めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(8月1週)―サブドレン排水で全ベータ濃度上昇?―

 福島第一原発汚染水の8月1週(8月1日から7日)の状況を纏めてました。
 ①サブドレン排水で全ベータ濃度上昇?
 ②港湾内ストロンチウム90は上がったまま
 ③上昇傾向が続く地下水バイパス井戸のトリチウム濃度
 ④サブドレン・トリチウムの7月の排出量は約92億ベクレル
等が確認され、先週に続き(1)今週も福島第一から海への放射性物質の流出が続いています。

1.サブドレン排水で全ベータ濃度上昇?
 事故から5年4ヶ月以上経過しましたが、外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
事故から5年5ヶ月経って福島第一原発沖外洋で見つかる放射性物質
  ※1 (4)~(7)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 図―1 福島第一原発外洋の放射性物質濃度

  事故から5年4ヶ月以上が過ぎましたが図に示す通り、外洋からストロンチウム90等の放射性物質が見つかっています。
 以下に5,6号機放水口北側の放射性物質濃度を示します。
事故から5年5ヶ月経っても下がる気配が無い福島第一5,6号機放水口北側の放射性物質濃度
 ※1 (7)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図-2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

特に気になったのが8月1日と3日の全ベータ濃度です。1リットル当たりで
 8月1日午前7時55分  9.9ベクレル(9)
 8月3日午前11時45分 11ベクレル(7)
で1.1ベクレル上昇いています。
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです。汲み上げた地下水は海に流しています(10)。サブドレンの排水時間は
 8月1日は9時56分から16時23分(11)
 8月3日は10時2分から14時
です。8月3日のサンプリングはサブドレン排水中に行われました。そして前回測定(8月1日午前7時55分)より全ベータ濃度が上昇しています。サブドレンは外洋の放射性物質濃度を上昇させる?

2.港湾内ストロンチウム90は上がったまま
 以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
これまでより高いストロンチウム90が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (4)(5)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は6月27日
  ※5 排水口の位置は(13)、サブドレン排水口の位置は(14)による。
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 図に示すように港湾内でもストロンチウム90が見つかっています。以下に港湾内のストロンチウム90の濃度を示します。

上がったまま元に戻らない港湾内2か所のストロンチウム90濃度
※1(5)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3北側は「1~4号機取水口内北側」を、南側は「1~4号機取水口内南側」を示す。
図―4 港湾内のストロンチウム90濃度

図に示すように2地点(1~4号機取水口内北側および1~4号機取水口内南側)で6月中旬に急上昇し元に戻っていません。図―3に示すように排水路の出口があるので、排水路の影響も考えられ巣。以下に排水路のうち最も汚染が酷いK排水路(13)の放射性物質濃度を示します。

6月20日にはいったん下がったk排水路の放射性物質濃度
 ※1(13)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-5 K排水路の放射性物質濃度

 図に示すように港湾内でもストロンチウム90が見つかっています。以下に港湾内のストロンチウム90の濃度を示します。
 6月後半にK排水路の排水もそれなりに汚染されていますが、6月20日前後はそれなりに下がっています。1~4号機取水口内北側と1~4号機取水口内南側のストロンチウム90濃度は1リットル当たりで
 6月13日 1~4号機取水口内北側 4.6ベクレル 1~4号機取水口内南側 4ベクレル
 6月20日 1~4号機取水口内北側 3.2ベクレル 1~4号機取水口内南側 2.8ベクレル
 6月27日 1~4号機取水口内北側 2.1ベクレル 1~4号機取水口内南側 1.6ベクレル
で、6月20日も下がっていません。

 港湾と言っても外洋に通じています。やがては外洋に流れ出します。東京電力は福島第一の海岸に水を通さない海側遮水壁を作り、汚染水の海洋への流れをブロックしたと主張してます(15)。ところが海側遮水壁は水圧で変形し、海側に倒れ込んでいます(16)。以下にその様子を示します。
変形が進行する海側遮水壁
 ※(16)を編集
 図-6 海側に倒れ込む海側遮水壁

 図に示すように今も進行しています。何時かは隙間が空いて、汚染水が海に漏れ出すかもしれません。あるいは既に漏れ出しているかもしれません。以下に変位の観測位置を示します。
海側遮水壁変形観測地点
 ※(16)を編集
 図―7 海側遮水壁の変位観測位置

3.上昇傾向が続く地下水バイパス井戸のトリチウム濃度
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(17)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(18)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(19)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパス山側井戸
 ※1 (18)(19)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―8 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。
 この中で気になるのが地下水バイパス井戸No9のトリチウムです。以下に推移を示します。一時は汲み上げを中止してたのですが(18)、4月より再開していす。
上昇傾向が続く地下水バイパスNo9井戸のトリチウム濃度
 ※(19)を集計
 図―9 No9井戸の全ベータ濃度

 汲み上げ再開後に、上昇ペースが続いています。この先が心配です。

4.サブドレン・トリチウムの7月の排出量は約92億ベクレル
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(10)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(20)11ヶ月が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(21)(22)、濃度×排出量で月別のトリチウム排出量を求めてみました。
このところ月100億ベクレル程度で推移するサブドレンのトリチウム濃度
 ※(21)(22)を集計
 図―10 サブドレンの月別のトリチウム排出量

 図に示す通り2月以降、概ね月100億べレル程度で推移しており、7月は約92億ベクレルでした。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 止まることが無い福島第一原発の汚染水漏れ!福島の皆様は不安だと思います。
 福島では福島産のPRイベントがこの週末(8月5日(金)~7日(土))まで行われました(23)。初日は福島県知事が出席されたそうです(24)。スーパー側もそれなりに協力的で、チラシではあまり見る事のない福島産トマトなども載っていました(25)。でも他所は違うようです。
 福島県は福島産野菜のテレビCMを流しています(26)。福島を代表する夏野菜にピーマンがあります。福島産ピーマンは生食でも味わい良く、加熱すると柔らかくなり、独特のにおいも和らぐ風味の良い「ピーマン」だそうです(27)。福島県は福島産ピーマンは「安全」だと主張しています(28)。でも福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(29)を引用
 図―11 福島産ピーマンが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(7月5週)―港湾内ストロンチウム90・下がらず―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を8月7日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)2016年8月4日福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果 (南放水口付近)(PDF 118KB)
(7)2016年8月5日福島第一 サブドレン・地下水ドレン浄化水排水に関するサンプリング結果(PDF 39.4KB)
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)2016年8月2日福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 459KB)
(10)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(11)2016年08月02日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(12)2016年08月03日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(13)(5)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(14)2015年9月2日 海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 3.53MB)
(15)海側遮水壁|東京電力
(16)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年7月28日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第32回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(31.5MB)」(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images2/d160728_06-j.pdf
(17)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(18)(4)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(19)(5)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(20)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(21)(5)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(22)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(23)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーンの開催について(8月5日~7日) | ふくしま 新発売。
(24)福島県産食材の魅力PR イオン県内5店 | 県内ニュース | 福島民報
(25)イオン福島店
(26)TVCM(ふくしまプライド。「野菜」篇) | ふくしま 新発売。
(27)夏 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(28)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(29)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
スポンサーサイト
  1. 2016/08/07(日) 19:46:17|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<福島甲状腺検査見直し、また怪しげな物は封印? | ホーム | トラブルいっぱい福島原発(8月1週)―3ヶ月連続でダストモニタ警報!原因は爆発で飛び散た核燃料?―>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1892-e01b670e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)