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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(5月4週)―垂れ流しが続くセシウム汚染食品―

食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。5月4週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム汚染食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数1,293件中8件の基準超え(全体の1%)
  ②平均は、1キログラム当たり4ベクレル、最大520ベクレル(長野県産コシアブラ)。
 基準超の食品が山形、宮城、茨城、長野で見つかっています。
原発事故から6年目になっても市場流出が止まらないセシウム汚染食品
  ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年5月4週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

①垂れ流しが続くセシウム汚染食品
②宮城県大崎市のタケノコから簡易検査で110ベクレル、詳細検査は致しません。
③青森のマダラからセシウム、福島は113件、全数ND
④福島・伊達市のキュウリの検査は1件
⑤会津坂下町のゼンマイから初めてのセシウムを検出

1.垂れ流しが続くセシウム汚染食品
 山形県産と茨城県内で販売されているコシアブラからそれぞれ1キログラム当たり260ベクレル、520ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(7)。これで5月中に市場から見つかったセシウム汚染食品は6件になりました。値は1キログラム当たりです。
 ①5月 2日発表 栃木県産コシアブラ 2,200ベクレル(8)
 ②5月 2日発表 栃木県産コシアブラ 1,400ベクレル(8)
 ③5月12日発表 栃木県産タケノコ    234ベクレル(学校給食で使用)(4)(9)
 ④5月16日発表 山形県産コシアブラ   170ベクレル(4)
 ⑤5月22日発表 茨城県内で販売のコシアブラ 520ベクレル(7)
 ⑥5月22日発表 山形県産コシアブラ   260ベクレル(7)

 殆どセシウム汚染食品が垂れ流し状態です。5月22日発表 茨城県内で販売のコシアブラは5月17日に結果が出ていたのですが、発表されたのは6日後の23日です。安倍出戻り内閣はセシウム汚染食品を垂れ流し、見つかっても直ぐに知らせません。

2.宮城県大崎市のタケノコから簡易検査で110ベクレル、詳細検査は致しません。
 宮城県大崎市は同市の市民が持ち込んだタケノコから簡易検査で1キログラム当たり110ベクレルのセシウムが見つかったと発表しました(10)。詳細検査に回されると思ったのですが、5月23日の厚生労働省の発表(11)には宮城県大崎市産タケノコの検査結果がありません。当然ながら出荷制限もありません。怪しげな物が見つかっても詳細検査をせずにウヤムヤにされる感じです。
 110ベクレルのタケノコが見つかったのは同市の「鳴子温泉」です(10)。こけしが有名な温泉で(12)、(=^・^=)は時々はお邪魔させていただいたのですが、もう2度と行く事はないと思います。

3.青森のマダラからセシウム、福島は113件、全数ND
 青森県三沢市沖で捕れたマダラからセシウムが見つかったと発表がありました(13)。福島が気になります。以下に今年3月以降の北海道、青森、岩手、宮城、福島のマダラの検査結果を示します。
他県ではセシウムが見つかっても、福島県検査では見つからないマダラのセシウム
 ※1(1)を集計
 ※2 日付は厚生労働省発表日
 ※3 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 図―2 マダラのセシウム濃度

 各道県が検査した北海道、青森、岩手、宮城産のマダラからはそこそこセシウムが見つかっていますが、福島県が検査した福島産マダラは113件全てで検出限界未満(ND)です。他で見つかっているのに、汚染源がある福島で見つからないとはおかしな話です。福島産は他より低く出る検査で「安全」とされています。

4.福島・伊達市のキュウリの検査は1件
 福島県が力をいれている野菜にキュウリがあります。伊達市・二本松市・須賀川市が主な産地です(14)。以下に主なキュウリの産地と矢吹町の位置を示します。
除染が必要なエリアが広がる福島のキュウリ産地
※1(15)の数値データを元に(16)に示す手法で5月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(17)による
 図-3 キュウリの産地と矢吹町

