めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

東京電力第三者報告書―5年間嘘を続けて事は解明されていない―

福島第一原発事故によって炉心溶融がおこりました。ところが炉心溶融を東京電力が明確に公表されたのは事故後の2011年4月です(1)。これについて東京電力は「『炉心溶融』や『メルトダウン』といった用語の定義が定まってなく」と説明してきました(2)。ところは今年2月に「炉心溶融」の定義あったと発表しました(3)。東京電力は5年間、嘘をつき続けたことになります。これについて東京電力は第三者委員会を立ち上げ、結果が公表されました(4)。報告者も見て会見も聞いたのですが(4)(5)、「5年間嘘を続けて事」については解明がありません。
 以下に福島第一原発一号機の原子炉加圧力容器付近の構成を示します。
福島第一1号機
 ※(6)にて作成
 図-1 福島第一原発1号機の構成

 東京電力は炉心損傷が5%を超えた場合には「炉心溶融」と判断するとの定義を定めていました(1)。事故のさなかに原子炉を見る訳にも行かないので、図ー1に示す原子炉格納容器の回りを囲む圧力抑制室(S/C)の放射線量が一定の値を超えたら「炉心溶融」と判定するとマニュアルで定めていました(1)。
炉心溶融判定基準
 ※(1)を抜粋・加筆
 図-2 福島第一1号機の炉心溶融基準

 2011年3月14日には炉心溶融の判定基準を超える1時間当たり140シーベルトの放射線量が測定され「炉心溶融」が確定しました。ところが東京電力が炉心溶融を発表したのは2ヵ月後の同年5月です(1)。なお1シーベルトは1000ミリシーベルト、100万マイクロシーベルトです(7)。これについて東京電力は今年2月まで「『炉心溶融』や『メルトダウン』といった用語の定義が定まってなく」と説明してきました(2)。ところが2月にマニュアルに「炉心溶融」の判定基準があり、これを当てはめると2011年3月14日には「炉心溶融」と判定できた発表しました。東京電力は「炉心溶融」について判定基準があるのに無いと5年間も嘘をついていました。
 この問題の調査を第三者委員会にゆだねると発表しました。第三者委員会への依頼内容は
 ①事故当時の社内マニュアルに則って、炉心溶融を判定・公表できなかった経緯や原因
 ②事故当時の通報・報告の内容
 ③新潟県技術委員会に事故当時の経緯をご説明する中で誤った説明をした経緯や原因
 ④その他、第三者検証委員会が必要と考える項目
ですが、主な項目
 ①原発事故後、直ちに「炉心溶融」が公表されなかった理由
 ②原発事故後、直ちに公表しなかた理由を「定義が無い」と嘘の説明を5年間続けてきた理由
です。調査委員の中には佐々木 善三(ささき ぜんぞう)弁護士もいます(9)。彼の調査が世論を納得されることができず、猪瀬知事が辞任に追い込まれました(10)。
 この報告書が6月16日に公表され(4)、同時に会見も開かれました(5)。
 今日(6月17日)の東京電力が原発を所有する福島・新潟両県の地方3紙はこれお1面トップで扱っていました。最初のの見出しの「炉心『溶融』使うな」は3紙ともほぼ共通していましたが、次の見出しを見ると
 「官邸関与か、解明できず」(福島民友)(11)。 
 「官邸、指示か?」(新潟日報)(12)
 「官邸の指示推認」(福島民報)(13)
と報じていました。この記事は報告書(4)が、事故当時の清水正孝社長が「炉心溶融という言葉を使うな」と発し、これが東京電力内に広く広まり「炉心溶融」を避けるようになったと事および、当時の社長が官邸からの指示により発した可能性を強く示唆する内容を受けての物と思います。ただし、当時、官邸にいた方はこの事を否定しています(14)。これは(=^・^=)の印象ですが、報告書や新潟日報、福島民報の記事を読んだ方は概ね「官邸からの指示」を信じると思います。一寸、面白い(いやみ)なのが新潟日報の朝刊です。
原子力よりCO2潮流が効果と報じる新潟日報
 ※読者提供
 図―3 原発より地下貯留の方がCO削減効果があると報じる新潟日報

