めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

再臨界について

 再臨界は核分裂反応が再発する現象です(1)。これについて(=^・^=)は
 ①福島第一では「再臨界」が起きている可能性がある。
 ②再臨界は環境中のヨウ素131によって見出すことがきる。
との結論に至りました。以下に詳細を記載します。
 原子力発電は、ウランを核分裂させて熱エネルギーを得て、水を沸かし蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電気を起こします(2)。
原子力発電所の構造
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 図―1 原子力発電所(BWR)の構造

 天然に存在する物質はすべて元素(原子)からできており、天然にある元素は92種類です。原子核は陽子と中性子から構成されており、周りの電子の数と陽子の数は同じです。原子には陽子の数に合わせて原子番号がつけられています。たとえば、水素の原子核には陽子が1個しかないので原子番号は1です。ふつうの水素原子の原子核は陽子1個だけで構成されていますが、このほかに陽子1個と中性子1個で原子核が構成されている水素もあります。これを重水素といいます(4)。
原子の構造
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 図―2 原子の構造

 核分裂はさまざまな原子核で起こりますが、特に核分裂が起こりやすい物質として「ウラン」があります。このウランにも核分裂を起こしやすい「ウラン235」と、核分裂を起こしにくい「ウラン238」があります。
自然界に多いのは核分裂しにくいウラン238です。天然ウランには、核分裂するウラン235は0.7%しか含まれていません。原子力発電では、ウラン235の含有量を3〜5%に高めたものを燃料として使います。
ウラン235の原子核に中性子を当てると、ウラン原子は2つの原子核に分かれます。このとき大量の熱が発生するため、これを発電用熱源として利用し、水を蒸気に変えて蒸気タービンを回転させて発電機で電力を起こします。
 ウラン235に中性子を当てると、核分裂が起こると同時に、新たに2〜3個の中性子が発生します。この中性子をさらに別のウラン235に当てると、核分裂が起きてさらに2〜3個の中性子が発生します。
核分裂の仕組み
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 図-3 核分裂の仕組み

こうした反応が連続的に行われるように工夫したのが、原子炉です。核分裂が起きるときには膨大な熱エネルギーが生じます。この熱を利用したものが、原子力発電です(4)。原子核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続している状態を「臨界」と呼びます(5)。
 臨界を起こすには一定量以上の核燃料物質が集まっている必要があります。この量を「臨界量」と呼びます(6)。臨界量は一定している訳でなく条件によって変わります。核燃料の回りを水で覆うと、少なくて済みます。核分裂で出来た中性子は外に向かって飛び出します。これを何かにぶつけて中性子を発生源である核燃料に戻せば、効率よく中性子を核燃料に吸収させることができます(7)。スピードが遅い(エネルギーが小さい)中性子程、核燃料物質に吸収されやすいので、核分裂反応で出た中性子を遅く(低エネルギー)する必要があります。これを減速材と呼びます(8)。日本の原子力発電所では「反射材」も「減速材」も主に「水」が使われています。核燃料の回りを「水」で覆うことにより核分裂反応で核燃料から飛び出した中性子は水に衝突します。衝突することで、中性子のスピードは遅くなり元の核燃料の方向に反射されます(9)。水で覆われた核燃料は臨界を起こしやすくなります。
 原子炉には制御棒があります(2)。制御棒は中性子を吸収する物資で「棒」で、これを核燃料に近づけると中性子を多く吸収し「核分裂」反応が抑えられ場合によっては「臨界」が停止します。離せば核分裂反応が加速します。これで核分裂反応の度合いが制御できます(10)。
ウラン燃料の温度が上がると、燃料中の核分裂しにくいウラン238が中性子を吸収し易くなり、核分裂で出来た中性子がウラン238に横取りされるため、核分裂しやすいウラン235の核分裂反応が減り、原子炉の出力が自然に下がります。これを、ドップラー効果(温度上昇によりウラン238が中性子を横取りする割合が増える効果)(11)と呼ぶそうです。この効果によって制御棒の位置によって、原子炉の出力を一定に制御でいます。
 福島第一は原子力発電所ですので、原子炉内に核分裂を起こすのに必要な核燃料があります。これらの核燃料は事故で溶け落ちてしまい、今はデブリ(溶け落ちた核燃料)として何処かにあるはずですが詳細な状態は不明です(12)。事故直後には上手く行かなった「冷却」も(13)、今は順調にいっているようです。注水によって(14)、デブリの回りは水浸しかもしれません。核燃料を水浸しすると、「臨界」が起こり易くなることは前述の通りです。原子炉は核分裂反応が停止ても「熱」を出し続けます。原子炉を運転停止したあとでも,核分裂生成物は崩壊を続け,熱を発生し続けます。いわゆる「崩壊熱」です(15)。ただし崩壊熱は時間とともに低下します(16)。
時間とともに減って行く福島第一原子炉の崩壊熱
※(16)を編集
 図―4 時間とともに減って行く福島第一原子炉の崩壊熱

