めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

セシウムは見つからなくと、ストロンチウム90は見つかる福島の食事

 福島県は5月25日、2015(平成27)年度に調査した、福島県内52市町村に住む104人の日常の食事1キロ当たりに含まれる放射性物質濃度の結果を発表しました(1)。それによると
 ①104人中でストロンチウム90が見つかったのが12人分
 ②セシウムが見つからないのに、ストロンチウム90が見つかった方が7人分
でした。食品の基準にはセシウム以外しかなく、これについて厚生労働省は、セシウムを測定ですれば他の放射性物質の量も想定できると説明しています。セシウムが見つからないのに、ストロンチウム90が見つかるならこのような仮説は成立しません。ストロンチウム90についても基準値を決め時々は検査しないと福島産の「安全」は担保されません。
 福島原発事故によって福島の台地には大量の放射性物質がばら撒かれ、福島第一からの汚染水漏れはいまも続いています(3)。
セシウムだけでなくストロンチウム90も見つかる福島第一原発沖外洋
※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 ※3 ストロンチウム90はSR90と略す
 図-1 福島第一外洋(5.6号機放水口北側)の放射性物質濃度

 図に示す通りストロンチウム90が福島第一原発沖の外洋から見つかり続けています。ある物とある物の割合を求める手法に線形回帰なんて方法があります。セシウムとストロンチウム90を比較するなら、セシウムを横軸にストロンチウム90を縦軸とりグラフを作成し、グラフ上の点の上に添って直線を引きます。直線の傾きが割合になります(6)。このような図を「散布図」と呼びます(7)。以下に福島第一外洋(5.6号機放水口北側)でのセシウムに対するストロンチウム90の相関図を示します。
セシウムと同量のストロンチウム90が見つかる福島第一原発沖外洋
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図-2 福島第一外洋(5.6号機放水口北側)の放射性物質濃度の散布図

 図に示す通り福島第一の外洋ではセシウムとほぼ同量のストロンチウム90が見つかっています。福島産について言えば、セシウムだけでなくストロンチウム90も心配です。でも食品の基準値にはセシウムだけでストロンチウム90はありません。これについて厚生労働省は
「放射性セシウム以外の核種(ストロンチウム90、プルトニウム、ルテニウム106)は、測定に時間がかかるため、移行経路ごとに各放射性核種の移行濃度を解析し、産物・年齢区分に応じた放射性セシウムの寄与率を算出し」と説明し、注記に「放射性セシウム以外の核種の線量は、例えば19歳以上で約12%」と説明します(2)。
 理系の大学を卒業した方、あるいは現役に学生さん以外でまずこれを理解できる人はいないと思うので(=^・^=)なりに注記をつければ
 ※核種 放射線を出す物質(放射性物質)の種類(8)。
 ※移行経路 福島第一がばら撒いた放射性物質が食品を通じ、人間の体内に取り込まれるまでのルート(9)。例えば
 水素爆発⇒放牧場の土壌汚染⇒汚染牧草⇒汚染牛⇒汚染牛乳
 が考えられる。
 ※移行濃度 多分、移行係数と同じ意味で使用されているのではないでしょうか?以降計数の放射性物質が移る割合で(10)、1キログラム当たり1、000ベクレルのセシウムに汚染された畑で採れた大豆から160ベクレルの放射性物質が見つかれば
 移行計数は0.16(160÷1,1000)
です。
 ※寄与率 寄与率は寄与度を構成比で表した指標であり、データ全体の変化を100とした場合に構成要素となるデータの変化がどのくらい影響を与えているかを示す指標です(11)。

お役人の習性だと思うのですが、わざわざ専門用語風の言葉を使い分かり難い説明です。(=^・^=)なりに書き換えるなら
「ストロンチウム90とセシウムの割合とある程度は決まっており、セシウムを測ることでストロンチウム90等の影響も分かります。成人ではセシウムによる影響が全体の88%、セシウム以外が12%と想定されます」
になります。セシウムとセシウム以外の放射性物質の割合を想定し、基準値設定されています。
 人工的な操作が無ければこの想定はそれなりに合理性があると思いますが、福島は違います。福島では「放射性物質低減策」と称する対策が実施されていますが(12)、実態は「セシウム抑制策」です(13)。最悪の場合はセシウムが見つからないのにストロンチウム90に汚染された農作物が生まれる可能性があります。ところが食品のストロンチウム90の検査は殆ど実施されていません。(=^・^=)の知る限り
 ①厚生労働省がいろいろな食品をこちゃまぜにして測定するMB方式の調査(2)。
 ②東京電力が福島第一20km圏内で実施している魚介類の検査(14)。
 ③福島県が実施している日常の食事1キロ当たりに含まれる放射性物質濃度の検査(1)
 しかありません。農産物単体の検査は知りません。しかも①②はセシウム濃度が高い物を選んで実施しているので、(=^・^=)が危惧する「セシウムが見つからないのにストロンチウム90に汚染された農作物」の有無の確認には使えません。
 5月25日に福島県は③の2015(平成27)年度に調査した、福島県内52市町村に住む104人(1市町村当たり2人)の日常の食事1キロ当たりに含まれる放射性物質濃度の結果を発表しました(1)。それによると
 ①104人中でストロンチウム90が見つかったのが12人分
 ②セシウムが見つからないのに、ストロンチウム90が見つかったのが7人分
でした。食品の基準にはセシウム以外しかなく、これについて厚生労働省は、セシウムを測定ですれば他の放射性物質の量も想定できると説明しています。セシウムが見つからないの、ストロンチウム90が見つかるならこのような仮説は成立しません。(=^・^=)が驚いたのはストロンチウム90の最高値(1キログラム当たり0.048ベクレル)を出した方の日常食からはセシウムは見つかりませんでした。以下に同調査におけるセシウムに対するストロンチウム90の濃度の散布図を示します。
セシウムが見つからなくともストロンチウム90が見つかる福島の食事
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図-3 福島県の日常食の放射性物質濃度の散布図