 当該記事の隣に原発より地下貯留の方がCO削減効果があるとの記事を載せています。
 少なくとも東京電力が原発を有する福島・新潟では大きなニュースになっています。
 報告書や会見の大部分は
 「原発事故後、直ちに「炉心溶融」が公表されなかった理由」
に当てられており、
 「原発事故後、直ちに公表しなかた理由を『定義が無い』と嘘の説明を5年間続けてきた理由」
 殆ど説明がありませんでした。論評を除く事実関係を扱った部分は、全報告書70ページのうち、以下の部分だけです。
「事故当時の原災マニュアルは改訂されており、新しい原災マニュアルがイントラネットに掲載されていて、改訂前の原災マニュアルはそれを所管していた部署のみがアクセスできる状態になっていた。そこで、その社員は、その部署の社員に対し、改訂前の原災マニュアルの提供を求め、当該部署の社員が改訂前の原災マニュアルを印刷して、同月 13 日頃、調査を担当していた社員に渡した。その社員は、改訂前の原災マニュアルを入手した後、それを自己の執務室の
ラックに保管していた。他方、同年 2 月上旬頃、国の避難指示の法令上の根拠についての調査を命じられた別の社員が、その調査の過程で、たまたま前記ラックに保管されてい
た改訂前の原災マニュアルを確認したところ、同マニュアルに「炉心溶融」の判定基準が記載されていることを発見した。その社員は、直ちに上司に報告し、それによって、技術委員会の対応をしていた社員らが、その事実を知るに至った。」(4)。
 一言で言えば途中でマニュアルが変更になり旧マニュアルが見れなくなったので気づかなかったになります。東京電力の原子力関係の社員の来歴を見ると原子力部門に長く留まっています。
 以下に蓮池透さんの来歴を示します。
 1977年東京電力入社。
 2002年、日本原燃出向。同社燃料製造部副部長。核廃棄物再処理(MOX燃料)プロジェクトを担当。
 2006年、東京電力原子燃料サイクル部 部長(サイクル技術担当)。
 2009年夏に退社。
(15)。来歴は原子力部門のみ記載です。
 以下に吉田昌郎さんの来歴を示します。
1977年 - 東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1979年 - 東京工業大学大学院理工学研究科原子核工学専攻修士課程修了
1979年 - 東京電力入社
 以後、各地の原子力発電所で勤務
2007年 - 東京電力執行役員 原子力・立地本部原子力設備管理部長(初代)
2010年 - 東京電力執行役員 原子力・立地本部福島第一原子力発電所所長 兼 立地地域部福島第一原子力調査所所長
2011年 - 東京電力執行役員 原子力・立地本部福島第一安定化センター福島第一原子力発電所長 兼 立地地域部福島第一原子力調査所所長(改組)
2011年12月1日 - 東京電力執行役員・原子力・立地本部事務委嘱(病気療養のため)
2013年7月9日 - 食道癌のため慶應義塾大学病院で死去
(16)。
学校を卒業してから死ぬまで「原子力」にどっぷりって感じです。当然ながら東京電力の原子力関係者は旧マニュアルも知っていると考えるのが妥当です。東京電力の会見担当者は会見でマニュアルの存在を知っていたと述べています(17)。
報告書は

「東電が、会社として原災マニュアルの存在や、その内容を秘匿しなければならない理由も存在しなかったと言える。」
と論評していますが(4)、マニュアルが公になることで東京電力が5年間に渡り「『炉心溶融』や『メルトダウン』といった用語の定義が定まってなく」と嘘の説明をしてきたことが明らかになります。東京電力には「マニュアルの存在や、その内容を秘匿しなければならない理由」がありました。
<余談>
 報告書を読んだ(=^・^=)の感想ですが、東京電力の隠ぺい体質は原発事故後も今も変わっていない感じがします。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県福島市ではサクランボ「佐藤錦」の収穫作業が盛りを迎えたそうです(18)。6月11日に福島県福島市では観光果樹園の開園式が行われました(19)。避難地域の次に汚染され、原発事故後に葬式が増えた福島盆地(20)では
 サクランボ⇒モモ⇒ナシ⇒リンゴ
と続く、果物シーズンの幕開けです(21)。福島はサクランボが美味しい季節です(22)。福島県は福島産サクランボは安全だと主張しています(23)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(24)を引用
 図―4 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)炉心溶融の公表に関する経緯と これまでの課題別 ... - 東京電力
(2)福島事故時のメルトダウン等の情報発信の 問題点と現状の対応 ... - 新
(3)福島第一原子力発電所事故当時における通報・報告状況について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(4)福島第一原子力発電所事故に係る通報・報告に関する第三者検証委員会からの「検証結果報告書」の受領について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(5)【2016年6月16日】第三者検証委員会 記者会見&東京電力 記者会見 - 2016/06/16 15:45開始 - ニコニコ生放送
(6)中長期ロードマップの進捗状況中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年5月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第30回事務局会議)」⇒「【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(10.5MB)」(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images1/d160526_05-j.pdf)
(7)シーベルト - Wikipedia
(8)「福島第一原子力発電所事故に係る通報・報告に関する第三者検証委員会」の設置について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(9)弁護士「十分調査尽くした」 客観性に疑問の声も:朝日新聞デジタル
(10)【舛添知事辞職】「政治とカネ」問題再び(6月16日) | 県内ニュース | 福島民報
(11)福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-を6月17日に閲覧
(12)(6月17日付、新潟日報紙面、読者より写しを入手)
(13)福島民報を6月17日に閲覧
(14)「官邸指示」に枝野氏反論 菅氏も、炉心溶融の報告書 - 共同通信 47NEWS
(15)蓮池透 - Wikipedia
(16)吉田昌郎 - Wikipedia
(17)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(4月3週)―原発事故・炉心溶融基準 東電社員様は知っていた―
(18)トピックス | JAふくしま未来
(19)甘いサクランボに笑顔広がる 福島の観光農園開園 | 県内ニュース | 福島民報
(20)めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地
(21)食べ頃カレンダー
(22)福島さくらんぼ狩りの時期とおすすめ人気スポット! | 豆知識PRESS
(23)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(24)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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  1. 2016/06/17(金) 22:09:42|
  2. -
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