めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(6月2週)―汚染水は想定以上に増えます―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、6月2週(6月5日から11日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①汚染水は想定以上に増えます
 ②サブドレンパイプが詰まります。止めて掃除ができません。
 ③地下水ドレン汲み上げ水が塩辛く浄化装置に投入できません。
 ④凍土遮水壁の「大穴」は今週も空いたまま
 ⑤メルトダウン通報遅れは「第三者委員会」では解明できません。

1.汚染水は想定以上に増えます
  福島第一では原子炉・タービン建屋に地下水が侵入したり、海への汚染水流出を防止するために設けた海側遮水壁(2)の内側に溜まった汚染水を汲みあげる戻す地下水ドレン等(13)(4)で汲み上げた汚染水をタービン建屋に戻すなのどして日々汚染水が増えています。6月9日に新たな汚染水量の見込みが発表されました(6)。従前の発表は4月28日なので(7)で比較してみました。
見直しで増えた汚染水量
 ※(6)(7)にて作成
 図-1 福島第一の汚染水量(処理水等)の想定

 図に示す様に汚染水量の想定を見直したら従前より多くなっています。福島第一では氷の壁て地下水の流れを遮断する「凍土遮水壁」の凍結作業を進めていますが(8)、当初は5月中旬から効果が出る想定でしたが(6)(7)、効果が出ないので(1)、7月1日から効果が出る想定に変更したそうです(6)。だだし会見を聞いていると(9)、7月1日から効果が出る確たる根拠はないそうです。想定通りに凍土遮水壁の効果が表れず現状のまま汚染水が増え続けたらどうなるか(=^・^=)なりに作図していみました。
現状では秋にはタンク容量を超えそうな福島第一汚染水
※(6)にて作成
 図―2 現状のまま汚染水が増え続けた場合の汚染水量の想定

 図に示す通りこの秋くらいには汚染水量がタンク容量に追いつき溢れさすか、ましな汚染水から海に流すしかなくなるかもしれません。

2.サブドレンパイプが詰まります。止めて掃除ができません。
 福島第一では原子炉やタービン建屋の側から汚染地下水を汲み上げ海に流すサブドレンを実施しています(4)。サブドレンのパイプが地下水に不純物が付着してパイプが詰まってしまう現象がでたそうです(10)。普通なら止めて掃除するところでしが、サブドレンを止めることができず止めて掃除はできないそうです(9)。
 サブドレンの汚染地下水は
 井戸(ピット:汚染地下水を汲み上げる)⇒中継タンク⇒集水タンク⇒浄化装置⇒一時貯留タンク⇒海
の順に送られ(4)(10)、最終的に浄化装置で取り切れない放射性物質と共に(4)福島の海に捨てられ汚すのですが、中継タンクの間にバイパス用の配管を作る事になりました。
サブドレン中継タンク間に設置が計画されるバイパス配管
※(10)を引用
 図―3 中継タンク間に設置が新たに計画されたサブドレン配管

 会見(9)では当初から想定したか想定外かは明言は無かったのですが、(=^・^=)にはサブドレンを運用していたらパイプが詰まる現象が起きてしまい清掃を可能にするために慌ててバイパス用の配管の増設工事をしたように思えます。

3.地下水ドレン汲み上げ水が塩辛く浄化装置に投入できません。
 地下水ドレンで汲み上げた汚染地下水は汚染が酷く「浄化装置」に通しても排水基準をみたせず(12)、タービン建屋に貯めています。タービン建屋に貯める別の理由として
 塩分濃度が高く浄化装置に送れない
事が明らかになりました(10)。会見(9)を聞いていると想定外のようのです。慌てて汚染水から塩分を除去する「RO装置」設置するそうです。
地下水ドレンにRO淡水化装置を接続すると発表する東京電力
 ※(10)を引用
 図-4 RO装置の設置を発表する東京電力資料

 会見ではこれで地下水ドレン汲み上げ汚染水を全て浄化装置に送り、海に流す事を「目標」にする言っていました。以下にRO装置の原理を示します。
濃い残水が原理的に残るRO淡水化装置
 ※(11)(12)で作成
 図-5 RO装置の原理

 RO装置は不純物を含む水に圧力を加へRO膜と呼ばれる特殊な膜を使い不純物の少ない「水」を絞り出す装置です(11)(12)。副産物としてより濃い(汚染が酷い)水が出て来るのですが、図-4に示す様に東京電力の資料(10)には副産物の濃い汚染水の行先の記載がありません。原理的に汚染水を全て浄化装置に送り海に流す事はできません。東京電力が原理的にできない事を「目標」にするようです。

