めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(6月3週)―福島・梅雨入り、汚染水タンクは大丈夫?―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、6月3週(6月12日から18日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①福島・梅雨入り、汚染水タンクは大丈夫?
 ②「水漏れ」監視装置が止まる
 ③「悪評」、第三者委員会報告書
 ④凍土遮水壁の「大穴」は今週も空いたまま
 おまけ.「使用量通知遅延で 」でお叱り

1.福島・梅雨入り、汚染水タンクは大丈夫?
 6月13日に福島も梅雨入りしました(2)。憂鬱な梅雨の始まりです(3)。福島には別の意味で「憂鬱な」方がいそうです。福島第一では日々、汚染水が増えています(4)。以下に福島第一の日々の汚染水増加量を示します。
雨が降ると大きく増える福島第一原発汚染水
※(5)(6)を集計
 図-1 福島第一の汚染水増加量と降水量

 図に示す通り、雨が降ると汚染水の増加が激しくなります。梅雨の季節は福島第一では汚染水が増える季節のようです。福島第一の汚染水は
 タービン建屋⇒SARRY⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で汚染水を処理しています(7)。最終段の処理水タンクについて、満水率を
 満水率=汚染水量÷タンク容量
と定義し、その推移を記載します。
満タン状態が続く福島第一処理水タンク
 ※(5)を集計
 図-2 処理水タンクの満水率

 このところ約98%で推移しています。タンクには、容器内の液体が地震なので外部からの比較的長周期な振動によって揺動し、液体が容器から溢れ出ることがあるそうです(8)。ここからは(=^・^=)の想像ですが、このような現象を考えれば98%が限界と東京電力は判断していると思います。福島第一の汚染水タンクは「満タン」状態が続いています。本来であれば梅雨の「増水」に備え、タンクに余裕を持たすのが普通ですが、そんな余裕はないようです。雨の中、無理な汚染水タンク工事で下請けさんの事故なんんて事にならない事を願うのみです。

2.「水漏れ」監視装置が止まる
 6月13日午前3時5分、福島第一3号機および4号機の建屋漏えい検知器(「水漏れ」監視装置)全数が免震重要棟集中監視室において監視不能になりました。、原因は、3・4号機サービス建屋内にあるフロアスイッチ(ネットワークスイッチ)の故障とのことです。通信はたまに断線はつきものです(9)。2重化をしてないのですかね?
 福島は梅雨入りしました(2)。これから雨が多く、雨漏りのシーズンなので心配です。

3.「悪評」、第三者委員会報告書
 東京電力が原発事故後の2ヵ月間もの間、「炉心溶融」の事実を公表しなかった事およびこれを5年間の長きに渡り「定義が無い」ためと嘘の説明を続けていた事(10)に関し、6月17日に東京電力が設置した第三者委員会の報告書がでました(11)。(=^・^=)なりにまとめた要旨は
 ①事故当時の清水正孝社長が「炉心溶融という言葉を使うな」と発し、これが東京電力内に広く広まり「炉心溶融」を避けるようになったと事および、当時の社長が官邸からの指示により発したと推認される。
 ②途中でマニュアルが変更になり旧マニュアルが見れなくなったので気づけなくなり、5年もの間、旧マニュアルにあった定義に気づかず、結果として「定義が無い」ためと嘘の説明を続ける事になった。
です(10)(11)。
 東京電力の原子力発電所のある福島・新潟両県(12)ではかなりの「悪評」のようです。東京電力が福島第一原発事故直後、炉心溶融が起きていたにもかかわらず「炉心損傷」と説明していた事について、福島県内知事は6月17日、「極めて遺憾」と不快感を示し、東電の隠蔽(いんぺい)体質を厳しく批判したとのことです(13)。
炉心溶融隠しに福島県知事の不快感を一面トップで報じる福島民報
 ※(14)を引用
 図―3 福島県知事の不快感を1面トップで報じる福島県の地方紙・福島民報