 図に示す通りセシウムが見つからなくてもストロンチウム90が見つかる事例が出ています。福島では「セシウムが見つからないのにストロンチウム90に汚染された食品」が存在する可能性があります。福島産はストロンチウム90についても基準値を決め時々は検査しないと「安全」は担保されません。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
まずは調査に協力したいただいた104名の皆様に敬意と謝意を表したいと思います。日常食の検査ですので1人分を多く作り指定された期間は集め続けなければなりません。それなりにご苦労があったと思います。
 この調査の結果を受け、ストロンチウム90の値が低いとしてあたかも「福島産」は安全であるかのような報道がなされていますが(16)、そのような事はありません。この調査は被験者にそれなりの負荷かかかるので、世論調査のような厳密なサンプリング(ランダム(偏向のなく)に対象を選ぶ)(17)など無理です。調査に協力するかたは以下の二つだと思います。
 ①日頃から食品の放射性物質を汚染を気にしている方。このような方が自らの食事を検査して貰えば安心できると思います。ただし、放射性物質を気にされているかたなので日頃から汚染の少なそうな物を選ぶと思います。
 ②調査関係者。一般の協力者がみつかならけれな調査に係る方に関係する方にお願いするしかありません。このような方は調査の目的「セシウム以外の放射性物質の汚染は小さい」を証明する(1)ことを知り得るし、協力するなら依頼者の事を考えると思います。調査期間中は汚染が酷そうな物は避けると思います。
 この調査は最初から低い値が出るように設計された調査です。この調査が証明した事実は以下の2点です。
 ①日頃から汚染が酷そうな物を避けていれば、放射生物質の喫食が避けられる。
 ②セシウムが見つからなくても、ストロンチウム90が見つかる食品がある。
です。
 福島産の「安全」を担保するには農産物単品のストロンチウム90の検査が必要です。しかし「時間がかかる」ないし「基準に項目」がいと実施されていないと思います((=^・^=)は調査結果を知りません)。仮に高濃度のストロンチウム90が見つかった場合、今の基準値の考え方が崩れ、新たな費用が発生します。確かにストロンチウム90の検査は時間がかかります(2)。でも事故から5年以上も経過しています。十分な時間はあったはずです。(=^・^=)は新たな出費を抑える為に、たとえ公衆に危険が生じても仕方は無いと検査が避けられていた気がします。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県が力をいれている野菜にキュウリがあります(17)。主な産地は須賀川市や伊達市です。須賀川市でキュウリの出荷が始まり(18)、伊達市のキュウリは4月からがシーズンです(19)。福島のキュウリは美味しいそうです(20)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(21)。でも福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県南相馬市のスーパーのチラシ

※(22)を引用
 図―4 福島産キュウリが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)日常食の放射線モニタリング結果 - 福島県ホームページ
(2)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(5月4週)―2週連続で外洋からトリチウム―
(4)報道配布資料|東京電力
(5)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果 」
(6)散布図 - Wikipedia
(7)回帰分析 - Wikipedia
(8)新潟県:どんな放射性物質(核種)があるの?
(9)放射性物質の人体までの移行経路 (09-01-03-01) - ATOMICA -
(10)Doc:Radiation/Agriculture - Metabolomics.JP
(11)なるほど統計学園高等部 | 時系列分析
(12)放射性物質農作物モニタリング情報 | 農業 | JAふくしま未来
(13)作物学会技術賞を受賞 放射性セシウム吸収抑制 県農業総合センター研究者5人 | 県内ニュース | 福島民報
(14)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>***四半期採取分 」ただし***には年度と第1、第2、第3ないし第4が入る。
(15)日常食の放射性物質濃度、食品基準値を大幅に下回る:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(16)世論調査 - Wikipedia
(17)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(18)トピックス | JA夢みなみ
(19)伊達のきゅうり - 福島県伊達市ホームページ
(20)福島県 すかがわ岩瀬農業協同組合 (きゅうり)~「パリッと新鮮でおいしい 岩瀬きゅうり」~ 月報 野菜情報-産地紹介-2010年9月
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(22)Webチラシ情報 | フレスコキクチ
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  1. 2016/05/27(金) 19:43:02|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

少量の放射線は体に良いと思ってる人が周りにいます。くらくら目眩がする発言です。理解不能です。こういうふうに思う人ってめげねこ様はどう思われますか。私にはあり得ない発言です。大多数のdoctorは震え上がって怖がっています。思考停止する発言です。私には…
  1. 2016/05/30(月) 18:44:59 |
  2. URL |
  3. ぶぶ #-
  4. [ 編集 ]

思い出しました。
だいぶ前ですが、セシウムが少ししか入っていないのに、ウランが結構入っていたイワシが見つかったこと。
私は我慢できなくて、イワシを含め魚をバリバリ食べてしまっている。
けれど、小さいお子さんや生殖年齢にある若い方がたには、本当に気を付けて欲しいです。
その為には、いろんな核種の放射能を測って、公表しないといけないですよね。
セシウムだけで事足りて居るなんてことは、絶対にないです。
忘れかけていたことを思い出させてくれて、ありがとう。
  1. 2016/06/04(土) 10:50:15 |
  2. URL |
  3. あんこ #-
  4. [ 編集 ]

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