食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。6月2週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。今週は基準超えです。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数1,700件中6件の基準超え(全体の0.4%)
②平均は、1キログラム当たり4ベクレル、最大240ベクレル(宮城県産タケノコ)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(5)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年6月2週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
基準超えの食品が宮城、千葉で見つかっています。今週の検査結果で(=^・^=)が気になったのは以下の通りです。
①福島市の果樹園は無検査で開園式
②福島いわきのヒラメは30件全数ND、でも茨城はセシウム入り
③福島は検査機関を公表しません
④上昇する福島産乾しシイタケのセシウム濃度
1.福島市の果樹園は無検査で開園式
福島は果樹王国と言われていますが(7)、福島県全域で果物が採れる訳ではありません。概ね福島市を中心とする福島では避難区域に次いで汚染が酷く、原発事故後に葬式が増えた福島盆地が中心です(8)(9)。6月11日に福島市で観光果樹園の開園式が行われました(10)。福島県福島市は
サクランボ⇒モモ⇒ナシ⇒リンゴ
と続く(11)、果物シーズンの幕開けです。確り検査して欲しいと思います。以下に福島県の今年の果物の検査状況を纏めました。

※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で6月1日時点に換算
※2 避難区域は(14)による
※3 (1)および(15)を「オウトウ(サクランボ)」および「モモ」で6月14日に検索
図-2 福島県の果物の検査状況と本記事で取り上げる市
図に示す通り、観光果樹園の開園式が行われた「福島市」の検査結果がありません。福島市の地元の農協の自主検査結果も見当たりません(16)。図に示す通り福島県福島市は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(17)を超える場所が広く広がっています。福島の汚染地帯で栽培される果物は無検査のまま提供されているようです。それでも福島県は福島産果物は「検査されていて安全」と主張しています(18)。
福島の観光果樹園は去年も一昨年も無検査のまま開園式を迎えました(19)(20)。無検査で開園するのが常態化しているようです。
2.福島いわきのヒラメは30件全数ND、でも茨城はセシウム入り
福島県いわき市は図―2に示す様に福島県沿岸部南部に位置し茨城県と接しています。以下に福島県が検査した福島県いわき市産と茨城県が検査した茨城産の今年5月以降のセシウム濃度をしめします。

※1(1)を集計
※2NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
※3日付は捕獲日
図-3 ヒラメのセシウム濃度
図に示す通り福島県が検査したいわき市産ヒラメは30件全てで検出限界未満(ND)なのに茨城県が検査した茨城産ヒラメではそこそこセシウムが見つかっています。汚染源に近いいわき市産が茨城産より低いおかしな話です。
福島県が検査した福島産モモは全数が検出限界未満ですが、他県が検査したりモモジャムで検査するとセシウムが見つかる事、福島産養殖コイを福島県の検査では全数が検出限界未満ですが、福島県外で検査するとそこそこセシウムが見つかる事は先週に記事(4)にした通りです。福島産は他より低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
3.福島は検査機関を公表しません
2項に記載した通り福島県が実施する福島産の検査には疑義があります。どこが検査したか気になるとこです。以下に厚生労働省が発表した(3)福島産の検査機関の「欄」を示します。

※(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果」⇒「検査結果(PDF:131KB)」を抜粋
図―4 福島県の検査機関が表示されない厚生労働省の発表
図に示す通り検査機関の欄は「―」になっています。福島産は検査機関が公表できないくらい怪しげな検査をしているようです
4.上昇する福島産乾しシイタケのセシウム濃度
以下に福島産乾しシイタケのセシウム濃度を示します。

※1(1)を集計
※2NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
※3日付は製造日
図-5 福島産乾しシイタケセシウム濃度
図に示す通り、原発事故6年目に入り汚染が進行しています。福島産はセシウム濃度が上昇する事があり、従前の検査で「基準値」以下であっても安全とは言えません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。ただしグラフはこちら(
ブログ図表)を参照ください。
・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・検査機関も公表できない怪しげな検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは多くの方が福島産を避けると思います。九州や中国地方など西日本の14生活協同組合でつくるグリーンコープ連合(本部・福岡市)が製作した夏ギフトカタログの東日本大震災の復興応援企画で、東北6県のうち福島県のみが除外されて「東北5県」として掲載されていたそうです(21)。

※(22)を引用
図―6 福島県のみが除外されて「東北5県」でカタログが出たことを報じる福島県の地方紙福島民友
(福島)「差別だ」なんて声もあるようですが(23)、このような事を言いだすのは特定の方々のような気がします。本文に記載の通り福島産が「安全」とは言い切れない以上は一つの判断だと思います。福島の方はどうかが気になります。
福島県福島市ではサクランボ「佐藤錦」の収穫作業が盛りを迎えたそうです(24)。福島はサクランボが美味しい季節です(25)。福島県会津若松市でもサクランボ狩りが楽しめる観光農園が開園しているそうです(26)。福島県が福島産サクランボは安全だと主張しいるのは本文に記載の通りです。でも福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。

※(27)を引用
図―7 福島産サクランボが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第985報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月1週)―福島モモジャム8.5ベクレル、モモは98件全てND―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)
果樹王国 - Wikipedia(8)
めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地(9)
福島盆地 - Wikipedia(10)
甘いサクランボに笑顔広がる 福島の観光農園開園 | 県内ニュース | 福島民報(11)
食べ頃カレンダー(12)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV」
(13)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(14)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(15)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。(16)
農作物自主検査 | 農業 | JAふくしま未来(17)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(18)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(19)
めげ猫「タマ」の日記 福島市で観光果樹園開園―今年も検査されていません!(20)
めげ猫「タマ」の日記 福島市の果樹園開園、でも検査はされていません。(21)
東北5県?復興応援...福島県のみ除外 グリーンコープ・ギフト:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(22)
福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-を6月13日に閲覧
(23)
復興応援なのに「東北5県」…福島は? カタログに指摘:朝日新聞デジタル(24)
トピックス | JAふくしま未来(25)
さくらんぼ狩り 会津「ほたるの里」荒井農園 ホームページから予約できます(26)
福島さくらんぼ狩りの時期とおすすめ人気スポット! | 豆知識PRESS(27)
アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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- 2016/06/14(火) 19:43:17|
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