 新潟県知事は6月16日に「(新潟)県の技術委員会に虚偽の説明をしていたということであり、極めて遺憾」とするコメントを発表したそうです(15)。
 この問題を扱った福島県の地方紙の福島民友は6月17日の社説を
「『炉心溶融という言葉を使うな』
 この発言に原発事故の深刻な事態を隠そうという意図があった、とみられるのも当然だろう。それを隠蔽(いんぺい)というのではないのか。」
と書き出しています(16)。
 同じく福島民報の6月18日の社説は
「検証委には舛添要一東京都知事の政治資金流用問題の調査に携わった『第三者』の弁護士の名前もある。依頼主の言い訳を追認するのが第三者の仕事と世間に示した。」
と論じています(17)。
 新潟県の地方紙の新潟日報は6月18日の社説を
「問われているのは、東電の体質そのものだ。それは原発を再び運転する資格があるのか、という問題にも深く関わってこよう。」
と結んでいます(18)。東京電力は柏崎刈羽原発を再稼働すれば、燃料費の高い火力発電の運転を抑えて収益が改善すると主張してきました(19)。柏崎刈羽原子力発電所の再稼働は東京電力再建の柱だと思います。それなのにこの件を捉え「再稼働」に反対しているような内容です。東京電力が新潟県内で放送しているCM(20)は「効果」が無いようです。
 そして指示を出したと推認されている事故当時の官邸にいた方は、
 「(報告書で)東電社長と面談したとされる3時間前、(官邸での)記者会見で炉心溶融の可能性に言及した。(その後に使うなと指示する)こんな矛盾はない」と主張し、「検証委は東電関係者への聞き取りしか行っていないとし『独立性に疑義がある』とした」、さらには「東電や検証委の弁護士に対して法的措置も含めた対応に着手する」と説明したそうです(21)。
 今月(6月)には東京都知事の第三者委員会の結果も明らかになりました(22)。この二つを見ていると、第三者委員会の役割は事実を徹底的に調査することでなく、依頼者の弁明を体系系的に纏める作業のような気がします。どちらの調査委員会の結論も同で「違法性はない」です(11)(23)。

4.凍土遮水壁の「大穴」は今週も空いたまま
  地下水ドレンからの汲み上げ量を減らし汚染水の増加を抑える為に、海側遮水壁とタービン建屋の間に氷の壁「凍土遮水壁」を凍らす作業が行われています(8)。ここに凍らない「大穴」が開いているのは先週にお伝えしましたが(1)、大穴は今週も空いたままです。凍土壁の両側には地下水位を観測する井戸RWとCoが設けられています。以下に「凍土壁」と海側遮水壁の配置を示します。
凍土遮水壁と海側遮水壁
※(24)(25)にて作成
 図―4 凍土遮水壁と海側遮水壁

以下に東京電力が「海1-①」となずけた場所の図1に示すSD(サブドレン),RW,Coおよび地中温度の観測点の水平位置を示します。
凍土遮水壁・海1-①付近
 ※1(24)(25)にて作成
 ※2 凍土遮水壁は「凍土壁」と略す
 図―5 海4-①付近の配置

 以下に海1-①付近の地下水位を示します。
差がつかない海1-①付近の凍土遮水壁の内外の水位差
 ※(26)にて作成
 図-6 海1-①付近の地下水位

 もし地下水の流れを遮ることができれば海側の地下水位観測点Co-10の地下水位が下がり、山側の地下水位観測点RW21の水位は上昇しても良いはずですが、図に示す通り大きな変化はありません。以下に海1-①付近の地中の温度分布を示します。
凍土遮水壁・海1-①北側に空いた大穴
 ※(26)にて作成
 図-7 海1-①付近の温度分布

 図に示す通り水位観測点Co15の北側のOP0m付近(地下-9m)に0℃を超える「大穴」が開いています。これではここから地下水が流れ出し、遮水(水の流れを遮る)効果はでません。先週は海4-①当たりの大穴を紹介したのですが(1)、こちらの大穴も空いたままです(26)。
 
おまけ.「使用量通知遅延で 」でお叱り
 電力の自由化が実施されましたが、送配電は従来の電力会社が担います(福島なら東北電力、首都圏なら東京電力)(27)。どの家庭がどれだけの電気を使ったかは送配電を下ところしか分からないで、これを送電を依頼した各電力会社に知らせる必要があるみたいです。ところが東京電力は、このお知らせを遅れ、経済産業省からお叱り(業務改善勧告)を受けました。影響は2万件に及んだとのことです(28)(29)。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。ただしグラフはこち

