めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島甲状腺検査見直し、また怪しげな物は封印?

 福島県の地方紙の福島民友が報じるところによれば(1)、原発事故当時18歳以下だった福島の子供達を対象に進められている福島の甲状腺検査(2)の見直しが検討されているとの事です。福島の甲状腺検査については原発事故よるともそうではないとの議論がありますが(3)、(=^・^=)は黒に近いグレーだと考えています(4)。検査が進みもう少しデータがそろえば白黒がはっきりすると思います。ところが結果がでそうな寸前で見直しです。(=^・^=)には怪しげな結果が出る前に「封印」をするような動きにしか見えません。
 チェルノブイリ原発事故後に明らかになった健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんがあります(5)。
福島県では、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、子どもたちの健康を長期に見守るために、甲状腺(超音波)検査を実施しています(2)。当初の見込みは100万人に1,2名の想定でしたが(6)、最新の結果(7)では
  約30万人を検査して173名
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つかっています。およそ1万に5、6人と当初の想定に比べ極めて高い割合です。
増え続ける福島甲状腺の罹患者数
 ※(2)を集計
 図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌

 これについて福島原発事故の為とも(6)、そうでないとも主張があります(7)。現時点の公式見解は
「事故当時5 歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(8)。
状況を見る限りかなり黒に近いグレーです。理由は下記の通りです。

①放射線量の低い2014年度先行調査区域では発生率が少ない。ただし統計的な差はない。
 甲状線検査は「先行調査」と「本格調査」の2段構えで実施されています(8)。先行調査は福島県を3つに分け、2012年度から14年度で実施されています。
福島甲状腺の先行検査年度
 ※1(11)の数値データを元に(12)に示す手法で8月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(13)による
 ※3 区分は(13)による。
 ※4 原資料(13)は「平成」で記載の為に図では「平成」で記述
 図-2 福島甲状せん・先行調査の区分分け

図に示す通り2012・13年度(平成24・25年度)に実施された地域は国が除染が必要な毎時0.23マイクロシーベルト(13)の地域が広がって地域ですが、2014年度(平成26年度)に先行調査が実施されて地域は福島では比較的汚染はマシな地域です。チェルノブイリでは、原発事故の2~3年後から急な増加が見られるそうです(5)。仮に福島甲状線が原発事故の影響だとすれば、事故後4年の2015年度から開始された本格調査に影響が表れるはずです。以下に甲状腺・本格調査での市町村別の罹患率を示します。
東が高く西が低い福島の甲状腺罹患率
 ※1(7)を集計
 ※2 悪性ないし悪性の疑いの方の割合で集計
 図―3 福島甲状腺・本格調査での市町村別の罹患率

図に示す通り先行調査が2012・13年度に実施された地域に比べ2014年度の罹患率が低くなっています。数値を記載すると
 汚染が酷い平成23,24年先行検査実施地域 158,698人中48人 罹患率0.030%
 汚染が比較的マシな平成25年先行検査実施地域 109,071 人9中人 罹患率0.006%
で、放射能汚染が酷い場所では福島県内ではマシな場所の4倍近い割合で見つかっています。ただし統計的な差があるかと言えばありません。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
 表―1 偶然に起こる計算結果
 ※1 計算方法な(=^・^=)の過去の記事(16)による。
 ※2 ①②④は(7)による。
 ※3 ③=①×②
 ※4 ④=③×有効受検者に対する平均の罹患率(57÷173,125)
有意差検定表

 表に示す通りこのような事が偶然に起こる確率は14.1%です。一般に偶然に起こる確率(危険率)が5%以上の場合は「統計的な差」は認定されません(17)。当然ながらこのデータを根拠に「原発事故の影響」と結論づけることはできません。だたし5%に近く、今後の調査が進めば統計的な差が出てくる可能性が高いと思います。

