めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一原発汚染水(5月1週)―排水路放水口付近の海水は実質法令違反―

福島第一原発汚染水の5月1週(4月25日から5月2日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
   
①外洋からは相変わらず見つかる放射性物質
②地下貯水槽の周囲で全ベータが上昇中
③排水路から法令限度を超えた汚染水が海へ
④排水路放水口付近の海水は実質法令違反
⑤1日で9倍に上昇した地下水バイパス山側井戸のトリチウム
⑥海岸付近の井戸の放射性物質濃度は上昇中
⑦4月のサブドレントリチウム排出量は130億ベクレル、記録更新
 
1.外洋からは相変わらず見つかる放射性物質
 事故から5年以上経過しましたが、外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
事故から5年経っても放射性物質が見つかる福島第一外洋
  ※1 (4)~(6)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度

 この中で「5,6号機放水口北側」が気になります。以下に放射性物質濃度の推移を示します。
下がる気配が無い5,6号機放水口北側の放射性物質濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

 図に示すとおり、原発事故から5年近く経ちましたが、下がる気配がありません。福島の海はこれからも汚染が続きそうです。

2.地下貯水槽の周囲で全ベータが上昇中
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(8)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(8)。従前の記事でこの井戸の水がら突然に全ベータが見つかった旨の記事を記載しましたが(9)、今週は別の観測孔で全ベータが急上昇しました。以下に地下貯水槽周囲の全ベータ濃度を示します。
周囲で全ベータが見つかる下貯水槽周囲
※1(9)を集計
 ※2 位置は(8)による。
 ※3 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 図-3 下貯水槽周囲の全ベータ濃度

 図に示す通り海側の観測孔で放射性物質が見つかっています。やがて拡散し福島の海を汚染しそうです。以下に観測孔A-1の全ベータ濃度を示します。
下がってもまた上がる観測孔A-1の全ベータ濃度
 ※(9)を集計
 図-4 観測孔A-1の全ベータ濃度

 一度は下がったのですが再び上昇です。そして上流(山側)の地下貯水槽i(漏えい検知孔水)南西側の全ベータ濃度が上昇を続けています。以下に推移を示します。
上昇が続く地下貯水槽i(漏えい検知孔水)南西側の全ベータ濃度
 ※(9)を集計
 図-5 地下貯水槽i(漏えい検知孔水)南西側の全ベータ濃度


東京電力の会見を聞いていると(10)、原因は分かっていないそうです。これでは対策が打てません。漏れるがままにするしか無いようです。

3.排水路から法令限度を超えた汚染水が海へ
福島第一原発構内には幾つもの排水路があります。
福島第一原発排水路
 ※(11)で作成
 図―6 福島第一原発内の排水路

 放射性物質の法令限度は1リットル当たりで、セシウム137が90ベクレル、ストロンチウム90が30ベクレルです(2)。全ベータのおよそ半分がストロンチウム90なので(7)、全ベータでは60ベクレルになります。今週に法令限度を超える汚染水が排水路から海へ流れました。1リットル当たりで
 4月28日 物揚場排水路
   セシウム134 11ベクレル
   セシウム137 57ベクレル
   全ベータ    70ベクレル(法令限度超え)

 4月29日 K排水路
   セシウム134 13ベクレル
   セシウム137 70ベクレル
   全ベータ   100ベクレル(法令限度超え)

 以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
法令限度を超えた汚染水が流れるK排水路
   ※(11)を集計
 図―7 K排水路の放射性物質濃度

 今回だけでなく時々、法令限度を超える放射性物質に汚染された排水が海に注いでいます。

4.排水路放水口付近の海水は実質法令違反
 排水路から高濃度に汚染された排水が海にながれれば海水も汚染されます。
色々な放射性物質が見つかる福島第一港湾内
 ※1 (4)(5)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 排水口の位置は(11)、サブドレン排水口の位置は(12)による。
 図―8 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 図に示す通り、1~4号機取水口内南側(遮水壁前)が最も高くなっています。以下に推移を示します。
4月に入り上昇した1~4号機取水口内南側の放射性物質濃度
 ※(5)を集計
 図―9 1~4号機取水口内南側の放射性物質濃度