ら(ブログ図表)を参照ください。ただしグラフはこちら(ブログ図表)を参照ください。
 3項に記載した通り、東京電力の隠ぺい体質は事故から5年以上経過しても改善されている様子がありません。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県福島市ではサクランボ「佐藤錦」の収穫作業が盛りを迎えたそうです(30)。6月11日に福島県福島市では観光果樹園の開園式が行われました(31)。避難地域の次に汚染され、原発事故後に葬式が増えた福島盆地(32)では
 サクランボ⇒モモ⇒ナシ⇒リンゴ
と続く、果物シーズンの幕開けです(33)。福島はサクランボが美味しい季節です(34)。福島県会津若松市ではサクランボ狩りが楽しめます(35)。福島県は福島産サクランボは安全だと主張しています(36)。でも福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(37)を引用
 図―8 福島産サクランボが無い福島県の会津若松市スーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(6月2週)―汚染水は想定以上に増えます―
(2)東北梅雨入り 伊佐須美神社のアヤメ咲き競う  | 県内ニュース | 福島民報
(3)傘を使った野菜の“収穫”で、憂鬱な梅雨を楽しくする!Oisix、オリジナル傘ぽん「Vege Pon!」を六本木ヒルズに設置~雨が降る ...
(4)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(5)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(6)報道配布資料|東京電力中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(7)原子炉の安定化|東京電力
(8)スロッシング - Wikipedia
(9)2016年06月13日 福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(10)めげ猫「タマ」の日記 東京電力第三者報告書―5年間嘘を続けて事は解明されていない―
(11)福島第一原子力発電所事故に係る通報・報告に関する第三者検証委員会からの「検証結果報告書」の受領について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社(12)東京電力ホールディングス - Wikipedia
(13)炉心溶融隠し 知事「県民感情を無視」 県、東電に防止策求める | 県内ニュース | 福島民報
(14)福島民報を6月18日に閲覧
(15)「虚偽説明、極めて遺憾」=東電検証で泉田新潟知事-炉心溶融公表遅れ
(16)【6月17日付社説】東電社長「溶融使うな」/「隠蔽」の指示ではないのか  :社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(17)【「溶融使うな」指示】信頼、再び遠のいた(6月18日) | 県内ニュース | 福島民報
(18)「炉心溶融使うな」 隠蔽でなければ何なのか|社説|オピニオン|新潟日報モア
(19)東京新聞:柏崎刈羽 東電「7月再稼働」:福島原発事故(TOKYO Web)
(20)新潟県内における当社テレビCM放映について
(21)<炉心溶融使うな>官邸指示?枝野氏が反論6月18日 河北新報
(22)弁護士「十分調査尽くした」 客観性に疑問の声も:朝日新聞デジタル
(23)【舛添知事辞職】「政治とカネ」問題再び(6月16日) | 県内ニュース | 福島民報
(24)陸側遮水壁|東京電力
(25)第43回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「資料2:陸側遮水壁閉合(第一段階フェーズ1)の状況とフェーズ2への移行[東京電力]【PDF:26MB】」(<
(26)2016年6月16日陸側遮水壁の状況(第一段階フェーズ2)(PDF 4.48MB)
(27)電力供給の仕組み|電力小売全面自由化|資源エネルギー庁
(28)東京電力パワーグリッド株式会社に対する業務改善勧告を行いました(METI/経済産業省)
(29)電気使用量の確定通知の遅延等に関する報告(追加)について|プレスリリース・お知らせ一覧|東京電力パワーグリッド株式会社
(30)トピックス | JAふくしま未来
(31)甘いサクランボに笑顔広がる 福島の観光農園開園 | 県内ニュース | 福島民報
(32)めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地
(33)食べ頃カレンダー
(34)福島さくらんぼ狩りの時期とおすすめ人気スポット! | 豆知識PRESS
(35)フルーツランド北会津
(36)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(37)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
スポンサーサイト
  1. 2016/06/18(土) 19:42:24|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<只見線の復旧に上下分離案、水力を守る為に積極的支援を! | ホーム | 東京電力第三者報告書―5年間嘘を続けて事は解明されていない―>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1841-19e0b01c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)