めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

パンク寸前、福島第一汚染水タンク

福島県の地方紙の福島民友が福島第一原発の汚染水が想定の3倍で増えていると報じていました(1)。そこで(=^・^=)なりに精査したら国や東京電力の目論見は完全に外れ福島第一の汚染水タンクはパンク寸前の状態になっていました。これは東京電力がサブドレンや凍土壁の効果を過大に喧伝した結果です。国や東京電力は「隠ぺい体質」です。


1.はじめに
 福島県の地方紙の福島民友が福島第一原発の汚染水が想定の3倍で増えていると報じていました(1)。
福島第一原発の汚染水が想定の3倍で増えていると報じる福島県の地方紙・福島民友
 ※(2)をキャプチャー
 図-1 福島第一原発の汚染水が想定の3倍で増えていると報じる福島県の地方紙・福島民友

 あるいは宮城県の地方紙の河北新報は福島第一原発汚染水を扱った記事で「◎海洋放出7.3年、34億円と最短・最安」とあたかも福島第一原発汚染水の「海洋放出」はやもおえないような報道をしていました(3)。以下に2015年10月時点の汚染水の保管計画とその後の実績を示します。
想定を超えて増え続ける福島第一汚染水
 ※(5)(6)にて作成
 図―2 汚染水の保管計画と実績

 図に示す通り昨年10月時点の計画では汚染水の増加が2015年10月から抑制され、16年1月には殆ど増へなくなると想定していまいた。しかし図に示す通り汚染水はその後も増え続け報道(1)(3)にあるような事態になってしまいました。この事態が何故に生じたのかを(=^・^=)なりにまとめてみました。


2.汚染の処理の流れ
 以下に福島第一原発の汚染水の流れを示します。
福島第一原発の汚染水増加要因
 ※(7)(8)(10)にて作成
 図-3 福島第一原発の汚染水増加要因

 福島第一原発の汚染水増加要因には以下の二つがあります。
 ・原子炉建屋やタービン建屋に地下水が流れ込み中にある溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れ放射能に汚染される(7)。
 ・海への汚染水の流れを防止するために福島第一の海岸に水を通さない壁が設置されています。ひとつは地盤改良で地面の1部を水が通らないように手を加えています(11)。二つ目は海側に水を通さない壁を作り汚染水が海に流れ出す事を防ごうとしています(12)。ただし、内側に汚染水が流れ込み溜まって溢れてしまうのでウエルポイント(11)や地下水ドレン(13)と東京電力が命名したシステムで汲み上げタービン建屋に送っています。このまま放置すると原子炉やタービン建屋から汚染水が溢れてしまうので、これを汲みあげ処理装置に通し後で汚染水タンクに保管しています。
 タービン建屋から汲み上げた汚染水は高温焼却炉設備建屋やプロセス主建屋と呼ばれる別の建物に送られた後で(15)
 建屋⇒SARRY⇒淡水化装置⇒SR処理水タンク⇒ALPS(多核種除去設備)⇒処理水タンク
の順に送られます(6)(7)(8)。SARYYではセシウムとストロンチウム90が荒どりされます。 次の淡水化装置では、汲み上げた汚染水から比較的きれいな部分を絞りだし原子炉に冷却の為に再度の注入をしています(16)。東京電力はこの汚染水を「淡水」と呼んでいますが、それなりに汚れた水で原子力規制委員会からは名称の変更を要求されています(17)。SR処理水タンクに送られる汚染水は淡水化装置で凝縮されるので、放射能汚染は酷くなります。
 次にALPS(多核種除去設備)でさらに放射性物質を取り除きます(16)。東京電力は62種類の放射性物質(核種)を取り除けると主張していますが(18)、トリチウム等の取り除けない放射性物質もあります(16)。このためALPSで処理された水は「トリチウム水」なんて呼び方をされる事もあります(1)。
 福島第一の1日当たりの汚染水の増加量を示します。
対策を打っても改善しない福島第一の汚染水増加量
 ※(6)を集計
 図―4 福島第一汚染水の増加量

 昨年の9月以降に福島第一では以下の汚染水対策が実施されています。
  2015年 9月サブドレンの運用開始(19)
  2015年10月海側遮水壁完成(20)
  2016年 3月凍土壁の凍結開始(21)
でも汚染水の増加が止まる気配がありません。福島第一で実施されている汚染水増加対策は東京電力の「喧伝」とは異なり効果を表していません。


3.サブドレンと地下水ドレン
 以下に福島第一で進められている汚染水対策について示します。
福島第一の汚染水対策
 ※(11)(12)(13)(14)
 図―5 福島第一の汚染水対策

