めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島産ヒラメの出荷制限解除―2015年10月には740ベクレルのセシウムが―

 福島産ヒラメの出荷制限が解除されました(1)(2)(3)。安全が確認された結果なら大変に嬉しいことです。でも、福島原発事故の影響を小さく見せる為にデータを操作し「安全」だとされたら大変に怖いことです。福島第一原発からは事故から5年3ヶ月たった今も汚染水の海への流出が続いています(4)。東京電力の発表によれば福島第一の港湾口付近でとれたヒラメから1キログラム当たり740ベクレルのセシウムが見つかっています(5)。
 福島にとってヒラメは特別な魚のようです。福島県が取り上げる主要な11種の農林水産物で水産物としてはヒラメだけが取りあげられています(6)。ヒラメは福島にとって特別な魚のようです(7)。福島産ヒラメの出荷制限が解除されました(1)(2)(3)。
ヒラメの出荷制限解除を報じる福島県の地方紙・福島民報
※(8)をキャプチャー
 図-1 福島産ヒラメの出荷制限解除を報じる福島県の地方紙・福島民報

本当に安全が確認された結果なら大変に嬉しいことです。厚生労働省は解除を決定した理由とを
「検出された放射性セシウムの平均値は9 . 7 Bq/kg であり、安定して基準値を下回っていることが確認されたため」
としています(9)。その根拠として以下のようなグラフを掲載しています。
実際より低い検出限界値がプロットされたヒラメの検査結果
 ※1(9)を編集・加筆
 ※2 縦横比も修正いじっています。
 図―2 厚生労働省が発表した福島産・ヒラメのセシウム濃度

以下に厚生労働省の発表(10)を元に(=^・^=)が作成した同様のグラフを示します。
福島産ヒラメの検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界以下であることを示し、検出限界値をグラフに記載
 図-3 福島産ヒラメのセシウム濃度

 図-2と図―3を比べると微妙な違いがあります。以下1キログラム当たりの数値ですが、8ベクレルのあたりにデータが並んでいます。これについて厚生労働省は「※ 不検出の場合134Cs、137Cs 合算値として8Bq/kg を代入し作図した。」としています(9)。図ー3に示すように福島産ヒラメ検査の現出限界値は10~20ベクレルです。厚生労働省の図には実際より低い検出限界値が使われています。厚生労働省は解除の理由に「採取されたひらめ1,078検体について検査を行った結果、検出された放射性セシウムの平均値は9.7 Bq/kg であり、安定して基準値を下回っていることが確認されたため」としていますが(9)、検出限界未満の物は実際の検出限界値であったとして平均値を(=^・^=)が計算すると、1キログラム当たり16ベクレルです。厚生労働省は実際より低い検出限界値を用いセシウム汚染の程度を低く見せています。
 福島県は6月1日に福島産ヒラメから1キログラム当たり28ベクレルのセシウムが見つかったと発表しました(11)。しかし図―2(厚生労働省発表)には含まれていません。福島のヒラメのシーズンは9、10、11月です(6)。昨シーズンには基準値ギリギリの1キログラム当たり74ベクレルのセシウムが見つかっています。図―3の示す様に概ね1~4月はセシウムが低くなるようですが、9、10、11月は高いようです。検査結果をまとめると
 2015年1-4月 検査163件で最大でが1キログラム当たり22ベクレル
 2015年9-11月 検査143件で最大が1キログラム当たり74ベクレル
 2016年1-4月 検査154件で最大が1キログラム当たり15ベクレル
です。最後のデータがこれからセシウムが上昇する兆候ととらえれば、およそ「安定して基準値を下回っている」とは言えません。
 6月1日発表の1キログラム当たり28ベクレルのヒラメは5月23日に採取されたものです。その前の発表は5月25日にありましたが(13)、概ね5月23日に採取されたヒラメの検査結果はここで発表されていいます。このヒラメだけ発表が遅れています。厚生労働省は福島県が5月までに発表した検査データを集計していますので(9)、1キログラム当たり28ベクレルのヒラメは集計の対象が外れました。
 福島産ヒラメの分析機関を「分析機関 福島県農業総合センター」としています(9)。ここは福島県農林水産部の機関であり中立性に疑問があります(14)。だいたい他の検査機関に比べ検査結果が低くでます(15)。以下に宮城県が検査した宮城県産、茨城県が検査した茨城産クロダイ、福島県農業総合センターが検査した福島産クロダイの検査結果を示します。
宮城50(Bq/kg)、福島ND、5・6月のクロダイの検査結果
 ※1(10)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 ※3 日付は捕獲日
 図-4 4・5月のクロダイ検査