 その分だけ温度が下がります。福島第一では原子炉やタービン建屋の回りを氷の壁で囲む凍土(遮水)壁の凍結工事が進められています(17)。その分だけ原子炉建屋は冷やされます。崩壊熱の減少と凍土(遮水)壁の効果によりデブリの温度も下がっていきます。温度が下がれば臨界が起こりやすくなることは前述の通りです。
 東京電力福島第1原発2号機の原子炉圧力容器内を、物質を透過する性質を持つ素粒子「ミュー粒子」を使った調査で透視した結果、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の大部分が圧力容器の底に残っているとみられることが7月13日に分かったそうです(18)。条件によっては「臨界」を起こすだけの核燃料は飛び散っておらず一つに固まっている可能性が出てきたと思います。
 これまでの内容を中間で纏めると
 ①溶け落ちた核燃料は「水」に浸かっている。
 ②水に浸かっている核燃料は、臨界を起こしやすい。
 ③崩壊熱の減少や、凍土(遮水)壁によって溶け落ちた核燃料は冷やされている。
 ④冷やされた核燃料は、臨界を起こしやすい
 ⑤少なくても2号機では核燃料は飛び散らず、原子炉圧力容器の底に固まっている。
 ⑥かたまった核燃料は飛び散った核燃料に比べ、臨界を起こしやすい。
 ⑦福島第一の原子炉圧力容器内には条件によっては「臨界」を起こせるだけの核燃料物質が残存している。
 
になります。これだけの条件が満たされれば、臨界の再発、すなわち再臨界(1)が起こる可能性が否定できないと思います。
 以下に野生を除く福島産野菜類のセシウムとヨウ素131の濃度を示します。
ヨウ素131が直ぐに検出されなくなった福島産野菜
※1(19)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 ※3 野生は除く
 ※4 日付は検査日
 図―5 福島産野菜類のヨウ素131とセシウムの濃度

