めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(6月1週)―外洋からトリチウム―

 福島第一原発汚染水の6月1週(5月30日から6月5日)の状況を纏めてました。
 ①外洋から相変わらず見つかるトリチウム等の放射性物質
 ②見つかり続ける港湾口の全ベータ
 ③地下貯水槽の周囲の全ベータ再上昇
 ④排水基準を超えたままの地下水ドレン汲み上げ水のトリチウム濃度
 ⑤地下水バイパス山側井戸のトリチウム濃度が急上昇
 ⑥海岸付近の井戸から過去最高の全ベータ
 ⑦サブドレンのトリチウムの5月の放出量は188億ベクレル
等が確認され、先週に続き(1)今週も福島第一から海への汚染水漏れが続いています。

1.外洋から相変わらず見つかるトリチウム等の放射性物質
 事故から5年以上経過しましたが、外洋からは相変わらずトリチウム等の放射性物質が見つかっています。
事故から5年3ヶ月にたっても放射性物質が見つかる福島第一原発沖外洋
 ※1 (4)~(5)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(6)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度
 
 この中で「南放水口付近」が気になります。以下に放射性物質濃度の推移を示します。
下がる気配が無い福島第一原発沖外洋・南放水口付近の放射性物質濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 南放水口付近の放射性物質濃度

 事故から5年3ヵ月が経過していますが、下がる気配がありません。

2.見つかり続ける港湾口の全ベータ
 図―1に示す様の福島第一の沿岸には港湾があります。ここに汚染水が流入し外洋に流れ出しそうなので、港湾内の汚染水濃度が気になります。
外洋より高い濃度の放射性物質が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (4)(5)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は4月25日
  ※5 排水口の位置は(8)、サブドレン排水口の位置は(9)による。
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 港湾口は外洋との境界です。ここで放射性物質が見つかる限り外洋への放射能漏れは「ブロック」されません。以下に「港湾口」の放射性物質濃度の推移を示します。
見つかり続ける港湾口の全ベータ
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―4 港湾口の放射性物質濃度

 図に示す通り全ベータ等の放射性物質が見つかり続けています。外洋への放射能漏れは「ブロック」されてませんし、「コントロール」もされて今ません(9)。

3.地下貯水槽の周囲の全ベータ再上昇
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(10)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(11)。以下に今週の結果を示します。
全ベータが見つかる地下貯水槽周辺
 ※1(11)を集計
 ※2 位置は(10)による。
 ※3 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 ※4 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-5 地下貯水槽周囲の全ベータ濃度

 図に示す通り多くの観測孔で全ベータが見つかっています。この中で気になるのが地下貯水槽i(漏えい検知孔水)です。以下に推移を示します。
再上昇した地下貯水槽i(漏えい検知孔水)の全ベータ濃度
 ※(11)を集計
 図-6 地下貯水槽i(漏えい検知孔水)の全ベータ濃度

3月になり突然に全ベータがみつかり出し、2ヵ月近く見つかり続けています。意一度は下がったのですが再上昇です。そのうち拡散して福島の海を汚染しないか心配です。

4.排水基準を超えたままの地下水ドレン汲み上げ水のトリチウム濃度
 福島第一で海岸に水を通さない「壁」を作り海岸から海への汚染水の防止する「海側遮水壁」を完成させました(12)。それまでは「海」に流れていた汚染水が「海側遮水壁」の内側に溜まり放置すると溢れるので、これを汲みあげています(14)。これを「地下水ドレン」と名付けています。トリチウムの排水基準は1リットル当たり1,500ベクレルで(2)、これを超えると海には流せません。東京電力はトリチウムを取り除くことはできないとしています(13)。以下に地下水ドレンから汲み上げた汚染水のトリチウム濃度を示します。
排水基準を超えたままの地下水ドレン汲み上げ汚染水のトリチウム濃度
※(14)(15)にて作成
 図―7 地下水ドレン汲み上げ汚染水のトリチウム濃度

 以下にA,B,Cの3系統の配置を示します。
地下水ドレンの配管とタンク
※(14)にて作成
 図-8 地下水ドレンの井戸と一時保管用のタンク

 図に示す通り南側のC系統を除き、排水基準の1リットル当たり1,500ベクレルを超えており「海」に流すことが出来ません。現状は概ねタービン建屋に送っていますが(16)、これが汚染水の増加要因となっています(17)。なかかた対策が見えないようです(17)(18)。

