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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

只見線の復旧に上下分離案、水力を守る為に積極的支援を!

 福島発の報道(1)(2)によると、一部区間が不通になっているJR只見線(3)で鉄道復旧案 「上下分離方式」導入を示されたそうです。この当たりは水力発電所が多く立地する地域であり(4)、地域の皆様の理解を得て水力発電所を守るためにも積極的な支援が必要だと(=^・^=)は思います。
 福島原発事故後に自然エネルギーの推進が叫ばれるようになりました(5)。でも「自然エネルギー」には問題もあるようです(6)。そうしたなかで「水力発電」は19世紀の末から使われおり(7)、そこそこ評価が定まった電源です。(=^・^=)が理解する水力特徴は
 ①火力発電みたいにCOは出さない。
②原子力みたいに放射能をばら撒く事もない。
です。ある意味、理想的な発電ですが、立地に制約がり現状では大規模な水力発電所の増設は無理な様です(7)。それでも日本の電気の9%は水力発電であり、原子力の1%(8)の9倍です。ところがこの所、不祥事を起こしています。
 2014年12月 東京電力中津川第一発電所の導水路から水が漏れ出し、土砂崩れを起こす(9)。
 2015年 1月 東京電力湯沢発電所の屋根が崩れ落ちる(10)。
 2016年 4月 九州電力黒川第一発電所の水路が崩壊し、土砂崩れをお越し生き埋めによる犠牲者が出た(11)。なをこの件は熊本地震に同期して発生したものですが、九州電力が調査中です。ただし2次災害の恐れもあり(12)、調査が順調に進むかは分かりません。
 これだけ不祥事が起これば、水力発電の維持にも原子力と同様に地元の理解が必要だと思います。でも福島には地元の理解が得られていない水力発電所があります(13)。現在は電力会社と裁判で争っています(14)。(=^・^=)に経緯を纏めると下記の通りになります。
 2011年に福島を3つの大きな災害が襲いました。3月の東日本大震災(15)、福島原発事故(16)、そして3月の平成23年7月新潟・福島豪雨です(17)。この豪雨では上越線、飯山線、磐越西線、そして只見線が不通になりましたが、只見線の只見(只見町)―会津川口(金山町)の間がは今も普通のままです。以下に只見線の配置を示します。
事故から5年3ヶ月が過ぎても除染が必要な福島県
※1(18)の数値データを元に(19)に示す手法で6月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(20)による
 図-1 只見線

 図に示す通り沿線は他の福島県域とは異なり、国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(21)の地帯はあまりありませんが、そこそこに汚染されていいます。以下に沿線を代表する湖の一つの沼沢湖のヒメマスのセシウム濃度を示します。
長らく基準値を超えていた沼沢湖のヒメマス
 ※(22)を集計
 図-2 沼沢湖ヒメマスのセシウム濃度

 今は基準値(23)以下になりましたが、一時は基準値を超え長らく禁漁になっていました(24)。そして遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノのヒメマスが見つかっています(24)。
沼沢湖で見つかったアルビノニジマス
 ※(24)を転載
 図-3 沼沢湖で見つかったアルビノ・ヒメマス

以下に只見線の不通区間を示します。
水力発電所が林立する只見線不通区間
 ※1(18)の数値データを元に(19)に示す手法で6月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(20)による
 ※3 不通区間は(25)による
 ※4 水力発電所の位置は地図による
 図-4 只見線不通区間と水力発電所

 図に示す様に水力発電所が並んでいます。原発銀座なる言葉あるようですが、この当たりは「水力発電所銀座」のようです。平成23年7月新潟・福島豪雨では金山町の発電所を中心に水力発電所が大変な被害を受けました(27)。発電所の配置と比較すると「全滅」です。以下に金山町と只見町の「電気・ガス・水道等」の生産額の推移を示します。
年間80億円にもおよぶ只見線不通区間の発電量
 図-5 金山町と只見町の「電気・ガス・水道等」生産額

 図に示す通り、 両町合わせて原発事故前は80億円程度の生産額がありました。2012年以降は金山町の生産額が激減していること、金山町が人口2千人規模、只見町が人口4千人規模の小さな町なので(29)、「電気・ガス・水道等」生産額の大部分は水力発電所による「発電」よる生産額です。
 福島原発事故後に東日本は電力危機に見舞われました(30)。早期の再開が望まれたのですが、再開できませんでした。地元で反対運動が起こりました(31)(32)。水力発電所によって水害が被害が拡大したとの主張です(14)。ただこの問題は(=^・^=)なりに見ると極めて不可解な経緯をたどっています。
 ①只見線橋梁流出等の原因となった洪水被害については、只見線とほぼ平行して流れる只見川に、東北電力と電源開発が計10基のダムを建設したが、そのうちの一つ、滝ダムについては堆積する砂が貯水容量の38%に達しており、各ダムの堆積砂による貯水容量の低下により、ダムからあふれた水が、只見川で洪水となり、被害を拡大させた事を所有者の電源開発が認めいます(25)。ただ(=^・^=)が見る限り電力会社に過失があるとは思えません(33)。
 ②電力会社は福島県を通じ20億円の基金を用意したり、補償交渉を始めました(34)。
 ③それでも問題は解決せず2015年に裁判が提訴されました(14)。丁度、不法行為に基づく損害賠償請求権の時効が成立する3年(35)後です。
 電力会社は水力発電所の維持に地域の協力の必要があり、自らに過失があろうが無かろうが過失を認め掴み金を用意し上手く収めたいと願っている気がします。一方で豪雨で被災された福島県金山町や只見町の皆様は豪雨前と同じ生活を取り戻す為に頑張っている気がします。この中には当然ながら只見線の復旧も含まれていると思います。
 JR東日本は
 ①只見線の不通区間の復旧には85億円の費用が必要である。
 ②只見線の利用客は1日370人で、JR東日本の路線では下から2番といっています(36)。
最下位だった岩泉線は既に廃止され(37)、下から3番目に利用客の少ない山田線の一部区間は3セクの三陸鉄道への移管が決まっています(38)。私企業の立場に立てば只見線の不通区間を廃止するのは当然の論理です。でもそしたら年間80億円近いクリーンな水力発電の電気が失われる危険があります。日本にとっては損失です。そうしたなかJR東日本はJR只見線で鉄道復旧案 「上下分離方式」導入を示されたそうです(1)(2)。
只見線上下分離案を報じる福島民報
※(39)を引用
 図-6 JR東が「上下分離」での只見線復旧を提案したと報じる福島県の地方紙・福島民報