 図に示す様にヨウ素131は原発事故後・早い段階で見つからんくなりましたが、セシウムは原発事故後5年以上過ぎた今も見つかり続けています。核分裂によってセシウム137、ヨウ素131、ストロンチウム90といった放射性物質が生成されますが(20)、この中でヨウ素131は半分になるまでの期間(半減期)が8日と短めです(21)。一方でセシウム137の半減期は30年、ストロンチウム90も半減期は29年と(20)(21)ヨウ素131に比べ半減期が長くなかなか無くなりません。ヨウ素131は天然には存在しない人工放射性元素です(22)(23)。半減期が短いので環境中でヨウ素131が見つかれば、数日内にヨウ素131漏れがあったと事になります。一方で、ヨウ素131は核文分裂以外にも人工的に生成できますし、医療用にも使用されています(24)。ヨウ素131が見つかったからと言って臨界が起こり新たやなヨウ素131が見つかったとは言えません。医療用の可能性も残ります。バセドウ病の治療に使われているようです。薬剤を服用した患者さんの糞尿から環境中に出ることはあるようですが(25)、飛散することはないようです。薬剤由来のヨウ素131なら同時に複数の場所で見つかることは考え難い状況です。一方で再臨界で発生したヨウ素131は飛散する可能性があります。福島第一では原子炉建屋から今も放射性物質が漏れ出ています(26)。
 以上のように複数の場所からヨウ素131が検出された場合は、核分裂によって生成されたヨウ素131が飛散によるものと説明が最も合理的です。
 核分裂には中性子を原子核が吸収し起こる場合の他に、自らが外的要因なしに起こす自発的核分裂があります(27)。2011年11月に核分裂の生成物である放射性のキセノンが福島第一原発2号機で見つかった時は(28)(29)「臨界」にでなく自発的核分裂と説明されました(28)(30)。自発的核分裂は外手的要因によらないので、常に一定です。
 一方で臨界よる核分裂は外的要因で影響を受けます。いかの要因は核分裂が始まると次第に増えて行きますが、「臨界」による核分裂を抑える効果があります。
 ①温度
  核分裂によって熱がでれば、温度が上昇し核分裂が起こり難くなります(12)。
 ②ボイド
  温度が上昇し100℃以上になれば「水」が沸騰し泡(ボイド)ができます。泡(ボイド)は水を押しのけるので、核燃料の回りの「水」が少なくなり、核分裂が起こり難くなります(12)。
 ③毒物
  核分裂反応によってキセノン135が発生しますが(31)、キセノン135は中性子を吸収するので(32)、核分裂反応を抑えます。キセノン135は核分裂によって直ぐにできるのでなく、ヨウ素135が放射線を出した後に変わる物質ですので(31)、溜まるのに時間がかかります。
 以上のように再臨界が起こったとしても、時間をおいて阻害要因が増えて行きある時点で臨界を止める筈です。臨界が止まってもしばらくは阻害要因は残ります。キセノン135は止まったあともしばらくは増え続けますし(32)、熱も直ぐには無くなりません。したがって再臨界が起こったとしても間欠的な現象になると予想されます。
 福島県では県北浄化センターおよび県中浄化センターの下水汚泥のヨウ素131濃度を日に1回のペースで測定し、結果を公表しています(33)。以下に県北および県中浄化センターの位置とサービス範囲を示します。
福島県北・県中浄化センター
 ※1(34)の数値データを元に(35)に示す手法で7月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(36)による
 ※3 各浄化センターのサービス範囲は(37)による
 図-6 県北および県中浄化センターの位置とサービス範囲

 図に示す通り両浄化センターは40km以上は離れています。以下に各浄化センターの汚泥のヨウ素131濃度を示します。
ヨウ素131が同時に見つかる福島県北・県中浄化センターの汚泥
 ※(33)を集計
 図-7 県北および県中浄化センターの汚泥のヨウ素131濃度

 図に示す通り両浄化センターでヨウ素131が見つかっています。以下の特徴があります、
 ①間欠的である。
 ②離れた2カ所で同期して見つかっている。
再臨界の特徴を良く表していると思います。今後も福島で観測されるヨウ素131について注視したいと思います。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 東京電力が再臨界を起こっていないとする根拠はガス管理システムで核分裂にで生成されるキセノン135を観測しているが、異常は認めらないだと思います(38)。6月の観測結果を見ると、1リットル当たりで
 1号機
  A系―0.79ベクレル
  B系―1.32ベクレル
 2号機
  A系―検出限界未満(検出限界値170ベクレル)
  B系―検出限界未満(検出限界値160ベクレル)
で、2号機は検出限界未満ですが、1号機で測定される濃度の100倍以上の値を検出限界値にしています。1号機に比べ極めて高い値です。(=^・^=)等はキセノン135が出て来ると騒ぎになるにで(28)(30)、高くしているのではと想像したくなります。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県は福島産野菜のテレビCMを流しています(40)。このCMについて、福島県の地方紙の福島民報は今日(7月28日)の社説で
「 人気グループ『TOKIO』が出演する今年の県産農産物のテレビCMが23日から放映されている。県内をはじめ関東、関西、北海道が放送エリアで、東京電力福島第一原発事故による風評払拭[ふっしょく]につながることを期待したい。 」
と論じていました(41)。期待通りはいかないようです。このCMにはトマトが登場します。
トマト、アスパラガス、キュウリ、ジャガイモが登場する福島産野菜のテレビCM
 ※(40)をキャプチャー
 図―7 福島産野菜のテレビCM