 汚染水打開策見えず と報じる福島民報
※(19)を引用
 図―9「汚染水打開策見えず 」と報じる福島県の地方紙・福島民報

 このままトリチウム濃度が下がらなければ、汚染水を溢れさすか海に流すかしかたがなくなると思います。

5.地下水バイパス山側井戸のトリチウム濃度が急上昇
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(20)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(21)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(22)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
※1 (21)(22)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―10 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのはE-9井戸のトリチウム濃度です。以下に推移を示します。
トリチウムが見つかるようになったE-9井戸

 ※1(21)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図―11 E-9井戸のトリチウム濃度

 図に示す通りこれまであまり見つかる事はありませんでした。濃度は低いのですが、最近は見つかるようになりました。トリチウムの拡散が進んでいます。やがて地下水バイパス等を経由し福島の海を汚す事になるはずです。

6.海岸付近の井戸から過去最高の全ベータ
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―12 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 この中でNo1-17井戸の全ベータの1リットル当たり21万ベクレルは過去最高(新記録)です。以下に推移を示します。
過去最高を記録したNo1-14井戸の全ベータ
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 ストロンチウム90はSR90と略す
 図―13 No1-6井戸の放射性物質濃度

 この井戸は上昇を続けていましたが、いったんは収まりまいた。でも再び上昇に転じ過去最高を記録しました。この先が心配です。

7.サブドレンのトリチウムの5月の放出量は188億ベクレル
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(23)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(24)半年以上が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(25)(26)、濃度×排出量で月別のトリチウムの排出量を求めてみました。
3,5,5月とおおよそ120億ベクレルで高値安定したサブドレンの月別トリチウム排出量
 ※(25)(26)を集計
 図―14 サブドレンの月別のトリチウム排出量

 図に示す通り運用開始後からトリチウムの排出量が増え続けましたが、3,4,5月とほぼ高い値で安定し月当たり概ね120ベクレルです。3~5月の排出量の合計は372億ベクレルなので4倍して年間では15,000億ベクレル程度になりそうです。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。ただしグラフはこちら(ブログ図表)を参照ください。
 6月3日に安倍出戻りが福島に行ったようです。福島は「安全」だとか、「風評被害」だとを主張したようですが(27)、福島の皆様を説得できたか気になるところです。
福島に行った安倍出戻り総理
 ※(28)をキャプチャー
 図―15 福島に行った安倍出戻り総理

 福島県福島市ではサクランボの出荷が始まったそうです(29)(31)。福島市を中心とする福島盆地は福島でも果物作りが盛んな所です(32)。サクランボに始まり、モモ、ナシ、リンゴと続く(33)福島の果物シーズンの幕開けです。福島産サクランボは福島のサクランボは、果肉と果汁が多いのが特徴だそうです(33)。福島産果物は「安全」だと主張する方もいます(34)。でも福島県は福島産サクランボを「安全」だとは言っていません(35)(36)。
サクランボの安全宣言をしない福島県
※(36)を引用
 図―16 サクランボが抜けている福島県の果物「安全宣言」

そして福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが載っていない福島県会津若松市のスーパーのチラシ
  ※(37)を引用
 図―17 福島産サクランボが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(5月5週)―3週連続で排水路から法令限度を超える汚染水が海へ―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(7)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(8)2015年9月2日 海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 3.53MB)
(9)安倍首相「アンダーコントロール」のウソ|WEBRONZA - 朝日新聞社
(10)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(11)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」および「地下貯水槽観測孔 分析結果 」
(12)海側遮水壁|東京電力
(13)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(14)(2)中の「中継タンクの分析結果」
(15)X.地下水|東京電力中の「地下水ドレンポンド・中継タンク水質分析」⇒「分析計画名称 地下水ドレンポンド揚水井通常水質分析(H28年度分)」⇒「分析結果 CSV 」
(16)(3)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(17)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(6月1週)―凍土遮水壁に大穴―
(18)汚染水打開策見えず 凍土壁・保管タンク・海洋放出 第一原発 | 県内ニュース | 福島民報
(19)福島民報を6月5日に閲覧
(20)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(21)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(22)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(23)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(24)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(25)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(26)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(27)安倍首相、福島県を視察 海産物の風評払拭に意欲:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(28)「安倍首相、福島で魚市場などを視察」 News i - TBSの動画ニュースサイト
(29)トピックス | JAふくしま未来
(30)サクランボ「佐藤錦」出荷スタート 福島で果物シーズン到来:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(31)めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地
(32)食べ頃カレンダー
(33)フルーツを食す - 福島市ホームページ
(34)Q1.福島県産の野菜/果物は本当に安全なのか | 福島あんしんネット
(35)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(36)(35)中の「くだもの編 [PDFファイル/137KB]」
(37)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2016/06/05(日) 19:49:23|
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