 ②ヨウ素剤を服用した福島県三春町では、本格調査による甲状腺癌は見つかっていない。
 図―3に示す様に福島県三春町では本格調査による甲状腺癌は見つかっていないませんが、隣接するすべての市や町では見つかっています。ヨウ素剤は原発事故による甲状腺癌の発症を抑える可能性があると言われていますが(18)、確たるデータはありません。そして「三春町」は町独自の判断で原発事故後に町民にヨウ素剤の服用を勧めました(19)。政府事故調査委員会ヒアリング記録を見ると(20)三春町の皆さんは非常にご苦労されて決断されたようです。ただし、三春町は小さな町で、検査を受けたのは2,357人で(7)、見つからないといっても現段階で統計的な差があるとは言えません。
 ③事故当時5歳以下の方からも甲状腺癌が見つかっている。
 今のところの公式見解は前述の通り「事故当時5 歳以下からの発見はないこと」ですが、1名だけ見つかっています(7)。ただし5歳以下であればすべてが「事故によるもの」と言える訳もありません。
 以上を纏めると、仮に福島の甲状腺癌が原発事故由来だと仮定した場合に
 ①放射線量の低い区域では発生率が少ない。
 ②ヨウ素剤を服用した町では発生率が少ない。
 ③事故当時5歳以下の方からも甲状腺癌が見る。
等が考えられます。前述の通り、これらの傾向が見られ、かなりグレーですが、統計的な差があるとまでは言えず、福島甲状腺の原因を確定するにはもう少しの調査が必要です。
 ところが福島から報道によると甲状腺検査の見直しが検討されているとの事です(2)。
甲状腺検査見直しを報じる福島民報
※(21)を引用
 図―4 甲状腺検査の見直しを報じる福島県の地方紙・福島民友

 (=^・^=)には調査を続け、「原発事故」の影響が確定的になる前に調査を打切りウヤムヤにされそうな気がします。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 原子力産業の復興を進めたい安倍出戻り内閣(22)や福島県民でなく福島県域の復興を進めたい福島の行政(23)にとって、福島の健康リスク等はあってはならない話です。「安全」であろうが無かろうが福島の「安全」を叫び、福島を正しく恐れ避ける人を「風評被害」と非難すると思います。
 原発事故後5年5月の間の福島を見ていると(=^・^=)は「隠ぺい」が繰り返されている気がします。
 最初は食品の検査結果だと思います。厚生労働省の発表(24)を見ると福島産の検査は当初は福島県外の検査が実施していました。それが6月位から、主に福島県農業総合センターが実施するようになりました。公開されたビデオ映像を見ると、測定用パソコンに汚れが付いています(25)。汚れた測定器をつかったビデオ映像を公開するくらい劣悪な検査機関です。だいたい農林水産部に所属しており(26)中立性に疑問があります。以下の2011年7月までの福島県いわき市産シラスのセシウム濃度を示します。
福島県が検査するようになったら急に下がった福島県いわき市産シラスのセシウム濃度
 ※1(24)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 食品分析センターは(財)日本食品分析センター、分析センターは(財)日本分析センター、農業総合センターは福島県農業総合センターを示しす。
 図―5 福島県いわき市産シラスの検査結果

 そして福島県の検査では見つかないのに消費地が検査すると基準値を大きく超えた牛肉が見つかる福島産稲わら牛問題が起きました(27)。
以下に福島県福島市と郡山市の放射線量を示します。
brg130512a.gif   brg130512b.gif
 (a)福島市            (b)郡山市
 ※(28)を転載
 図―6 福島県福島市と郡山市の空間放射線量推移