 復興大臣が福島県7月24日、南相馬、相馬、新地の3市町を訪れ、トマト栽培施設などを視察したそうです(42)。福島はトマトの季節です。南相馬、相馬、新地の3市町辺りのトマトは浜の日差しを浴びることで真っ赤に色づき、しっかりとした甘味とほんのりとした酸味が特徴だそうです(43)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(44)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
 ※(45)を引用
 図―8 福島産トマトが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東京電力(株)・福島第一原子力発電所事故
(2)原子力発電 - 発電のしくみ | 電気事業連合会
(3)原子炉の種類 -四国電力-
(4)原子の構造と核分裂 - 原子力発電 | 電気事業連合会
(5)臨界状態 - Wikipedia
(6)臨界量 (原子力) - Wikipedia
(7)中性子反射体 - Wikipedia
(8)減速材 - Wikipedia
(9)原子炉の基本構造 - 原子力発電 | 電気事業連合会
(10)制御棒 - Wikipedia
(11)原子力発電の安全性 | 日本原子力発電株式会社
(12)格納容器内部調査|東京電力
(13)asahi.com(朝日新聞社):燃料の「崩壊熱」止まらず 原発、核分裂は制御 - 東日本大震災
(14)原子炉の安定化|東京電力
(15)崩壊熱(ほうかいねつ)とは - コトバンク
(16)原子炉内が崩壊熱のみによって加熱されている場合に 必要な水の投入
(17)陸側遮水壁|東京電力
(18)<福島第1>2号機溶融燃料 ほぼ炉内残存 河北新報-2016/07/15
(19)報道発表資料 |厚生労働省
(20)核分裂反応 - Wikipedia
(21)半減期 - Wikipedia
(22)ヨウ素 - Wikipedia
(23)人工放射性元素 - Wikipedia
(24)ヨウ素131 - Wikipedia
(25)バセドウ病のアイソトープ治療について | 公益社団法人日本アイソトープ協会|JRIA
(26)2016年7月25日原子炉建屋からの追加的放出量の評価結果(2016年6月)(PDF 429KB)
(27)自発核分裂 - Wikipedia
(28)めげ猫「タマ」の日記 核分裂は再開していないとゆう原子力保安院の説明に疑問あり
(29)2011年11月2日 福島第一原子力発電所2号機原子炉格納容器ガス管理システムの気体のサンプリング結果について(15.0KB)
(30)2号機キセノン“自発核分裂”か | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今
(31)核分裂反応 - Wikipedia
(32)毒物質 (原子力) - Wikipedia
(33)http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/gesuido16.html
(34)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV」
(35)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(36)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(37)公益財団法人福島県下水道公社・各センターのご案内
(38)2. 福島第一原子力発電所の現状とこれまでに実施してきた対策|東京電力
(39)中長期ロードマップ|東京電力中の「」⇒「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年6月30日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第31回事務局会議)」(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images1/d160630_04-j.pdf
(40)TVCM(ふくしまプライド。「野菜」篇) | ふくしま 新発売。
(41)【県産農産物CM】誇りを持って広めよう(7月28日) | 県内ニュース | 福島民報
(42)復興相が新地のトマト栽培視察 JR原ノ町駅なども | 県内ニュース | 福島民報
(43)特産品情報 | 地区別くらし情報 そうま地区 | JAふくしま未来
(44)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(45)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
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  1. 2016/07/28(木) 19:43:33|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

自分たちで食えないものを作るなよ。
  1. 2016/07/29(金) 08:45:31 |
  2. URL |
  3. 不正選挙 #VRQJoB0I
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

不正選挙様
お問い合わせありがとうございます。以下に回答します。
Q> 自分たちで食えないものを作るなよ。
A>休耕すると賠償の対象にならないようです(http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2015/02/post_11591.html)。
  1. 2016/07/29(金) 19:11:38 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
  4. [ 編集 ]

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