 関係する皆様には只見線復旧に対し最大限の支援検討すべきです。水力発電は日本の大事なエネルギー源の一つです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。ただしグラフは拡大しません。
 日本のエネルギー問題を考える時に、水力発電の維持・発展は極めて重要な問題です。立地地域は限らていますが、クリーンでそこそこ技術的評価も固まっています。エネルギーの安定供給には原発の最稼働が必要だとの議論があります(40)。(=^・^=)は同じく水力発電の維持・発展も必要だと思います。だたし原子力には別のメリットがあるとの考えもあると思います(41)。こうした考えに賛同するかたは水力発電の維持・発展を好まと思います。安倍出戻り内閣を見ていると水力発電の維持にはあまり熱心でないような感じがします(31)(32)。これでは福島の方は不安だと思いいます。
 福島県福島市ではサクランボ「佐藤錦」の収穫作業が盛りを迎えたそうです(42)。6月11日に福島県福島市では観光果樹園の開園式が行われました(43)。避難地域の次に汚染され、原発事故後に葬式が増えた福島盆地(44)では
 サクランボ⇒モモ⇒ナシ⇒リンゴ
と続く、果物シーズンの幕開けです(45)。福島はサクランボが美味しい季節です(46)福島県は福島産サクランボは安全だと主張しています(47)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボ無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(48)を引用
 図―7 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)JRが只見線で初の再開案 赤字地元負担を条件に | 県内ニュース | 福島民報
(2)JR只見線で鉄道復旧案 「上下分離方式」導入を示す:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AA%E8%A6%8B%E7%B7%9A
(4)めげ猫「タマ」の日記 田子倉駅廃止に地元が反発―被災地東北の電力はどうでもいいのか?
(5)なっとく!再生可能エネルギー 再生可能エネルギーを知る、学ぶ
(6)再生可能エネルギーの課題 [関西電力]
(7)水力発電 - Wikipedia
(8)(4)原発…「再稼働」共闘で棚上げ : 選挙 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
(9)中津川第一発電所の導水路からの溢水と近傍の土砂崩れ発生について|東京電力
(10)湯沢発電所の建屋屋根の崩落による発電停止に係わる報告書の経済産業省関東東北産業保安監督部東北支部への提出について|東京電力
(11)めげ猫「タマ」の日記 熊本、水力発電所が原因の土砂崩れ―徹底した調査を―
(12)九州電力 黒川第一発電所における調査の実施について
(13)めげ猫「タマ」の日記 田子倉駅廃止に地元が反発―被災地東北の電力はどうでもいいのか?
(14)新潟・福島豪雨被害で国、電源開発などに7億円損賠請求 只見町民らが提訴 | 水源連
(15)東日本大震災 - Wikipedia
(16)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(17)平成23年7月新潟・福島豪雨 - Wikipedia
(18)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV」
(19)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(20)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(21)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(22)報道発表資料 |厚生労働省
(23)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(24)めげ猫「タマ」の日記 福島に遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマス現る。
(25)只見線 - Wikipedia
(26)若狭原発銀座
(27)水力発電所の復旧状況について(第16報)| 東北電力
(28)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(29)福島県の推計人口(平成28年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(30)東日本大震災による電力危機 - Wikipedia
(31)めげ猫「タマ」の日記 田子倉駅廃止に地元が反発―被災地東北の電力はどうでもいいのか?
(32)めげ猫「タマ」の日記 9月18日、東北の電力使用率は96%-でも国はなにもしない!
(33)めげ猫「タマ」の日記 今年は柏崎刈羽停止!新潟・福島豪雨を起こらなかった。今日(8/6)も雷雨が来たけど
(34)めげ猫「タマ」の日記 只見川水力発電所の補償は札束ダブルパンチ―でも上手くいくの?
(35)消滅時効 - Wikipedia
(36)]只見線(会津川口∼只見間)について - JR東日本
(37)岩泉線 - Wikipedia
(38)山田線 - Wikipedia
(39)福島民報を6月19日に閲覧
(40)【高浜原発再稼働】綱渡り脱出 電力安定供給へ(1/2ページ) - 産経WEST
(41)めげ猫「タマ」の日記 核兵器の作り方
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  1. 2016/06/19(日) 23:58:09|
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