4.凍土遮水壁の「大穴」は今週も空いたまま
 地下水ドレンからの汲み上げ量を減らし汚染水の増加を抑える為に、海側遮水壁とタービン建屋の間に氷の壁「凍土遮水壁」を凍らす作業が行われています(8)。ここに凍らない「大穴」が開いているのは先週にお伝えしましたが(1)、大穴は今週も空いたままです。凍土壁の両側には地下水位を観測する井戸RWとCoが設けられています。以下に「凍土壁」と海側遮水壁の配置を示します。
凍土遮水壁と海側遮水壁
 ※(13)(14)にて作成
 図―6 凍土遮水壁と海側遮水壁

以下に東京電力が「海4-①」となずけた場所の図1に示すSD(サブドレン),RW,Coおよび地中温度の観測点の水平位置を示します。
海4-①の配置
 ※1(13)(14)にて作成
 ※2 凍土遮水壁は「凍土壁」と略す
 図―7 海4-①付近の配置

 以下に海4-①付近の地下水位を示します。
凍結開始後も変化しない海4-①付近の地下水位

  ※(14)にて作成
 図-8 海4-①付近の地下水位

 もし地下水の流れを遮ることができれば海側の地下水位観測点Co-10の地下水位が下がり、山側の地下水位観測点RW21の水位は上昇しても良いはずですが、図に示す通り殆ど変化はありません。以下に温度観測点16の温度の推移を示します。
凍結開始後も0℃以下にならない海4-①の地中温度
 ※(14)にて作成
 図―9 海4-①付近の地中温度

 図に示す通り0℃を超えたままです。これでは水は固まりません。以下に海4-①付近の地中の温度分布を示します。
大穴が空いている海④-1付近の凍土壁
 ※(14)にて作成
 図-10 海4-①付近の温度分布

 図に示す通り温度観測点16のOP-9m付近(地下18m)に0℃を超える「大穴」が開いています。これではここから地下水が流れだし、遮水(水の流れを遮る)効果はでません。先週は海1-①当たりの大穴を紹介したのですが(1)、こちらの大穴も空いたままです(14)。
 以下に地下水ドレンの汲み上げ量の推移を示します。
凍結開始後も減らない地下水ドレンからタービン建屋への移送量
※(15)を集計
 図-11 地下水ドレンからタービン建屋への移送量

 図に示す通り減っていません。凍土遮水壁を凍らせても大穴が空いていてはそこから水が流れだして行きます。
 東京電力は大穴の空いている場所にセメントを流し込んで凍土遮水壁を補強する工事(13)を6月8日から開始しました(16)。範囲は図-6の黄色の点線で囲んだ当たりで(13)、海④-1の大穴には実施されません。また反対側(山側)の凍土遮水壁の凍結を6月6日に始めました。図-1に示すように7月1日から汚染水の増加が抑えられる想定をしていますが、たぶんこの2つの効果を期待してだと思いますが、あと20日で効果が出るとは思いません。流れる水は凍りません(18)。凍土遮水壁が全てが凍ることなくどこかに「大穴」が残り、そこから地下水が漏れ出し効果を上げることはない気がします。

5.メルトダウン通報遅れは「第三者委員会」では解明できません。
 東京電力は2月24日に福島第一原発がメルトダウンを起こしたことは当時の東電マニュアルに従えば2011年3月14日には分かったはずの旨を公表しました(19)。東京電力がが炉心溶融を認めたのは2011(平成23)年5月。この間、国には「炉心損傷」と報告していました。福島原発事故を2カ月も事故を過小評価していたことになります(20)。これについて東京電力は3月9日に第三者委員会を発足させ解明に当たるとしていました(21)。それから3ヶ月が経過したので、そろそろ調査結果が出てもよいと思っていたら「第三者委員会」では全てが解明できない旨の連絡を6月6日に新潟県に行いました(22)(23)。6月6日の東京電力の会見を聞いていると「第三者委員会」の結論がまもなく出そうな旨を匂わせていました(24)。そして「第三者委員会」では全てが解明できないので、残りは新潟県と東京電力が合同で設置する「東京電力HD・新潟県合同検証委員会(仮称)」に引き継がれることになりました(25)(26)。東京電力って自分の事を調べるにも他所の力(第三者委員会や新潟県)を頼らないとできないようです。
 「委員は、今後調整します。」
とのこと(25)(26)。この問題は福島の皆様も関心が強いと思います(20)。是非とも福島からも委員を出して欲しいと思います。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。ただしグラフはこちら(ブログ図表)を参照ください。
(=^・^=)は福島第一原発の汚染水問題は危機的な危機的な状況にあると思います。福島を汚染せずに乗り切ることは(=^・^=)は無理だと確信しています。ベストな選択はできるだけ福島を汚さないように乗り切ることです。それには福島の皆様の協力が必要です。東京電力に求められるのは「事実を率直に語る」姿勢だと思います。明確な根拠もなく7月から汚染水の増加抑制されるような計画を立てたり、原理的に無理なのに汚染水を全て浄化装置に送り、海に流す事を「目標」とする事などあってはならない事だと思います。東京電力の体質はメルトダウンの公表遅れを起こした2011年から変わってない気がします。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県福島市ではサクランボ「佐藤錦」の収穫作業が盛りを迎えたそうです(27)。
真っ赤に実った福島のサクランボ
 ※(28)をキャプチャー
 図―12 真っ赤に実った福島のサクランボ