 原因は、測定器を放射線量の低い場所に移し、さらに除染を実施したことです(28)。人的操作により放射線量の測定値だけが大幅に下がったのですが、福島県は放射線量が大幅に下がったと主張しています(29)。
 健康を測る一つのパラメータは平均寿命ですが、福島県は偽装しています(30)。
 福島県では原発事故後に懐妊した母ちゃんが生まれるであろう2012年から自然死産率が1.5倍になりました(31)。2012年には合計特殊出生率も低下しました。子供を生まれる方は概ね20代後半から30代前半は多数を占めますが、この現象は20代後半の方には現れず、30代前半の方に顕著に出ています(32)。そして避難区域の大部分が逃げ遅れた旧計画的避難区域である飯舘村、川俣町、葛尾村では女の子が多く生まれています。通常は男の子が多く生まれるので異常な事です(33)。放射縁影響研究所は広島・長崎で遺伝的異常が生じていない根拠に、自然死産の上昇や出生性比(生まれてて来る赤ちゃんの男女の割合)に異常がない事をあげています(34)。福島ではこれが成立していないので、福島では遺伝的な異常が生じる可能性があります。民主党政権下で遺伝子の異常を調査する福島ゲノム計画が立案されたのですが、いつの間にかうやむやになっています(35)。
 以上を纏めると福島および福島産は
 ①福島原発事故直後に検査結果が低く出る検査機関に食品検査が移された。
 ②放射線量が低く出るように測定器の人為的操作が加えられた。
 ③平均寿命が偽装された。
 ④出生の異常があり、遺伝的影響が懸念されるが従前に計画されていた遺伝子調査は実施された形跡がない。
などです。そして今回の福島甲状腺検査の見直しです。
 これでは福島の皆様は心配だと思います。福島の日本酒は4年連続で日本一だそうです(37)。(=^・^=)は放射線で変質しためだと思っています(36)。福島県は福島産日本酒のPRに努めています(38)。8月5日~7日まで、福島県福島市のスーパーで福島県はおいしいふくしまいただきますキャペーンを開いたそうです(39)。初日には福島県知事も行かれました(40)。でも、キャンペーンが終わればなんの効果も無いようです。キャンペーンが行われた福島県福島市のスーパーのチラシには福島産日本酒はありません。
他県産はあっても福島産日本酒が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(41)を引用
 図―7 福島産乳*が無い福島県*のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食たり飲んだりしません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)甲状腺検査見直し議論へ 県民健康調査検討委、対象者縮小も視野:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(2)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
(3)「福島の甲状腺がん50倍」論文に専門家が騒がないわけ(上) ? Global Energy Policy Research
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺本格調査57人―放射線量の高・低の地域で罹患率に4倍近い差-
(5)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(6)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の「当日配布資料 」
(7)第23回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成28年6月6日)の資料について - 福島県ホームページ
(8)福島原発事故「がん無関係」に反論 神戸の医師が論考発表 2015/7/25 07:02 神戸新聞
(9)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(10)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(11)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(12)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(13)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(14)第20回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年8月31日)について - 福島県ホームページ中の「 資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要【確定版】 [PDFファイル/1.36MB]」
(15)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(16)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(17)有意 - Wikipedia
(18)ヨウ素剤 - Wikipedia
(19)【ヨウ素剤配布】国指示前に避難拡大 いわき、三春 独自決断 | 東日本大震災 | 福島民報
(20)政府事故調査委員会ヒアリング記録 - 内閣官房中の「工藤 浩之 三春町保健福祉課 課長 」
(21)福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-を8月8日に閲覧
(22)平成28年3月10日 安倍内閣総理大臣記者会見 | 平成28年 | 総理の演説・記者会見など | 記者会見 | 首相官邸ホームページ
(23)めげ猫「タマ」の日記 福島県域を復興しないと役人は失業する。
(24)報道発表資料 |厚生労働省
(25)めげ猫「タマ」の日記 福島県が公表した食品の「モニタリング検査映像(ビデオ)」はねつ造?
(26)農林水産部 - 福島県ホームページ
(27)放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉用牛について - 埼玉県
(28)めげ猫「タマ」の日記 福島市の放射線量激減―測定器をいじっただけ―
(29)めげ猫「タマ」の日記 福島モニタリングポストは放射線量の低い場所にある
(30)めげ猫「タマ」の日記 平均寿命を偽装する福島県(2011年)
(31)めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍
(32)福島第一原発事故報告―健康被害
(33)めげ猫「タマ」の日記 女の子しか生まれない2016年6月の福島県葛尾村
(34)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所
(35)めげ猫「タマ」の日記 とうなった?福島ゲノム調査
(36)祝!!4連覇 平成27酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞蔵数 日本一!! | 福島県酒造協同組合
(37)めげ猫「タマ」の日記 福島産新酒4年連続日本一、放射線で変質、安全なの?
(38)4年連続日本一「ふくしまの酒」 7月28、29日新橋でPR | おでかけ | 福島民報
(39)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーンの開催について(8月5日~7日) | ふくしま 新発売。
(40)福島県産食材の魅力PR イオン県内5店 | 県内ニュース | 福島民報
(41)イオン福島店
スポンサーサイト
  1. 2016/08/08(月) 19:44:16|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<福島県葛尾村避難指示解除2ヵ月、戻ったのは25人 | ホーム | 福島第一汚染水(8月1週)―サブドレン排水で全ベータ濃度上昇?―>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1893-6cc90d13
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)