 宮城や茨城ではそこそこセシウムが見つかっているのに、福島県が検査した福島産クロダイは全て検出限界未満です。汚染源は福島にあるのにありえない話です。
 出荷制限を解除する海域は
「2 出荷制限を解除する範囲
最大高潮時海岸線上宮城福島両県界の正東の線、我が国排他的経済水域の外縁線、最
大高潮時海岸線上福島茨城両県界の正東の線及び福島県最大高潮時海岸線で囲まれた海
域(以下「福島県海域」という。)」
であり(9)、福島第一原発の直ぐ側も含まれているいます。当然ながら福島第一原発の港湾口付近の海域も含まれています。以下に東京電力が発表した福島第一港湾口付近のヒラメのセシウム濃度を示します。
 ※(17)を集計
 図―5 福島第一港湾口付近のヒラメのセシウム濃度

 図に示す通り、昨年の10月には基準値(18)の7倍を超える1キログラム当たり740ベクレルに汚染されたヒラメが見つかっています。
 以上を纏めると
 ①実際より低い検出限界値を使用している。
 ②高い濃度が出た検査結果は集計が公表が遅れ、集計の対象から外れている。
 ③検査機関として信頼性に疑問がある福島県農業総合センターの検査結果を用いている。
 ④解除範囲に含まれる福島第一原発・港湾口付近の検査結果を無視している。
とのデータ操作によって、福島産ヒラメは「安定して基準値を下回っていることが確認された」とされ出荷制限が解除されました。
 (=^・^=)はヒラメのストロンチウム90も気にしています。東京電力は時々、福島産魚のストロンチウム90を測定し発表していますが(19)、ヒラメの結果がありません。確かにストロンチウム90の測定は時間がかかるし、基準値もありません(18)。でも事故から5年3ヶ月が経過しました。出荷制限解除前に1度くらいは測定する時間は十分にあったはずです。避けているような気がします。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。ただしグラフはこちら(ブログ図表)を参照ください。
 本文に記載の通り福島産ヒラメの出荷制限は「安定して基準値を下回っていることが確認された」から解除されたのでなく、データを操作し「安全」だとされ解除されました。図-1に示す様に今日(6月10日)の福島発の報道によれば(20)、
福島の避難地域で避難解除に合わせ鉄道を再開するために試運転が始まったそうです。いつかか記事したいと思いますが、これも強引だと思います。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県が力の入れている野菜にアスパラガスがあります。6月の福島はアスパラガスの季節です(6)。福島のアスパラガスの産地の一つに福島県・安達地区があります(21)。ここは福島での避難地域に次いで汚染が酷く、原発事故後に葬式も増えています(15)。安達地区のアスパラガスは「太くてやわらかな歯ごたえあり、肥沃な大地の恩恵を受けた極上品」だそうです(21)。福島県は福島産アスパラガスは「安全」だと主張しています(22)。でも福島県安達郡大玉村のスーパーのチラシには福島産アスパラガスはありません。
他県産はあっても福島産アスパラガスが無い福島県安達郡大玉村のスーパーのチラシ
 ※(23)を引用
 図―6 福島産アスパラガスが無い福島県安達郡大玉村のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県安達郡大玉村の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の解除 |報道発表資料|厚生労働省
(2)ヒラメ出荷制限解除 本県沖、試験操業開始へ | 県内ニュース | 福島民報
(3)ヒラメ漁が再開へ、9月にも流通 「常磐もの」主力・出荷停止解除:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(6月1週)―外洋からトリチウム―
(5)2015年11月18日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>(PDF 121KB)
(6)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(7)漁業者「ヒラメは特別な魚」 福島県沖・出荷停止解除:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(8)福島民報を6月11日に閲覧
(9)(1)中の「(別添2)(PDF:2,741KB)」
(10)報道発表資料 |厚生労働省
(11)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ中の「水産物」
(12)(10)中の「平成28年6月1日公表:水産物(H28.5.18-30採取分) [PDFファイル/249KB]」(http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/167724.pdf)のNo40
(13)(10)中の「平成28年5月25日公表:水産物(H28.5.9-23採取分) [PDFファイル/230KB]」(http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/166390.pdf)
(14)農林水産部 - 福島県ホームページ
(15)めげ猫「タマ」の日記 福島産について
(16)報道配布資料|東京電力
(17)(16)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内> 」
(18)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(19)(16)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>201*年度第*四半期採取分 」
(20)JR常磐線 試運転スタート 小高-原ノ町 5年ぶり乗り入れ | 県内ニュース | 福島民報
(21)特産品情報 | 地区別くらし情報 安達地区 | JAふくしま未来
(22)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(23)PLANT-5 大玉店 | SUPER CENTER PLANT
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  1. 2016/06/10(金) 19:47:49|
  2. -
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