 4月には入り上昇傾向になっています。汚染水の評価に東京電力は「告示限度比」を使用しています。放射性物質は幾つも種類がありそれを総合的に評価する手法で、測定された各種の放射性物質(核種)の濃度を法令限度でわり合計する手法です。これが1を超えれば実質的に法令限度を超えたことになります(13)。4月29日の「1~4号機取水口内南側」の放射性物質濃度(14)を見ると1リットル当たりで
  セシウム134 4.5ベクレル(法令限度60ベクレル)比率 0.075
  セシウム137 25べクレル(法令限度90ベクレル)比率 0.278
  全ベータ    39ベクレル(法令限度60ベクレル)比率 0.650
  告示限度比(比率の合計)                 1.003
を1を超え実質で法令違反となっています。
 それでも東京電力は「低下した状態が継続しています。」と主張しています(15)。


5.1日で9倍に上昇した地下水バイパス山側井戸のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(16)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(17)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(18)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超える地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度
 ※1 (17)(18)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―10 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのはG-2井戸のトリチウム濃度です。以下に推移を示します。
急上昇したG-2井戸のトリチウム濃度
 ※(17)を集計
 図―11 G-2井戸のトリチウム濃度

 4月28日から29日にかけて急上昇しています。1リットル当たりのトリチウム濃度は
  4月28日    170ベクレル
  4月29日 15,000ベクレル
で一気に9倍です。この発表は5月1日にあったのですが、5月1日に東京電力は
「今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。」
とコメントをしています(19)。
 
6.海岸付近の井戸の放射性物質濃度は上昇中
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―12 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 この中でNo3-3の全ベータ濃度が気になります。以下に推移を示します。
上昇するNo3-3井戸の全ベータ濃度
※(5)を集計
 図―13 No3-3井戸の全ベータ濃度

 図に示す様に、4月に入り上昇しています。原発事故から5年たって、福島第一の汚染水漏れは酷くなっている気がします 
 
7.4月のサブドレントリチウム排出量は129億ベクレル、記録更新
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(20)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(21)半年以上が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(122)(23)、濃度×排出量で月毎のトリチウムの排出量を求めてみました。
brg160502j.gif
 ※(22)(23)を集計
 図ー14 サブドレンの月別放出量

 毎月のように増えて行き4月のサブドレントリチウム排出量は129億ベクレルで記録更新です。なお累積では491億ベクレルです。

 
<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)を参照ください。
事故から6年目になっても止まらない福島第一原発の汚染水漏れ!これでは福島に残らざるを得なかった方も不安だと思います。
 福島県が力をいれている野菜にキュウリがあります(24)。福島県須川市はキュウリの一大産地です(25)。須賀川市産キュウリの出荷が今年も始まりました(26)。福島はキュウリのシーズンです。。福島県須賀川市のキュウリのシーズンが始まったようです。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(27)。でも福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図―15 福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県須賀川市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(4月4週)―海岸付近の井戸の4箇所で過去最高の放射性物質濃度―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を5月2日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「南放水口・排水路」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(9)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(10)【2016年4月28日】東京電力 2015年度(平成27年度)決算に関する記者会見 - 2016/04/28 17:45開始 - ニコニコ生放送
(11)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(12)2015年9月2日 海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 3.53MB)
(13)2.1.2 放射性液体廃棄物等の管理(PDF 186KB)
(14)2016年4月30日福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 679KB)
(15)2016年4月28日放射線データの概要 4月分(3月31日~4月27日)・福島第一原子力発電所周辺における海側遮水壁閉合前後の放射性物質濃度の推移・サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げと分析(PDF 2.24MB)
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(17)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(18)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(19)2016年05月01日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(20)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(21)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(22)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(23)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(24)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(25)福島県 すかがわ岩瀬農業協同組合 (きゅうり)~「パリッと新鮮でおいしい 岩瀬きゅうり」~ 月報 野菜情報-産地紹介-2010年9月
(26)トピックス | JA夢みなみ
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(28)ザ・ビッグ 須賀川店のチラシ・店舗情報 | クックパッド特売情報
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  1. 2016/05/02(月) 19:47:22|
  2. -
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