 図に示す通り伊達市・二本松市・須賀川市では国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(18)を超えた地域が広く広がっています。福島のキュウリは汚染地帯で主に栽培されています。原発事故前に比べ二本松市が属る福島・安達では葬式が14%、伊達市が属する福島盆地でも葬式が7%増えています(19)。福島のキュウリは汚染され、葬式が増えた場所で栽培されています。確り検査して欲しいと思います。
 福島県須賀川市のキュウリの出荷は既に始まり(20)、伊達市のキュウリは4月からがシーズンです(21)。福島はキュウリのシーズンです。確り検査して欲しいとおもいます。福島産キュウリの今年の検査回数を厚生労働省の発表(1)や福島県が運営する検査結果検索サイト(22)で見ると
 伊達市  ― 1件
 二本松市 ― 1件
 須賀川市 ― 2件
です。伊達市や二本松市は図―3に示す通り避難地域に接しており1件の検査で「安全」と言えるか分かりません。不思議な事にキュウリの主産地でもない矢吹町は既に4件の検査が実施されています(1)(22)。図―3に示すように同町は除染が必要なエリアが殆どありません。
 福島産は汚染が酷い主産地を避け、汚染の少ない所を主に検査して「安全」とされ出荷されます。

5.会津坂下町のゼンマイから初めてのセシウムを検出
 以下に福島県会津坂下町産ゼンマイのセシウム濃度の推移を示します。
事故6年目にセシウムが初めて見つかる会津坂下町産ゼンマイ
※1(1)を集計
 ※2 日付は採取日
 ※3 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 図―4 福島県会津坂下町産ゼンマイのセシウム濃度

 原発事故後の過去2回の検査では検出限界未満(ND)でしたが、3回目の検査でセシウムが見つかりました。福島産はセシウム濃度が上昇する事があります。
 6シーズンで3回の検査ですので、2シーズンに1回の検査です。福島県は
「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」
と主張していますが、信じていいんですかね?


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・垂れ流しが続くセシウム汚染食品
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事がある福島産
 これでは福島の方は心配だと思います。
 福島県が力をいれている野菜にキュウリの他にトマトがあります(14)。福島には年間を通じトマトを出荷できる栽培施設があり(24)、福島産トマトは年間を通して楽しめるそうです(25)。福島のトマトは昼夜の温暖差により引き出される、適度な酸味とあふれる甘みがあるそうです(14)。福島県南会津町は福島のトマトの有力な産地です(14)(26)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(27)。でも福島県南会津町のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県南会津町のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図―5 福島産トマトが無い福島県南会津町のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県南会津町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第982報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(5月3週)―栃木の学校給食に基準超のセシウム汚染タケノコ、栃木県は基準超無しと広報―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)(3)中の「3 国立医薬品食品衛生研究所の検査結果」⇒「 (PDF:34KB) 」⇒No1,2
(8)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(5月1週)―2,200ベクレルの栃木県産山菜が売られていた―
(9)学校給食で使用した食材(タケノコ)の放射性物質基準値超過について|宇都宮市
(10)市民持ち込みによる食品放射性物質測定結果 - 大崎市公式ウェブサイト Osaki City Official Website中の「• 5月18日持ち込み分食品放射性物質簡易測定結果 [71KB pdfファイル]」
(11)(3)中の「1 自治体の検査結果」⇒「 PDF 検査結果(PDF:817KB) 」
(12)鳴子温泉 - Wikipedia
(13)(3)中のNo4
(14)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(15)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(16)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(17)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(18)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島・安達広域行政圏の過去半年の死者数は14%増(対原発事故前
(20)トピックス | JA夢みなみ
(21)伊達のきゅうり - 福島県伊達市ホームページ
(22)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「キュウリ」「キュウリ(施設)」で5月24日に検索
(23)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(24)福島)南相馬にトマト工場 年産660トン、3月出荷へ:朝日新聞デジタル
(25)旬の食材 青果 | 一般社団法人福島市公設地方卸売市場協会
(26)南郷トマト |観光情報|福島県南会津町
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(28)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
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  1. 2016/05/24(火) 19:43:15|
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