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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島甲状腺本格調査57人―放射線量の高・低の地域で罹患率に4倍近い差-

 第23回福島県「県民健康調査」検討委員会が本日(6月6日)に開かれました(1)。2順目の「本格調査」の結果をみると
 汚染が酷い平成23,24年先行検査実施地域 158,698人中48人 罹患率0.030%
 汚染が比較的マシな平成25年先行検査実施地域 109,071 人9中人 罹患率0.006%%
で、放射能汚染が酷い場所では福島県内ではマシな場所の4倍近い割合で見つかっています。本格調査は現時点で検査未了の部分あり単純な比較は無理ですが、放射能汚染が酷い場所では罹患率が高くなっています。
 チェルノブイリ原発事故後に明らかになった健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんがあります(2)。
福島県では、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、子どもたちの健康を長期に見守るために、甲状腺(超音波)検査を実施しています(4)。当初の見込みは100万人に1,2名の想定でしたが(4)、最新の結果(1)では
  約30万人を検査して173名
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つかっています。およそ1万に5、6人と当初の想定に比べ極めて高い割合です。
どんどん増える福島の甲状腺
 ※(5)を集計
 図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌

 これについて福島原発事故の為とも(6)、そうでないとも主張があります(7)。現時点の公式見解は
「事故当時5 歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(8)。
 甲状線検査は「先行調査」と「本格調査」の2段構えで実施されています(8)。先行調査は福島県を3つに分け、2012年度から14年度で実施されています。
福島甲状腺検査の区分け
 ※1(9)の数値データを元に(10)に示す手法で6月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(11)による
 ※3 区分は(12)による。
 ※4 原資料(12)は「平成」で記載の為に図では「平成」で記述
 図-2 福島甲状せん・先行調査の区分分け

 図に示す通り2012・13年度(平成24・25年度)に実施された地域は品何地域や国が除染が必要な毎時0.23マイクロシーベルト(13)の地域が広がって地域ですが、2014年度(平成26年度)に先行調査が実施されて地域は福島では比較的汚染はマシな地域です。チェルノブイリでは、原発事故の2~3年後から急な増加が見られるそうです(2)。仮に福島甲状線が原発事故の影響だとすれば、事故後4年の2015年度から開始された本格調査に影響が表れるはずです。以下に甲状腺・本格調査での市町村別の罹患率を示します。
東が高く西が低い福島の甲状腺罹患率
※1(1)を集計
 ※2 悪性ないし悪性の疑いの方の割合で集計
 図―3 福島甲状腺・本格調査での市町村別の罹患率

図に示す通り先行調査が2012・13年度に実施された地域に比べ2014年度の罹患率が低くなっています。数値を記載すると
 汚染が酷い平成23,24年先行検査実施地域 158,698人中48人 罹患率0.030%
 汚染が比較的マシな平成25年先行検査実施地域 109,071 人9中人 罹患率0.006%%
で、放射能汚染が酷い場所では福島県内ではマシな場所の4倍近い割合で見つかっています。本格調査は現時点で検査未了の部分あり単純な比較は無理ですが、放射能汚染が酷い場所では罹患率が高くなっています。そのうちもっと確度の高い結果が出てくると思います。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。ただしグラフはこちら(ブログ図表)を参照ください。
 (=^・^=)が注目しているのに「三春町」では本格調査で悪性ないし悪性の疑いの方が見つかっていない事です(1)。図―3に示す通り隣接する市町村では全て見つかっています。ヨウ素剤は原発事故による甲状腺癌の発症を抑える可能性があると言われていますが(14)、確たるデータはありません。そして「三春町」は町独自の判断で原発事故後に町民にヨウ素剤の服用を勧めました(15)。政府事故調査委員会ヒアリング記録を見ると(16)三春町の皆さんは非常にご苦労されて決断されたようです。統計的には現時点で差があるとはいえまんせんが、三春町の皆様のご苦労の「成果」が出た可能性が高いのは事実です。
 図―3に示すように「本格調査」をみれば地域差がありそうです。でも福島県の公式見解は
 「地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(8)。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県福島市ではサクランボの出荷が始まったそうです(16)(17)。福島市を中心とする福島盆地は福島でも果物作りが盛んな所です(18)。サクランボに始まり、モモ、ナシ、リンゴと続く(20)福島の果物シーズンの幕開けです。福島産サクランボは福島のサクランボは、果肉と果汁が多いのが特徴だそうです(21)。福島県は福島産について「安全な食品を供給するため、県がモニタリング検査を実施するほか、産地においても米の全量全袋検査など検査を実施しています。」と主張しています(22)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
※(23)を引用
 図―4 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第23回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成28年6月6日)の資料について - 福島県ホームページ
(2)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(3)甲状腺検査について - 福島県ホームページ
(4)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の「当日配布資料 」
(5)「県民健康調査」 検討委員会・甲状腺検査評価部会等について - 福島県ホームページ
(6)福島原発事故「がん無関係」に反論 神戸の医師が論考発表 2015/7/25 07:02 神戸新聞
(7)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(8)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(9)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(11)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(12)第20回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年8月31日)について - 福島県ホームページ中の「 資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要【確定版】 [PDFファイル/1.36MB]」
(13)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(14)ヨウ素剤 - Wikipedia
(15)【ヨウ素剤配布】国指示前に避難拡大 いわき、三春 独自決断 | 東日本大震災 | 福島民報
(16)政府事故調査委員会ヒアリング記録 - 内閣官房中の「工藤 浩之 三春町保健福祉課 課長 」(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai_3/023_koukai.pdf)
(17)トピックス | JAふくしま未来
(18)サクランボ「佐藤錦」出荷スタート 福島で果物シーズン到来:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(19)めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地
(20)食べ頃カレンダー
(21)フルーツを食す - 福島市ホームページ
(22)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(23)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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  1. 2016/06/06(月) 19:44:06|
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