 このうちサブドレンは原子炉やタービン建屋の周りに井戸から地下水を汲み上げ、原子炉や建屋への侵入を防ぐものです(14)。原子炉やタービン建屋の側から汲み上げるので、汲み上げた地下水は放射性物質で汚染されています(20)。この水を簡易的な浄化装置を通した後で海洋投棄しますが、浄化装置を通した後も放射性物質は残っています(21)。
 図に示す通り福島第一の海岸には水の流れを遮る海側遮水壁ができています。放置すると内側に汚染水が溜り溢れ出すので汲み上げています。当初の計画では「浄化装置」を通した後で海に流す計画でした。ただし「浄化装置」ではトリチウムは除去できません(14)。以下に海側遮水壁の内側から汲み上げた汚染水(地下水ドレン汲み上げ水)のトリチウム濃度を示します。
排水基準を超えて推移する地下水ドレン汲み上げ水のトリチウム濃度
 ※1(24)にて作成
 ※2 汲み上げた汚染水は3つのタンクA,B,Cに集められそこで濃度が測定される。
 ※3 図中のA,B,Cはタンクの名前
 図―6 地下水ドレン汲み上げ水のトリチウム濃度

 図に示す通り概ね1リットル当たり5,000ベクレル程度です。一方でサブドレン・地下水ドレンの排水基準はトリチウムで1リットル当たり1,500ベクレルです。結局は海へ投棄することができずタービン建屋に送り続けています。以下にA,B,Cの3系統の配置を示します。
地下水ドレンの配置
 ※(24)にて作成
 図-7 地下水ドレンの井戸と一時保管用のタンク

4.凍土壁
 凍土壁は原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲い地下水の流入を阻止する目的で設置されましたが、原子力規制委の認可がなかなか得られず(17)、3月31日に「護岸エリアへの地下水の移動が堰き止る」効果を期待し、タービン・原子炉建屋と海側遮水壁の間に設置された部分の凍結が開始されました(21)。地下水の移動が堰き止められれば海側遮水壁への汚染水の流れも減り、3項で記載した地下水ドレンからの汲みあげ量も減り、汚染水増加が抑えられるはずです。図-4に示す様に凍土壁凍結開始後に逆に汚染水は増加しています。以下に地下水ドレン(含むウエルポイント)からの移送量と降水量を示します。
凍土壁凍結開始後も減らない地下水ドレン汲み上げ水の移送量
 ※(6)(25)にて作成
 図―8 地下水ドレン(含むウエルポイント)からの移送量

 図に示す通り凍土壁凍結開始後に移送量は逆に増えています。凍土壁開始後に雨が降り出した為とも思いますが、4月17日から27日までの累積の降水量は6mm(25)でそれ程には降っていません。確かに移送量は減っていますが、1日当たりの移送量を見ると
 凍土壁凍結開始前の10日間(3月22日から31日) 1日当たり平均で 98立方メートル(降水無し)
 最新データ(10日間)(4月18日から27日)1日当たり平均で 128立方メートル(降水量累積で6mm)
で逆に増えています。確かに雨が降ってますが累積で6mm、1日当たり0.6mmです。効果は見えません。今の所は凍土壁による汚染水抑制効果は見えません。
 

5.「本音を言わない」(隠ぺい体質)の東京電力
 4月27日に第7回原子力規制委員会 臨時会議が開かれ、そこに東京電力の広瀬社長が出席しました。福島第1原発の汚染水問題について更田豊志委員長代理は「東電が本音を語れているか疑問を持っている」と発言しましたが(26)、(=^・^=)には「東電が本音を語れているか疑問を持っている」って「隠ぺい体質」と同じ意味にとれます。
 以下に海側遮水壁内側(3,4号機取水口間および4号機スクリーン)のトリチウム濃度を示します。
排水基準の倍程度で推移する海側遮水壁内側のトリチウム濃度
 ※1(27)を転載
 ※2 海側遮水壁内側のサンプリングポイントはこの2地点のみ(現在は廃止)(23)
 ※3 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図―9 海側遮水壁内側(3,4号機取水口間および4号機スクリーン)のトリチウム濃度

