めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(5月4週)―2週連続で外洋からトリチウム―

 福島第一原発汚染水の5月4週(5月16日から22日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①外洋から2週連続でトリチウム
 ②港湾口で採れた魚から21,600(Bq/kg)のセシウム
 ③地下貯水槽の周囲で全ベータが再上昇中
 ④排水路から法令限度を超える汚染水が海へ
 ⑤上昇傾向が続く港湾内・港湾中央のトリチウム濃度
 ⑥排水基準を超えたままの地下水ドレン汲み上げ水のトリチウム濃度
 ⑦地下水バイパスNo5井戸から過去タイのトリチウム・上昇傾向が続く
 ⑧上昇が続く海岸付近の井戸の放射性物質濃度
 ⑨サブドレンのトリチウムの累積放出量は571億ベクレル超
 今週も福島第一は海洋を汚染し続けています。

1.外洋から2週連続でトリチウム
 事故から5年以上経過しましたが、外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。しばらく未検出だったトリチウムが2週連続で見つかっています。
原発事故から5年2ヶ月経ても放射性物質が見つかる福島第一原発沖外洋
 ※1 (4)~(6)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度
 
 この中で「5,6号機放水口北側」が気になります。以下に放射性物質濃度の推移を示します。
下がる気配が無い福島第一原発沖外洋の放射性物質濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

 トリチウムはしばらく検出限界未満(ND)でしたが、1リットル当たりで
  5月 9日採取 6.6ベクレル
  5月16日採取 2ベクレル
のトリチウムが2週連続で見つかっています。

2.港湾口で採れた魚から21,600(Bq/kg)のセシウム
 今週、港湾口で採れた魚(ムラソイ)から1キログラム当たり
  21,600ベクレル
のセシウムが見つかったと発表がありました(6)。以下に港湾内のムラソイのセシウム濃度の推移を示します。
下がる気配が無い福島第一原発港湾内のムラソイのセシウム濃度
 ※(8)を集計
 図-3 港湾内ムラソイのセシウム濃度

 港湾口は外洋と港湾の境界です。この魚は外洋から来た可能性があります。福島の魚は汚染されたままです。

3.地下貯水槽の周囲で全ベータが再上昇中
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(9)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(10)。今週も周囲の井戸で全ベータが見つかっています。
地下貯水槽の周囲で見つかる全ベータ
 ※1(10)を集計
 ※2 位置は(9)による。
 ※3 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 ※4 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-4 地下貯水槽周囲の全ベータ濃度

 図に示す通り殆どの観測孔で全ベータが見つかっています。この中で気になるのが観測孔A19です。以下に推移を示します。
突然に上昇した地下貯水槽近傍の観測孔A19の全ベータ濃度
※(10)を集計
 図-5 観測孔A19の全ベータ濃度

突然に上昇し、1リットル当たりで440ベクレルを記録しました。拡散して福島の海を汚染しないか心配です。

4.排水路から法令限度を超える汚染水が海へ
 福島第一原発には幾つもの排水路があります。以下に今週観測された放射性物質濃度を示します。
 法令限度を超えた汚染水が流れる福島第一の排水路
 ※1(11)を集計
 ※2 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 ※3 赤丸()はサンプリング地点
 図-6 福島第一原発排水路の放射性物質濃度 

 放射性物質の法令限度は1リットル当たりで、セシウム137が90ベクレル、ストロンチウム90が30ベクレルです(2)。全ベータのおよそ半分がストロンチウム90なので(7)、全ベータでは60ベクレルになります。図に示す通り全ての排水路から放射性物質が見つかり、K排水路とC排水路からは法令限度を超えるそれぞれ1リットル当たり77と89ベクレルの全ベータが見つかっています。
 以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
度々、法例限度を超える汚染水が流れるK排水路
  ※(11)を集計
 図―7 K排水路の放射性物質濃度

 今回だけでなく時々、法令限度を超える放射性物質に汚染された排水が海に注いでいます。

5.上昇傾向が続く港湾内・港湾中央のトリチウム濃度
排水路から高濃度に汚染された排水が海にながれれば排水路出口がある港湾内が汚染されます。
放射性物質が色々見つかる福島第一原発港湾内
  ※1 (4)(5)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は4月11日
  ※4 排水口の位置は(11)、サブドレン排水口の位置は(12)による。
 図―8 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 この中で気になるのが港湾中央のトリチウム濃度です。以下に推移を示します。
上昇を続ける港湾中央のトリチウム濃度
 ※(5)を集計
 図―9 港湾中央のトリチウム濃度

