めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一原発汚染水(5月3週)―外洋からトリチウムやストロンチウム―

 福島第一原発汚染水の5月3週(5月9日から15日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①外洋からトリチウムやストロンチウム
 ②地下貯水槽の周囲で全ベータが再上昇中
 ③排水路から法令限度を超える汚染水が海へ
 ④4月になって酷くなった港湾内の放射能汚染
 ⑤高いままのける地下水バイパス山側井戸のトリチウム
 ⑥上昇が続く海岸付近の井戸の放射性物質濃度
 ⑦サブドレンのトリチウムの累積放出量は538億ベクレル超

1.2号機放水路の放射性物質濃度が上昇中
 事故から5年以上経過しましたが、外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。特に今週はしばらく未検出だったトリチウムが突然に見つかったり、ストロンチウム90の濃度が上昇しています。
原発事故から5年2ヶ月経てもストロンチウムやトリチウムが見つかる外洋
 ※1 (4)~(7)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
  ※5  ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は4月4日
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度
 
 この中で「5,6号機放水口北側」が気になります。以下に放射性物質濃度の推移を示します。
突然に検出された5,6号機放水口北側のトリチウム
※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

 トリチウムはしばらく検出限界未満(ND)でしたが、今週は突然に1リットル当たり6.6ベクレルの値となりました。もう一つ気になるのがストロンチウム90濃度です。
じわじわと上昇する5,6号機放水口北側のストロンチウム
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―3 5,6号機放水口北側のストロンチウム90濃度

今年に入り、じわじわ上昇です。この先が心配です。

2.地下貯水槽の周囲で全ベータが再上昇中
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(9)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(10)。今週も周囲の井戸で全ベータが見つかっています。
放射性物質が見つかる地下貯水槽周囲
※1(10)を集計
 ※2 位置は(9)による。
 ※3 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 図-4 地下貯水槽周囲の全ベータ濃度

 図に示す通り多くの観測孔で全ベータが見つかっています。この中で気になるのが観測孔A12です。以下に推移を示します。
突然に上昇した観測孔A12の全ベータ濃度
 ※(9)を集計
 図-5 観測孔A12の全ベータ濃度

突然に上昇し、1リットル当たりで320ベクレルを記録しました。拡散して福島の海を汚染しないか心配です。

3.排水路から法令限度を超える汚染水が海へ

 福島第一原発には幾つもの排水路があります。
法令限度を超えた汚染排水が流れる福島第一排水路
 ※1(11)(12)を集計
 ※2 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 ※3 赤丸()はサンプリング地点
 図-6 福島第一原発排水路の放射性物質濃度

 放射性物質の法令限度は1リットル当たりで、セシウム137が90ベクレル、ストロンチウム90が30ベクレルです(2)。全ベータのおよそ半分がストロンチウム90なので(7)、全ベータでは60ベクレルになります。図に示す通り全ての排水路から放射性物質が見つかり、K排水路からは法令限度を超える1リットル当たり96ベクレルの全ベータが見つかっています。
 以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
法令限度を超えた汚染排水が度々流れるK排水路
  ※(11)を集計
 図―7 K排水路の放射性物質濃度

 今回だけでなく時々、法令限度を超える放射性物質に汚染された排水が海に注いでいます。

4.4月になって酷くなった港湾内の放射能汚染
 排水路から高濃度に汚染された排水が海にながれれば海水も汚染されます。
色々な放射性物質が見つかる福島第一港湾内
 ※1 (4)(5)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 排水口の位置は(11)、サブドレン排水口の位置は(13)による。
 図―8 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 図に示す通り、1~4号機取水口内南側(遮水壁前)が最も高くなっています。以下に推移を示します。 
4月に入り上昇した1~4号機取水口内南側の放射性物質濃度
 ※(5)を集計
 図―9 1~4号機取水口内南側の放射性物質濃度

4月には入り上昇傾向になっています。それでも東京電力は「低下した状態が継続しています。」と主張しています(14)。

5.高いままのける地下水バイパス山側井戸のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(15)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(16)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(17)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (16)(17)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―10 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのは地下水バイパスNo6井戸のトリチウム濃度です。以下に推移を示します。 
上昇傾向を示す地下水バイパスNo6井戸のトリチウム
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4  ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は4月上旬
 図―12 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 以下にNo1-17井戸の全ベータ濃度を示します。
高濃度の汚染地下水が見つかる海岸付近の井戸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4  ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は4月上旬
 図―12 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 以下にNo1-17井戸の全ベータ濃度を示します。
急上昇に転じたNo1-17井戸の全ベータ
 ※(5)を集計
 図―13 No1-17井戸の全ベータ濃度

 図に示す通り今年3月当たりから急上昇に転じ、今も上昇が続いています。


7.サブドレンのトリチウムの累積放出量は538億ベクレル超
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(18)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(19)半年以上が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(20)(21)、濃度×排出量で累積のトリチウムの排出量を求めてみました。
累積で538億ベクレル超となったサブドレンのトリチウム累積排出量
 ※(20)(21)を集計
 図―14 サブドレンの累積排出量

 累積で約538億ベクレル超となりました。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)を参照ください。
 止む事のない福島第一の汚染水漏れ、福島の方は不安だと思います。
  福島県が力をいれている農産物に牛肉があります(22)。福島牛は、鮮やかな色合いと良質の霜降りをもつ絶品の牛肉とのことです(23)。統計(24)を集計すると福島県郡山市の肉牛飼育頭数は約約七千頭で福島県随一です。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(25)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
県外産はあっても福島県牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
※(26)を引用
 図―15 福島産牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(5月2週)―海岸付近の井戸から過去最高濃度の放射性物―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)2016年5月11日福島第一 サブドレン・地下水ドレン浄化水排水に関するサンプリング結果(PDF 7.42KB)
(7)2016年5月12日福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果(南放水口付近)(PDF 118KB)
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(10)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(11)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(12)(2)中の「南放水口・排水路」
(13)2015年9月2日 海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 3.53MB)
(14)2016年4月28日放射線データの概要 4月分(3月31日~4月27日)・福島第一原子力発電所周辺における海側遮水壁閉合前後の放射性物質濃度の推移・サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げと分析(PDF 2.24MB)
(15)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(16)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(17)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(18)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(19)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(20)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(21)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(22)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(23)(22)中の「福島牛」(https://www.pref.fukushima.lg.jp/download/1/ushishi.pdf)
(24)届出情報の統計-目的別索引-牛の個体識別情報検索サービス中の「【平成27年10月31日公表】  (毎年10月31日頃更新)」⇒「飼養頭数 牛の種別 市区町村別 平成27年9月末時点 」
(25)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(26)ヨークベニマル/お店ガイド
スポンサーサイト
  1. 2016/05/15(日) 19:42:22|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<沖縄・復帰44年―基地負担に見合う見返りを― | ホーム | トラブルいっぱい福島原発(5月2週)―凍土壁・効果が見えず―>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1806-5d7a2bb1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)