昨年2月位から上昇し、2015年4月時点でトリチウム濃度の排水基準の1リットル当たり1500ベクレルを超えました。この時点で地下水ドレン汲み上げ水の海洋放出ができない事は認識できたはずです。3つの選択肢がたったと思います。
 ①海側遮水壁の運用をあきらめる
 ②排水基準を超えた地下水ドレン汲み上げ汚染水の海洋投棄の手立てを考える
 ③なにも準備をせず汚染水タンクひっ迫させる。
(=^・^=)は最悪の選択をしたと思います。
 もっと問題なのは「汚染水タンクひっ迫」する事態は1年前に十分に予想できたのに一切の説明をしなかった事だと思います。リファレンス(27)に示す通り(=^・^=)ですら半年前には気づいていました。そしていきなりの報道です(1)(2)。5年2ヵ月前に「安全」とされていた原発がいきなり爆発し、放射性物質を爆発しました。結局はこれも同じ事ではと(=^・^=)は考えています。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 この問題は東京電力の発表をトレースしていれば、もっと前((=^・^=)の感覚では年明け)には気づいていい事です。それが今の時期になって2社(福島民報と河北新報)がほぼ同時に福島第一汚染水の海洋放出が必要とも取れる記事を出したのは、誰かが意図をもってリークしたしたと(=^・^=)は想像しています。河北新報の記事は3部構成になっており
 ①4月中の汚染す漏れや発煙といったトラブルを綴る
 ②突然に「◎海洋放出7.3年、34億円と最短・最安」と記述
 ③最後にQ&Aですが、解答者が誰かは記載していませんが(=^・^=)が知る限り東京電力の見解そのものです。「トリチウムはエネルギーが弱く、人体にも魚介類にもほぼとどまらずに排出される。原発の排水基準は1リットル当たり6万ベクレル。福島第1では事故前、年間2兆ベクレル(2009年度)を放出していた。」などの記述は東京電力が3年前(2013年2月)に発表した資料「PDF]福島第一原子力発電所でのトリチウムについて 平成25年2月」(28)の要約そのものです。どんな意図があるかと言えば、福島第一汚染水の海洋放出やむなしとの雰囲気を作ることだと思います。(=^・^=)の想像が正しいなら、福島第一の汚染水処理は相当に厳しい状態です。それでも「本音を語れているか疑問」いわれる通り表向きは大丈夫なふりをしているようです。まさに隠ぺい体質です。これでは東京電力がいくら「風評被害」を叫んでも(29)福島の方は信用しないと思います。
 福島県が力をいれている野菜にキュウリがあります(30)。福島県須川市はキュウリの一大産地です(31)。須賀川市産キュウリの出荷が今年も始まりました(32)。福島はキュウリのシーズンです。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(33)。でも福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図―10 福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県須賀川市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)「凍土遮水壁」全面凍結遅れ 第1原発・地上タンク計画に影響:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(2)福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-を5月2日に閲覧
(3)<福島廃炉への道>トリチウム処理で試算5月3日 河北新報
(4)中長期ロードマップ|東京電力
(5)(4)中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2015年10月1日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第22回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(9.85MB)(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/d151001_06-j.pdf)」
(6)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(7)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(8)原子炉の安定化|東京電力
(9)報道配布資料|東京電力
(10)(9)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(11)[PDF]資料2-3 福島第一原子力発電所の汚染水の状況と対策について
(12)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(13)海側遮水壁|東京電力
(14)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(15)(4)中の「廃炉・汚染水対策現地調整会議」⇒「2016年3月30日(第31回)」⇒「【資料1-5】高温焼却炉建屋内における堰内漏えいについて(445KB)(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images1/l160330_07-j.pdf)」
(16)汚染水の浄化処理|東京電力
(17)第42回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「当日作成資料:特定原子力施設監視・評価検討会(第42回会合)議論のまとめ[原子力規制庁]【PDF:313KB】(https://www.nsr.go.jp/data/000148449.pdf)」
(18)(15)中の「多核種除去設備による除去効果が見込まれる核種(PDF 20.4KB)(http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/images/150514_01-j.pdf)」
(19)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(20)「平成27年度第8回 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」における当社資料のご説明について|東京電力中の「・サブドレン他水処理施設の状況について(PDF 1.13MB)(http://www.tepco.co.jp/news/2015/images/151105a.pdf)」
(21)2016年3月31日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始について(PDF 544KB)
(22)(9)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果 」
(23)サンプリングによる監視|東京電力
(24)(23)中の「中継タンクの分析結果」
(25)(9)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて」
(26)第7回原子力規制委員会 臨時会議 | 原子力規制委員会
(27)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月3週)―サブドレイン効果が見えず―
(28)PDF]福島第一原子力発電所でのトリチウムについて 平成25年2月
(29)風評被害対策について - 東京電力
(30)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(31)福島県 すかがわ岩瀬農業協同組合 (きゅうり)~「パリッと新鮮でおいしい 岩瀬きゅうり」~ 月報 野菜情報-産地紹介-2010年9月
(32)トピックス | JA夢みなみ
(33)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(34)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2016/05/04(水) 19:41:36|
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