 ここ1ヶ月上昇が続いています。そして1項に示すように外洋から2週連続のトリチウムです。

6.排水基準を超えたままの地下水ドレン汲み上げ水のトリチウム濃度
 福島第一で海岸に水を通さない「壁」を作り海岸から海への汚染水の防止する「海側遮水壁」を完成させました(13)。それまでは「海」に流れていた汚染水が「海側遮水壁」の内側に溜まり放置すると溢れるので、これを汲みあげています(14)。これを「地下水ドレン」と名付けています。トリチウムの排水基準は1リットル当たり1,500ベクレルで(2)、これを超えると海には流せません。東京電力はトリチウムを取り除くことはできないとしています(14)。以下に地下水ドレンから汲み上げた汚染水のトリチウム濃度を示します。
排水基準を超えて推移する地下水ドレン汲み上げ水のトリチウム濃度
 ※(15)(16)にて作成
 図―10 地下水ドレン汲み上げ汚染水のトリチウム濃度

 以下にA,B,Cの3系統の配置を示します。
地下水ドレンの配置
 ※(15)にて作成
 図-11 地下水ドレンの井戸と一時保管用のタンク

 図に示す通り南側のC系統を除き、排水基準の1リットル当たり1,500ベクレルを超えており「海」に流すことが出来ません。現状は概ねタービン建屋に送っていますが(17)、これが汚染水の増加要因となっています(18)。このままトリチウム濃度が下がらなければ、汚染水を溢れさすか海に流すかしかたがなくなると思います。

7.地下水バイパスNo5井戸から過去タイのトリチウム・上昇傾向が続く
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(19)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(20)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(21)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えて汚染された地下水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (16)(17)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―12 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのは地下水バイパスNo5井戸のトリチウム濃度です。以下に推移を示します。 
上昇が続く地下水バイパスNo5井戸のトリチウム
 ※(17)を集計
 図―13 地下水バイパスNo5井戸のトリチウム

 図に示す通り濃度はまだ低いのですが上昇傾向を示しています。今週は過去タイとなる1リットル当たり58ベクレルのトリチウムが見つかっています。

8.上昇が続く海岸付近の井戸の放射性物質濃度
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
 ※1 (5)を集計
高度に汚染された地下水が見つかる福島第一の海岸
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―14 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 このうちNo3-4井戸のトリチウム濃度、1リットル当たり4,400ベクレルは過去タイです。それ以上に気になったのがNo0-3-2井戸のトリチウム濃度です。 以下にNo0-3-2井戸のトリチウム濃度の推移を示します。
上昇が続くNo0-3-2井戸のトリチウム
 ※(5)を集計
 図―15 No0-3-2井戸のトリチウム濃度

 この所、上昇傾向が続いています。図ー14に示す通り海の直ぐ側ですので、やがて海に流れ込み海側遮水壁の内側に滞留するはずです。そして6項に記載した地下水ドレン水のトリチウム濃度を上昇させます。

9.サブドレンのトリチウムの累積放出量は571億ベクレル超
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(22)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(23)半年以上が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(24)(25)、濃度×排出量で累積のトリチウムの排出量を求めてみました。
571億ベクレル超となったサブドレン・トリチウムの累積排出量

 ※(24)(25)を集計
 図―16 サブドレンの累積排出量

 累積で約571億ベクレル超となりました。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)とこちら(ブログ図表③)を参照ください。
 事故から5年2ヵ月以上が経過しましたが、福島第一原発は今も放射性物質を出し続けています。東京電力も安倍出戻り内閣もこれを止めることが出来ていません。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県が力をいれている野菜にキュウリがあります(26)。主な産地は須賀川市や伊達市です。須賀川市でキュウリの出荷が始まり(27)、伊達市のキュウリは4月からがシーズンです(28)。福島のキュウリは美味しいそうです(29)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(30)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
※(31)を引用
 図―17 福島産キュウリが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(5月3週)―外洋からトリチウムやストロンチウム―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)2016年5月18日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>(PDF 101KB)PDF
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)(3)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>」
(9)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(10)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(11)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(12)2015年9月2日 海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 3.53MB)
(13)海側遮水壁|東京電力
(14)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(15)(2)中の「中継タンクの分析結果」
(16)X.地下水|東京電力中の「地下水ドレンポンド・中継タンク水質分析」⇒「分析計画名称 地下水ドレンポンド揚水井通常水質分析(H28年度分)」⇒「分析結果 CSV 」
(17)(3)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(18)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(5月3週)―「凍土壁」凍らず―
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(20)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(21)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(22)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(23)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(24)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(25)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(26)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(27)トピックス | JA夢みなみ
(28)伊達のきゅうり - 福島県伊達市ホームページ
(29)福島県 すかがわ岩瀬農業協同組合 (きゅうり)~「パリッと新鮮でおいしい 岩瀬きゅうり」~ 月報 野菜情報-産地紹介-2010年9月
(30)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(31)イオン郡山フェスタ店
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  1. 2016/05/22(日) 19:43:35|
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