 今日(6月11日)は福島県福島市では観光果樹園の開園式がおこなわれたようです(29)。避難地域の次に汚染され、原発事故後に葬式が増えた福島盆地(30)では
 サクランボ⇒モモ⇒ナシ⇒リンゴ
と続く、果物シーズンの幕開けです(31)。福島はサクランボが美味しい季節です(32)。福島県は福島産サクランボは安全だと主張しています(33)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図―13 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(6月1週)―凍土遮水壁に大穴―
(2)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(3)海側遮水壁|東京電力
(4)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(5)中長期ロードマップ|東京電力
(6)(5)中の「廃炉・汚染水対策現地調整会議」⇒「2016年6月9日(第33回)」⇒「【資料2】廃炉・汚染水対策現地調整会議 至近課題の進捗管理表(20.4MB)」(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images1/l160609_08-j.pdf
(7)(5)中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年4月28日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第29回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(29.0MB)」(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images1/d160428_06-j.pdf
(8)陸側遮水壁|東京電力
(9)【2016年6月9日】東京電力 記者会見 - 2016/06/09 17:30開始 - ニコニコ生放送
(10)(5)中の「廃炉・汚染水対策現地調整会議」⇒「2016年6月9日(第33回)」⇒「【資料1-1】発電所内のモニタリング状況等について(3.80MB) PDF」(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images1/l160609_03-j.pdf
(11)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月4週)―サブドレイン効果がなかなか見えず―
(12)RO(逆浸透膜)純水装置・イオン交換樹脂・超純水製造装置など実績のあるトップウォーターシステムズ
(13)第43回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「資料2:陸側遮水壁閉合(第一段階フェーズ1)の状況とフェーズ2への移行[東京電力]【PDF:26MB】」(
(14)2016年6月9日陸側遮水壁の状況(第一段階フェーズ2)(PDF 4.47MB)PDF
(15)報道配布資料|東京電力中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(16)2016年6月8日福島第一原子力発電所陸側遮水壁補助工法の施工状況について "
(17)2016年6月6日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第一段階(フェーズ2)開始について
(18)0℃でも凍らない水
(19)福島第一原子力発電所事故当時における通報・報告状況について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(20)【復興の道標・不信の連鎖】続く東電の隠蔽体質 「今は答えない方が」:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(21)「福島第一原子力発電所事故に係る通報・報告に関する第三者検証委員会」の設置について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(22)新潟県:東京電力から新潟県に対して福島第一原子力発電所事故の検証に関する協力依頼がありました。
(23)新潟県技術委員会から示された「メルトダウンの公表に関し今後明らかにすべき事項」の検証についての新潟県へのご協力のお願いについて|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(24)【2016年6月6日】東京電力 記者会見 - 2016/06/06 17:30開始 - ニコニコ生放送
(25)新潟県:「東京電力HD・新潟県合同検証委員会(仮称)」の設置について
(26)東京電力HD・新潟県合同検証委員会(仮称)の設置について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(27)トピックス | JAふくしま未来
(28)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2016年6月10日(金)放送」
(29)あづま果樹園で11日、市観光農園開園式:おでかけ - 47NEWS(よんななニュース)
(30)めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地
(31)食べ頃カレンダー
(32)福島さくらんぼ狩りの時期とおすすめ人気スポット! | 豆知識PRESS
(33)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(35)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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  1. 2016/06/11(土) 19:45:35|
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