開幕 郡山に全国の有名ラーメン店集結:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(26)ふくしまラーメンショー2016|福島中央テレビ
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「鶏肉 [PDFファイル/231KB] 」
(28)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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  1. 2016/04/30(土) 19:42:43|
  2. -
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